絶対王者中村輪夢が大会4連覇、大池水杜がタイトル奪還「第6回全日本BMXフリースタイル選手権」パーク種目

2022.09.25
大会4連覇を成し遂げた中村輪夢
photograph by Naoki Gaman/Japan Cycling Federation

「第6回全日本BMXフリースタイル選手権」パーク種目が岡山県岡山市の下石井公園にて2022年9月16日(金)~17日(土)の2日間に渡り開催され、男子エリートでは中村輪夢選手が、女子エリートでは大池水杜選手が優勝し2022年の国内タイトルを獲得した。

今年の日本一を決めるこの大会には子どもから大人まで各カテゴリーのトップライダーたちが全国から集まり、自分たちが日々練習を積んで磨いてきたトリックを大勢の観客の前で披露しトップの座を目指して熾烈な戦いを繰り広げた。

今大会でも新型コロナウィルスの感染拡大防止対策は講じられたもののPCR検査は不要でかつ有観客試合での開催となった。またその戦いの模様は大会史上初、日本テレビでの地上波放送によりリアルタイムで配信された。

以下は、今大会男女エリートクラス決勝の大会レポート。

若手の追随許さず、全日本タイトルは絶対王者の手に。男子エリートは中村輪夢が、女子エリートは大池水杜が優勝。

男子エリートクラス決勝は12名で争われた。近年10代の若手選手が台頭する日本のBMXフリースタイル・パークシーンだが今回も多くの若手選手が決勝に進出した大会となった。台風14号の影響による降雨によりキッズカテゴリーが中断する場面もあったが、男子エリートカテゴリーは雨の影響なく無事に開催された。

中村輪夢のライディング
photograph by Naoki Gaman/Japan Cycling Federation

今回そんな若手選手たちを引き離し圧倒的な力を見せ優勝したのは中村輪夢。ラン1本目から超大技「バックフリップ・トリプルバースピン」「バックフリップテールウィップ」また「720・バースピン」をメイク。ミスのないパーフェクトランディングで89.25ptをマークし暫定1位の位置へ。

中村輪夢のライディング
photograph by Naoki Gaman/Japan Cycling Federation

その後、中村の1本目のスコアが塗り替えられることはなく2本目を迎える時点で優勝が確定。ウィニングランとなった2本目では途中でミスがあり転倒しランを終えるがそのまま1本目のスコアが採用される形で優勝となった。
今回の優勝により中村は全日本選手権4連覇及び自身5度目のタイトル獲得を収めた。

小澤楓のライディング
photograph by Naoki Gaman/Japan Cycling Federation

準優勝は今シーズンからエリートカテゴリーに出場し第1戦目では2位、第2戦目では優勝と絶好調の小澤楓。持ち前のコンビネーションの多さで様々なトリックを連発。その中でも「360・ダウンサイドテールウィップ」「バックフリップ・バースピン」の完成度の高さはMC陣も思わず声が大きくなるほどで観る者を魅了した。しかしトップスコアを72.62ptとして中村のスコアには届かず、小澤のエリートカテゴリー初の全日本選手権は2位という結果となった。

溝垣丈司のライディング
photograph by Naoki Gaman/Japan Cycling Federation

3位は先日のワールドカップ第2戦で日本人として中村に続き2人目のW杯準決勝進出者となった溝垣丈司。ラン1本目は「トリプルトラックドライバー」「トラックドライバー・トゥ・クロスアップ」など回転系のコンボトリックを組み込んだランを魅せた。また終盤にメイクした「360・ダブルテールウィップ」は観客を沸かせ、高難度のトリックをメイクする走りで70.75ptをマークした。ラン2本目でも高難度トリックを組み込んだハイレベルのランを魅せるも得点は1本目ほど伸びずそのまま1本目のスコアをトップスコアとし3位となった。

決勝進出者の3名
photograph by Naoki Gaman/Japan Cycling Federation

女子エリートクラス決勝は3名で争われ、今回は東京五輪2020日本代表の大池水杜や前年度全日本チャンピオンの内藤寧々も出場。

そんな日本一を決めるこの大会で見事優勝した大池水杜は、ラン1本目ではクリーンで全体的にまとまったライディングを魅せた。そのランの中で「タックノーハンド・トゥ・ターンダウン」や自身が苦手としていた「360」をメイクし69.75ptをマーク。

大池水杜のライディング
photograph by Naoki Gaman/Japan Cycling Federation

2本目では惜しくもミスが目立ち1本目ほどスコアを伸ばすことはできなかったが、1本目のスコアは塗り替えられることはなく念願のタイトル奪還となった。

内藤寧々のライディング
photograph by Naoki Gaman/Japan Cycling Federation

準優勝は前年の全日本チャンピオンでもある内藤寧々。内藤はラン1本目では自身の代名詞でもある「ワンフット・クロスアップ・トゥ・キャンキャン」などをメイクするも、序盤でトライしたセクションのトランスファーでの「ターンダウン」で足を着くミスあり59.00ptというスコアに。2本目では1本目で失敗した序盤の「トランスファーターンダウン」を見事メイクし、その後も「ワンフット・クロスアップ・トゥ・キャンキャン」や「360」を決め切りスコアを伸ばすも62.25ptという結果で2年連続のタイトル獲得はならなかった。

