東京・渋谷「Next Generations Games 2020」 激戦を制したのはBMXフラットランド 片桐悠・豊田和希、ブレイキン BBOY RA1on・BGIRL Riko、ダブルダッチ SHU

2020.12.09
東京・渋谷「Next Generations Games 2020」 激戦を制したのはBMXフラットランド 片桐悠・豊田和希、ブレイキン BBOY RA1on・BGIRL Riko、ダブルダッチ SHU

2020年12月6日、東京都渋谷区・渋谷ストリーム稲荷橋広場において、アーバンスポーツ次世代(U-15)を対象としたストリートスポーツコンペティション「Next Generations Games 2020」が開催された。

クレジットされた競技は、いずれも日本の若年層の活躍がめざましく、世界でも注目を集めるアーバンスポーツ。近年、女子ライダーの活躍がめざましいBMXフラットランド、2024年パリオリンピックの追加種目ブレイキン、世界60カ国以上で競われるダブルダッチの3競技5種目となった。

みごと王者の座に輝いたのは、BMXフラットランド男子 片桐悠・女子 豊田和希。ブレイキンはBBOY RA1on・BGIRL Riko、ダブルダッチ優勝はSHUとなった。

今年で3年目となる本大会は、新型コロナウィルス感染症拡大防止のため、全試合がオンラインでライブ配信された。会場では検温・消毒・三密防止の呼びかけが徹底して行われ、観客と選手への配慮のもと開催となった。

BMXフラットランド

豊田和希 ©︎NEXT GENERATIONS/Kazuki Murata
豊田和希 ©︎NEXT GENERATIONS/Kazuki Murata

ワンオンマン制、1ラウンドの持ち時間(1分)を交互に2ラウンド。演技を開始してから、地面に足をつくまでが評価対象となる。3人のジャッジが技の完成度や難易度のほか、オリジナリティやバリエーションを見る。

女子の部、熾烈な戦いを勝ち抜き、決勝まで駒を進めたのは、北海道出身のBMXライダー豊田和希(15)と人気アニメ『鬼滅の刃』のコスプレに身を包んだ本村果鈴(10)。序盤、本村が前輪を巧みに使い、華やかな技を披露。しかし豊田も負けじと前・後輪を往復するテクニックを決め、そのまま勝ち星を飾った。

本村果鈴 ©︎NEXT GENERATIONS/Jason Halayko
本村果鈴 ©︎NEXT GENERATIONS/Jason Halayko

あまり試合を経験してこなかったという豊田は、今回、人生3回目の大会出場。「自転車を大きく一回転させる『アラウンドザ・ワールド』というトリックをやろうとしたんですけど、戻りがうまくいきませんでした。でも、この大会に出ると決めてから夏の間、ずっと練習していたので勝てて嬉しいです。北国のBMXライダーってあまり強いイメージを持たれてないと思うんですけど、ここでこうやって結果を残せたので、北国でもBMXをやってくれる人が増えると嬉しいです」とコメントした。

片桐悠 ©︎NEXT GENERATIONS/Jason Halayko
片桐悠 ©︎NEXT GENERATIONS/Jason Halayko

男子の部は、茅ヶ崎市寒川町で活躍する森谷天斗(11)と、海外シーンでもその名を轟かせるライダー片桐悠(15)。森谷が身体全体を大きく使ったスタイルでアピールすると、対する片桐がスピン系の神技をお返しと言わんばかりに披露。ジャッジを大いに唸らせ、優勝トロフィーを勝ち取った。

森谷天斗 ©︎NEXT GENERATIONS/Jason Halayko
森谷天斗 ©︎NEXT GENERATIONS/Jason Halayko

片桐は、「最初のうちは技の成功率が高かったので、後半に新技を見せようと思ったんですけど、今回はうまくいきませんでした。相手のミスもあったので、(優勝は)どっちかなーと思ってたんですけど、勝てて良かったです。この大会は負けられませんでした」と試合を振り返った。

