JDSF BREAKING 強化合宿にFINEPLAYが迫る!ブレイキン本部長 Katsu One 独占インタビューで今後の展望を語る

2022.04.06
text by 橋田 樹台 / photo by ©︎harugraphics

令和4年度の強化選手も参加!勢いを増すJDSF BREAKINGに密着

日本ダンススポーツ連盟 ブレイキン本部は2022年 3月27日・28日・29日の3日間で、強化合宿を実施した。令和3年度の強化選手10名に加えて、令和4年度から新たに強化選手に指定となった10名(参加者は9名)を加えた計18名の選手が今回の合宿に参加した。

2024年のパリ五輪も2年後に近づき、JDSF BREAKINGは今年度「マイナビDANCE ALIVE HERO’S 2022 」や「Red Bull BC One Cypher Japan 2022」などの国内主要大会とのパートナーシップを締結し、さらにムーブメントが加速している。

世間・メディアの関心やシーンからの注目も高まっていくなかで、国内トップレベルのBBOY・BGIRLが集った強化合宿にFINEPLAYが密着。本記事では、3日間に渡って行われた合宿レポートをお届けする。また、ブレイキン本部長の Katsu One にも話を伺い、今回の合宿のねらいや今後の展望を聞いた。

選手たちが「自発的に考える」スキルシェアプログラム

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科学的な技術を取り入れたコンディショニングやメンタルトレーニング

今回の合宿もスポーツドクターの辻 秀一氏やカラダファクトリーのトレーナー陣が帯同し、メンタル面やメディカル面など多角的な視点からアプローチが行われた。

さらにはブレイキンシーンの最前線を走るBBOY・BGIRLも強化スタッフとして集結し「スキルシェア」を実施した。あくまでレッスンではなく、自身のスキルを「シェアする」ことで選手たちが自発的に考え、自らのスタイルに応用していく姿が多くの場面で見受けられた。

また、プログラム後に選手たちは学んだことをシートに記入する姿を見ることができた。自分の考えや疑問を言語化することで、より理解を深めた。

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そして今回、強化選手が増えたことで、コミュニケーションが深まり、選手間で情報のシェアが飛び交っていた。普段なかなか交わることがない強化選手たちが同じ場所に集い、時間を共にすることでワンチームとしての結束を高めている印象を受けた。

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ブレイキン本部長 Katsu One が語る「今回のねらい」と「これから」

Katsu One / ©︎harugraphics

今回の合宿の目的・ねらいを教えてください。

K:JOCの強化本部のテーマで「人間力無くして競技向上無し」という言葉があります。東京オリンピックが終わってスポーツというものが以前にも増して国民に指示されている中で、「人間力」の部分は必須だと思うので、そこを狙いにしているのは一つです。

あとは一人一人が自分と向き合うって「どんな選手になっていきたいか」、更に今後のプランを自分自身でプランニングできるようにする、それをしっかり言語化できるようにする、ということがテーマです。

今回新たに強化選手が増えたことに対して強化部として意図やねらいは何かありましたか。

K:ブレイキンが盛り上がっていく中で、選手たちのチャンスを多く作れる土台が出来てきたなという感じはしていて、それを今までの強化の子たちはもちろんですが、もっと新しい子が多くのチャンスに触れられる機会を増やそうという意図がありました。

コーチから「教える」ではなく「きっかけを作る」

Katsu One / ©︎harugraphics

前回の宮古島合宿から半年以上がたち、ブレイキン本部として進化したと感じる点があれば教えてください。

K:みんな経験値が上がってきたのでスムーズに進むようになってきたという点は感じました。あとは選手とスタッフのコミュニケーションも凄く良い感じで、つながりが構築できている感覚があるので、全体としてやり易くなっています。

