約70,000人が横浜赤レンガ倉庫でアーバンスポーツに触れた2日間「YOKOHAMA URBAN SPORTS FESTIVAL ’25」〜DAY 1 アフターレポート〜

2025.11.21
photograph by Jason Halayko, Yoshio Yoshida, Hama Show, Ryo Nagatomo/YUSF

神奈川県内人気観光地である横浜赤レンガ倉庫にて行われる、日本最大級のアーバンスポーツの祭典「YOKOHAMA URBAN SPORTS FESTIVAL ’25」が11月15日(土)〜16日(日)にわたり開催され、アーバンスポーツ競技とそのスポーツの原点とも言えるストリートカルチャーが一堂に会し、「観る・体験する・楽しむ」要素が満載のスポーツフェスティバルコンテンツが今年も実施された。

今年で4度目の開催となった「YOKOHAMA URBAN SPORTS FESTIVAL」。今回のイベントではストリートカルチャーとの親和性の高いアメリカンフードを取り揃えた「ALL AMERICAN FOOD FESTIVAL’25」も同時開催され、来場者が実際に肌で体感できるストリートカルチャーやアーバンスポーツのコンテンツが更にグレードアップ。なんと2日間の合計70,000人過去最大の来場者数を記録するほどの大盛況で幕を閉じた。

会場の様子
photograph by Yoshio Yoshida/YUSF

イベント初日となった11月15日は、朝方は冬並みの寒さで冷え込んでいたものの、日中は汗ばむくらいで上着を脱いでコンテンツを周る来場者も見られ、プレイヤーたちから湧き出る熱気で観客が一緒になって盛り上がり、初日からストリートカルチャーとアーバンスポーツを老若男女が全身で楽しんだイベントとなった。

以下は競技コンテンツの決勝を含めて会場を盛り上げたDay1の様子だ。

イベントの様子

世界最高峰のトリックが飛び出したスケートボードジャムセッション「SKATEARK “G-SHOCK presents ULTIMATE TOUGHNESS”」

G-SHOCK presents ULTIMATE TOUGHNESS
photograph by Jason Halayko/YUSF

初日の11月15日(日)にはスケートボードの大会である「SKATEARK」内で開催された「G-SHOCK presents ULTIMATE TOUGHNESS」が行われた。本戦のSKATEARKとは別に開催された本イベントは、15分間のリミットの中で限界を超えるトリックをメイクしジャッジを驚かせたライダーが勝者となるフォーマット。

またユニークなのは、SKATEARKにエントリーしていないライダーも参加可能で年齢や性別も問わないという部分で、本当の意味でのジャムセッションとなった。なおこのコンテンツにのみパリ五輪4位の白井空良や日本選手権王者の織田夢海が急遽参加するなど、注目のキッズライダーから世界最高峰のライダーまで約40名が一堂に会し、15分という短い時間の中で各々のベストトリックにチャレンジした。

池慧野巨の「ノーリー360フリップtoバックサイドノーズスライドビッグスピンアウト」
photograph by Jason Halayko/YUSF

無料で参加できる上に優勝賞金が10万円ということに各ライダーが限界を超えるトリックにトライ。世界ランキング上位勢が多く参加する中で見事頂点に立ったのは池 慧野巨。大会も中盤に差し掛かる中で「ノーリー360フリップtoバックサイドノーズスライドビッグスピンアウト」という超高難易度トリックをメイクすると、それを見ていたライダーや観客を含め会場は歓声に包まれた。まさにこの日最高のベストトリックに愕然とするライダーも少なくなく、その後このベストトリックを上回るものは見られず、池が10万円と副賞のG-SHOCKの腕時計を勝ち取った。

何より世界大会でも最高得点が付くようなこのトリックのメイクはYUSFの会場のボルテージを一つも二つも引き上げるもので、このイベントの最大の盛り上がりの口火を切った瞬間であった。

優勝した池慧野巨
photograph by Jason Halayko/YUSF

フリースタイルバスケットボールとフリースタイルフットボールの2on2バトル「DRIVE OUT powered by WUU︕」はYu-ri & YOHが優勝!

