2018年、産官学民が手を取り合って発足した「“次世代”主導のスポーツシーン創造プロジェクト『Next Generations』」 。
同事業がプロデュースする『Shibuya Sports Academy [渋谷スポーツアカデミー]』は渋谷・都市発展の担い手である若年層に着目し、スポーツを支える仕事について学び、今後、新しいスポーツシーンを主体的に創生していく人材の育成に携わっています。
今回は9月からの開講に向けた特別対談の様子をお届け。 B-GIRLの先駆者で、現在はプレイヤーの傍ら審査員・コーチングなども務めるBODY CARNIVAL CREWのNARUMIさん、バスケットボールBリーグ所属「サンロッカーズ渋谷」チーム広報の西 祐美子さんをお招きし、モデレーターに渋谷未来デザイン 理事・事務局次長 長田 新子さんを迎え対談いただきました。
メジャースポーツとストリートスポーツそれぞれの視点から、新たな発見が生まれた異色のコラボレーション対談。今回はその様子をたっぷりとお届けします。

好きだったバスケットボール業界へ
長田: ナルミさん、西さん、本日はよろしくお願いいたします。まずはお二人のこれまでについて教えていただけますか?
西: 私は中学生の頃にバスケットボールにのめり込んで、大学までボールに触りつづけてきました。就職活動のときにはスポーツで仕事ができるとは夢にも思わなかったので、最初の3年半は百貨店業界で働いていました。
ただそれは、自分のやりたい企画や広報の仕事と微妙に違っていました。なので転職を考えたのですが、それらの業種はどの業界にもあるので、「それなら好きな業界に飛び込みたい」と考えて千葉のバスケットボールチームの広報に就職。その後「Bリーグ」が出来て、バスケ業界がガラッと変わったタイミングで現在の「サンロッカーズ渋谷」の広報に転職し、現在に至る、という流れです。
長田: 「Bリーグ」になって、業界がガラッと変わったってことですか。
西: Bリーグは日本のバスケ業界を発展させることを目的に発足したものです。バスケットボールは小学生〜大学生までプレーする競技にもかかわらず、「プロ」の認知度が低かったんですよね。Bリーグが新しいエンターテインメントとなるように、また国内スポーツが発展するために新たに組織されたんです。私はそのタイミングで「サンロッカーズ渋谷」に転職しました。
ナルミ: 渋谷って住宅地のイメージがあまりないのですが、チームを根付かせるのって難しいのではないでしょうか?
西: そういうイメージを私も持っていました。それこそまだサンロッカーズに転職する前、「渋谷にチームができるぞ」と発表され、業界も騒然としていたんですよね(笑)。チームによってはBリーグ設立・参入のタイミングでチームをリブランディングさせていたのですが、さすがに突拍子もないなと思いつつ、その思い切りに惹かれてサンロッカーズに転職したんです。 ただ実際は住宅街も意外と多く、しかもチームが出来るとなったら、皆さんが受け入れてくださいました。優しくて驚きました(笑)。チームが発足し5年ほどたちますが、渋谷の方々に温かく見守っていただきながら育ってきました。

ナルミ: チームで教えに行ったり、街の人と交流する企画などは意識されているんですか?
西: そうですね。渋谷の人々に「サンロッカーズがあって良かった」と思っていただくことを目標にしています。ある意味、「サンロッカーズ」を“ツール”にして頂いて、渋谷という場所がもっと活性化してくれたらうれしいです。
長田:以前よりスポーツを支援したい企業は多くなっていると感じますか?
西: 相当多いですね。例えば野球だと「ソフトバンク」や「楽天」などは、オーナーがスポーツを通してコミュニティを形成・発展させたり、チームを持つことで、最新技術をそこに入れ込むことができたりもします。 “スポーツと一緒に自分たちもより成長しよう”という流れが加速しています。
長田: たしかに、私が知っている企業にもスポーツを支援したいという方が増えてきていて、流れが加速しているのを実感しています。特にIT系やスタートアップ企業などは積極的な感じがします!
プレイヤー、そして裏方として
長田: 続いてナルミさん、ご自身について教えていただけますか。
ナルミ: 私はいわゆる“裏方プロ”ではなく、むしろプレイヤーとしてゴリゴリやってきました。20歳からブレイクダンスを始め、これまで何度も海外に渡り修行をしてきました。最初の頃は25歳で辞めようと思っていたのですが、そのタイミングで初めてヨーロッパの大会のゲストバトラーの権利をもらい、日本人が大して注目もされていなかった中で、なんと優勝してしまい(笑)。ここで辞めるのはもったいないと感じ、そのタイミングで今のクルーBody Carnivalを発足しました。次は30歳になったら… と思っていたのですが、その時はチーム、個人として目の前の目標が沢山あって、ずっと続けていて、今に至るという感じです。
長田: 日本ではかなり早い段階からブレイクダンスシーンに携わってこられていて、まさに先駆者ですね!さてプレイヤー以外の活動もされていると伺いましたが、それはどういったことがきっかけだったのでしょうか?
ナルミ: 2018年に大きな怪我をしてしまったんですよね。そこがきっかけになっています。それ以降はプレイヤーとしての活動もしつつ、選手の育成やイベントの運営を行ったり、ナショナルチームのコーチもやっています。色々やっていて、今私は自分で何をやっているのか分からないのですが(笑)。でもプレイヤーから離れることで、より裏方の存在の重要性に気付くようになりましたし、プレイヤーを今も続けていることで出る人の気持ちであったり、必要なことに気づけることがたくさんあります。

スポーツシーンの現況
長田: お二人とも長年スポーツシーンに関わっていらっしゃいますが、 それぞれのシーンの現況はどのようなものなのでしょうか。
西: バスケットボールシーンは”右肩上がり”ですね。日本人選手がナショナルチームや海外シーンに出るととても変わってきます。今ですと八村塁選手や、渡邊雄太選手が活躍しています。こういった選手たちが出てくると、子供たちにとってもプロ選手に大きな憧れが集まりますし、今は特にオリンピックも近くなってシーンが盛り上がっています。そもそも私がバスケ業界に入って初めての現場は、たまたまいつもと違う場所での試合だったという事情もあったのですが、お客さまが200人しかいなかったんです。その後、数年の時間をかけて1000人、2000人と増えてきて、今や5000人を集客するチームもあります。この10年で急速に発展したのですが、やはりBリーグの発足が大きかったですね。
長田: シーンがガラっと変わった、とおっしゃっていましたが、「Bリーグ」で何が一番変化したんですか?
西: バスケットボールの試合をすることはもちろんなのですが、エンターテインメントをかなり意識したものになっています。昔はバスケさえやっていれば、「勝っていればいいでしょ」という雰囲気があったのですが、エンタメの視点から再構築することで、スポーツのことをよく知らなくても娯楽として楽しんでもらえるようになりました。それこそ、Bリーグ開幕戦ではコートをLEDで光らせたり、雰囲気を今までのバスケの試合とガラッと変えたりと、プレーや選手を演出などのサポートで引き立たせています。
長田: まさにスポーツエンターテイメントのあるべき姿ですし業界としても挑戦の連続ですよね!ちなみにいまだに続いているコロナの状況下で「サンロッカーズ渋谷」自体はどうでしょうか。
西: 新型コロナウイルスが猛威を振るう中で、スポーツは「不要不急」のカテゴリーではあります。しかしながら私自身も自問自答を重ねてきました…そんなこともないのでは、と思うようになりました。試合を見にいくことを楽しみに仕事を頑張る人もいたり、ファンの方同士はバスケを通じて人とのコミュニケーションを楽しむ人がいたり。こういうファンの方々の姿を見ていると、決して不要不急ではないな…と感じることがあります。人生を豊かにする、心を元気にする力があるので、だからと言って自粛しないということをいいたいのではなく、スポーツはその重要なファクターではないかと感じています。
オンラインは障壁を感じます。それこそ生で選手と触れ合ってもらい、選手の迫力や雰囲気、体格の大きさなども感じてもらいたいのですが、オンラインですとみんなバストアップなので全く分かりませんね(笑)。
例えば選手の体格の良さを感じた子どもたちが「ご飯をいっぱい食べよう!」となれば、それが食育にも繋がります。今のご時世ですとコミュニケーションの取り方が難しいなと感じます。
ナルミ: 不要不急ということについては私たちも考えましたけど、西さんと同じ意見です。ブレイクダンスは、2024年のパリ五輪の新種目に決定したこともあり、ブレイクダンスの知名度が上がって、多くの方から熱視線を浴びているのを感じます。あと、「ダンス」のイメージが変わってきた気はしますね。
30、40代より下の方はカッコイイと思ってくださる方もかなり増えましたが、まだまだそれより上のご年配の方だと”不良のカルチャー”という感覚を拭えず敬遠されてしまうことは多いです。
そういう背景もあり、さらに色んな方に受け入れていただけるようになるために「今はちゃんとしよう」とダンス業界内でも意識が変わってきています。
あと、私自身はダンスシーン以外にも発信をしていって、どんどんカルチャーを社会に浸透させたいです。ダンスに限りませんが、スポーツから学ぶことは本当に多いですよね。私自身もダンスの経験が想像以上にプレイヤー以外の活動につながっていることに気付かされます。チームとしての活動がチームビルディングにつながるように、身体の動かし方やスキルに留まらず、教育や内面的な良さにもつながる。「見て感じる」という魅力に加えて、そういった「内面の学び」の魅力も広まっていけば良いなと思います。
そして、その魅力を伝えていくためには、やはり「プレイヤーがダンスをする」ということだけだと足りないと思います。プレー以外の部分でも伝えていく必要を感じていますね。

長田: そうですね。私たちはそういったスポーツの価値を伝えていく方を「スポーツプロデューサー」と呼んでいます。文字通り、そのスポーツをプロデュースする存在ですね。西さんはナルミさんのお話を聞かれて、いかがでしょうか。
西: 私もそう思います。立場の違いこそありますが、プレイヤーと裏方の私たちで「サンロッカーズ渋谷」という1つのチームと捉えています。プレーを選手に委ねて、逆に選手たちはマネジメントやPRを私たちに委ねる。相互の関係で1つのチームを作ることで、スキルなどに留まらない競技の魅力が伝わると考えています。それこそ私たちの活動は「スポーツプロデューサー」ですね。
長田: 選手とスポーツプロデューサーで1つのチーム、確かにそうですね。そしてファンも加わって一つのコミュニティが作られますね。
ナルミ: ところで…この間、1つの資料を作るのに半年もかかったんですよ(笑)。最初10ページほどの資料が、2度目の修正で50ページになって、逆に減らさないと… みたいなことを繰り返していたら半年が経っていて。
私は会社で勤めた経験がなく、今の裏方の活動で苦労することも多いのですが(笑)。そういうのって会社などで習うものなんでしょうか?