今回組まれたプログラムで重きを置いているポイントはありますか。

K:今回の練習ではワークショップ形式で「誰かから学ぶレッスン」というスタンスではなく、「スキルシェア」といった形で進めています。コーチや指導者・講師から指導を受けるのも大切ですが、普段選手たちが触れないようなスキルをシェアすることで、「これだったら自分のスタイルに取り入れられる」とか「自分のスタイルに繋げてみようかな」と考えるキッカケを作りたく、スキルシェアという形でプログラムを構成しています。

Katsu One / ©︎harugraphics

この合宿中で強化選手から何か変化は感じられましたか。

K:特に Shigekix、TOA、Ami、Ayumi は昨年の世界選手権に出てから、海外大会に向けての意識が高まっていると感じます。そこから周りの強化選手も影響を受け、「あそこを目指そう」といった雰囲気を感じています。

今回の合宿で選手にどうなっていて欲しいかという目標があればお聞きしたいです。

自分たちで用意したプログラムの全部が全部伝わらなくても、特に伝えたい部分が選手たちに伝わっているといいなと思います。そこで彼らがどう捉えて自分の色にしていくか、吸収できるのかが重要だという想いがあります。

今回もそれぞれ面談をした時に一人一人素晴らしい目標がありました。合宿で吸収したものを今後のステージで表現できるようになってほしいと思っています。

お互いが理解し合ったなかで「シーン全体を盛り上げていきたい」

Katsu One / ©︎harugraphics

次に22年度の活動についてお伺いします。JDSFとして今年度重点的に活動していきたいポイントは何かありますか。

K:今年は特にパートナー大会が増えることが決まりました。昨年度までは6ブロックの優勝者が全日本選手権に出場するフォーマットでした。今年度はダンス界に協力してもらい獲得ポイントが高い選手が集まってきます。そういった点で、周りのシーンの人たちも一緒になって作り上げていく様な活動が出来れば良いと思っています。

どういった背景でパートナー大会が決まったか聞かせてください。

K:実際に6ブロック選手権だけで進めていくと、地域の差などが顕著に出てしまうという課題がありました。「みんなに平等にチャンスを与えられる」という部分に関して、各イベントのオーガナイザーの方々と話して、お互いが理解し協力する形でシーン全体で盛り上げていきたい、という想いが繋がり実現しました。

パートナー大会が決まり、出る選手も増えるなかで今後どういった変化がありそうですか。

K:例えばポイントランキングで1位の選手が、「今は1位だけど4位通過の方が上がりやすいかも」と考えて、あえてどこかの大会は出ない、みたいなバックグラウンドでの戦略的な駆け引きが出てくるんじゃないかなと思いますね。

強化部として今年度の目標やテーマはありますか。

K:今回の合宿のミニバージョンのような強化練習会を、月一で出来ればいいなと思っていますね。単発で終わりではなく、毎月継続するということは強化部で話し合っています。

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2024年のパリ五輪に向けて、今年度はシーン全体を巻き込みながら大きく動き出しているJDSF BREAKING。今回の合宿では強化選手の追加や、新たな形式のプログラム導入などでチームとしての結束がさらに高まっている。今後もJDSF BREAKINGの動向、そして選手たちの活躍に注目していきたい。

強化選手一覧

・BGIRL Ayumi
・BBOY Shigekix
・BGIRL AMI
・BBOY TOA
・BBOY ISSEI
・BGIRL RIKO
・BBOY ISSIN
・BGIRL YUIKA
・BBOY RA1ON
・BBOY TSUKKI
・BGIRL AYU(令和4年度から)
・BBOY SHADE(令和4年度から)
・BGIRL AYANE(令和4年度から)
・BBOY RSN(令和4年度から)
・BGIRL NANOHA(令和4年度から)
・BBOY HARUTO(令和4年度から)
・BGIRL CHURA(令和4年度から)
・BBOY LIL’ BOMB(令和4年度から)
・BGIRL KOHARU(令和4年度から)
・BGIRL MIREI(令和4年度から)

執筆者について
FINEPLAY編集部
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