アジア初「SPEEN」アンバサダー ROCKがボールで切り開くパフォーマーの道

2019.12.04
FINEPLAY編集部
Photo by NOBE

あるフリースタイラーから「変わったプレイヤーがいる」と言われた。「大会には出ないんですけど、すげーんですよ。ROCK(ロック)っていいます」

彼はフランスの有名フットボールブランド「SPEEN」のアジア唯一のアンバサダーをしており、各所でパフォーマーとして活躍しているらしい。一体何者なのか…。インタビューをしてきた。

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いぶきとIBUKI 同じ名前の不思議な縁

ROCKのフリースタイルフットボールの出会いは高校1年生。「YouTubeで見て『すげー!!』ってなって、チャレンジしてみたのがきっかけです。小学校からサッカーをしていたので、簡単な技はできたんですが、一定のレベルまで上がると難しくて『できねー!』ってなって。で、練習し始めました。最初は、毎日自動販売機の前でひっそりと。全然仲間がいなかったので『こんなことやっているのはもしかして日本に俺だけじゃ?』って思ったら、近くにとんでもない化け物がいました(笑)

そのとんでもない化け物はIBUKI。今は日本を背負って立つ、トップフリースタイラーだ。「実は僕、本名がいぶきなんです。リツイートで『神戸にもうひとり、いぶきっていうフリースタイラーがもいるらしい…誰だ?』って回ってきたときに、俺のことだとは思っていなかったんですが。たまたま練習しに行った公園に行ったら、えげつない技を練習している人が…そしたら『君がいぶきくん?』って声かけられて、びっくりしました。

それから、もう1人のフリースタイラー・まぢりさんも一緒に毎週練習させてもらうようになりました。2人はフリースタイラー界でも珍しい、バトルも強くてパフォーマンスも完璧な人。その2人に、1〜2年つきっきりで教えていただけたのは、本当にツイていましたね。」実は、冒頭で「すげーやつがいる」と話していたのはIBUKI。名前が織りなす不思議な縁だ。

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パフォーマーの道への目覚め 覚悟を決める

そんなROCKが初めてのパフォーマンスで虜になったのは、高校3年生のときだ。「今まで、『目立つ』という立ち位置に立ったことがなかったんです。リフティングの技は4つくらいしかできないけど、ビートボックスできるクラスメイトに思い切って声をかけて、4人で学祭のステージに出てみたんです。そしたら…。楽しい、やばいこれ。早く味わっておけばよかったー!ってなりました。根本的な部分は目立ちたがり屋だったんですね(笑)。その日を境に、練習でも常に人目があるところで練習しはじめました。そうしたら、一気に運命が変わっていきました。」

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ROCK1人でのパフォーマンスの機会はすぐに訪れる。「ヴィッセル神戸の試合の前で並んで待っている方々の前で、パフォーマンスをしていたんです。そしたら、体格がいいコーチ陣がずけずけ歩いてきて『死んだ…』って思ったら、『君それ何?よかったら夏祭りでパフォーマンスやってくれない?』って声かけられて、学祭の1ヶ月後に初めてお仕事をいただきました。当初聞いていたのが30〜60人だったんですが、まさか行ったら300人いて(笑)。『話しちげー!』ってなりましたが、多ければ多いほどアガって、ここで決めないと!って、テンションあがりました。必死でしゃべって笑いをとって、30分のステージをしました。」

そこで思ったのは、「自分は持っているな」ということ。思い切って、「パフォーマーで生計を立てる」と決めた。「『自分はついてる。必ず良くなる。』と言い聞かせて、覚悟を決めて一歩踏み出すことを決めました。」

チャンスは自分でつかみに行く

しかし、ROCKがこの場所まで来たのは、たまたまではない。地道な営業活動が結果を生んでいるのだ。

「メリケンパークで毎日、一般の人に向けて練習していました。人に見られることにも慣れてくるし、子供でも外国人でも対応できるスキル養えますからね。そうしたら差し入れをもらったり、ステージにでて欲しいという話をくれたりすることがでてきました。

