新ルール、2年越しの実地開催… 波乱の激闘を征したのは?!「DOUBLE DUTCH CONTEST JAPAN 2023」Report

2023.04.01
text by 山本 大方 / 写真提供: DDCJ実行委員会

2023年 3月18日(土)・19日(日)、東京都 日本大学文理学部 百周年記念館にて、ダブルダッチ世界大会の日本選考会となる「DOUBLE DUTCH CONTEST JAPAN 2023」が開催。
全種目を合わせのべ200チームほどが参加した、国内最大級のダブルダッチの大会だ。

 

DOUBLE DUTCH CONTESTとは

2002年に開催された日本発祥の大会「ダブルダッチコンテスト」。
2012年には初の世界大会が開催され、現在では“日本発祥の世界大会”として展開。
今年2023年は、7月にアメリカ・コロラド州にて、実に4年ぶりとなる実地での世界大会が開催される。

そんなCONTEST JAPANは、「2つの種目」「4つの部門」に分けて開催。
JUNIOR・SENIOR部門については、上述の世界大会の予選も兼ねている。

注:オフィシャルサイトの「ルール」を元に編集部で作成

更に2022年のCONTESTより、最も盛り上がりを見せるパフォーマンス種目において、大幅な審査ルールの改定があった。
簡単に言えば、「審査 4項目の合計」+「加点項目」-「減点項目」で審査。
そしてこの審査 4項目はそれぞれ、5つの小項目の観点から審査される。
少し複雑ではあるが、以下にざっくりとご紹介する。

注:オフィシャルサイトの「ルール」を元に編集部で作成。詳細なルールはサイトを参照のこと

特にミスの多発しやすいダブルダッチにおいて、“ノーミス”が優遇され、逆にミス数によって減点される制度は、パフォーマンスの大会としては初。
しかも導入された昨年は映像審査となり、何度も撮り直しが可能だったため、一発勝負の実地大会である今年は全く異なる展開に。

この大胆かつ緻密なルール改定について、主催であるJJRU(一般財団法人 日本ジャンプロープ連合)の事務局長で、本大会のチェアマンを務める原竹 純氏は、“ダブルダッチの更なる普及と発展のため”と語る。

「更なる普及を考えた時に、やはりパフォーマンスのミスは減らして欲しいと思い、“ノーミス点”やミス減点を導入しました。
しかしそれだけではミスを過剰に恐れ、面白味のないパフォーマンスになってしまう。そこで審査項目を細分化し、多様化する選手の技やパフォーマンスを緻密に評定できるルールにしました。
選手たちには“攻めつつミスをゼロにする”ことを狙って頂きたいという思いを込めています」
(原竹氏)

 

ALL AGES部門(年齢構成自由)

最初に実施されたALL AGES部門は年齢構成が自由、つまり何歳からでも、および年齢をまたいでのチーム構成も可となる部門。

■スピード
スピード種目では「Long Time No Seeeee!!」が106回で優勝。

Long Time No Seeeee!!

■パフォーマンス
パフォーマンス種目では、千葉県・Nagareyama Jump Rope Clubの「NUPTSE」が日本一に。
多様な技とメンバーの多さを活かした陣形、そしてムーディーな雰囲気で優勝に輝いた。

NUPTSE

 

KIDS部門(小学1年生~10歳)

次いでJUNIOR部門。スピード・パフォーマンス両種目で、愛知県・DDFAMの「ストロベリーストロングボンバーズ」が2冠を達成!

ストロベリーストロングボンバーズ / SPEED

魅力的なパフォーマンスで、生徒たちの個性を引き出し“一皮むかせる”ことに定評があるDDFAM。
このチームも例に漏れず、安定した技術と迫真の表情で空間を支配。
女子4人の愛らしさと、名前通りの“爆発力”で日本一に輝いた。

ストロベリーストロングボンバーズ / PERFORMANCE

 

JUNIOR部門(11歳~14歳)

WORLD(世界大会)出場権が懸かった2部門のうち、11歳から14歳までのJUNIOR部門。
世界への切符を掴むのは各種目 1チームのみ。

■スピード
白熱したスピード種目で1位に輝いたのは、東京都・日本橋ダブルダッチクラブより「Rosy☆Lily」(ロジーリリー)。
記録はなんと110回! 実に、1秒あたり7~8回も跳び続けた計算となる。

Rosy☆Lily

■パフォーマンス
そしてパフォーマンス部門では並み居る強豪を差し置き、東京都・Be Colorの「Zenith」が日本一に!

