満点ライドから涙の初優勝までドラマが生まれたS.LEAGUE最終戦

2025.04.24
©︎S.LEAGUE
text by 水野 亜彩子 / Asako Mizuno, 写真提供: S.LEAGUE

2025年4月16日から19日の4日間、さわかみS.LEAGUE24-25 最終戦GRAND FINALSが東京五輪の会場にもなった千葉県長生郡一宮町釣ヶ崎海岸(通称:志田下ポイント)で開催された。
今大会は、ショートボード、ロングボード、マスターズに加え、ボディーボードの特別戦も実施され、多彩なカテゴリーが繰り広げられる豪華な舞台となった。

ショートボード女子は、今大会を待たずして中塩佳那が初代S.LEAGUE チャンピオンに決定。ロングボードは浜瀬海田岡なつみがすでにS.LEAGUEチャンピオンに確定しており、GRAND FINALSではショートボード男子とマスターズクラスのS.LESGUE初代チャンピオンが確定する。
さらに、来季からS.LEAGUEは、「S1(1部)」と「S2(2部)」の2部制に移行。今シーズンのランキングで翌シーズンの所属リーグを左右する重要な1戦になる。

波の方は大会初日は肩から頭サイズの波が押し寄せていたが、日が進むにつれて徐々に落ち着き、波数の少ないコンディションへ。
選手たちはその変化に対応すべく、小波用のサーフボードに切り替えるなど細やかな調整を重ねながら熱戦を繰り広げた。

悲願の優勝を勝ち取った塚本勇太

塚本勇太 ©︎S.LEAGUE

ショートメンズのファイナルは塚本勇太古川海夕の対決に。
塚本勇太はこれまでのヒート、点数が狙える良い波をじっくり待つスタイルで試合に挑み、残り時間がわずかという場面で見事な演技を披露し、逆転で決勝まで勝ち上がってきた。
ファイナルでも、古川海夕が積極的に波に乗ってスコアを重ねるのに対し、塚本勇太は波を厳選する戦法を貫く。
後半に入ったところで、塚本勇太がエクセレントスコアとなる8.00ポイントをマークし逆転。古川海夕は優勝に必要な9.00ポイントを追い求める展開に。
そのまま試合は終了し、塚本勇太が悲願の初優勝。
試合終了後には感極まって男泣きを見せた。

稲葉玲王と喜びを分かち合う塚本勇太 ©︎S.LEAGUE

古川海夕 ©︎S.LEAGUE

安定した試合運びで野中美波が優勝

野中美波 ©︎S.LEAGUE

ショートウィメンズのファイナルは野中美波川合美乃里の戦いに。
川合美乃里は1本目に6.00ポイントをマークし、バックアップを4.60ポイントと揃える。
一方の、野中美波は徐々にスコアを伸ばす試合運びで、5本目に6.75ポイントをスコア。さらに終盤には7.25ポイントを叩き出し、自らのハイスコアを塗り替え、見事優勝を飾った。

野中美波 ©︎S.LEAGUE

川合美乃里 ©︎S.LEAGUE

マスターズ優勝とS.LEAGUEチャンピオンを手に入れた牛越峰統

牛越峰統 ©︎S.LEAGUE

マスターズ決勝は牛越峰統今村厚佐藤千尋山田桂司の4名によるヒートとなった。
この決勝で2位以上に入ればS.LEAGUEチャンピオンが確定する今村厚は序盤から積極的にスコアを重ねリードを広げる。
しかし、牛越峰統が8.50ポイントをスコアし一気にトップへ浮上。そのままリードを守り切り、見事GRAND FINALS優勝とS.LEAGUE初代チャンピオンの座を手に入れた。

牛越峰統 ©︎S.LEAGUE

森大騎が圧巻の“満点”パフォーマンス!

森大騎 ©︎S.LEAGUE

ロングボードメンズファイナルは森大騎と初ファイナル進出を果たした西崎公彦の戦いとなった。
ファイナル序盤、西崎公彦が積極的に波にアプローチをしていく。 一方の森大騎は波をじっくり見極めながらチャンスを待つ展開に。
そして迎えた2本目、完璧なラインディングでパーフェクトスコアの10.00ポイントを叩き出す。勢いに乗った森大騎は、3本目に掴んだ波でも再びパーフェクト10.00ポイントをスコアし、なんと満点の20ポイントをスコアする。
西崎公彦も、9.00ポイントをスコアし健闘を見せるが、試合は終了。
見事、森大騎が最高の形で優勝を飾った。

