ブルック・ラバトゥ(アメリカ)が涙の金メダル【IFSC ボルダーワールドカップ 八王子 2023】

2023.04.24
text by 橋田 樹台

2023年4月22日(土)、東京都八王子市のエスフォルタアリーナ八王子にて「IFSC ボルダーワールドカップ 八王子 2023」の女子決勝が開催され、アメリカのブルック・ラバトゥが優勝に輝いた。日本人では唯一決勝に進んだ松藤藍夢が3位に食い込んだ。

女子決勝には準決勝を勝ち抜いた、ハンナ・ミュール(ドイツ)、 ラク・チリョ (中国)、ブルック・ラバトゥ(アメリカ)、松藤 藍夢(日本)、 アヤラ・ケレム(イスラエル) 、ミア・クランプル(スロべニア)の6名が名を連ねた。

決勝では第1課題から難関な課題に対して多くの選手が苦しむ様子がうかがえた。そんな中でも準決勝1位通過のハンナ・ミュール(ドイツ) が一撃で課題をクリア、3位で通過したブルック・ラバトゥも完登し、2名が幸先の良いスタートを切った。

第2課題は完登者が出なかったものの、ブルック・ラバトゥはダイナミックな登りでトップホールドまで手をかけ、完登まであと一歩に迫るなどポテンシャルの高さを見せつけた。第3課題も同様に多くの選手が課題をクリアできず苦しんでいたが、ブルック・ラバトゥが唯一の完登。2位のハンナ・ミュールを上回り、優勝を大きく手繰り寄せた。

順位が決まる第4課題でも、難関な課題に対してブルック・ラバトゥは高い身体能力と発想力を見せて完登。その瞬間に3完登で優勝が決定、満面の笑みと同時に目には涙を浮かべて喜びをあらわにした。

松藤藍夢の完登はなかったが、ゾーン獲得数とアテンプト数の差で見事3位で銅メダルを獲得。初のW杯表彰台に登り、今シーズンW杯開幕戦で大きな弾みをつけた。また、日本人選手の 野中生萌森秋彩伊藤ふたば久米乃ノ華関川愛音仲川瑠葛生真白の7名は準決勝にて敗退となった。 世界ランキング1位のナタリア・グロスマン(アメリカ)も準決勝で敗退する波瀾の結果となった。

八王子の地で、シーズン開幕戦として始まったボルダーW杯。
来年のパリ五輪に向けて今シーズンの結果が直結していくことは間違いない。世界の舞台で躍動する日本人選手と共に、各国の選手の活躍も楽しみにしながら引き続き注目していきたい。

大会結果

女子決勝
1位:ブルック・ラバトゥ(アメリカ)
2位:ハンナ・ミュール(ドイツ)
3位:松藤藍夢(日本)
4位:アヤラ・ケレム(イスラエル)
5位:ラク・チリョ(中国)
6位:ミア・クランプル(スロべニア)

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