優勝したYu-ri & YOH
photograph by Hama Show/YUSF

フリースタイルフットボールだけではなくフリースタイルバスケットボールも加えた2on2の大会「DRIVE OUT」も開催。こちらは初の開催となり、日本一のフリースタイラーコンビを決めるべく多くのプレイヤーが横浜へと集まった。

Yu-riのパフォーマンス
photograph by Hama Show/YUSF

予選を勝ち抜いた7組とゲストバトラー1組によるトーナメントが行われた。フットボールとバスケットボールという2ジャンルが組み合わさった本大会は、それぞれの持ち味を生かしたルーティンやボールという共通の道具で戦う者同士ならではのやり取りが見られ、カルチャーの新たな可能性が垣間見えたバトル出会った。

YOHのパフォーマンス
photograph by Hama Show/YUSF

優勝を収めたのはゲストバトラーのYu-ri & YOHのコンビ。フットボールのシーンではおなじみのバトラーYu-riと、バスケにとどまらずダンスバトルなどでも結果を残すYOH。フットボールとバスケットボールそれぞれのカルチャー同士でのコンビが多かった中、混合で息の合ったルーティンで会場をロックし見事優勝を勝ち取った。

キッズたちが全身を使って究極の鬼ごっこバトルパルオニ JAPAN CUP 2025

パルオニJAPAN CUP 2025
photograph by Jason Halayko/YUSF

YUSF初日、今年も昨年同様に入り口近くの会場にて「パルオニ JAPAN CUP 2025」が開催。パルオニとは、キッズ用の障害物がおかれた指定エリアの中「追う側」「逃げる側」に分かれ、1対1の「20秒間の鬼ごっこ」を行う「鬼ごっこ」×「パルクール」を組み合わせた究極の鬼ごっこスポーツ。競技。障害物を利用しつつ頭を使いながら動き続けなければならない、まさに究極の鬼ごっこスポーツ。今大会ではU-9部門、U-12部門がそれぞれ行われた。

パルオニJAPAN CUP 2025
photograph by Jason Halayko/YUSF

どちらのカテゴリーもトーナメント初戦から白熱した戦いが見られた。障害物をうまく利用した立ち回りや自身の特徴を生かした戦い方を含めて、俊敏性だけでなく、障害物の使い方や立ち回りなど戦略性も問われる競技性が見受けられ、ただの鬼ごっこではない「パルオニ」という競技の奥深さが伝わってきた。U-9部門ではシュンが優勝。U-12部門ではソウキが優勝。小学生ながら勝ち気に満ちた選手が多く、負けて涙する子も見られるなど、熱量の高い大会となった。

U-9部門 表彰メンバー
photograph by Jason Halayko/YUSF
U-12部門 表彰メンバー
photograph by Jason Halayko/YUSF

バイクトライアルとパルクールのスペシャルコラボ「BIKE TRIAL」

バイクトライアルとパルクールのコラボデモの様子
photograph by Jason Halayko/YUSF

今回も昨年同様に2日間にわたり開催され多くの観客の目を釘付けにしたのが、モーターバイクのライディングテクニックの正確性と、ライダーとマシンの信頼関係を競う競技である「BIKE TRIAL」のデモラン。本企画は会場内の特設セクションにて行われ、全日本トライアル史上最多タイトルを持つ小川友幸選手がプロデュース。今回もパルクールアスリートのTaishi共に国内唯一のコラボデモを披露した。

バイクトライアルの様子
photograph by Jason Halayko/YUSF

なお今年特設セッションではグラフィックアーティストのWOODによりストリート仕様にペイントされたセクションを使いながら、先日のCity Trial Japanを制した黒川健一選手と2024年全日本トライアル選手権 IASクラス 7位の武田呼人選手が、90度近い急斜面や8段ステアなど難度の高い区画が連続するセクションをいとも簡単に飛び移ってみせた。さらにはパルクールアスリートのTaishiとの連携によりセクション飛び移りやハイジャンプなど迫力ある合同パフォーマンスを披露し会場を沸かす。

バイクトライアルの様子
photograph by Jason Halayko/YUSF

実際にそのハイレベルで豪快なパフォーマンスを目の前に、来場者たちは演技開始とともに大勢が集まり、歓声と拍手が絶えない盛り上がりを見せた。

たった一枚のFinalへの切符を掴み取れ!学生ダブルダッチの頂点を決める戦い「DOUBLE DUTCH ONE’S – STUDENTS EDITION 2 –

優勝したTAIYO
photograph by Jason Halayko/YUSF

大学生限定の特別ステージ「DOUBLE DUTCH ONE’S – STUDENTS EDITION 2 –」が YUSF DAY1 で開催された。

予選は本戦進出者の行方がまったく読めないほどの激戦となり、序盤から会場は緊張感と熱気に包まれた。勢いをそのまま引き継いだ本戦では、同期同士の意地のぶつかり合いや、勢いある新入生の躍進など、大学生シーンならではのドラマが次々と展開。世代が近いからこそ生まれる独特の熱さと空気感が、ステージ全体を強烈に盛り上げた。