長田: そうですね。“作らないといけない環境にある”と言う方が正確でしょうか(笑)。もちろんイチから丸投げで「じゃあやって」ということは無いのですが。資料作りでは上司や先輩から鍛えられた経験はありますね。
ナルミ: そうなんですね。あと、そういうものって“個性”とかは出るものなんでしょうか?
長田: 個性は自然と出ることが多いと感じますね。どこに熱量を注ぎたいか、どういう想いでやるのかとか、それをどのような言葉で伝えるのか、ですとか。やはり自分の興味あるところには力が入りますね。
ナルミ: 難しいですね本当に(笑)。今の立場になって、裏方のすごさを実感したり、もっと早く知りたかった!と思うことが多々あります。
西: 私も企画書を作るのはあまり好きではないです(笑)。直接話す方が伝わりやすいときもあるので。ただ、ビジネスでは何か提案をすると、「じゃあ企画書もらえる?」って言われることが多いので…。やっぱりそこは大事ですね(笑)。
ナルミ: じゃあそれこそ、「Shibuya Sports Academy」の活動はめちゃくちゃ将来に活きてくるんですね。
長田: おっしゃる通りです。『Shibuya Sports Academy [渋谷スポーツアカデミー]』では“スポーツプロデューサーの育成”としていますが、もちろんここで培ったノウハウはスポーツ業界に限らず、あらゆる場所で生かせるものです。かつ、学生時代に自分の興味のあるジャンルで様々なことを学ぶ新鮮な経験は、受講生にとってとても力になると思いますね。

ナルミ: 羨ましいですね。こういうのがあったら受けたいですもん、私も(笑)。
これからのシーンへの”願い”
長田: それでは最後に、お二人としては今後それぞれの業界をどうしていきたいか、どうなって欲しいか、あればお聞かせください。
ナルミ: カルチャーの露出を増やし、社会に浸透させたいですね。そしてそのために、プレイヤーもシーンを支えている”スポーツプロデューサー”たちの活動に理解があると良いと思います。先ほども言いましたが、プレイヤーがダンスをするだけでは業界は広がっていかない。そこには必ず裏方の存在がありますからね。どちらかが欠けても業界が成立しないことを、プレイヤーと裏方・育成、どちらもやっているからこそ、余計に身に染みて思います。
後は「プレイヤーを持ち上げ過ぎない」ことが私は大切だと思います。表に出る方も裏を支える方も、両方が大切な存在だということを理解し、感謝し合える関係性を作ればどちらの業界も発展していくと思います。
西: 私も同じように思います。「サンロッカーズ渋谷」というチーム、そこにいる選手、そしてバスケットボールの魅力をさらに伝え、プレーする子供たちに夢を与えることが、地域や社会の活性化につながると考えています。
ナルミ: 逆にスポーツの仕事に関わりたいとか、いわゆる”スポーツプロデューサー”を目指したい人に向けて、西さんからアドバイスなどありますか?
西: 私はバスケットボールの世界に飛び込んだ時には、広報の経験もなければ、リリースを1本も書いたことがない状態でした。ですが、それまでに培ってきた経験が生きていることを実感します。全然関係ないと思うような経験もしっかり生きています。ですので良い意味で固執せず、どんどん好奇心の赴くままに動いてみて欲しいですね。スポーツとは一見関係のないようなことに思えても、その行動が将来スポーツ選手をサポートするかも知れない。「これをやってもスポーツ業界の仕事につながらないのでは」などと思わず、とにかくいろんなことに挑戦して欲しいです。

ナルミ: なるほど。私自身裏方としての取り組みは最近になってからですが、プレーに限らずコーチングやワークショップ、講演など、ダンスをプレーする以外の視点で捉えることで、より面白く感じることが増えました。プレイヤーとして集中することも面白いですが、逆にこの魅力をどう伝えよう?と考えることで、プレイヤーに対する向き合い方も変わってくる。何ならそれがプレーにも活きてくる。関係ないことのようにも思えますが、裏方の活動でブレイキンをより好きになることができましたね。
長田:そうなんですね。私もスポーツのそばにいるひとりとして、うなずける部分がたくさんありました。メジャースポーツとストリートスポーツ、(渋谷区のスローガンでもありますが)それぞれちがいをちからに変えて、魅力にして、シーンが今以上に、未来に向かっていく可能性を感じました。 特にスポーツの原点にあるチャレンジスピリットや、敵味方を問わず良いプレイを称えあえるアスリートお互いのリスペクトなど、ますますフィーチャーされていくように思います。 お二人とも素敵なお話を、ありがとうございました。
プレイヤーがプレーを全うできる環境を作るため、そしてさらなるスポーツの魅力を伝えるために奔走するお三方の対談、いかがでしたでしょうか。バスケットボールなどのメジャースポーツに限らず、ストリートスポーツでも”スポーツプロデューサー”の存在は重要なもの。もしプレイヤーから離れても、あなたの好きなスポーツに関わる機会ができるとしたら? そしてそのために必要なものは何なのか? 興味があるあなたに、『Shibuya Sports Academy [渋谷スポーツアカデミー]』の講座は必ず力になってくれることでしょう。
Shibuya Sports Academy [渋谷スポーツアカデミー]とは
『Shibuya Sports Academy [渋谷スポーツアカデミー]』では、スポーツ業界を裏から支える仕事についてワークショップや机上で学習します。スポーツプロデューサーとして実際に活躍しているプロもゲスト講師として登場。見る人にスポーツの魅力を感じてもらうにはどうすればいいのか、基礎からしっかり学ぶチャンスです。
講座の詳細は、ウェブサイトよりご覧ください。
ゲスト / モデレーター プロフィール
●NARUMIさん(BODY CARNIVAL CREW)

15年以上に渡り世界大会で50回以上優勝するという偉業を成し遂げるBGIRL界のパイオニア的存在である。「夢や目標に向かって挑戦し続ける」をテーマに世界をまたにかけ活動を行っている。
2016年にはNHKのドキュメンタリー番組 「ハートネットTV ブレイクスルー」に出演。 ブレイクダンスシーン発展のために、 高校・中学校の進路授業で講演会を開催、プロアスリートと共にプロジェクト参加するなどダンスシーンの枠を越え様々なシーンに発信する活動も精力的に行っている。
2018年アルゼンチンで開催されたYouth Olympic Gamesではブレイキン種目の初開催が決定し、大会の審査員として数々の世界大会でジャッジも務める。
国内外で活動の幅を広げており、発展途上国へのダンスシーンのサポートや、チャリティーイべント、ワークショップなど、ダンスを通じた社会貢献もチームのメンバーと共に行っている。
現在も海外や日本各地の大会に参加し現役活動を続けながら、審査員、ゲストショー、ワークショップ講師として世界中で活躍中。
●西 祐美子さん(サンロッカーズ渋谷 広報、地域、 MD担当 )

神奈川県横浜市出身。日本大学法学部卒業後、百貨店の運営会社へ就職。2013年よりbjリーグ(日本バスケットボールリーグ)所属のチームへ転職、バスケットボール界へ飛び込む。チケット担当を経て2015年より広報担当に就任。その後2016年、Bリーグの発足に伴い、プロ化を図りフランチャイズを渋谷区へ改め再出発をした『サンロッカーズ渋谷』(株式会社日立サンロッカーズ)へ転職。渋谷区初のプロスポーツチームとして広報、地域、MDを担当している。
●モデレーター:長田新子さん(渋谷未来デザイン 理事・事務局次長)

AT&T、ノキアにて情報通信及び企業システム・サービスの営業、マーケティング及び広報責任者を経て、2007年にレッドブル・ジャパン入社。最初の3年間をコミュニケーション統括、2010年から7年半をマーケティング本部長として、日本におけるエナジードリンクのカテゴリー確立及びレッドブルブランドと製品を日本市場で浸透させるべく従事し、2017年に退社し独立。2018年4月より渋谷の未来を生み出すプロジェクトを構想・推進する「一般社団法人渋谷未来デザイン」にて、ソーシャルデザインをテーマにした都市フェス「 SOCIAL INNOVATION WEEK SHIBUYA 」、渋谷区公認「バーチャル渋谷」 を推進する「渋谷5G エンターテイメント」 、ストリートスポーツ啓蒙プロジェクト「Next Generations」などを手掛ける。
その他、NEW KIDS株式会社代表として、企業ブランド、コミュニティ・アスリート・イベント関連のアドバイザーやマーケター向けキャリア支援活動を行なっている。初の著書「アスリート×ブランド 感動と興奮を分かち合うスポーツシーンのつくり方」(宣伝会議)を2020年5月に出版。趣味はスポーツ観戦・音楽ライブ鑑賞、ゴルフ、海など。