ダブルダッチ

SHU ©︎NEXT GENERATIONS/Jason Halayko
SHU ©︎NEXT GENERATIONS/Jason Halayko
SEIHIRO ©︎NEXT GENERATIONS/Jason Halayko
SEIHIRO ©︎NEXT GENERATIONS/Jason Halayko

回される縄を中心に、対戦者2人が対峙し、1ムーブ45秒でお互い順番にパフォーマンスを行い、2ムーブでその優劣を競うトーナメント制。今大会は男女混合の試合フォーマットとなった。

BGMがスタートすると、演者は思い思いの演技でそれぞれジャッジにアピール。決勝に残ったのは、前大会王者のSEISHIRO(中道 清士郎)と小学校5年生のSHU(桂田 士結)。2本の縄の間を自由に往来する技を見せ、会場を沸かせたSEISHIROだったが、SHUのアクロバティックかつ大胆なステップには一歩及ばず、王者の座を譲り渡す結果となった。

今大会に初出場というSHUは、「すごく緊張しました。でも、やってるうちに楽しくなりました。ずっと調子いいまま勝ち上がって、優勝できて嬉しいです」と言葉を選びつつも、力強くコメントしてくれた。

ブレイキン

B GIRL Riko ©︎NEXT GENERATIONS/山口孝貴
BGIRL Riko ©︎NEXT GENERATIONS/山口孝貴
B GIRL YUMETO ©︎NEXT GENERATIONS/Jason Halayko
BGIRL YUMETO ©︎NEXT GENERATIONS/Jason Halayko

ダブルダッチ同様、1ムーブ45秒で互いにパフォーマンスを行い、2ムーブで勝負が決まる。準決勝にはオンライン予選を通過した8名が出場し、しのぎを削った。

女子の部、決勝は13歳のB GIRL YUMETO(馬淵夢都)、沖縄出身のRiko(津波古梨心 )の2人。両者とも、トップロックからの流れるようなフットワークやパワームーブをDJに合わせてパフォーマンス。今回は、よりシームレスで大胆な動きを披露したRikoに軍配が上がった。
「ムーブを重ねるごとに、特にフリーズの調子が上がっていきました。出場選手はみんな、それぞれのスタイルを持っているので、どんな技をされても自分のムーブで返せるように、しっかり観察してました」と冷静に語ったRiko。大人顔負けの演技を見せた。

B BOY RA1on ©︎NEXT GENERATIONS/Kazuki Murata
BBOY RA1on ©︎NEXT GENERATIONS/Kazuki Murata
BBOY HARUYA ©︎NEXT GENERATIONS/Jason Halayko
BBOY HARUYA ©︎NEXT GENERATIONS/Jason Halayko

一方で男子の部で決勝に進んだのは、B BOY RA1on(窪田雷音)と埼玉出身のHARUYA(信太遥也)。どちらが勝ってもおかしくない接戦だったが、最後にRA1onがその実力を見せつけ、優勝を勝ち取った。

RA1onは、「出場3回目でやっと優勝できたので、めちゃくちゃ嬉しいです。演技にはまだ改善できる点があったけど、自分のパフォーマンスはできました」とコメント。マスク越しでもわかる笑顔を覗かせた。

大幅な入場制限を課した今大会だったにもかかわらず、大きな盛り上がりを見せた「Next Generations Games 2020」。ここから羽ばたく未来のスターが、世界のアーバンスポーツシーンを牽引していくことを願ってやまない。

大会にはNEXT GENERATIONS×FINEPLAYフォトワークショップ優秀者も参加

本大会には、2020年11月22日-23日に東京・渋谷で行われたNEXT GENERATIONSとFINEPLAYによる<ストリート・アクションスポーツフォトワークショップ>の成績優秀者である山口孝貴さんもフォトグラファーとして参加した。

以下、山口さんのショットを公開。

BBOY RA1on ©︎NEXT GENERATIONS/山口孝貴
BBOY RA1on ©︎NEXT GENERATIONS/山口孝貴
片桐悠 ©︎NEXT GENERATIONS/山口孝貴
片桐悠 ©︎NEXT GENERATIONS/山口孝貴
SHU ©︎NEXT GENERATIONS/山口孝貴
SHU ©︎NEXT GENERATIONS/山口孝貴