西崎公彦 ©︎S.LEAGUE

森大騎 ©︎S.LEAGUE

吉川広夏が涙の優勝

吉川広夏 ©︎S.LEAGUE

ロングボードウィメンズのファイナルは吉川広夏田岡なつみのマッチアップとなった。
吉川広夏が序盤にエクセレントスコアとなる8.25ポイントをマーク。一方、田岡なつみは小波ながら形の良い波をキャッチし6.75ポイントをスコア。さらに後半には9.00ポイントを叩き出し、逆転を狙う。しかし吉川広夏も終盤に8.15ポイントを出し、バックアップを塗り替え、田岡なつみが逆転するために必要なスコアが7.4ポイントに差を広げる。田岡なつみは残りわずかのところで波をキャッチしたが、6.65ポイントとわずかに届かず。
吉川広夏が見事、S.LEAGUE最終戦で優勝を果たした。

田岡なつみ ©︎S.LEAGUE

吉川広夏 ©︎S.LEAGUE

ボディーボード特別戦も白熱した戦いに

粂総一郎 ©︎S.LEAGUE

ボディーボードの特別戦はJPBAランキング上位7名とアマチュア1名で行われた。
メンズは2024年度のグランドチャンピオンに輝いた、粂総一郎が最後の1本で逆転し優勝に輝いた。
一方、ウィメンズは我孫子咲良がプロ初優勝を飾った。

我孫子咲良 ©︎S.LEAGUE

粂総一郎 ©︎S.LEAGUE

ショートボード男子初代S.LEAGUEチャンピオンは稲葉玲王

稲葉玲王 ©︎S.LEAGUE

S.LEAGUEチャンピオン争いをしていた小林桂がR2で敗退し、残るは稲葉玲王西優司に。
稲葉玲王はR3で敗退し、西優司が優勝すればS.LEAGUEチャンピオンの可能性が残る状況。
しかし、西優司はQFで塚本勇太に敗れ、稲葉玲王が見事初代S.LEAGUEチャンピオンを獲得した。

来シーズンは6月からスタート!

©︎S.LEAGUE

S.LEAGUE25-26ツアーは2部リーグ制に分かれて開催。
S2 TOURは6月19日から21日にS.LEAGUE 井戸野浜海岸でスタート。マスターズのトライアルも同時開催で行われる予定。
S1 TOURの開幕戦は7月10日から13日に北海道勇払郡厚真町の浜厚真ポイントで開催。
来シーズンのS.LEAGUEにも注目!

GRAND FINALS結果

《ショートボード男子》
優勝:塚本勇太
2位:古川海夕
3位:和氣匠太朗大原洋人  

《ショートボード女子》
優勝:野中美波
2位:川合美乃里
3位:中塩佳那川瀬心那

《ショートボードマスターズ》
優勝:牛越峰統
2位:今村厚
3位:山田桂司
4位:佐藤千尋

《ロングボード男子》
優勝:森大騎
2位:西崎公彦
3位:堀井哲中山祐樹

《ロングボード女子》
優勝:吉川広夏
2位:田岡なつみ
3位:菅谷裕美小林恵理子

《ボディーボード男子》
優勝:粂総一郎
2位:加藤優来
3位:近藤義忠
4位:蛭間拓斗

《ボディーボード女子》
優勝:我孫子咲良
2位:山下海果
3位:相田桃
4位:大木咲桜

執筆者について
FINEPLAY編集部
FINEPLAY は世界中のサーフィン、ダンス、ウェイクボード、スケートボード、スノーボード、フリースタイル、クライミングなどストリート・アクションスポーツに関する情報を発信するスポーツメディアです。
ピックアップフォト
アクセスランキング
FINEPLAY
アクションスポーツ・ストリートカルチャー総合メディア

FINEPLAYはアクションスポーツ・ストリートカルチャーに特化した総合ニュースメディアです。2013年9月より運営を開始し、世界中のサーフィン、ダンス、ウェイクボード、スケートボード、スノーボード、クライミング、パルクール、フリースタイルなどストリート・アクションスポーツを中心としたアスリート・プロダクト・イベント・カルチャー情報を提供しています。

アクションスポーツ・ストリートカルチャーの映像コンテンツやニュースを通して、ストリート・アクションスポーツの魅力を沢山の人へ伝えていきます。

イベントスケジュール

●今日 ○イベント開催日

ピックアップフォト
編集部おすすめ記事
アクセスランキング
FINEPLAY
アクションスポーツ・ストリートカルチャー総合メディア

FINEPLAYはアクションスポーツ・ストリートカルチャーに特化した総合ニュースメディアです。2013年9月より運営を開始し、世界中のサーフィン、ダンス、ウェイクボード、スケートボード、スノーボード、クライミング、パルクール、フリースタイルなどストリート・アクションスポーツを中心としたアスリート・プロダクト・イベント・カルチャー情報を提供しています。

アクションスポーツ・ストリートカルチャーの映像コンテンツやニュースを通して、ストリート・アクションスポーツの魅力を沢山の人へ伝えていきます。

配信先メディア一覧