※ マスクは撮影時のみ外しております。
※ 対談取材は7月9日(金)に行われました。
photo by KAZUKI
text by YAMADAI
SPECIAL EDITION

FINEPLAYはアクションスポーツ・ストリートカルチャーに特化した総合ニュースメディアです。2013年9月より運営を開始し、世界中のサーフィン、ダンス、ウェイクボード、スケートボード、スノーボード、クライミング、パルクール、フリースタイルなどストリート・アクションスポーツを中心としたアスリート・プロダクト・イベント・カルチャー情報を提供しています。
アクションスポーツ・ストリートカルチャーの映像コンテンツやニュースを通して、ストリート・アクションスポーツの魅力を沢山の人へ伝えていきます。
●今日 ○イベント開催日
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others「CREATIVE X AWARD 2022 supported by Western Digital」 結果発表2022.07.29CREATIVE X AWARD2022 実行委員会(フュールメディア株式会社、株式会社ZETA、NOBORDER.z FZE、株式会社電通)はウエスタンデジタル合同会社協賛のもと、アクションスポーツ・ストリートカルチャーに特化したクリエイターを対象としたクリエイティブアワード、「CREATIVE X AWARD 2022 supported by Western Digital」を開催した。 映像部門、写真部門、NFT部門の3部門にて、2022年4月28日から6月30日まで各作品が募集された。応募数の合計は、118作品の応募があり、それぞれのSTYLEを表現した選りすぐりの作品が集められた。 今回、審査員による厳正なる審査を経て「CREATIVE X AWARD 2022 supported by Western Digital」の受賞作品を発表します。 受賞者:「伊藤 剛 」競技:「フリースタイルスキー」被写体:「大池拓磨 」 受賞者:「ゆうた」競技:「BMX」被写体:「池田貴広 」 https://youtu.be/-mFrqs4TEzc 受賞者:「写樂-Sharaku- 」競技:「スケートボード, ストリートダンス, ダブルダッチ, パルクール, フリースタイルフットボール/フリースタイルバスケ/トリッキング 」被写体:「YUSUKE HIGA / RIKU / Taka Sakurai / maekon /Tomoya / Nosuke / ikkyon / Futa / Kenty / shu 」 https://youtu.be/EgGwOWcWCeg 受賞者:「三橋亮太, 岩本 晃一, 長谷川 悠太 」競技:「スケートボード」被写体:「岩本 晃一 」 受賞者:「ヤツキナツミ / Yatsuki Natsumi」競技:「スケートボード」被写体:「特定のモデル・被写体はいません。」 https://youtu.be/8OWKElqqr68 受賞者:「菅谷 佑之介」競技:「スノーボード」被写体:「菅谷 佑之介」 審査委員長 梶野仁司 コメント この度は「Creative X Award 2022」にたくさんの応募をいただきありがとうございました。多くの次世代を担うクリエイターたちの作品は三者三様で、審査員共々、評価にも熱が入りました。アクションスポーツ、アーバンスポーツの持つ表現力は近年とても豊かになり、また手軽に撮影できる環境も整い、クリエイターの持つ可能性は大きく伸びていると思います。僕自身、このアワードを今後、若手クリエイターの成長の場としてもっと高めていきたいという思いは強く、定期的な開催となるよう我々ももう少しアイデアを出し、いずれは世界に通用するアワードに育てていきたいと思います。 今回受賞された方々の作品は、クオリティも一定基準を満たすものであり、また他の作品より出演者とのコミュニケーションや、着眼点も秀でていた結果だと思います。惜しくも受賞を逃された皆さんも、今回だけでなく、またこのアワードに向けて新たな制作に挑んでほしいと思います。 またいろんなスタイルの作品に出会えるのを楽しみにしています。 審査委員長 梶野仁司 審査委員
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bmxぶっちぎりで勝ちたかった。女子エリートは大池水杜が有言実行で優勝「マイナビ Japan Cup Yokosuka」BMXフリースタイル・パーク種目2022.07.27「マイナビ Japan Cup Yokosuka」BMXフリースタイル・パーク種目がうみかぜ公園 (神奈川県横須賀市)にて、2022年6月22日(金)~24日(日)の3日間に渡り開催され、男子エリートは小澤楓選手が、女子エリートは大池水杜選手が優勝を収めた。 今大会は2022年シーズン第2戦として神奈川県横須賀市の全面バックアップの下行われ、横須賀市では初開催という記念すべき一戦となった。また今回の出場者数は過去最大のエリート・アマチュア含め全11カテゴリー112名。全国から年齢問わずトップクラスのライダーたちが集まりハイレベルな戦いが繰り広げられた。 そして会場となったうみかぜ公園はダートジャンプコースやスケートパークが併設された公園でありBMXライダーたちにはお馴染みの日本のBMXシーンを象徴する聖地の一つ。そんなBMXのカルチャーが根付くこの地に大会用のパークセクションを設置する形で今大会が開催された。 パークセクションでの集合写真photograph by「マイナビ JapanCup」/ @JFBF またなんと大会レガシーとして今回使用したセクションを中・上級者向けBMXパークとしてうみかぜ公園に残し常設することが決まった。これは全国の自治体初の取り組みで横須賀市はフェンス設置や料金等運用方法の検討を行い、8月末頃の供用開始を目指しているとのことだ。 なお、今大会は新型コロナウィルスの感染拡大防止に十分に配慮した上で完全有観客の中での開催となった。当日は子どもから大人まで公園に遊びに来たBMXライダーから一般の人までたくさんの人々が集まり、トップライダーたちのハイレベルでダイナミックのトリックに目を奪われ思わず歓声を上げる姿も見られた。また合わせて大会の模様はJFBF公式Youtubeにてリアルタイムで視聴可能なライブ放送も行われた。 以下は、今大会注目のエリートクラス決勝の大会リポート。 BMXフリースタイルの聖地で、男子エリートは最年少14歳の小澤楓が他選手を圧倒し優勝。女子エリートでは大池水杜が自分らしさを意識したライディングで見事優勝。 男子エリートクラス 決勝進出した男子エリートライダーたちphotograph by「マイナビ JapanCup」/ @JFBF 男子エリートクラス決勝は、参加選手12名の中から前日の予選を勝ち上がった上位8名にてよって争われた。今回は優勝候補の中村輪夢と溝垣丈司が不在の中で若手ライダーが大半を占め、誰が勝ってもおかしくない熾烈な戦いとなった。 そんな戦いの中、他選手を寄せ付けずエリートカテゴリー初優勝を果たしたのは小澤楓。前回茨城で開催された「マイナビ Japan Cup 第1戦」ではエリートカテゴリー初出場にも関わらず絶対王者中村に続く2位で大きなインパクトを残した最年少エリートライダーの彼。 小澤楓のライディングphotograph by「マイナビ JapanCup」/ @JFBF 前日の予選を一位通過し迎えた決勝のラン1本目は「360・ダウンサイドテールウィップ」や「バックフリップバースピン to キャンキャン」など高難度のトリックをノーミスでメイク。78.40ptをマークして暫定1位に躍り出る。 ラン終了後に観客とハイタッチを交わす小澤楓photograph by「マイナビ JapanCup」/ @JFBF その後、他選手に得点を塗り替えられることなくウイニングランとして迎えたラン2本目では1本目のルーティンに加えてトリックの精度を上げ、各セクションでトリックをメイクし更にハイレベルのライディングを魅せ自身の得点を82.20ptへ伸ばし完全優勝を果たした。 寺林昌輝のライディングphotograph by「マイナビ JapanCup」/ @JFBF 準優勝は小澤と同じく14歳最年少の若手ライダーで頭角を表している寺林昌輝。決勝のラン1本目では「360・ダブルテールウィップ」や「フレア」など高難度のトリックを次々にメイクするも横に2回転する大技「720」でスリップダウンしたため得点は65.60ptとなった。