後、フットボール関係ないイベントやコミュニティに参加しまくって。紹介してもらったり、自分から売り込んだり…。営業活動をし続けていたら、お金をもらえるようになりました。」

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「僕は3〜4年フリースタイルやっているけど、スキルでは全然だめです。下手くそです。大会には全くでていません。やらず嫌いは嫌いなので、始めたての頃2回くらい出てみたんですけど…。どうしても楽しくなかったんです。自分は、フリースタイラーだけで評価しあう世界じゃなくて、お客さんがいないとダメだって気づきました。すごい、かっこいい、言われたいし、拍手がないと生きていけないんです(笑)。

俺はエンターテイナーとして大きい舞台に立ちたいって考えたら、大会で成績を出して大きい舞台に声をかけられるのを待つのは難しいなと考えました。それより、ひたすらパフォーマンスだけを目指している方が早くたどり着くだろうと。だから、セールスしに行きます。リフティングができるだけでは、何も特別じゃないです。どんどん自分を売り込んでいくのは、当たり前のことかなと考えています。大会では無名でも、ちゃんと自分を売り込んでいけば仕事はもらえます。

縁でつかんだSPEENアンバサダー

そしてSPEENのアジア初のアンバサダーになったROCK。どんな、経緯だったのだろうか。

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「2回生の冬、ヨーロッパ留学をした彼女に会いにいくことにしました。会う前にフランスでSPEENのPRをしているフリースタイルフットボールの双子からSNSをフォローされたんです。SPEENは世界的に有名なブランドなんですが日本では販売していなかったので気になっていました。時間があったので連絡してみたら、『パリでポップアップするから遊びにおいでよ』って招待されたんです。」

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「で、思い切って行ってみたらお店には人がたくさんいて、オーナーから『お前がROCKか?パフォーマンスのトップバッターいこうか。』っていわれて(笑)。そういう状況大好きなので、言葉も通じないけど思い切ってパフォーマンスしたら盛り上がって。そしたらオーナーがSPEENのグッズを詰めてプレゼントしてくれてびっくりしました。」

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「SPEENにせっかく出会えたのに、日本では売っていないのでもったいないなと思って、日本のフリースタイラーへ買って帰って欲しい人を呼びかけたら10人くらい集まったので、帰りがけにボール受け取りに行くことにしたんです。5万円くらいを握りしめて、オーナーのところへ行ったら『1万5000円でいいよ』って言われて『なんで?』って聞いたら『今日からアンバサダーだよ。お前かっこいいし面白いし、いいやつだし。このボールはお前がどんな値段で売ってもいいよ。好きにして。』って言われて(笑)。まさかの展開でした。

その後、日本に帰ったら縁があり、藤井大丸でSPEENのポップアップをさせていただくことになりました。ただ、ここでやるには法人化する必要があったんです。やってみよう…!と思って、思い切って合同会社を立てて、8月にポップアップをさせていただくことができました。」

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自ら積極的に動き続けることで、どんどん縁を引き寄せていくROCK。これからどんな道を歩みたいと考えているのだろうか。「自分はフリースタイルの世界にこだわらず、いろんな世界を切り開いていくことが一番の普及だと考えています。始めたての頃に、IBUKIさんとまぢりさんからもらったわくわくを大事に、後輩たちには『これ一本でも楽しんで食っていけるだぞっ!』っていうのを見せてあげたいんです。自分がやりたい事にフリースタイルを絡めながら、歩んで行くその”足跡”を見てついてくる誰かがいる事を信じています!

人生はボールだけじゃないです。ボールを架け橋に、いろんな世界を切り開いていきたいですね

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パフォーマーとしての道を切り開くROCK。彼がつくる道の後を、どんな人たちが追いかけるのだろうか。彼の活躍は、ストリート界に大きな躍進を与える予感だ。

TEXT:小田切萌

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