全日本チャンピオンたちが圧巻の走り。男子エリートは中村輪夢が、女子エリートは内藤寧々が優勝 「マイナビJapan Cup第1戦」BMXフリースタイル パーク種目

2022.05.08
大会3連覇となった中村輪夢のラン
photograph by JFBF

「マイナビ Japan Cup 第1戦」BMXフリースタイル パーク種目が境町アーバンスポーツパーク(茨城県)にて、2022年5月3日(火)~5日(木)の3日間に渡り開催され、男子エリートは中村輪夢選手が、女子エリートでは内藤寧々選手が優勝を収めた。

今大会は2022年シーズン初戦ということもあり、全国から国内トップクラスの選手たちが集まりアマチュア含め全12カテゴリーに分かれ、どのクラスでも前年を上回るハイレベルな戦いとなった。

今回の会場となったのは境町アーバンスポーツパーク。日本初の国際基準の常設パークである当会場では昨年に引き続き2回目の大会開催となり、シーズン開幕戦にふさわしい環境の中で世界に照準を合わせる選手たちが新技に挑戦するなど、更に日本のBMXフリースタイル・パーク種目の競技レベルの向上も垣間見れた。

なお、今大会では引き続き新型コロナウィルスの感染症対策としてライダー及びライダー帯同者また大会関係者にはPCR検査が義務付けられたが、今回はコロナ禍に入ってからパーク種目では初の有観客での開催となり以前のような大会の賑わいを取り戻す様子も伺えた。合わせて大会の模様はJFBF公式Youtubeにて、リアルタイムで視聴可能なライブ放送も行われた。

以下は、今大会最注目のエリートクラス決勝の大会リポート。

2022年シーズン開幕戦は入賞者に新たな顔ぶれも。男子エリートは中村輪夢、女子エリートでは内藤寧々が優勝。

男子エリート決勝進出ライダー達
マイナビJapan Cup/©JFBF

男子エリートクラス決勝は、参加選手13名の中から予選を勝ち上がった上位8名にてよって争われ、選手年齢は14歳から32歳という若手からベテランまで日本のトップライダーたちが一堂に会し日本最高峰の戦いが繰り広げられた。

そんな戦いの中、圧倒的な強さで優勝したのは中村輪夢。先月開催された日本初上陸の「X GAMES CHIBA 2022」にも日本人唯一の招待選手として参加し、日本が世界に誇るトップライダーの一人でもある彼。

予選1位通過の勢いそのままにラン1本目はノーミスで高難度トリックの「720・キャンキャン」「バックフリップ・テールウィップ」を次々とメイクし84.20ptをマークして暫定1位へ。その後も他選手に得点を塗り替えられることはなくラン2本目を迎えた時点で優勝が確定。

2本目では観客に向けて勝利を喜びを表すように拳を高く突き上げたガッツポーズの「ワンハンド」をメイクするなどユーモア溢れるランを魅せた。なお今回の優勝により中村は大会3連覇を達成した。

空中でガッツポーズをする中村輪夢
マイナビJapan Cup/©JFBF

準優勝は今大会最年少でエリートカテゴリー初出場小澤楓。エリートの強豪達を相手に会心のライディングを見せ予選を中村に続き2位で通過。

決勝ラン1本目では「360・ダウンサイドテールウィップ  to バースピン」など高難度のトリックを次々にメイク。ラン終盤のトリック中にスリップダウンし足を着いたこともあり65.80ptで暫定4位となったが、ラン2本目ではミスを修正し小澤自身がメイクしたかった大技「バックフリップ・バースピン to タックノーハンド」をメイクし、得点を70.60ptに引き上げ本カテゴリー初出場で見事2位の座を勝ち取った。

今回、同カテゴリーに出場していたベテランのトップライダーである髙木聖雄も小澤が幼少期の頃から一緒にライディングしている先輩であったために小澤の2位入賞が確定した瞬間に一緒に喜ぶ姿も見られた。