しかし、ラン2本目ではボックスジャンプで「360・ダブルテールウィップ」からのクオーターでの「ダブルテールウィップ」という高難度のトリックアフタートリックと「720」も見事メイクしてフルメイクでランを終え、得点を77.90ptに大幅に引き上げエリートカテゴリーの2位の座を勝ち取った。 高橋彬のライディングphotograph by「マイナビ JapanCup」/ @JFBF 3位はダイナミックな走りが特徴的な高橋彬。ラン1本目では「バックフリップ・バースピン to タックノーハンド」や「540・バースピン」をはじめとした高難度トリックを数々メイクし、フルメイクでランを終え得点を76.60ptに。ラン2本目では1本目のルーティンに、前輪を前に落として横に一回転する「360」の派生技「ディップスリー」など大技を加えたライディングで得点を伸ばし76.80ptをベストスコアとして表彰台の座を手にした。 女子エリートクラス 一方、女子エリートクラス決勝は東京オリンピック日本代表の大池水杜と現全日本チャンピオンの内藤寧々を始めとした4名で争われた。 決勝進出した女子エリートライダーたちphotograph by「マイナビ JapanCup」/ @JFBF 今回、見事優勝を収めたのは大池水杜。前大会では直前に怪我をしてしまったこともありベストを尽くせず悔しい思いをした彼女。今大会では「ぶっちぎりで勝つ」ことを意識して臨み有言実行を果たした。 大池水杜のライディングphotograph by「マイナビ JapanCup」/ @JFBF ラン1本目では「バックフリップ」や「360」などの縦回転・横回転はもちろんのこと「ワンフット・X-up 」や「アリウープ・インバート」などすべてのセクションでトリックをメイクし64.60ptをマーク。ラン2本目ではスリップダウンなどもあり39.00ptとするが、1本目の得点で逃げ切り日本の女子フリースタイル・パークシーンを牽引する第一人者としての強さを証明した。 内藤寧々のライディングphotograph by「マイナビ JapanCup」/ @JFBF 準優勝は現全日本チャンピオンの内藤寧々。先日ベルギーのブリュッセルで行われたワールドカップでは自身2度目の出場で初の決勝進出を果たすなど現在乗りに乗っている彼女だが、ラン1本目ではクオーターでトライした「テールウィップ」で転倒し調子を上げられず得点を40.00ptに。ラン2本目ではミスを修正し「360」、クオーターでの「テールウィップ」「ワンフット・X-up to キャンキャン」などメイクするも54.40ptで大池の得点には届かず惜しく2位という結果となった。 羽山絆愛のライディングphotograph by「マイナビ JapanCup」/ @JFBF 3位は羽山絆愛。実はBMX歴1年未満の彼女だが、既に大技「360」や「ワンフット」や「ワンハンド」などを習得しており、今大会でも見事にメイクし表彰台に上がった。更なる成長が期待される若手ライダーの一人で今後の彼女の走りにも注目したい。 優勝者コメント 優勝した小澤と大池photograph by「マイナビ JapanCup」/ @JFBF 小澤 楓 選手(男子エリートクラス)「今回は予選から1位で決勝に挑むことができ、決勝では自分のできる難易度の高い技を成功させて優勝できたことがとても嬉しいです。1本目を終えた時点で優勝が決まっていたので、 2本目ではリラックスした中でライディングできました。それが得点を伸ばすことができた理由だと思います。今後は自分のルーティンを決め切る走りをして世界大会では準決勝突破を目指したいですし、将来は尊敬されるライダーになりたいです。 」 大池 水杜 選手(女子エリートクラス)「皆さん応援ありがとうございました。前回は大会直前で怪我をしてしまったこともあり、思ったような走りができず観に来てくれたみなさんを楽しませられなかったので今回はぶっちぎりで優勝したいと思っていました。今回のランでは得点の取り方も再度考え直した上で自分らしいトリックやセクションの使い方を意識したのでその結果として優勝できて良かったです。今後はまず次のワールドカップのオーストラリア戦での優勝を目標にしていますが、最終的にはもちろんパリオリンピック出場して結果を残したいです。」 大会結果 <男子エリート>優勝: 小澤 楓 (オザワ・カエデ) / 82.80pt準優勝: 寺林 昌輝 (テラバヤシ・マサキ) / 77.90pt第3位: 高橋 彬 (タカハシ・アキラ) / 76.80pt 左から寺林、小澤、高橋の順photograph by「マイナビ JapanCup」/ @JFBF <女子エリート>優勝: 大池 水杜 (オオイケ・ミナト) / 64.60pt準優勝: 内藤 寧々 (ナイトウ・ネネ) / 54.40pt第3位: 羽山 絆愛 (ハヤマ・キズナ) / 26.80pt 左から内藤、大池、羽山の順photograph by「マイナビ JapanCup」/ @JFBF <キッズ4アンダー>優勝: サカキバラ・カナタ / 33.00pt準優勝: タナカ・カイリ / 30.40pt第3位: コジマ・ハル / 28.80pt <キッズ5-6>優勝: マスイ・チアキ / 72.80pt準優勝: コジマ・ルカ / 64.80pt第3位: コバヤシ・アラタ / 56.60pt <ガールズ7-9>優勝: ウメバヤシ・ユマ / 57.60pt準優勝: イノウエ・アオイ / 57.20pt第3位: ホソカワ・イロハ / 47.20pt <ボーイズ7-8>優勝: サイキ・タスク / 69.00pt準優勝: タカハシ・ヒサシ / 59.42pt第3位: タナカ・ケイ / 58.40pt <ガールズ10-12>優勝: ヨシダ・ミオ / 72.00pt準優勝: コマツ・キラリ / 64.10pt第3位: オクザキ・トモカ / 63.60pt <ボーイズ9-10>優勝: フダモト・ユウマ / 69.70pt準優勝: オゴケ・ユウト / 69.50pt第3位: タニモト・リョウガ / 69.16pt <ボーイズ11-12>優勝: ハヤシ・ショウゴ / 68.90pt準優勝: ヨネヤマ・ソウイチロウ / 63.20pt第3位: ジンボ・トラノスケ/ 55.40pt <女子13-15>優勝: オザワ・ミハル / 71.00pt準優勝: スギモト・ミク / 43.20pt第3位: ヤマモト・ユイカ/ 31.80pt <男子13-15>優勝: マツモト・ショア / 79.00pt準優勝: イトウ・アクア / 75.40pt第3位: シライ・レオン/ 71.40pt 大会概要 ⼤会名称 : 「マイナビ Japan Cup Yokosuka」開催期間 : 2022年7月22日(金)~24日(日)- 3日間 -※詳細は公式HPをご覧ください。大会会場::神奈川県横須賀市 うみかぜ公園(神奈川県横須賀市平成町3-23)主催: 一般社団法人 全日本フリースタイルBMX連盟(JFBF)共催:横須賀市後援:一般社団法人 日本アーバンスポーツ支援協議会特別協賛:株式会社 マイナビ協賛:鎌ケ谷巧業株式会社、株式会社シミズオクト、株式会社アクティオ出場選⼿:全11クラス(アマチュア含め) 計112名男⼦エリート 12名・⼥⼦エリート 4名
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bmx自分の走りを信じ勝ち取った頂点。男子エリートは佐々木元が悲願の優勝「マイナビ Japan Cup Yokosuka」BMXフラットランド「マイナビ Japan Cup Yokosuka」 BMXフラットランドがうみかぜ公園 (神奈川県横須賀市)にて、2022年6月22日(金)~24日(日)の3日間に渡り開催され、男子エリートでは佐々木元選手が、女子エリートでは川口朔来選手が優勝を収めた。 2022年シーズン第2戦目となった今大会は子どもから大人まで全部で8クラスにカテゴリー分けされ、全国中から61名が大会初開催の地である神奈川県横須賀市に集まりトップの座を競い合った。今回はBMXフリースタイル・パーク種目も同時開催されいつも以上に大盛り上がりの大会となった。 そしてその会場となったのは横須賀市内にあるうみかぜ公園。BMXのダートジャンプコースやスケートパークも有するこの公園内の海側にBMXフラットランドの専用ステージが特設で用意された。天候にも恵まれ最高のロケーションの中、たくさんのBMXライダーと観客が集まり日本最高峰の戦いの行方を見届けていた。 