「日本のガールズシーンをもっと盛り上げたい」弱冠15歳の全日本チャンピオン、高校生BMXライダー内藤寧々の等身大の姿

2021.11.15
interview&edit by 畠山大樹/photograph by Kazuki Murata

​​2021年9月に行われたBMXフリースタイル全日本選手権パーク種目にて優勝し、弱冠15歳で全日本チャンピオンとなった内藤寧々。そんな次世代のホープで今大注目の彼女の今後の目標からオフの姿まで15歳の高校1年生ならではの等身大の姿に迫った。

競技歴はわずか5年、日本ガールズシーンの逸材を魅了したBMXとの出会い。

– BMXを始めたのは何歳からですか?

小学6年生の時です。地元の辻堂海浜公園で行われていたイベントでBMXショーがあり、そこで初めて自転車でダイナミックなトリックやジャンプをしているところを目の当たりにして衝撃を受けて、「かっこいい!私もやってみたい!」と思ってBMXをはじめました。

実際にBMXを始めてみて寧々さんの思うBMXの魅力ってどんなところですか?

まずBMXという自転車自体がとにかくかっこいいです。自分の好きなパーツと色でカスタムできるのでいくらでもこだわれるところも楽しいです。

寧々さんのバイクでも気に入っているパーツとかこだわりはありますか?

はい。私は初めてからずっとクローム(メッキ)色のBMXに乗ってきているので、この色が好きでマイカラーですね。セッティングには特にこだわりはなくて自分が乗りやすく感じられたらベストコンディションです。たまにパーツが少し壊れていても気づかずに乗っちゃっていることもあります(笑)

BMXという競技としての魅力はどんなところだと思いますか?

競技としてはやっぱり色々なトリックを必要とするので、トリック練習中に転ぶことも多くてよく怪我もするので怖いですけど、その困難を乗り越えた先でトリックがメイクできた時の達成感とか嬉しさを感じられるのがBMXならではの魅力かなと思います。

そんな寧々さんのライディングの中でトリック時に気にかけていることはありますか?

どんなトリックをメイクする時でも、着地はジャンプのバックサイド(下りる面)に合わせることは常に意識しています。私たちの中では「面ピタ」って言います。綺麗に着地できた方がポイントも高いですし、スピードが乗るので次のトリックがメイクしやすくなります。

全日本選手権優勝を叶えた練習環境とローカルの仲間たちの存在

普段はどのくらい練習していますか?

ほぼ毎日乗っています。今は日本代表強化育成選手なのでこのコロナ禍の中でも毎月2回くらい4日間ほど岡山で合宿があります。それ以外に地元にいる時は鵠沼で乗ったり、たまに違うパークへ遠征したりしています。

鵠沼スケートパークには日本トップの若手ライダーが多いですよね。一緒に練習していますか?

はい。ジョージ(溝垣丈司選手)とかコタロウ(貝瀬鼓太郎選手)とは一緒に練習することは多いです。私と年齢が近いですが、彼らは自分よりも何倍も上手い選手たちなので、走りを見て真似させてもらうことは多いです。トリックでも自分がメイクに苦戦している時はコツを聞いたりして自分の練習に活かしています。

実際どういう形で活かされていると感じますか?

トリックは何回も何回も繰り返してできるようにならないと、大会の緊張感の中ではメイクできないので練習する中で彼らからコツを聞いたり真似できることはメイク率を上げるためにとても役立っていると感じます。

日々たくさん練習されていると思いますが、今までで一番辛かった経験を聞かせてもらえますか?

2019年にあった中国の世界大会へ出発する3日前に大きなクラッシュをしてしまったことですね。結構高いセクションから転倒して頭を打ち意識を失うほどの大怪我でした。その時は大会への参加がかなり厳しい状態だったのですが、とても楽しみにしていた大会だったのでそんな状況の中でも行くことにしたんです。

そんな状況でも行かれたんですね。ライディングに変化はありましたか?

はい。実際に現地へ行って大会のパークでライディングしてみたら、数日間乗らなかっただけで筋肉も落ちていて足に力が入らない状態でした。予定していたトリックも全然決まらず焦りもあったので練習できるタイミングを見てはとにかくひたすら乗りました。

それは精神的にも肉体的も辛い時間でしたよね。

辛かったです。また中国での大会だったので、言葉も分からずいつが練習時間なのかも分からない状態だったので、パークがオープンしていて走れそうな時は男子に混ざりながらも、自分の感覚を3日間の練習期間で取り戻そうと必死に練習しました

その短い練習期間の中でどれくらい取り戻せたんですか?

結果としては2位で表彰台には乗れたので少しほっとしましたが、本来予定していた走りは全然できなかったので、自分の力を発揮できずとても苦しく悔しい大会でした。

そんな辛い経験も乗り越えて、今年は初めてのエリートカテゴリーで全日本選手権優勝しましたね。今回勝つことができた秘訣や準備してきたことはありましたか?