小澤楓のトラックドライバー
マイナビJapan Cup/©JFBF

3位はジャンプの高さ、高難度のトリック、着地のクリーンさの全てを兼ね備える溝垣丈司。ラン1本目では「360・テールウィップ  to バースピン」「トリプル・トラックドライバー」を含む高難度トリックをメイク69.40ptをマーク。

更に得点を引き上げるべく挑んだ2本目では「トリプルバースピン」「バースピンtoタックノーハンド」で順調にトリックを繋いでいくも、挑戦した大技「360・テールウィップ to ダブルバースピン」が時間内に決められず結果的に69.40ptをベストスコアにし、2位を小澤に譲る形で3位となった。

しかし、時間外ではあったものの諦めきれず「360・テールウィップ to ダブルバースピン」にトライして見事メイクする姿は観客を魅了した。

溝垣丈司のタックノーハンド
マイナビJapan Cup/©JFBF

一方、女子エリートクラスは東京オリンピック2020日本代表の大池水杜を筆頭にベテランから若手を含めた4名で争われた。

女子エリート決勝進出メンバーの顔ぶれ
マイナビJapan Cup/©JFBF

今回、見事優勝を収めたのは現全日本チャンピオン内藤寧々。様々な種類のトリックを使いこなす内藤は、今大会でも彼女の代名詞的なトリックである「ワンフット・X-up to キャンキャン」や大技「バックフリップ」をメイク。

そして今回は彼女の新技である「540(ファイブ・フォーティー)」という横に1回転半するトリックをクオーターでメイクし、ラン1本目で73.80ptをマーク。そのままこの得点を守り切り開幕戦を優勝で終え今シーズンの好スタートを切った。

内藤寧々のルックバック
マイナビJapan Cup/©JFBF

準優勝は大会4連覇中の大池水杜。怪我の影響もありベストが尽くせない中での参加ではあったが各セクションでハイエアーや完成度の高い「ノーハンド」や「バースピン」などをメイク。また「タイヤグラブ to インバート」や「50-50」を交えスタイリッシュなライディングを魅せた。

惜しくも大会5連覇とはならなかったものの、今月末にはフランスで開催される国際大会に出場するとのことなので怪我から復帰した彼女のライディングに期待だ。

大池水杜のノーハンド
マイナビJapan Cup/©JFBF

3位佐藤孔怜。コース内セクションを大きく全体的に使うライディングが特徴的な彼女は「X-up」「ノーフット」をメイクし見事表彰台に上がった。高さやスピード感のあるライディングを目指す彼女の今後の成長にも期待したい。

佐藤孔怜のX-Up
マイナビJapan Cup/©JFBF

優勝者コメント

優勝した内藤寧々と中村輪夢
マイナビJapan Cup/©JFBF

 中村 輪夢 選手(男子エリートクラス)
「初戦で優勝できたのは嬉しいです。今月末にはフランスで国際大会があるのでそこでも優勝できるように頑張ります。
次のフランスの大会では今より1回り・2回り上のトリックを狙っているので、皆さんにも是非国内だけではなく海外の大会の方もチェックしてもらえたら嬉しいです。
まだまだ日本はオーストラリアやアメリカなどの海外と比べると劣っているので、いつかは日本が一番強い国になれるように僕も頑張ります。」

内藤 寧々 選手(女子エリートクラス)
「優勝できて嬉しいです。BMXに関わる皆さまのおかげでここまで成長することができました。これからも私たちBMXライダーとそうでない方も一緒にこのBMXを盛り上げていきたいです。」

大会結果

<男子エリート>
優勝: 中村 輪夢 (ナカムラ・リム) / 84.20pt
準優勝: 小澤 楓 (オザワ・カエデ) / 70.60pt
第3位: 溝垣 丈司 (ミゾガキ・ジョージ) / 69.40pt

左から溝垣、中村、小澤の順
マイナビJapan Cup/©JFBF

<女子エリート>
優勝: 内藤 寧々 (ナイトウ・ネネ) / 73.80pt
準優勝: 大池 水杜 (オオイケ・ミナト) / 61.90pt
第3位:  佐藤 孔怜 (サトウ・クレア) / 30.20 pt