なお、今大会は新型コロナウィルスの感染拡大防止に十分に配慮した上で完全有観客の中での開催となり、また合わせて大会の模様はJFBF公式Youtubeにてリアルタイムで視聴可能なライブ放送も行われた。 以下は、今大会注目のエリートクラス決勝の大会リポート。 2022年シリーズ第2戦は、佐々木元がパーフェクトランで男子エリート悲願の優勝。女子エリートでは16歳の川口朔来が2連覇。 男子エリートクラス 男子エリートクラス決勝は、参加選手14名の中から予選を勝ち上がった上位8名にて争われた。世界の舞台で活躍するトップライダーたちはもちろんのこと、今大会からエリートカテゴリーに上がった若手ライダーも決勝進出を果たし、レベルアップを続ける日本のBMXフラットランドシーンを垣間見る大会となった。 男子エリート決勝に進出したライダーたちphotograph by「マイナビ JapanCup」/ @JFBF そんなハイレベルな決勝を見事制したのは佐々木元。現在の日本のBMXフラットランド界において佐々木は大会出場選手の中でもベテランライダー。若手ライダーがどんどん力をつけていく中で勝ち切れない大会が続いていたが今回は自分の強さを発揮するライディングで他選手を圧倒した。 佐々木元のライディングphotograph by「マイナビ JapanCup」/ @JFBF 佐々木は持ち前のフロントトリックで構成したルーティンの中にクロスフットやシートグラブなど取り入れて前後へ自転車を入れ替えながら、自身のオリジナル技 「元スピン」を始めとした高難度のトリックをふんだんに組み込み佐々木にしかできないオリジナルのライディングを終始展開。ミスなくフルメイクで終えた彼は勝ちを確認したかのように声を上げて天を仰いだ。そしてその思いに沿うように堂々の91.67ptをマークし積年の思いを見事優勝で果たした。 早川起生のライディングphotograph by「マイナビ JapanCup」/ @JFBF 準優勝は早川起生。今年数々の大会で世界一を獲得している彼はスピン系のリアトリックを組み合わせたルーティンを披露。彼の持ち味の難しい体勢からのスイッチとペダルを軸とする高難度のリアトリックでライディングを構成していきながら、ペダルを軸にハンドルを跨ぎながら回転する「バックスピン」や、「サーカス」からジャンプしてダイレクトにペグに乗る動きなど他選手が真似できないルーティンを魅せ90.00ptを叩き出した。今回は惜しくもトップの座を逃すことになったが今シーズンの残りの大会ではまた1位に返り咲くトリックを披露してくれることだろう。 磯谷匠のライディングphotograph by「マイナビ JapanCup」/ @JFBF 3位はスピン系のロングコンボとロングルーティンを得意とする磯谷匠。今回もフロントタイヤを中心にした高速スピンの中に「ヒッチハイカースピン」「エルクスピン」「ハーフパッカー」など様々なトリックを入れ込むルーティンで構成されたライディングを魅せた。また超高速の「タービンスピン」を中心にしたルーティンでは軸をずらしながら回る高難度のスピンに観客も歓声を上げていた。そんな3分間のランを見事フルメイクした磯谷は86.00ptをマークし3位入賞を果たした。 女子エリートクラス 一方、女子エリートクラス決勝は今回8名で争われた。毎回参加人数も増えているこのカテゴリー。今大会では女子エリート初のトリックも見られるなど男子に負けず女子のレベルも上がっている様子が見受けられた。 川口朔来のライディングphotograph by「マイナビ JapanCup」/ @JFBF 並み居る強豪選手たちを抑えて優勝したのは川口朔来。リアトリックとフロントトリックの両方を扱うオールラウンダーな彼女は、手始めにリアトリックの「ラードヤード」や「メガスピン」。そしてフロントトリックの「グライド」からの「ファンキーチキン」など丁寧に完成度の高いトリックを着実にメイクしていく。その後はフロントトリックの「バックサークル」や長い「フロントシートグラブのスピン」を綺麗にメイクし74.67ptをマーク。見事、大会2連覇を成し遂げた。 中川きららのライディングphotograph by「マイナビ JapanCup」/ @JFBF 準優勝は咋年度全日本チャンピオンの中川きらら。フロントトリックの細かい技の繋ぎとロングルーティンが特徴な中川は、序盤は「メガスピン」を始めとした様々な短めのトリックや「スチームローラー」と「スクエーカー」で繋ぐロングルーティン等を着実に決めていき得点を稼いでいく動き。そして「エルググライド」からの「バックスピン」を決めたところで迎えたラン終盤では、難易度を上げたフロントトリックのルーティンにトライするが決め切れず得点を73.33ptとし今大会を惜しくも2位で終えた。 伊藤聖真のライディングphotograph by「マイナビ JapanCup」/ @JFBF 3位はジャンプ系のトリックを取り入れた力強いライディングが特徴的な伊藤聖真。リアトリックを中心に構成されたルーティンの中で「ディケード」や「メガスピン」などを決めていく。順調にランを進めていき終盤では女子エリート界初メイクの大技である「マックサークル」からの「ファイヤーディケイド」を見事メイク。この大技が中心に評価され70.00ptをマークし3位の座を獲得した。 優勝者コメント 優勝した川口と佐々木photograph by「マイナビ JapanCup」/ @JFBF 佐々木 元 選手(男子エリートクラス)「皆さま応援ありがとうございました。まず自分が優勝できたことよりも、決勝ラン後のみんなの歓声がとても嬉しかったです。2010年からプロとして戦ってきて3回連続負けることはなかなか無かったので4回目も勝てないんじゃないかと不安でした。また自分のポリシーである自分の走りができなかったらプロ引退という思いの中で、今回は自分の強さが見せられて久しぶりに優勝することができて嬉しいです。今後は9月に全日本選手権があるので、いい準備をしてまた優勝を狙っていきたいです。また新しい技に挑戦したり、皆さんへのサプライズも考えているので楽しみにしていてください。」 大会結果 <男子エリート>優勝: 佐々木 元 (ササキ・モト) / 91.67pt準優勝: 早川 起生 (ハヤカワ・キオ) / 90.00pt第3位: 磯谷 匠 (イソガイ・タクミ) / 86.00pt 左から早川、佐々木、磯谷の順photograph by「マイナビ JapanCup」/ @JFBF <女子エリート>優勝: 川口 朔来 (カワグチ・サクラ) / 74.67pt準優勝: 中川 きらら (ナカガワ・キララ) / 73.33pt第3位: 伊藤 聖真 (イトウ・セイマ) / 70.00pt 左から中川、川口、伊藤の順photograph by「マイナビ JapanCup」/ @JFBF <キッズ6アンダー>優勝: ハラフジ・ジョウジ / 57.25pt準優勝: コバタ・ケン / 47.75pt <ガールズロー>優勝: コガ・ココア / 59.75pt準優勝: マエダ・ユイ / 55.00pt第3位: コバタ・ユカ / 46.50pt <ボーイズ7-9>優勝: トダカ・ヤマト / 77.33pt準優勝: ムライ・ユウト / 72.00pt第3位: ハヤシ・リフウ / 65.33pt <ボーイズ10-12>優勝: ハヤカワ・ユオ / 78.00pt準優勝: ヒシカワ・タカトラ / 75.00pt第3位: カジワラ・レンヤ / 72.67pt <ガールズハイ>優勝: トダカ・アズサ / 78.67pt準優勝: カジワラ・サリヤ / 75.67pt第3位: トダカ・チアキ / 72.67pt <男子13-15>優勝: オカヤマ・ユウゴ / 74.33pt準優勝: サセ・ハルキ / 73.33pt第3位: ハヤシ・セオン / 68.00pt <30オーバー>優勝: フジイ・セイジ / 70.50pt準優勝: ヨシダ・コオ / 68.00pt第3位: イシダ・タカシ / 66.75pt <エキスパート>優勝: イシカワ・リョウ / 68.67pt準優勝: オカダ・タク / 60.33pt 大会概要 ⼤会名称 : 「マイナビ Japan Cup Yokosuka」開催期間 : 2022年7月22日(金)~24日(日)- 3日間 -※詳細は公式HPをご覧ください。大会会場::神奈川県横須賀市 うみかぜ公園(神奈川県横須賀市平成町3-23)主催: 一般社団法人 全日本フリースタイルBMX連盟(JFBF)共催:横須賀市後援:一般社団法人 日本アーバンスポーツ支援協議会特別協賛:株式会社 マイナビ協賛:鎌ケ谷巧業株式会社、株式会社シミズオクト、株式会社アクティオ出場選⼿:全8クラス(アマチュア含め) 計61名男⼦エリート 14名・⼥⼦エリート 8名
