川崎から世界へ! ストリートの祭典「ISF KAWASAKI 2021」Day1 イベントレポート

2021.11.10
text by 山本 大方・橋田 樹台 / 写真提供: ISFK実行委員会

2021年 11月6日(土)・7日(日)、ストリートカルチャーの祭典『ISF KAWASAKI 2021』が開催された。盛りだくさんの2日間であったが、今回はラゾーナ川崎プラザ・ルーファ広場で催された6日(1日目)の様子をお届けする。

”ISF”とは

アーバンスポーツを含むストリートカルチャーの祭典。ラゾーナ川崎プラザ、およびクラブチッタ・チッタ通りにて開催される。世界が変わってしまい、ストリートカルチャーにも大きな影響を与えているが、2021年もISFは世界へ誇る各ストリートカルチャーの祭典を川崎から世界に発信し新たな次世代イベントを実現。
日本におけるブレイクダンス初の国際大会ブランド「SUPER BREAK」をはじめ9つのコンテンツから構成。全てのコンテンツが入場・観覧無料(一部は無料映像配信)となる、大規模参加型のイベントである。

初日は「Breakdance Dream Cup 2021」「Let’s Play DOUBLE DUTCH」「PARKOUR CHALLENGE」「ランニングバイク無料体験会」の4コンテンツが開催された。

Let’s Play DOUBLE DUTCH

ダブルダッチ体験型のイベント「レッツプレイ ダブルダッチ」。10年以上の歴史を持つこのイベントには、毎年老若男女問わず様々な参加者がダブルダッチを楽しむ。子どもの手を引くインストラクターや保護者のにこやかな表情が印象的だった。

Let’s Play DOUBLE DUTCH / 写真提供: ISFK実行委員会

コロナ禍以降、ダブルダッチ業界が掲げているスローガンである
”The world is connected by two ropes. We’re going to use two ropes to connect to the future.”
(世界は2本のロープで繋がっている 私たちが2本のロープで未来へ繋げる)

まさしくこのイベントは、その言葉を体現するような温かい空間が広がっていた。

「PARKOUR CHALLENGE」

こちらはパルクールの体験会。単純に見える「レールバランス」「ボルト」「プレシジョン」と呼ばれる3つの動きをインストラクター主導で行うものだが、実はこの動きがアクロバティックなパルクールの動作の土台にあるのだという。

PARKOUR CHALLENGE / 写真提供: ISFK実行委員会

基本的な身体の扱い方の習得のみならず、公園の遊具の減少や、コロナ禍において更に深刻となる運動不足など、社会問題に風穴を開けるものとしてもうってつけであるというこの競技。こちらにも体験会には多くの親子連れが参加し、ミッションを達成した子どもたちの表情が会場を賑わせた。

「Breakdance Dream Cup 2021

「ブレイクダンス ドリームカップ」は日本一のキッズBBOY・BGIRLを決定する日本最大のキッズブレイクダンスコンペティション。
今年は小学校低学年・高学年・中学生の部の男女(BBOY・BGIRL)別、計6部門が展開。全国から結集した総勢150名の選手たちによるフルトーナメントを経て、各部門ベスト4まで勝ち抜いた選手24名が決勝のステージでしのぎを削る。

Breakdance Dream Cup 2021 / 写真提供: ISFK実行委員会

Breakdance Dream Cup 2021 / 写真提供: ISFK実行委員会

ジャッジには KAZUHIRO・ERi FeNeSis・RYUJI・YU SKI・ISSEI と、日本のブレイクダンスシーンを牽引する豪華審査員が名を連ね、大会を盛り上げた。以下、未来のスターとなるであろうBBOY・BGIRLたちが、日本一の”ドリーム”を目指し戦った決勝のリポートをお届けする。

小学校低学年の部 
小学校低学年の部ではBGIRL URUMIBBOY WATO が優勝を飾った。

BGIRL URUMI / 写真提供: ISFK実行委員会

BGIRL部門ではBGIRL URUMIがリズミカルなスタイルで決勝まで進み、見事トーナメントを制した。

BBOY WATO / 写真提供: ISFK実行委員会

BBOY部門ではBBOY WATOが軽快なフットワークと、大人顔負けのパワームーブの連続で日本一の称号をつかみ取った。
両者ともその小さな体から、小学生とは感じさせない大きなパワーを会場全体に見せつけた。