Zenith

女子3人のもとに、ハットを被った男子が現れるところから始まるパフォーマンス。そのハットがメンバーそれぞれの元にどんどん渡っていくのだが…。

あっと驚かされる全体のストーリー構成と各技のレベルの高さで、2位以下のチームとの接戦を「ノーミス点」そして「サプライズ点」で制したZenith。
世界への切符を掴み取った。

 

SENIOR部門(15歳~)

そして、今大会最注目となるSENIOR部門。
年齢的に“高校生以上”が対象となるこの部門は、117チームがWORLD出場権の5枠を懸けて戦う熾烈な競争。

■スピード
さすがはSENIOR部門。今大会で最も回数の多いセクションとなったが、2位はプロチーム「FLY DIGGERZ」で、記録は118回。
そして1位は“不動の絶対王者”と名高い「マイケル」。記録はなんと128回! 1秒間になんと約10回のジャンプという、人間離れした妙技で世界大会へ進出。

FLY DIGGERZ
マイケル

■パフォーマンス
やはり最注目はこの種目だろう。
3連覇を懸けて戦うプロから高い下馬評をもつチームまで存在したなか、新ルールがどのように勝敗を分けるのかも注目されるところだった。

社会人チームで、 驚くような見せ方とコミカルな雰囲気を持った「JIGEN」が5位、そしてKIDS部門でも輝かしい戦績を残したDDFAM所属の高校生チーム、「パキラ」が4位に。

JIGEN
パキラ

3位は、女性らしさの中にクール力強さを持った「Mrs.DOUBLE DUTCH」
2015年に結成された同チーム。これまでにも豊富な実績を誇っていたが、結成8年にして悲願の世界への切符を掴んだ。

Mrs.DOUBLE DUTCH

次いで、2位は「Dy-HαrÐ」(ダイハード)。
なんと大学1年生にして世界大会へ勝ち進んだ彼ら。見慣れた技に対するワンアレンジの巧さと、個々のキャラクターが際立つパフォーマンスで高い評価を獲得。

Dy-HαrÐ

そして日本一の称号を手にしたのは、関西出身の社会人で構成された「SAMURAI DRIVE」!!
審査方法が変わったことにより、その得点は脅威の3ケタ越え・107点! 2位と18点差を付け、圧倒的な優勝を手にした。

SAMURAI DRIVE

ミスがつきもののダブルダッチにおいて、どうしても今大会はミスが目立ったチームが多かった。難易度の高い技と向き合うことは、ミスのリスクを増大させる。
しかしSAMURAI DRIVEは、そんなリスクを感じさせない余裕のあるパフォーマンスを披露。

後にチームの1人が言うには、「昨年や2020年の映像審査ではミスが無くなるまで再撮していたが、その経験によって、かえって“本番1発”の集中力が鍛えられた。
今回も映像審査の延長線だと思って、“次のショーでは集中してノーミス出すよ”という心意気で臨んだ」
と振り返る。
技術と経験で、他の追随を許さない文句なしの優勝に輝いた。

 

大会を振り返り

さて今回、最もレベルの高いとされるSENIOR部門のパフォーマンスにおいて、上位5チームに共通した評価のポイントが2つある。

①「サプライズ点」がいずれも高得点(少なくとも5点以上)
②「ミス減点」がほぼない
(あっても1回のミスのみ)

注:オフィシャルサイトの結果発表より引用。11位以降の詳細な点数、および他部門はサイトを参照のこと

もちろん言わずもがな、冒頭で紹介した技術項目においても高い評価を得ていることは間違いないのだが、限りなく接戦だったこの戦いにおいて、以上2つが結果としてWORLD進出とそうでないチームの分水嶺となったと言える。

ミスがつきもの、多少の“犠牲=ミス”を払いながら進化を重ねてきたダブルダッチシーンにおいて、ミスに対する評価の厳格化は、いささか選手にとっても負担の大きいことだろう。

しかし逆に言えば、それだけこの競技が注目を集めるようになったことの表れでもある。
ポジティブな“願い”を込められた新たなルール下において、この大会を通して更なるダブルダッチの進化を見たいと感じる。

“新たなスタート”を切ったといえるDOUBLE DUTCH CONTEST。
ダブルダッチが、より多くの人々にサプライズを与えるようなものであり続けることを願って――。

 

大会概要

「DOUBLE DUTCH CONTEST JAPAN 2023」
日程: 2023年3月18日(土)・3月19日(日)
会場: 日本大学文理学部・百周年記念館
主催: 一般財団法人日本ジャンプロープ連合(JJRU)
主管: ダブルダッチコンテスト実行委員会
協賛: カシオ計算機株式会社 G-SHOCK
協力: 有限会社OVER THUMPZ / JJRU公認C級審判員

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