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doubledutchダブルダッチ甲子園“ITADAKI 2022” 優勝は高1「狛夢病愛」!!2022.07.252022年7月24日(日)、 ダブルダッチ業界初となる高校生の大会『ITADAKI ダブルダッチ甲子園 2022』が開催された。 昨年からスタートした同大会は、アンバサダーにDA PUMPのKIMI、そしてシーンのトップランカーであるREG☆STYLEを起用。 MCを務めるKIMI(左)と、REG☆STYLE・YUI 更にはダンス業界からKING OF SWAGのYusei、またお笑い界からダイノジ 大地洋輔、人気沸騰中の振付師・えりなっちなど、「高校生が主役」として輝けるステージをシーン内外の様々なキャストがサポート。 3つの種目から構成され、それぞれで白熱した戦いを繰り広げた大会の様子を振り返る。 SPEED RELAY 団体ごとに競われるこの種目は、3名の跳び手が制限時間内に跳んだ回数を競うもの。優勝・準優勝を分けたのはたった1回差というハイレベルな激戦となった。 日本橋ダブルダッチクラブ 見事1位を獲得したのは「日本橋ダブルダッチクラブ」で198回。団体としては昨年に続き2連覇。メンバーは入れ替わったが、先輩たちの思いを引き継ぎ頂に躍り出た。 1 on 1 BATTLE 個人戦である 1 on 1 バトルは、イベントの主役である高校生に加え、未来のITADAKI世代を担う中学生の2部門が用意。両部門とも決勝のカードは、関西を拠点とする「MIYAKO JUMPROPE CLUB」と、北海道の「HKR JUMPROPE CLUB」のスクール生。ハイレベルな激戦の行方はジャッジに委ねられた。 SEISHIRO 中学生部門では SEISHIRO (MJRC) が昨年に続き2連覇。愛らしい風貌はロープを潜ると一変、身体を大きく使い抑揚を全身で表現するHIPHOPスタイルで会場を大いに沸かせたSEISHIRO。今年中2となった彼のこれからが楽しみだ。 TAIYO 高校生部門でもMJRC生は強かった―― 優勝に輝いたのはTAIYO (MJRC)。トップロックやフロアムーブといったブレイキンの技を見事にダブルダッチへ落とし込み、ブレない軸と安定感で高校生NO.1プレイヤーの称号を掴み取った。 SHOWCASE 大会最注目となるショーケース部門は、全22チームによる戦いに。昨年から出場数は倍近く増加した今回、高校生離れしたスキルの応酬と各ショーの個性で会場を大いに賑わせた。 AuX. 3位は「AuX.」(Uver.)。数日前にメンバーが1名負傷し、急遽4名での出場となった彼女たちだったが、不測の事態を感じさせない堂々たるダブルダッチを見せてくれた。 レディー・ガガの名曲「Born This Way」を用いたショーは、まさしく逆境に負けず前を向く“5人”を象徴するようなものだった。 ROYAL PROMINENCE 2位は「ROYAL PROMINENCE」(栄光ROYAL)。 一度は見たことあるようなお馴染みの技も、彼らにかかれば“新技”に! 大胆でパワフルな各技と細かな創意工夫、そしてチーム人数としては最多となるなかでも緻密に作り込まれたフォーメーションは決して見辛さを与えず、男子7人ならではのインパクトあるショーを見せてくれた。 狛夢病愛 そして栄えある“二代目 ITADAKI”に輝いたのは、何と高校1年生の女子3人チーム「狛夢病愛」(コマユメア / 狛江ダブルダッチクラブ) !! 一度聴いたら忘れられないメロディを使いこなし、会場を己の世界観に誘った彼女たち。ロープトリック・スピードステップ・3倍(駆け足跳び)と高難度な技も凝縮。音楽の疾走感や世界観に劣らないハイレベルなショーに、会場の外まで歓声が響き渡る程の盛り上がりを見せた。 今ご紹介したのはほんの一部でしかない。本来であればもっとご紹介したい選手はいたが、その全ては後日公式から公開されるライブ配信のアーカイブをご覧頂きたい。 “山頂”を目指し繰り広げられた戦い。夢を掴んだ選手も居れば、夢破れた選手もいたことだろう。しかしこの戦いを通して得たものは、次なる別の山への挑戦にも繋がっていくに違いない。感動を与えてくれた高校生たちに、心からの感謝を届けたい。 大会結果 ●SHOWCASE1位 狛夢病愛 / 狛江ダブルダッチクラブ2位 ROYAL PROMINENCE / 栄光ROYAL3位 AuX. / Uver. 狛夢病愛 ●1 on 1 BATTLE高校生部門 優勝 TAIYO / MIYAKO JUMP ROCE CLUB中学生部門 優勝 SEISHIRO / MIYAKO JUMP ROCE CLUB SEISHIRO(左)・TAIYO ●SPEED RELAY1位 日本橋ダブルダッチクラブ (198回) 日本橋ダブルダッチクラブ 大会概要 「ITADAKI ダブルダッチ甲子園 2022」日時 : 2022年 7月24日(日)時間 : 開演 13:30 / 終演 19:00 予定会場 : 川崎ルフロン主催 : ITADAKI 実行委員会共催 : 川崎市 / INTERNATIONAL STREET FESTIVAL KAWASAKI 実行委員会主管 : 有限会社OVER THUMPZ協賛 : ポカリスエット / ヘインズブランズ ジャパン株式会社協力 : スキルハック / JSDDL (日本学生ダブルダッチ連盟)後援 : 一般財団法人 日本ジャンプロープ連合 (JJRU)協力メディア : FINEPLAY
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doubledutch高校生たちよ“バカになれ”!「ITADAKI ダブルダッチ甲子園 2022」ゲストにインタビュー!2022.07.21いよいよ今週末に控えた『ITADAKI ダブルダッチ甲子園 2022』。昨年からスタートした同大会は、ダブルダッチシーン史上初の高校生をメインとしたコンペティション。昨年大盛況のうちに幕を閉じたITADAKIが、開催を夏季に改めまもなく開幕する。今回は豪華ゲスト陣に、お笑いコンビ「2700」のツネと、社会人チームとして業界内では有名な「YUTTY KINGDOM.」そしてアンバサダーを務める「REG☆STYLE」の3組が登場!高校生が主役となる1日を間違いない布陣で彩ってくれる彼らが今回、一同に会しインタビューを受けてくれた。彼らがゲストという大役に際し、ステージに込める思いとは。そして高校生タブルダッチャーに期待することは何か? ※GUEST・ENTERTAIMENT JUDGEとしてご出演予定だった2700・ツネさんについて、先日新型コロナウイルスへの感染が確認され、ご出演を取り止めることとなりました。当該記事については大会実行委員会とも協議の上、「ITADAKIに携わる関係者の熱量と思いを届けたい」という意図から、一部再編集を加え、予定通り掲載させて頂きます。 “エンタメ”色に溢れるITADAKI 「ITADAKI」という大会は他のストリート業界のコンペティションとは一線を画しており、同じカルチャー内の最前線プレイヤーだけでなく、キャストとして他カルチャーや“ストリート文化”を飛び越え、あらゆるジャンルの面々が名を連ねることが特徴だ。この異色の大会構成について、まずITADAKIの運営にも携わるアンバサダー・KO-YAにその意図を訊いてみた。 REG☆STYLE・KO-YA KO-YA:「ダブルダッチ」そして「高校生の頑張る姿」を、業界の中やストリート関係者はもちろん、それ以外のエンタメ好きの方にもご覧頂きたいという思いがあるんですよね。ツネさんのような方がいらっしゃるからこそ、枠を飛び越えて様々な方にご覧頂ける“きっかけ”になると思っています。 ――出場する高校生たちには、ITADAKIのどんな部分を楽しんでもらいたいですか。 KO-YA:これだけのメンバーが揃っていますが、あくまで主役は高校生たちです。出場する選手のみんなには、「俺たちが主役なんだ!」という思いで臨んでもらいたいです。業界を飛び越えて自分たちのダブルダッチを披露する瞬間なので、噛みしめて楽しんでもらいたいですね。 好奇心を持って 今回、ITADAKIの様々な企画に関与してくれていた2700・ツネ。高校生のエンターテインメント性を審査する「ENTERTAIMENT JUDGE」だけでなく、GUESTとして自身の持ちネタも披露してくれる予定だった。 アンバサダーのREG☆STYLEも「沢山笑わせてもらった」と語る、耳に残る警戒で独特なリズムネタが特徴のツネ。インタビューでは多岐にわたる活動やモットーについて訊いていた。 