白熱した本戦を勝ち抜き、決勝へと進んだのは、高校時代にすでにファイナリストとして名を刻んだTAIYOと、ONE’Sのみならずパフォーマンスなど多方面で大学生シーンを牽引してきたKOKOROの2人。

TAIYOのパフォーマンス
photograph by Jason Halayko/YUSF

音の取り方と使い方の巧さが際立つTAIYOは、立ちの振りからフロアムーブまで幅広い動きを使いこなし、その高い身体能力と表現力を見せつけた。一方のKOKOROは、空間を大きく使ったダンスで魅せ、しなやかさと迫力を併せ持つ動きで観客を引き込んだ。異なるスタイルをぶつけ合う2人の決勝は、最後まで汗握る戦いとなった。そして会場の熱が最高潮に達する中、勝利をつかんだのはTAIYO。見事、学生 No.1 の座を手にした。

決勝戦後のTAIYOとKOKORO
photograph by Jason Halayko/YUSF

DAY1 を通して、大学生プレイヤーたちの勢いと可能性、そして大学生シーン特有の熱量が存分に表れた1日となった。

学生の本気!ブレイキン大学No.1を決める、大学対抗CREW BATTLE「KING OF COLLEGE 2025 ~秋の陣~」

優勝した東洋大学「スノーダンサー」
photograph by Jason Halayko/YUSF

YUSF DAY1では、大学ブレイキン No.1 を決める大学対抗CREW BATTLE「KING OF COLLEGE 2025 ~秋の陣~」 が初開催された。本大会は、毎年3月に行われてきた人気シリーズ「KING OF COLLEGE」の特別版で、優勝チームには本戦へのシード権が与えられることもあり、どの大学も本気度が高さが見られた。

当日実施された予選を勝ち抜いた8チームが集結。序盤から各大学が個性あふれるルーティンと勢いを見せつけ、観客席からは大きな歓声が上がった。

東洋大学「スノーダンサー」のパフォーマンス
photograph by Jason Halayko/YUSF

白熱したバトルを勝ち上がり、決勝に駒を進めたのは、法政大学「強制天空」と東洋大学「スノーダンサー」。強制天空は、個々のスキルの高さや全員でのルーティンからソロへのつなぎ方、構成力など、チームとしての完成度が非常に高く、見ていて圧倒される場面が多かった。一方、スノーダンサーは突如始まるルーティンなど、誰も次の展開を予測できないサプライズなパフォーマンスで会場を沸かせた。

そんな両者の対決の勝利を手にしたのは東洋大学「スノーダンサー」。ハンズアップでの発表の瞬間、会場全体が緊張に包まれ、観る者も思わずドキドキさせられる瞬間となった。

優勝した東洋大学「スノーダンサー」の勝ち名乗り
photograph by Jason Halayko/YUSF

学生ブレイキンシーンの勢いを存分に示したDAY1。“秋の陣”は、3月本戦への期待をさらに膨らませる大会となった。

気になったアーバンスポーツをその日から始められる「アーバンスポーツ体験会」

ダブルダッチ体験会
photograph by Hama Show/YUSF

国内最高レベルのアーバンスポーツを観て、「やってみたい!」と思った時からチャレンジできるように設けられたのが各アーバンスポーツの体験会。実際にプロや講師の方から手取り足取り学べ、楽しく体験できるコンテンツとして開催時間内は子どもから大人まで参加者の列は途切れず一日通して様々なアーバンスポーツに触れて楽しめる機会となった。

スケートボード体験会
photograph by Jason Halayko/YUSF

そして今回の体験会コンテンツで初めて設けられたのが車いすバスケ体験会。U23世界選手権優勝経験を持つ渡辺将斗選手山下修司選手といったトッププレイヤーが直接指導。初心者でもどんな方でも体験できる本コンテンツでは、老若男女問わず車いすに乗ってドリブルやシュートに挑戦した。チャレンジ成功でプレゼントをもらえることもあり一生懸命シュートに挑戦する参加者たちの姿も印象的でインクルーシブなスポーツ体験も楽しむことができた。