■小学校高学年の部
小学校高学年の部ではBGIRL HaruBBOY GIN が優勝。

BGIRL Haru / 写真提供: ISFK実行委員会

BGIRL Haruはフレキシブルなスタイルで、オリジナリティ溢れるムーブを展開。高いレベルを見せつけ、見事BGIRL部門を制覇した。

BBOY GIN / 写真提供: ISFK実行委員会

BBOY GINはレペゼン飛騨高山 BBOY yu_shinとの決勝戦を制した。抜群のミュージカリティに加えて、繰り出されるクレバーなパワームーブで会場を大いに湧かせた。

中学生の部
中学生の部ではBGIRL NANOHABBOY HARUYAが優勝に輝いた。

BGIRL NANOHA / 写真提供: ISFK実行委員会

BGIRL NANOHAはレペゼン川崎の BGIRL Sy との決勝戦。「キッズ」という枠組みを感じさせないハイレベルな戦いであったが、途切れぬフローから繰り出されるコンボで、圧倒的な完成度の高さを見せたBGIRL NANOHAが優勝した。

BBOY HARUYA / 写真提供: ISFK実行委員会

BBOY部門ではBBOY HARUYAと、日本の強化選手でもある、BBOY RA1ON の決勝戦。こちらも両者大人顔負けのスキルの応酬で、一歩も譲らぬ激戦だったが、見事 BBOY HARUYA が勝利。彼の一つ一つの動きのシルエットから醸し出すフレーバーは、まさに”ストリート”そのものを感じさせた。

BBOY HARUYA vs. BBOY RA1ON / 写真提供: ISFK実行委員会

大盛況に終わったブレイクダンス ドリームカップ2021。全てのバトルが、お互いのリスペクトがあった中でプライドぶつかり合う素晴らしいコンテンツであった。そして未来のオリンピックを見据えた中で、今後彼らが作っていくであろう日本のBreakingシーンの可能性を大いに感じさせた。既に世界レベルである彼らの飛躍がより一層楽しみである。

■ジャッジ KAZUHIRO コメント
「日本一を決めるバトルという事で僕は久しぶりにジャッジさせて頂いたんですが、技術も含め、人間的に凄く成長しているのが感じられて、めちゃくちゃ感銘を受けました。
2024年のパリ五輪ではBreakingが正式種目に決まっており、さらに次のロサンゼルス五輪でも正式種目になるであろうと思われます。彼らがその時に日本を背負って、メダルを持ち帰ってくれると思うので、保護者の皆さんはこれからも応援宜しくお願いします。
そして選手たちも感謝を忘れずに、家ではお手伝いもしながら、勉強もしっかりして、これからも練習に励んで下さい。
優勝した方々、今日は本当におめでとうございます」

 

ルーファ広場が一日中大盛況となったISF初日。昨年に引き続き新型コロナウイルスの影響で空間を取りながらの開催となったが、川崎の密な熱気と、カルチャーに関わる人々の”歩みを止めない意志”を強く感じる一日となった。2024年にはブレイクダンスがオリンピック種目に決定したこともあってか、ストリートカルチャー全体の注目度が急上昇している昨今。ここ川崎の地から、世界に、未来に、思いは繋がっていく――。

ISF KAWASAKI 2021 / 写真提供: ISFK実行委員会

イベント概要

「INTERNATIONAL STREET FESTIVAL KAWASAKI 2021」
11/6(土) ラゾーナ川崎プラザ ルーファ広場
11/7(日) CLUB CITTA’ / アレーナチッタ / チネチッタ通り
出場料:無料(一部有料)ライブ配信
主催:INTERNATIONAL STREET FESTIVAL KAWASAKI 実行委員会
共催:川崎市
後援:公益社団法人日本ダンススポーツ連盟 / 一般財団法人日本ジャンプロープ連合 / 川崎商工会議所 / 一般社団法人川崎市観光協会 / 川崎駅広域商店街連合会
運営:株式会社IAM / 有限会社OVER THUMPZ / 株式会社ロックス

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FINEPLAY編集部
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