ワールドファイナルへの最後の切符をかけた激戦!「Red Bull BC One Last Chance Cypher 2025」

2025.11.08
Muriel Florence Rieben / Red Bull Content Pool

世界レベルの1on1ブレイキンバトル「Red Bull BC One 2025」ワールドファイナルに向けて、最後の出場枠を争う「Red Bull BC One Last Chance Cypher 2025」が、2025年11月7日(金)渋谷「Spotify O-EAST」で開催された。

当日は、世界26カ国から各国大会を勝ち抜いたB-Boy、B-Girl計51名が集結。男女それぞれ4枠のワールドファイナルへの切符をかけて激突。各国の厳しい予選を勝ち抜いた実力者たちが、東京・渋谷にて熱いバトルを繰り広げた。

Little Shao / Red Bull Content Pool

この日、世界大会の出場権を獲得したのはB-Boy Alvin、B-Boy haruto、B-Boy Lorenzo、B-Boy Pesto、そしてB-Girl Syssy、B-Girl FreshBella、B-Girl Jazzy、B-Girl Logistx

いよいよ11月9日(日)には、日本文化の聖地「両国国技館」にワイルドカードも含めた32名のB-Boy、B-Girlが集い、ブレイキンの“世界一”を懸けた熱い戦いが幕を開ける。

日本代表のB-Boy、B-Girlが世界を相手に躍動

日本からは、8月に行われた「Red Bull BC One Cypher Japan 2025」を制したB-Boy harutoB-Girl Cocoaが参戦。

harutoは日本予選で2年連続の決勝進出を果たし、昨年は準優勝、そして今年は悲願の優勝を成し遂げた。着実にワールドファイナルへの道を切り開いてきた彼にとって、今回の大会はまさに節目の舞台だった。同じクルーに所属するISSIN、そして同郷のHIRO10はいずれもワイルドカード枠で「Red Bull BC One World Final Tokyo 2025」への出場をすでに決めており、harutoにとって今大会は仲間と肩を並べて戦うための最後の勝負となった。

TOP4の相手となったのは、B-Boy Hijack。2023年のアメリカ大会で優勝、昨年は準優勝しているという実力者だ。彼が持つ独特な空気感とハイレベルなムーブで、サイファー、TOP16と順調に勝ち進んでいた。

Dean Treml/Red Bull Content Pool

先攻に出たのはHijack。魅力的な立ち踊りと難易度の高いパワームーブをしっかりと決め切り、会場の空気を掴んだ。対するharutoもオリジナリティあふれるムーブの数々で圧倒。引き出しの多さと質の高さを存分に発揮し、見事ワールドファイナル出場を決めた。

Cocoaは国内予選でYASMINとの激戦を制し、次世代を担う注目の存在として世界への挑戦権を掴んだ。Red Bull BC One Cypher Japanの優勝経験に加え、ワールドファイナル出場の実績を持つYASMINを破っての代表入りは、若手B-Girlの勢いを象徴する結果となった。「今年の日本は弱いと思われないように、自分らしく表現したい」と語っていたCocoaは、海外勢を前にしても一歩も引かず、自身のスタイルを堂々とステージで体現した。

Dean Treml/Red Bull Content Pool

TOP8へと駒を進め、残りあと1勝のところで立ちはだかったのは、 フランス代表B-Girl Syssy(パリ五輪7位、2年連続ワールドファイナル出場) 。長い手足を活かしたダイナミックなムーブに加え、音楽への多彩なアプローチを見せ水のない踊りを披露。一方Cocoaもバイブスの乗ったフローやキレのあるフリーズで対抗。結果的には負けてしまったものの、現場に居合わせた者全員の記憶に残る熱いバトルであった。

世界各地のブレイカーが魅せた、多様なスタイルと個性

各国を代表する実力者たちによる予選、トーナメントはどれも白熱したバトルとなった。アメリカ代表のB-Girl Logistx(Red Bull BC One All Stars/2021年世界王者)や イタリア代表のB-Girl Anti(パリ五輪出場)など、実力も個性も頭一つ抜けたブレイカーばかりだ。

Little Shao / Red Bull Content Pool

また、インド代表のB-Boy Flying Machine(2019年にワールドファイナルが開催されたインドで、黎明期からシーンを牽引してきたレジェンド)や、オランダ代表のB-Boy Lorenzo(世界大会優勝経験を持つクルー“The Ruggeds”に所属し、ワイルドカードで既に出場を決めているGriimsenやLeeと同門)など、世界各国を代表するトップダンサーたちが、それぞれのスタイルをぶつけ合い、熱戦を繰り広げた。

特に盛り上がりを見せたのはTOP4のB-Boy Lorenzo vs B-Boy Cis。共にクルーバトルにも出場したこともあり、見知った仲の2人。それゆえに互いに負けられない戦いであることが、バトルを通して感じられた。

Lorenzoが終始相手を意識した踊りで会場をロック。最後まで勢いを切らすことなく踊り切り、ワールドファイナルへの切符を掴んだ。

Jason Halayko / Red Bull Content Pool

またB-Girlサイドでも激戦が繰り広げられた。B-Girl FreshBellaB-Girl Camineのっマッチアップでは、2ラウンドで決着がつかず、延長戦までもつれ込む接戦に。どのジャンルもハイスキルで、オールラウンドなスタイルのFreshBellaに対し、クリエイティブな技の数々で独自のスタイルを貫くCamine。まさにスタイルウォーズといったバトルとなった。