2700・ツネ ――最初に、このような形でダブルダッチの大会の依頼が来たときはどういった心境でしたか。 ツネ:嬉しかったですね。実はストリートカルチャーが昔から好きで、いつか携わりたかったんです。「芸人」というお仕事とカルチャーがリンクすることが少なかったので、垣根を超えるような存在になりたいという思いはずっとありました。 ――普段から色々なパフォーマンスをご覧になると伺ったのですが、ダブルダッチをご覧になったことはございますか。 ツネ:もちろんです。つい先日も『PADMA』という舞台に出演させて頂いて。 (※) PADMAダブルダッチをはじめダンス・BMXやアクロバット・DJや歌など、あらゆるジャンルのパフォーマンスが混在するパフォーマンス集団。コントやお笑い要素も取り入れつつ、時折ホロっとさせる演劇を融合させた「パフォーマンス+演劇」の舞台作品を作り続けている。 ツネ:PADMAとは付き合いも長いんです。色々なカルチャーが混在するショーが特徴なので、PADMAを見てあらゆるショーの見識が増えたといいますか。「こんなグループがあって、こんなパフォーマンスがあるんだ」と衝撃を受けました。 ――ツネさんのジャンルレスなご活躍、いち視聴者として凄いなと感心ばかりなのですが、改めてツネさんが今どんなことをやられているか、教えてください。 ツネ:お笑い以外にも「カジサックチャンネル」(キングコング・ 梶原雄太さんのYouTubeチャンネル)のメンバーとしてや、キッチンカーを経営していたり。あとは「アマチュアナイト」というパフォーマーの大会で、アポロシアターを目指していたりもしました。 ――多岐に渡る活動、凄まじいパワーを感じます。こうしたジャンルレスな活動の“原動力”は何なのでしょうか。 ツネ:ひとえに「好奇心」なんですよ。「やりたい!」「楽しそう!」という感性の赴くままに色々なことにチャレンジしています。色々な媒体で僕を知って頂けることが嬉しいですし、逆に僕も色々なことを知れることが嬉しいですね。 KO-YA:先ほども話がありましたが、アポロシアターって僕らダブルダッチプレイヤーにとても縁がある場所なんですよね。ITADAKIのおよそ1カ月後にスタートする「Double Dutch Delight」(ダブルダッチデライト) という大会は、日本決勝を勝ち進むとアポロシアターでパフォーマンス出来る機会があって。 YUI:REG☆STYLEだと私とKEITAがそのステージに立ったことがあって、KEITAは優勝しています。 ツネ:ワオ! マジですか?! KEITA:いやーもう、最高でしたね。アポロシアターに行ったらこれをやってもらいたい、みたいなことも色々あります(笑)。 ――ツネさんがアポロシアターへの挑戦を報告している動画の1つで「ネタ作り」「練習」「ネタの調整」「ネタ見せ」など、やらなければならないことを列挙されていたと思うのですが、動画を拝見していて「ダブルダッチプレイヤーと一緒だ」と思ったんです(笑)。 https://youtu.be/a5E4Gggvq-k その動画がこちら ――そんなダブルダッチにも通ずる部分がお持ちのツネさんからご覧になる、ダブルダッチの印象を教えてください。 ツネ:むちゃくちゃ特殊だと思うんです。アクロバット、ダンス、根底にある“なわとび”の要素など、あらゆるジャンルがまとまっていますよね。普通はまとまらないんじゃないか?と思う部分が1つになって形になっていることが凄いです。 YUI:もうそれはよくダブルダッチをご覧の方の目線じゃないですか(笑)。嬉しいですね。 そんなツネに、中高時代からダブルダッチを始めたREG☆STYLEのKAIと、YUTTY KINGDOM. のYoshが「高校生のダブルダッチ」の魅力を語ってくれた。 KAI:ダブルダッチって1人じゃできない。だからこそ、1つの目標にメンバー全員で向かうときの熱量があります。これは容易く大学生や大人には出せない、ひたむきで情熱的で、見ていても常に感動が続くような。技術云々を超えた“純粋な感動”を感じます。 Yosh:ダブルダッチって男女の優劣がなく、むしろ珍しい男女混合のスポーツです。KAIさんも言ってくれましたが、チームワークの育まれ方もこれまた特殊。ダブルダッチという競技ならではの「空気感」を見て、感じて頂きたいです。 ツネ:めちゃくちゃ楽しみですね!僕のパフォーマンスのコンセプトとして「バカになる」というものがあって。高校生たちもとにかく全身全霊で、なりふり構わずそのステージに思いを注ぎ込んで欲しいですね。 新型コロナへの感染が確認され、当日は残念ながら出演できなくなってしまったツネ。しかし、SNSでは事前に撮影されたコラボ企画も実施されるということで、そちらも是非お楽しみ頂きたい。そして、ツネの熱い思いを受け取るように代演を務めるのは、お笑いコンビ「ダイノジ」の大地洋輔。エアギター世界一になったプロフェッショナルなパフォーマンスをはじめ、お笑いだけでなく、歌舞伎や舞台にもチャレンジするなど、多岐にわたって活躍する大地。当日のGUEST SHOWにも期待が集まる!! ダイノジ・大地洋輔 「ダブルダッチが好き」の一心で YUTTY KINGDOM. より、YUTTY(左)とYosh(右) 2組目のGUESTは「YUTTY KINGDOM.」(ユッティキングダム)。社会人チームの先駆けとして活動している彼らは、2017年の「DOUBLE DUTCH CONTEST WORLD」(世界大会)パフォーマンス部門で見事優勝。今年の3月に映像審査で行われた「DOUBLE DUTCH CONTEST JAPAN」(国内大会)でも準優勝に輝き、世界大会へ駒を進めた。結成当時は前例のなかった社会人との“二足の草鞋”で、今となってはシーンの憧れとして定着した彼ら。今回、チーム名にもなっているメンバーのYUTTY(ユッティ)と、高校時代から本格的にダブルダッチを始めたYosh(ヨッシュ)の2人に、チームを代表して思いを聞いた。 https://youtu.be/rMZBQRobqSI 今春、準優勝に輝いた大会のパフォーマンス ――本格的なダブルダッチ活動と社会人との両立はなかなか難しいことだと思うのですが、皆さんのそのバイタリティはどこから湧き上がってくるのでしょうか。 YUTTY:全員目立ちたがり屋なんですよね(笑)。そしてダブルダッチが本当に好きなメンバーで、ステージが大好きなんです。 ――なるほど(笑)。ただ「ステージが好き」と言っても、良いと思える経験だけではなかったとも伺います。 Yosh:そうですね。チームを結成して8年目ですが、負けた経験のほうが多いです。でもステージは好き。ステージが好きで挑戦して、負けて悔しい。だから「次のステージに立ちたい」という気持ちがより強くなる。負けたくはないですが、心のどこかで負けすらも楽しんでいるんだと思います。 ――今となっては「YUTTY KINGDOM.」というチームに沢山の学生が影響を受けていますが、メンバーで今日お越しのYoshさんと、ITADAKIではDJも兼任されるt.taishiさんは、それぞれ中高時代からダブルダッチをプレーされています。 Yosh:僕のきっかけは中3ですね。実家は剣道一家で、僕も剣道をやっていたのですが、文化祭で「DIANA」(ディアナ) というチームと昼休みに一緒に練習したときに、「うわ、これだ」ってなって。剣道には剣道の良さがありつつも、その時は仲間と笑って楽しく練習するようなスポーツの経験がなかったので、一気に引き込まれたんです(笑)。その日家に帰って、すぐに「剣道を辞める」と両親に伝えて、高校からダブルダッチに励もうと決意しました。剣道で決まりかけていた高校の推薦もあったので余計に反対されましたが、あの瞬間の衝撃が今でも繋がっているので、決断は正しかったなと。 Yosh Yosh:その後すぐにダブルダッチにどっぷりはまって、中学の卒業時に「DOUBLE DUTCH CONTEST VOL.8」という大会に出たのですが、ミスが多くとても悔しい思いをしました。「これは真剣にやらないと勝てないな」と決意を新たにして、高校では部活動に所属せず、学校が終わったらチームで集まってひたすら練習する日々でした。 YUTTY:Yoshが高校生の時のチーム「high BARO」(ハイバロ)では優勝していたよね。最初にダブルダッチを始めた大学生のころは画面の向こう側の人でした(笑)。 https://youtu.be/Zm9eF_2ldHo U-19部門で優勝した「high BARO」 KO-YA:high BAROといったら、当時の高校生だけじゃなく、色々な世代に影響を与えたスターチームだったもんね。 ――一方でtaishiさんは、REG☆STYLEのKAIさんと同じ高校というご関係で、KAIさんも高校時代からダブルダッチを始められたと伺いました。 