3位は16歳の羽山絆愛。まだBMXを始めて若干一年の彼女だが日本トップレベル選手たちと一緒に全日本選手権の場に立ちライディング。「バースピン」をはじめ「トボガン」「キャンキャン」などをメイク。スコアを24.75ptとして3位の座を獲得した。

優勝者コメント

2022年のタイトルを獲得した大池と中村
photograph by Naoki Gaman/Japan Cycling Federation

中村 輪夢 選手(男子エリートクラス)
天候によるスケジュールやパークコンディションの変更、そしてタイトルのかかる大事な試合なだけにメンタル面でのコントロールがタフな大会でした。
悪天候の影響で大会が途中で中止になり予選の結果が採用される場合にも備え、予選から1本1本良いランを意識しました。決勝でもしっかり走りをまとめその結果としてタイトルを獲得できて嬉しいです。
今年はまだ世界選手権が残っているので、初のタイトル獲得に向けてさらなるトリックの習得に力を入れていきたいです。 今大会では皆さんのたくさんの歓声も嬉しかったです。応援ありがとうございました。

大池 水杜 選手(女子エリートクラス)
「今回はなんとしてでもタイトルを獲得するために集中して挑みました。予選1本目の中盤ではバイクトラブルも発生し、狙ったライディング構成ができず悔しい気持ちもありますが、勝つことを一心に最後まで走りきり目標としていた優勝を獲得できたことに満足しています。
いつもサポートして頂いている皆さんの前で走れたこと、そして良い結果を届けられたことがとても嬉しいです。オンラインそして会場での皆さんのたくさんの応援ありがとうございました。」

大会結果

photograph by Naoki Gaman/Japan Cycling Federation

<男子エリート>
優勝: 中村 輪夢 (ナカムラ・リム) / 所属:ウイングアーク 1st 89.25pt
準優勝: 小澤 楓 (オザワ・カエデ) / 所属:なし 72.62pt
第3位: 溝垣 丈司 (ミゾガキ・ジョージ)/ 所属:なし 70.75pt

photograph by Naoki Gaman/Japan Cycling Federation

<女子エリート>
優勝: 大池 水杜 (オオイケ・ミナト) / 所属:ビザビ 69.75pt 準優勝: 内藤 寧々 (ナイトウ・ネネ)  / 所属:第一学院高等学校 62.25pt
第3位: 羽山 絆愛 (ハヤマ・キズナ)  / 所属:なし 24.75pt

<キッズ4アンダー>
優勝: サカキバラ・カナタ / 53.50pt
準優勝: タナカ・カイリ / 41.75pt
第3位: モトヨシ・カフウ / 32.00pt

<キッズ5-6>
優勝: マスイ・チアキ / 75.75pt
準優勝: コバヤシ・アラタ / 60.00pt
第3位: コジマ・ルカ / 54.75pt

<ボーイズ7-8>
優勝: ミヤザキ・レイト / 64.75pt
準優勝: サイキ・タスク / 63.63pt
第3位: タカハシ・ヒサシ / 59.38pt

<ボーイズ9-10>
優勝: オゴケ・ユウト / 73.13pt
準優勝: フダモト・ユウマ / 69.75pt
第3位: イラブ・ルナ / 63.75 pt

<ボーイズ11-12>
優勝: ジンボ・トラノスケ / 76.00pt
準優勝: マツウラ・アオウ / 74.19pt
第3位: オクダ・コタロウ / 58.13pt

<ガールズ7-9>
優勝: ハマダ・ルル / 67.25pt
準優勝: ホソカワ・イロハ / 57.88pt
第3位: ウメバヤシ・ユマ / 53.63pt

<ガールズ10-12>
優勝: オザワ・ミサキ / 63.50pt
準優勝: タテイシ・ノイ / 61.75pt
第3位: オクザキ・トモカ / 60.75pt

<女子13-15>
優勝: オザワ・ミハル / 77.50pt
準優勝: スギオ・サクラ / 58.25pt
第3位: スギモト・ミク / 50.75pt

<男子13-15>
優勝: シライ・レオン / 72.50pt
準優勝: マツモト・ショア / 69.88pt
第3位: コモト・ジョウ / 67.25pt

<男子30オーバー>
優勝: コシヤマ マサヒロ / 71.75pt
準優勝: シモノ・マサシ / 53.50pt
第3位: オカヤマ・ジュン / 46.88pt

大会概要

⼤会名称 : 第6回 全日本BMXフリースタイル選手権大会
開催期間 : 2022年9月16日(金)~17日(土)- 2日間 –
※詳細は公式HPをご覧ください。
大会会場:岡山市下石井公園(岡山県)
主催: 公益財団法人 日本自転車競技連盟(JCF)
主管:一般社団法人 全日本フリースタイルBMX連盟(JFBF)
特別協賛:ライト電業株式会社

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