川崎チッタでストリートカルチャーフェスが開催「ISF KAWASAKI 2021」 Day2 イベントレポート

2021.11.17
text by 佐藤 稜馬・橋田 樹台・山本 大方 / photograph by AYATO.

「アーバンスポーツ(都市型スポーツ)」という言葉をテレビ番組で耳にするようになった。

最近では2024年パリオリンピック種目に「ブレイキン(ブレイクダンス)」が初採用され、世間の注目を浴びている。これまで「子どもの遊び」として捉えられてきたアーバンスポーツは今、メジャースポーツと肩を並べつつあるのだ。

神奈川県川崎市で11月6日・7日に開催された「ISF(INTERNATIONAL STREET FESTIVAL)」は、アーバンスポーツに焦点をあてたストリートカルチャーの祭典だ。

Photo by AYATO.

個人戦・団体戦で争われるブレイキンバトル「SUPER BREAK」、業界初のソロバトルが楽しめる「DOUBLE DUTCH ONE`S」のほか、フリースタイルバスケットボールバトル「BET」、一般参加OKのラップバトル「ラップやろうぜ!」が加わり、装いを新たに今年カムバックした。

アクションスポーツメディアFINEPLAYでは、2日間にわたりラゾーナ川崎プラザ ルーファ広場およびラ チッタ デッラ一帯で行われたイベントを取材。本記事では大会が行われた7日の様子をレポートする。

フリースタイルバスケットボール「BET」

大勢の観客に囲まれた、30㎡ほどの広さのステージ。その上ではカラフルなバスケットボールを手にした選手が飛んだり、跳ねたり、ぐるぐる回ったり……。まるで大道芸人のようだ。

YUTA / Photo by AYATO.

フリースタイルバスケットボールは、通常私たちが目にする「バスケットボール」とはルールも楽しみ方もまったく異なる。

試合形式はトーナメント制。対面する2人の選手が、DJの流すトラックに合わせて交互にパフォーマンスを披露する。勝敗は4人のジャッジによる判定制だ。

1分間で見られるのは、技の独創性はもちろん、音楽に合わせた技を繰り出す精密性、バリエーションの多さなど。ボールを宙に浮かせ、一回転してから再びキャッチするようなアクロバティックな動きが見所だ。

ISSEI / Photo by AYATO.

8人のトーナメントを勝ち上がり、この日の決勝に進んだのはYUTA(北海道)とISSEI(大阪府)。

「最高」と印字されたド派手なシャツを身にまとい、得意技のスピンを生かして会場を沸かせたISSEI。対するは、白い衣装で登場し、上半身を使った技をアイコンに勝ち上がってきたYUTAだ。

YUTA / Photo by AYATO.

「足技中心のフリースタイルフットボールとは違う、フリースタイルバスケの魅力を見せたいんです」

言葉通り、マジシャンのような手さばきで観客を魅了したYUTAがみごと優勝を手にした。

「関東で初出場した大会なので優勝できてうれしいです。でも個人的には満足できていないので、次回に向けてパフォーマンスのレベルを高めていきたいと思います」(YUTA)

19歳ながらアクロバティックな大技を見せたYOH。
YUTAとは同郷で、ともに練習をする仲だという。 / Photo by AYATO.

 

RAPやろうぜ!

フリースタイルバスケットボールとともに、今年2021年からラインナップ入りをしたMCバトル。SNSの事前告知通り「誰でも参加OKのMCバトル」ということで、会場には多くの人がつめかけた。

「YO!」の掛け声で大会のスタートを知らせたのは、司会のラッパー晋平太だ。

晋平太 / Photo by AYATO.

「RAPやろうぜ!」では、輪になった数人が1人ずつラップするサイファー予選を経て、残った16人でトーナメント戦を行う。

DJ MASTER KEYのトラックに乗り、即興で絞り出した言葉で観客をうならせるラッパーたち。勝負の判定はラップバトルらしく、オーディエンスに任される。際どいライムが出ると、会場からはときおり「オーッ」というどよめきが上がった。

優勝はゆうま(写真左) / Photo by AYATO.