Little Shao / Red Bull Content Pool

結果は僅かな差でFreshBellaの勝利となるも、名バトルを生んだCamineにも大きな声援が送られた。

熱気と歓声に包まれるステージの中、男女それぞれ4名が「Red Bull BC One World Final Tokyo 2025」への出場権を手にした。“世界への最後の切符”を懸けたバトルは、各国のトップブレイカーたちが火花を散らす、まさに世界最終予選にふさわしい激戦となった。

Jason Halayko / Red Bull Content Pool

Jason Halayko / Red Bull Content Pool

TOP4まで勝ち残り、ワールドファイナルへの挑戦権を得たのはB-Boy Alvin、B-Boy haruto、B-Boy Lorenzo、B-Boy Pesto、そしてB-Girl Syssy、B-Girl FreshBella、B-Girl Jazzy、B-Girl Logistx。そしてすぐ同会場にて、ワールドファイナルのトーナメント決めが行われた。Last Chance Cypherの興奮も冷めらぬままに、9日に行われるワールドファイナルへの期待が高まる。

B-Boy haruto コメント

「今回のLast Chance Cypherは、世界各国のトップブレイカーが集まっていて、最初は“自分がどこまで通用するのか”という気持ちでした。でも実際に始まってみたら、会場の熱気と、相手のムーブに引っ張られるように自分の調子もどんどん上がっていきました。特にワールドファイナル出場を懸けたHijackとのバトルは、自分の中でも納得できる内容でした。」

「今日のラストチャンスサイファーは2ムーブ制だったので、強いセットを後半に残す作戦を取りました。いつもは先に盛り上げることが多いんですが、後半にピークを持っていく挑戦をしてみました。それが今日の結果につながったと思います。」

Little Shao / Red Bull Content Pool

「僕はワールドファイナルに直接招待されたわけではなく、Cypher Japanを勝ち上がってこの舞台に来たので、下克上というか、自分の力でここまで掴んだことは大きな自信になっています。ワールドファイナルに出場する日本人の中では、普段から注目を集めているShigekix、ISSIN、HIRO10がいて、誰も“harutoが勝つ”とは思っていないと思うので、そういう中で勝ちたいと思います」

「日本開催ということもあり、日本人4人が出場できるのは特別なことだと思います。きっとお客さんも“日本人に勝ってほしい”と思ってくれているはず。自国開催のこの舞台で、その期待に応えられるよう、全力を尽くします。」

Jason Halayko / Red Bull Content Pool

開催概要

名称:Red Bull BC One Last Chance Cypher 2025
日程:2025年11月7日(金) 開場14:00 / 開演15:00
会場:Spotify O-EAST(東京都渋谷区道玄坂2-14-8)
主催:レッドブル・ジャパン株式会社

出場者:世界26ヵ国から予選を勝ち抜いたトップブレイカー総勢51名(B-Boy 25名 / B-Girl 26名)

〈JUDGE〉
Illz
Isis
Tawfiq
Luigi
Gonzo

〈MC〉
Admir
Kentaraw

〈DJ〉
Mar Ski

Red Bull BC Oneとは

Red Bull BC Oneは今年で開催22回目を迎えるレッドブルが開催する世界レベルの1on1ブレイキンバトルです。レッドブルはブレイキンに20年以上の歴史と伝統があり、世界30ヶ国以上で予選とプログラムを行い、イベントやワークショップなどを通じて、世界最高峰の才能豊かなダンサーを輩出しています。毎年、何千ものB-Boy / B-Girl達がRed Bull BC Oneに挑戦し、選ばれしB-Boy / B-Girl 各16名のみがRed Bull BC One World Finalの舞台に立ちます。

執筆者について
FINEPLAY編集部
FINEPLAY は世界中のサーフィン、ダンス、ウェイクボード、スケートボード、スノーボード、フリースタイル、クライミングなどストリート・アクションスポーツに関する情報を発信するスポーツメディアです。
ピックアップフォト
アクセスランキング
FINEPLAY
アクションスポーツ・ストリートカルチャー総合メディア

FINEPLAYはアクションスポーツ・ストリートカルチャーに特化した総合ニュースメディアです。2013年9月より運営を開始し、世界中のサーフィン、ダンス、ウェイクボード、スケートボード、スノーボード、クライミング、パルクール、フリースタイルなどストリート・アクションスポーツを中心としたアスリート・プロダクト・イベント・カルチャー情報を提供しています。

アクションスポーツ・ストリートカルチャーの映像コンテンツやニュースを通して、ストリート・アクションスポーツの魅力を沢山の人へ伝えていきます。

イベントスケジュール
11月 2025
      1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
« 10月   12月 »

●今日 ○イベント開催日

ピックアップフォト
編集部おすすめ記事
アクセスランキング
FINEPLAY
アクションスポーツ・ストリートカルチャー総合メディア

FINEPLAYはアクションスポーツ・ストリートカルチャーに特化した総合ニュースメディアです。2013年9月より運営を開始し、世界中のサーフィン、ダンス、ウェイクボード、スケートボード、スノーボード、クライミング、パルクール、フリースタイルなどストリート・アクションスポーツを中心としたアスリート・プロダクト・イベント・カルチャー情報を提供しています。

アクションスポーツ・ストリートカルチャーの映像コンテンツやニュースを通して、ストリート・アクションスポーツの魅力を沢山の人へ伝えていきます。

配信先メディア一覧