大会4日前まで岡山のLIGHTパークで1週間合宿をしてみっちり練習しました。(LIGHTパークが)鵠沼よりセクションが大きいので、大会に近い環境でトリック練習をしながらセクションのサイズ感にも慣れることができたことが今回の結果に繋がった理由の一つなのかなと思います。

女子エリート1年目で全日本選手権優勝した内藤寧々(左)
photo by Naoki Gaman / Japan Cycling Federation

トリックで大会のために用意した技やメイク率を上げるために取り組んだことはありましたか?

はい。クォーターセクションでエアターンして決める「テールウィップ」はメイク率を上げるために特に練習しました。全日本選手権の前に茨城で開催されたJapan Cupではメイクできず転倒してしまい悔しかったので、今回の全日本選手権では絶対成功させたいと思っていました。結果的に綺麗にメイクできたのでとても嬉しかったです。

メイク率を上げたエアターン・テールウィップ
photo by Naoki Gaman / Japan Cycling Federation

ちなみに現在取り組んでいる新トリックもあったりしますか?

今(2021年10月取材時)は無いです。次の大会が12月から11月の初めに早まったので、今はひたすらメイクできるトリックの完成度を上げるために練習しています。どんなトリックに次挑戦するのかは是非楽しみにしてもらえたらと思います!

15歳高校生のオフの姿

普段は高校生として学校にも通っていると思いますが学校の友達と遊んだりしますか?

私はBMXに専念するために通信制の高校に通っています。毎日学校に行くわけでは無いのであまり学校での友達はいないこともあってほとんど一緒に遊ぶことはないですね(笑)

同年代の友達だとBMXとか他のストリートスポーツをやっている友達が多いですか?

やっぱりBMXをやっている友達がほとんどです。あと1人とても仲の良いガールズスケーターで藤井雪凛(ふじいゆりん)ちゃんという子がいます。

その子とは私たちお互いが競技を始める前の小学生の頃からずっと仲良しで、私がBMXを始めた頃に彼女もスケートボードを始めました。家も近いしパークでもよく一緒になるので遊ぶことは多いです。一緒にいると気を使わず自然体でいられるし、お互いに世界を目指して頑張っているのでいつもとても良い刺激を受けています。

昔からの友達、スケーターの藤井雪凛さん(右)

BMXをしないオフの日はどのように過ごしていますか?

海が好きなので、お父さんと休みの日が重なる時は一緒にサーフィンしに行ったり、海の近くでやっているイベントに行ったりします。

好きなファッションやこだわりもありますか?

BMXに乗りながら何かおしゃれできないかは結構いろんなライダーと話したりするんですが、やっぱりトリックを練習していると転倒したり怪我したりするのでどうしてもプロテクターをしっかり付けられるような服装になってしまうのであまりバリエーションは無いですね(笑)

BMXに乗っていない時は好きな服を着たりしますか?

そうですね。普段はいつも練習をしているのであまりおしゃれはできないですが、好きな時に好きな服を着ている感じです。ファッション自体は好きなのでBMXに乗っている時とは結構違った一面をSNSとかで見てもらえたらなって思います。

今の高校生の中で流行っていることがあれば教えてください。

YoutuberとかTiktokerの話はよくBMXライダーの友達の中でもしますね。私たちの中で特に最近流行っているのは「コムドット」ていうYoutuberです。練習の合間とかオフの時間でみんなで見たりしています。このスポーツをやっているからかもしれないですが、私は男友達が圧倒的に多いので結構男の子に人気なYoutuberとかを見ることが多いです(笑)

今後の目標と彼女の目指す姿

日本の頂点に立ってみて感じる今のガールズシーンについて聞かせてもらえますか?

自分がBMX始めた頃に比べれば今ではかなり女子も人数が増えてきたのでとても嬉しいです。でもやっぱり男子の人数に比べるとまだまだ少ないのでもっと女子の人数が増えていくことで、女子のレベルが上がって高いレベルでみんなで競い合えたら更に楽しくなると思います。

私ももっとガールズライダーを増やしていけるようにBMXを広めて盛り上げて行きたいと思っています!

最後に今後の目標を聞かせてください!
まずは11月に開催される次のJapan Cupでも優勝して着実に結果を残していきながら、パリオリンピックに向けて実力を上げていきたいです。そして来年の世界大会では決勝に残ってオリンピアンたちと同じ土俵に立てるようになりたいです。

2024年のパリオリンピックでは日本代表として出場できるように頑張ります!!

内藤寧々プロフィール

2006年1月31日生まれ。神奈川県茅ヶ崎市出身のBMXライダー。小学6年生の時にBMXを始め数々のアマチュア大会で優勝を残し、今年2021年からエリートカテゴリーに初参戦。同年BMXフリースタイル全日本選手権パーク種目にて優勝し、若干15歳で日本一の座を手に入れた日本女子BMXフリースタイル界期待のホープ。女子選手唯一の日本代表強化育成選手に選出されパリオリンピック出場に向けトレーニングを続けている。スポンサーはNEW ERA 、モトクロスインターナショナル、Sunday Bikes、STRAYE、NIXON

執筆者について
Daiki Hatakeyama
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