16人のなかから栄えあるMCキングに選ばれたのは、川崎出身のラッパーゆうま。

また川崎に来いよ一緒に遊ぼうぜ電話番号は080-●●●●-●●●●・川崎市〇〇区○-○-○が俺の住所だ覚えておけ

高速ラップで個人情報を相手に叩きつけると、会場はこの日一番の歓声に包まれた。

(佐藤 稜馬)

ダブルダッチ「DOUBLE DUTCH ONE’S」

ダブルダッチの個人戦「ダブルダッチワンズ」。3人以上のプレイヤーを要するダブルダッチだが、縄を回す2名のプレイヤーを固定し、ジャンプするプレイヤー1名の技量のみを比較し競い合うのがこの”ワンズスタイル”。

今回は決勝大会「ONE’S FINAL」に繋がるシーズン2度目の予選ということで、プロチームのメンバー達はもちろん、大注目のキッズチーム「No Logic」のPicoや、更には昨シーズンのD.LEAGUEにおいて「Benefitone MONOLIZ」のリーダーとして活躍したElinaも参戦。年齢やシーンをまたいだスタイルウォーズが繰り広げられた。

■WOMEN’S SECTION

Uryna / Photo by AYATO.

WOMEN’S SECTION(女子プレイヤー)優勝は、プロチーム・NEWTRADよりUryna(ユリナ)。今回の決勝の相手は、10月に開催されたシーズン1で惜敗を喫したAYUKA。しなやかな身体の扱いと、音に乗って鮮やかに舞うUrynaのスタイルでリベンジ。1位を掴み取った。

 

■MEN’S SECTION

KAI / Photo by AYATO.

MEN’S SECTION(男子プレイヤー)優勝はプロチーム・REGSTYLEよりKAI。FINAL常連の強豪プレイヤーだが、予選1位通過は数年ぶり。他者を寄せ付けない”ゾーン”に突入したKAIは、得意とするスピードステップをはじめ各技を炸裂させ優勝! 幸先の良いシーズンスタートを決めた。

なお、FINEPLAYのInstagramアカウントでは、優勝した2人のムーブをリール投稿で掲載中。下記リンクから、彼らの迫力あるプレーをご覧いただきたい。

ワンズでは戦績に応じて点数が付与され、その上位プレイヤーが決勝であるFINALに出場できる。今年度の予選は残り5回予定。まだまだ頂点を目指すプレイヤーたちの熱戦は続きそうだ。

(山本 大方)

ブレイキン「SUPER BREAK」

優勝したGOOD FOOTとBBOY SHO / Photo by AYATO.

川崎クラブチッタでは、日本を代表する8チームが全国から集結し優勝を争う「SUPER BREAK」が開催され、CREW BATTLEでは GOOD FOOT が、1on1 BATTLEでは BBOY SHO が優勝に輝いた。

今回、SUPER BREAKにクレジットしたCREWは、ONE PIECEGOOD FOOTGUN SMOKE BREAKERSTHE FLOORRIORZKOSÉ 8ROCKS、ARIYA、DEAD STOCK、HEROES、(順不同)と日本を代表する8チームが、全国各地から集結。

ジャッジ陣には ISOPP、BABYLON、ASAMI、YU SKI、KAZUHIRO、と日本のブレイキンシーンを築いてきたBBOY / BGIRLが名を連ねた。

また、当日はYouTubeでのライブ配信に加え、アレーナチッタにてSUPER BREAKのパブリックビューイングを実施。日本が誇るトップレベルのブレイキンシーンを、世界に向けて発信した。

GOOD FOOTが、昨年の雪辱を果たし優勝

GOOD FOOT / Photo by AYATO.

今回のGOOD FOOTのメンバー構成は、GEN ROCSHOSEIBGIRL AyuJUNRyoTOneの5名。若手中心のメンバーながら、様々な経歴やキャリアを持ち、国内外でのバトル実績も豊富である。

対する決勝の相手は、D.LEAGUEでも唯一のブレイクダンスチームとして活躍し、 BBOY ISSEIをディレクターとする「KOSÉ 8ROCKS」。

両チームともに高いスキルと、完成度の高いルーティン、そしてお互いのバトルマインドがぶつかり合い、白熱したバトル展開となった。

左:ISSEI 右:SHOSEI / Photo by AYATO.

左:REN 右:BGIRL Ayu / Photo by AYATO.