大会結果

ジャッジ ©︎NEXT GENERATIONS/Jason Halayko
ジャッジ ©︎NEXT GENERATIONS/Jason Halayko

BMXフラットランド

女子

優勝:豊田和希
2位:本村果鈴
3位:宮嶋歩菜
3位:吉村想花

男子

優勝:片桐悠
2位:森谷天斗
3位:表原次元
3位:早川結生

ダブルダッチ

優勝:SHU
2位:SEISHIRO
3位:Pico
3位:Kanade

ブレイキン

女子

優勝:Riko
2位:YUMETO
3位:chura
3位:KAEDIE

男子

優勝:RA1on
2位:HARUYA
3位:Roman
3位:ISSIN

大会概要

タイトル:Next Generations Games 2020 U-15 Street Sports Championships ストリートをアップデートせよ
日時:2020年12月6日(日) ※雨天中止
会場:渋谷 ※コロナ感染症拡大防止のため、現時点での会場の発表は差し控えます
内容:U-15 (中学生以下)を対象としたストリートスポーツ競技会の実施及び決勝トーナメントのオンライン配信
競技:BMXフラットランド(男子・女子)/ブレイキン ソロ(男子・女子)/ダブルダッチ ソロ(混合)
フォーマット:オンライン予選を勝ち抜いた各種目8名ずつの決勝トーナメント(バトル形式)
【ブレイキン&ダブルダッチ】2ムーブ制、1ムーブ45秒
【BMXフラットランド】ワンラウンド1分ずつの2ラウンド。足がつくまでがジャッジ対象となる。オリジナリティ 25/バリエーション 25/難易度 25/完成度 25/100点満点でジャッジ
ジャッジ&MC:
【BMXフラットランド -ジャッジ-】内野洋平、宇野陽介、永石あや (女子の部のみ)、片桐亮(男子の部のみ)
【BMXフラットランド -MC-】MC Nob
【ブレイキン -ジャッジ-】Bboy Katsu One、Bboy Taisuke、Bgirl Ami
【ブレイキン -MC-】MC MSZ
【ダブルダッチ -ジャッジ-】TMY、KAI、AYUKA
【ダブルダッチ -MC-】YUI/REGSTYLE
【DJ(全競技共通)】DJ TEE
プライズ:優勝者トロフィー、その他副賞
主催:Next Generations 実行委員会(主管:一般社団法人渋谷未来デザイン)
協賛:KDDI株式会社、株式会社ミクシィ、 東急株式会社、東急不動産株式会社、株式会社シブヤテレビジョン 他(順不同)
後援:渋谷区(申請中) / 渋谷区教育委員会 / 公益社団法人日本ダンス・スポーツ連盟 / 特定非営利日本ダブルダッチ協会
問い合わせ:info@fds.or.jp

<NEXT GENERATIONSについて> 

ストリートスポーツ振興およびマナー向上の啓蒙を目的として、2018年に発足したプラットフォーム。渋谷区民含め若年層が積極的に参加している。U-15 (中学生以下)を対象としたストリートスポーツのコンペティションをはじめ、オンラインでのダンスレッスン動画の配信、スクール事業など、通年プロジェクトを多角的に展開している。

<大会主管・一般社団法人渋谷未来デザインについて>

渋谷未来デザインは、ダイバーシティとインクルージョンを基本に、渋谷に住む人、働く人、学ぶ人、訪れる人など、渋谷に集う多様な人々のアイデアや才能を、領域を越えて収集し、オープンイノベーションにより社会的課題の解決策と可能性をデザインする産官学民連携組織です。都市生活の新たな可能性として、渋谷から世界に向けて提示することで、渋谷区のみならず社会全体の持続発展につながることを目指しています。

優勝トロフィー ©︎NEXT GENERATIONS/Jason Halayko
優勝トロフィー ©︎NEXT GENERATIONS/Jason Halayko

text by 佐藤稜馬
photo by Jason Halayko、Murata Kazuki、山口孝貴

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