KAI:高校生の時のタイシは大トガリ人間でしたね(笑)。僕がダブルダッチ部に入りたいと思ったものの、その時は男子が僕1人で。良くも悪くも目立っていたタイシに声を掛けたら、体験に来てくれたんです。そしたら体験が楽しかったのか、気怠そうに「やるわー」って(笑)。 YUTTY:タイシっぽいエピソードだなあ(笑)。 KAI:でも当時は仲が悪かったんです。トガったタイシとそうじゃない僕、なかなかウマが合わなくて。でもその後は2人で同じサークルに入って、今でも毎週のように会っています(笑)。ダブルダッチの1つの良さがここですよね。こうしてかげかえの無い仲間と出会えることと、性格が真逆の人間でもそうなれること。ダブルダッチ歴としては15年で、今僕らが30歳なので、人生の半分がダブルダッチということになります。 YUTTY KINGDOM. のt.taishi(左)と、REG☆STYLEのKAI。昨年のITADAKIにて ――そんなティーン時代からダブルダッチを始められたYoshさんは、この「ITADAKI」という大会をどのような思いでご覧になっていますか。 Yosh:高校生がフィーチャーされる大会って本当になかったから、羨ましいですよね。そしてこのステージによって、その下の世代も活性化すると思いますし、高校を卒業した子は大学生になっても続けて、社会人になっても続けることもあると思うんです。 ――業界の黎明期を見ていたYoshさんからすると、感慨深いものがありますね。 Yosh:野球の甲子園がそうであるように、高校生シーンが盛り上がることで、それ以外の色んな年代も盛り上がっていくと思います。この「ITADAKI」という大会が、1つの憧れの場となって、シーン活性化の中心地であり続けて欲しいです。 ――ありがとうございます。最後に、YUTTY KINGDOM. のパフォーマンスを通して高校生たちに伝えたい思いなどあれば聞かせてください。 YUTTY:僕が大学生だった頃は「プロとして残るか、ダブルダッチから離れるか」という2択でした。前例のない道を作るうえで、REG☆STYLEをはじめ、プロチームとして活躍していた人たちを倒してみたいという思いもあって。練習が始まると結構大変でした。当たり前ですが、本業の傍らダブルダッチに取り組むので時間の制約があるし、金曜日の夜に会食や接待が入ったら、次の日の練習はヒイヒイ言いながらやっていたりとか(笑)。その上、そこまで努力しても結果に繋がらないことも多かった。油断したとかじゃなくて、真剣にやって食らう「負け」。悔しかったです。 YUTTY YUTTY:けれど、最初に自分たちが決めたことだから曲げたくなかったですし、何より社会人でやっていても報われる時がある。長く続けたからこそ味わえた感動の尊さを高校生たちにも伝えたいです。卒業を機に辞めてしまうのではなくて、5年後も10年後も続けて欲しい。なにも僕らも特別な存在だったわけではなくて、ただただ「ステージが好き」「負けず嫌い」そして「ダブルダッチが好き」という思いがあったメンバーだった、というだけなので。 “面白くて格好いい”存在を目指して 3組目は、業界をけん引するプロチーム「REG☆STYLE」。ITADAKIではアンバサダーを務めている彼らだが、世界大会「DOUBLE DUTCH CONTEST WORLD」では前人未踏の3連覇という偉業を果たすなど、パフォーマーとしても大活躍。個人活動もチームとしても躍進し、業界の可能性を拡げ続ける彼らが、ITADAKIでもGUESTとしてパフォーマンスを披露してくれる。 左からKEITA・KENGO・YUI・KAI・KO-YA ――アンバサダーとしての思いはFINEPLAYの記事でも何度かお伺いしていると思うので、今回はREG☆STYLEの皆さんのパフォーマンスの部分についてお伺いしようと思います。そもそもこのチーム名には「おもてなし」という意味があると。 KO-YA:そうです。Regaleという「おもてなし」を意味する単語が由来になっていて、“Regale Style”が転じてレグスタイル、と。 ――観客を楽しませる“おもてなし”や創意工夫を感じる見ごたえのあるショーですが、何か大切にされている価値観などはありますか。 KEITA:まず「技術がある」ということは前提ですね。技術が一番じゃないとプロは名乗れないと思います。その上で、その技術をどう魅せるか。どれだけ見ている方々のフィルターを突破して、パフォーマンスの中にある技術や僕らの思いを伝えられるか。どれだけ観客の空気感を僕たちの味方に出来るか。そこへの創意工夫がREG☆STYLEの魅力であり、まさに“おもてなし”だと考えています。 KEITA JUMPROCK KAI:大元の「何を伝えたいのか」という思いを大切にしています。伝えたい思いに対してどんなネタや曲を載せていくのか。ここはダブルダッチャーだったら、みんな同じような作り方をしていると思います。 KO-YA:僕らのショーのテーマとして、“クール & ファニー”というのを掲げていて。掲げているというより、無意識的にそういう思いがあるといいますか。よく僕ら、芸人さんって本当に凄いなって話すんですよ。リスペクトしていて。「面白くて格好いい」「格好良くて面白い」芸人さんたちの、そういう部分に僕らも魅了されているからこそ、ダブルダッチの業界の外にも通ずる、面白くて格好いいパフォーマンスを目指しています。 ――確かにパフォーマンスの中には、ただ「すごい」という部分だけでなく、思わず笑ってしまうような“ファニー”な部分もありますよね(笑)。 KO-YA:練習中もよくふざけているんですよ(笑)。音に合わせて即興で跳ぶ“フリーロープ”という文化があって、練習でもそれを取り入れているのですが、練習が進むと段々皆がふざけだす。そうやってふざけていると、ネタが勝手に出てくるんです。「あ、これ使えるじゃん」みたいな。 ――技術があるから、思いの部分や笑いなど、エンタメ要素を足していけるということですね。当日が楽しみです。 KO-YA:なんと今回、ITADAKIで新しいショーをやらせて頂きます。 ――ワクワクしますね。新しいショーの見どころを教えてください。 KAI:今回は前例のない形式のショーにチャレンジしています。簡単に言うと… 短い時間に“クール & ファニー”を詰め込んで、10分間ぶっ通しでやる感じです。今までだと一度、YUIのMCを挟んで流れを止めてということがありましたが、今回はぶっ通しです。 KO-YA:新しい試みだよね。そのままラストまで続く、僕らにとってもチャレンジングなショーです。ITADAKIの最後に僕らのショーを見て、ファニーな気持ちになって帰ってもらいたいですね。 最後にGUEST 3組に、出演する高校生たちへのメッセージを聞いた。 Yosh:高校生たちに一番に楽しんでもらいたいです。そして僕らは「ITADAKI」という大会を盛り上げるために頑張ります。ダブルダッチはミスもつきものですし、上手くいかないこともあるかも知れませんが、またとない素晴らしい機会だと思うので、思う存分楽しんで欲しいです。 KENGO:大会だから結果は出てしまう。優勝する1チーム以外は全て“負け”となってしまう。でも、それでも「楽しかった」と思い出にできるかはどうかは、結果ではなく“過程”だと思うんです。チームメイトへの愛と感謝をもって、本番に臨んで欲しいです。それ1つで、ITADAKIにチャレンジした経験は最高なものになると思います。 ツネ:さっきも言いましたが、僕のモットーは「バカになる」。高校生たちには全力で、直球でカマしてもらいたいですね。結果はどうであれ「自分が一番楽しむんだ!」という気持ちでやって欲しいです。 いよいよ大会まで数日を迎えたITADAKI。是非とも出演する高校生たちには「バカになって」臨んで頂きたい。ITADAKI世代には、大人にはない感動と無限の可能性を秘めている。がむしゃらに臨む姿が、きっと多くの人々の胸をうつことだろう。勝負の一日まで、残りわずか――。 開催概要 「ITADAKI ダブルダッチ甲子園 2022」日時 : 2022年 7月24日(日)時間 : 開演 13:30 / 終演 19:00 予定会場 : 川崎ルフロン主催 : ITADAKI 実行委員会共催 : 川崎市 / INTERNATIONAL STREET FESTIVAL KAWASAKI 実行委員会主管 : 有限会社OVER THUMPZ協賛 : ポカリスエット / ヘインズブランズ ジャパン株式会社協力 : スキルハック / JSDDL (日本学生ダブルダッチ連盟)後援 : 一般財団法人 日本ジャンプロープ連合 (JJRU)協力メディア : FINEPLAY