アクロバティックなルーティンとハイレベルなパワームーブを展開していく KOSÉ 8ROCKS に対し、GOOD FOOTは流れるようなコマンドルーティンからソロムーブを繰り出していく。

お互いが自らのスタイルとCREWをレペゼンし、8分間の決勝のバトルを戦い抜いたすえ、GOOD FOOTが勝利をおさめ、優勝を飾った。

GEN ROC と RyoTOneのルーティン / Photo by AYATO.

GOOD FOOT は昨年、決勝でTHE FLOORRIORZに敗れ準優勝。
今年は見事昨年の雪辱を果たし、王者のタイトルを獲得した。

1on1 BATTLEではBBOY SHOが優勝

BGIRL Yurie vs. BBOY SHO / Photo by AYATO.

SUPER BREAK では昨年に続き、1on1バトルも開催。
当日にサイファー形式で予選を行い、ピックアップされたダンサーでトーナメントを実施。勝ち上がったファイナリストが対戦する決勝戦のみ、CREW BATTLE と同じ舞台で行われ、こちらもライブ配信が行われた。

優勝したのは長野県出身であり、現在は関東を中心に活動しているBBOY SHO Red Bull Under My Wiiings としても活動し、いま注目の若手BBOYである。完成度の高いムーブと、バトルマインドを前面に押し出したスタイルで、見事 BGIRL Yurie との決勝戦を制した。

川崎市長である福田 紀彦氏 / Photo by AYATO.

更にサプライズゲストとして、表彰式には川崎市長の福田 紀彦氏も駆けつけ、「GOOD FOOTの皆さん、SHOさん、本日はおめでとうございます。そしてSUPER BREAKを盛り上げていただいた関係者の皆さん、選手の皆さんに心から感謝申し上げます。この2日間のISFでは様々なストリートカルチャーがありました。引き続き川崎市はストリートカルチャーを皆さんと一緒に盛り上げていきたいと思います。是非これからもご協力お願いいたします」
とコメントを残した。

これからも、日本が誇るブレイキンシーンの更なる発展、そして川崎市から発信されるストリートカルチャーへの取り組みに注目していきたい。

(橋田 樹台)

会場では無料体験会やグラフィティーアートも

同会場では、ストリートカルチャーやアーバンスポーツの無料体験会も実施された。

パルクール体験会 / Photo by AYATO.

パルクール体験会では、レールバランスやヴォルトボックス、プレスジョンボックスといったパルクールの基礎的な動きを体験できるセクションが設けられ、3名の講師のもとに行われた。

この日会場を訪れた大澤さん家族は、「保育園のチラシにパルクール体験ができるイベントがあると知ってきました。息子が夢中になっているのを見ると私たちもうれしい。(パルクールは)発育にも良さそうだし、続けていってくれれば」と顔をほころばせた。

ランニングバイク体験会 / Photo by AYATO.

ランニングバイクのコーナーでは、未就学児をい対象としたレースも行われた。ペダルのない安全なバイクで、子どもたちがはしゃぎながらコースを何周もしていたのが印象的だった。

グラフィティーアート / Photo by AYATO.
グラフィティーアート体験 / Photo by AYATO.

会場へ続く道には、グラフィティーアーティストのライブペイントが展示された。国内グラフィティシーンを牽引してきたKAZZROCK、 “成長”をテーマに、自然界のエネルギーを絵にするLOISE ONO、緻密に描き込まれた絵で見る人を圧倒するKENSUKE TAKAHASHIが腕を振るった。

(佐藤 稜馬)

イベント概要

「INTERNATIONAL STREET FESTIVAL KAWASAKI 2021」
11/6(土) ラゾーナ川崎プラザ ルーファ広場
11/7(日) CLUB CITTA’ / アレーナチッタ / チネチッタ通り
出場料:無料(一部有料)ライブ配信
主催:INTERNATIONAL STREET FESTIVAL KAWASAKI 実行委員会
共催:川崎市
後援:公益社団法人日本ダンススポーツ連盟 / 一般財団法人日本ジャンプロープ連合 / 川崎商工会議所 / 一般社団法人川崎市観光協会 / 川崎駅広域商店街連合会
運営:株式会社IAM / 有限会社OVER THUMPZ / 株式会社ロックス

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