左から佐藤、内藤、大池の順
マイナビJapan Cup/©JFBF

<キッズ4アンダー>
優勝: サカキバラ・カナタ / 71.40pt
準優勝: コジマ・ハル / 47.30pt

<キッズ5-6>
優勝: マスイ・チアキ / 82.40pt
準優勝: コジマ・ルカ / 66.64pt
第3位: コバヤシ・アラタ / 51.10pt

<ガールズ7-9>
優勝: ハマダ・ルル / 66.20pt
準優勝: イノウエ・アオイ / 61.50pt
第3位: シモムラ・アヤナ / 49.20pt

<ボーイズ7-8>
優勝: タカハシ・ヒサシ / 77.60pt
準優勝: サイキ・タスク / 64.20pt
第3位: タナカ   ケイ / 63.00pt

<ガールズ10-12>
優勝: ヨシダ・ミオ / 72.00pt
準優勝: シライ・レエナ / 69.60pt
第3位: コマツ・キラリ / 67.40pt

<30オーバー>
優勝: シモノ マサシ / 73.00pt

<ボーイズ9-10>
優勝: ニワ・コウキ / 75.00pt
準優勝: オゴケ・ユウト / 64.20pt
第3位: タムラ・コテツ / 59.80pt

<ボーイズ11-12>
優勝: マツウラ・アオウ / 77.60pt
準優勝: ハヤシ・ショウゴ / 68.00pt
第3位: オクダ・コタロウ/ 59.40pt

<女子13-15>
優勝: オザワ・ミハル / 80.00pt
準優勝: スギオ・サクラ / 65.40pt
第3位: ヤマモト・ユイカ/ 64.80pt

<男子13-15>
優勝: マツモト・ショア / 83.60pt
準優勝: シライ・レオン/ 69.70pt
第3位: イトウ・アクア / 66.00pt

大会概要

⼤会名称 : 「マイナビ Japan Cup」 第1戦
開催期間 : 2022年5月3日(火)~5日(木)- 3日間 –
※詳細は公式HPをご覧ください。
大会会場:境町アーバンスポーツパーク(茨城県)
主催: 一般社団法人 全日本フリースタイルBMX連盟(JFBF)
特別協賛:株式会社 マイナビ
出場選⼿:全8クラス(アマチュア含め) 計67名
男⼦エリート 13名・⼥⼦エリート 4名

執筆者について
FINEPLAY編集部
FINEPLAY は世界中のサーフィン、ダンス、BMX、FMX、スケートボード、スノーボード、クライミングなどストリート・アクションスポーツに関する情報を提供するWebマガジン
ピックアップフォト
アクセスランキング
FINEPLAY
アクションスポーツ・ストリートカルチャー総合メディア

FINEPLAYはアクションスポーツ・ストリートカルチャーに特化した総合ニュースメディアです。2013年9月より運営を開始し、世界中のサーフィン、ダンス、ウェイクボード、スケートボード、スノーボード、クライミング、パルクール、フリースタイルなどストリート・アクションスポーツを中心としたアスリート・プロダクト・イベント・カルチャー情報を提供しています。

アクションスポーツ・ストリートカルチャーの映像コンテンツやニュースを通して、ストリート・アクションスポーツの魅力を沢山の人へ伝えていきます。

直近のワークショップ
直近のワークショップはありません
イベントスケジュール
4月 2024
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30      
« 3月   5月 »

●今日 ○イベント開催日

ピックアップフォト
編集部おすすめ記事
アクセスランキング
FINEPLAY
アクションスポーツ・ストリートカルチャー総合メディア

FINEPLAYはアクションスポーツ・ストリートカルチャーに特化した総合ニュースメディアです。2013年9月より運営を開始し、世界中のサーフィン、ダンス、ウェイクボード、スケートボード、スノーボード、クライミング、パルクール、フリースタイルなどストリート・アクションスポーツを中心としたアスリート・プロダクト・イベント・カルチャー情報を提供しています。

アクションスポーツ・ストリートカルチャーの映像コンテンツやニュースを通して、ストリート・アクションスポーツの魅力を沢山の人へ伝えていきます。

配信先メディア一覧