車いすバスケ体験会
photograph by Jason Halayko/YUSF

様々なアーバンスポーツの大会観戦はもちろんのこと、気になったスポーツをその場で体験できる機会を提供した本イベント。スポーツとしての楽しみを知る上で競技へ興味を持つ子どもたちも増えることが見込まれる。各アーバンスポーツの未来の日本代表がここから生まれていく可能性も大いにあるので今後が楽しみだ。

協賛ブースエリアとカルチャーマーケットでは、本イベントならでは買い物や体験が!

カルチャーマーケットの様子
photograph by Ryo Nagatomo /YUSF

協賛ブースエリアとカルチャーマーケットはとても幅広く、飲料水やコーヒー、ビールなどをその場で試飲できる“お試し”ブースが並び、来場者は気軽に立ち寄って味わいながら商品を知ることができるなど、イベントならではの体験が広がっていた。

ボートレースVR体験ブース
photograph by Ryo Nagatomo /YUSF

さらにボートレースをVRで体感できるブースやベイブレードのバトル体験コーナーなど、動きのある体験型コンテンツも充実。普段ではなかなかできない体験に子ども同士はもちろんのこと親子で楽しむ姿も見られ、年齢隔てなく大人も一緒になり楽しんだ。

カルチャーマーケットの様子
photograph by Ryo Nagatomo /YUSF

また、ストリートファッションのワンポイントにもなる帽子などを販売するショップブースもあり、買い物を楽しむ来場者の姿も見られた。どのブースも絶えず人が行き交い、イベント全体ににぎやかな雰囲気を生み出していた。

熱いDAY1を締め括ったのは「GROOVING HARBOR NIGHT」

GROOVING HARBOR NIGHT
photograph by Ryo Nagatomo /YUSF

既に様々なコンテンツが盛りだくさんで大盛り上がりとなったDAY1を締め括ったのが、YUSF ’25の会場からほど近くの商業施設「MARINE&WALK YOKOHAMA」で一夜限定でコラボレーションしたDJイベント「GROOVING HARBOR NIGHT」

GROOVING HARBOR NIGHT
photograph by Ryo Nagatomo /YUSF

Red Bullプロデュースによる一夜限定のラウンジが登場し、「GROOVING HARBOR NIGHT」出演予定のDJによるパフォーマンスを楽しめるほか、Red Bullをはじめとした各種ドリンク、そして「MARINE&WALK YOKOHAMA」のテナントが出店するフードやアルコールなども楽しみながら、来場者は音楽に身体を揺らしDAY1を楽しみ切り、DAY2に向けてボルテージを高めていた。

DAY2では多くの競技コンテンツにて決勝があり、日本国内はもちろんのこと世界最高峰レベルの戦いが繰り広げられるため、そこに向けても大いに期待を高めたDAY1となった。

イベント概要

開催名称:YOKOHAMA URBAN SPORTS FESTIVAL ʼ25(略称 YUSF ʼ25)
会場:横浜赤レンガ倉庫イベント広場・赤レンガパーク(神奈川県横浜市中区新港1-1)
日時:2025年11月15日(土)・16日(日)11:00~20:00
入場料:無料 ※飲食や物販代金は別途必要。一部、有料の体験コンテンツあり。
主催:YOKOHAMA URBAN SPORTS FESTIVAL ʼ25 実行委員会(株式会社横浜赤レンガ/ 明治商工株式会社/ 株式会社ローソンエンタテインメント/ 株式会社ゼータ)
共催:横浜市にぎわいスポーツ文化局
協力:一般社団法人ARK LEAGUE / 有限会社OVER THUMPZ / 株式会社IAM / 株式会社トリデンテ / 株式会社HANDOFF / 日本フリースタイルフットボール連盟 / 一般社団法人パルクール鬼ごっこ協会 / レッドブル・ジャパン株式会社
メディア協力:スカイA / FINEPLAY
協賛:三菱商事都市開発株式会社/ 本田技研工業株式会社/ サミー株式会社/ BOATRACE振興会/ THYM株式会社/ 株式会社竹中工務店/ MEMORY株式会社/ 学校法人岩崎学園

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