「武術もストリートも大切に」3年ぶりの国内トリッキング大会『極限武術GATHERING』 オーガナイザーDaisukeに大会直前インタビュー!

2022.06.24
text by 橋田 樹台 / 写真提供:Daisuke(TOK¥O TRICKING MOB)

来る7月18日(月)にコロナ禍以来、初の国内トリッキング大会『極限武術GATHERING』が開催決定した。トリッキングとは「XMA(エクストリームマーシャルアーツ)」と呼ばれる武術発祥のカルチャーであり、中国武術・テコンドー・カポエイラ・ブレイクダンスなどのジャンルが合わさって誕生した新しいスポーツ。今回は、トリッキング世界王者 Daisuke(TOK¥O TRICKING MOB)による合同会社TTMを主催に様々な試みを加えた”異例”のトリッキング大会となっている。

FINEPLAYは今大会のオーガナイズを務めるDaisukeにインタビューを実施。大会に込めた想いから、将来的なトリッキングのビジョンまでを深く語った。

Daisuke(以下:D)

「シーンに一石を投じる」新たなフォーマットを導入した革新的な大会へ

まずは今大会『極限武術GATHERING』を開催しようと思ったキッカケを教えてください

D:このコロナ禍の中で若いプレイヤーたちが練習した技術を発表する場が無い状態が続いていました。そして今コロナの影響が収まりつつある中で、シーンに一石を投じる様な大会をしたいなと思ったことがキッカケです。

今回バトルジャッジで初めてスコア制を導入した理由を教えてください

D:これはスノーボードやスケートボードなど、基本的にオリンピック化されているスポーツなどをモデルにしています。それらは得点化がされていて、それが基準の一つだと思っているので今回業界初のスコア形式のジャッジを導入しました。完全に今後、国際大会化することを目標にしてこの制度を取り入れたかたちになります。また、大会の信頼にも繋がると思っているのでジャッジシステムはしっかり詰めてやっています。

写真提供:Daisuke

勝ち上がった選手にバトルユニフォームの支給」というシステムもありますが、これはどういった狙いがあるのですか

D:このロールモデルになっているのは格闘技ですね。ボクシングやキックボクシング、MMAなどで彼等はパンツに企業・スポンサーのロゴをつけて試合していますが、それがある種の興行だと思っています。

ストリートスポーツもそういうのを早めに取り入れた方が、スポンサーさんが一丸となって選手を応援するシステムが作れると思います。
ゆくゆくは選手1人1人に対していろんなスポンサーさんが着くようなシステムづくりの先駆けとして、今回はこのシステムを取り入れました。

更にゲストワークショップでは、初心者向けのプログラムも打ち出されています。具体的にはどういった内容で行われるのですか

D:トリッキングの大会は国内で今までたくさんあったんですけど、ワークショップだったりトリッキングを体験できるスペースというのはあまり無かったのが現状でした。
そこでプレイヤー以外の方にトリッキングに触れてもらって、本物のバトルを目の前で見てもらう事で、こんな大きい魅力的なスポーツなんだよっていうのを伝えたかったです。同時に全年齢の人がトリッキングの基礎や型に触れるきっかけとなるワークショップを今回は行います。

写真提供:Daisuke

今回の大会に参加するプレイヤーに期待したいポイントはありますか?

D:特に今回はスコア制ジャッジで合計点の勝負になります。難しい戦いになると思いますがスコア制だとより気が抜けない、油断が出来ない戦いになってくるので、今発表されている3つのスコア、”Difficulty”(難しさ)、”World standard score”(世界水準点)、”Character”(個性)、をよく考えて「戦略的に上手く勝ってほしい」と思っています。

3つの中で「ワールドスコア(世界水準点)」とありますが、これはどういった基準なのですか?

D:これは審査する時点での世界最高基準でコンビネーションの基準を1つ決めて、そのムーブがどれくらい価値のあるムーブなのかというのを点数付けします。この「世界基準点」が無いと難易度で測れないムーブが出た時に採点し損ねてしまうので。

基準を決めておくからこそ得点化し易くなる、ということなのでしょうか

D:はい。常にトリッキング界は新陳代謝が激しいので、それについていけるような採点基準だと思っています。「技の難易度」とは違って、世界基準から見たら「何点だね」という形で、常にアップデートした採点をしていきます。なので一番伸びづらいポイントであり、世界のトップランカーはその点数が伸びて勝ちやすくなるといったスコアになります。

写真提供:Daisuke

今大会で「こんなプレイヤーに勝ってほしい」といった想いはありますか?

D:個人的ではあるのですが、クリエィティブが勝ってほしいと思う面もありつつ、とにかくスキルがある人に勝ってほしいなとも思っています。
今回の大会の採点基準だと、中盤くらいまではクリエイティブが勝ちやすく、最終的には誰にも真似できないような技術を持った選手がギリギリ勝つと思っています。そんな中、トップランカーたちをクリエイティブの選手が追い上げる様な構図になったら面白いですね。

トリッキングが持つ2面性を押し出したい」

写真提供:Daisuke

「極限武術GATHERING」という大会名に込めた意味などがあればお聞かせください

D:トリッキングは元々源流がXMA(エクストリームマーシャルアーツ)という武術なのですが、中国語の表記が「極限武術」なんです。それは日本でも意味は通じるし、正直 Trickingっていう横文字よりも分かりやすいなっていう印象もありました。

トリッキングが持つ「ストリートスポーツと武術の2面性」の中で、武術の部分もストリートの部分も両方押し出したいっていう意味で横文字と漢字で上手くストリート調にまとめるにはどうしようと考えていました。その中で「極限武術」がピッタリだなと思い、この大会名になりました。

写真提供:Daisuke

「トリッキングが持つ2面性」という部分でご自身で考えている事はありますか?

D:本当に自分がこんなにトリッキングに熱くなっている理由のひとつが「トリッキングが持つ2面性」なんです。例えばガム食べながら大会会場に入ってくる人もいれば、道着で礼をして会場に入ってくる人もいるみたいなカルチャーなんです。

トリッキングは一見派手ですが、源流を辿ったら型もあるし、蹴りのミットの基礎練習もあるし、太極拳みたいなゆっくりな型もできます。対して、フリースタイルでオシャレをしたりなど、その人たちのタレント性を使ったサブカルチャー的要素もあります。

そういった武術の面での要素と、フリースタイルなサブカルチャー的要素の「2面性」を大切に、深堀りしてより広めていきたいなというのは個人的に思っています。大会によってもその背景で全然ルールは異なってきますが、トリッキングの軸の中にも様々な要素で多様化しているので、自分はそこがとても面白いなと思っています。

創意工夫の詰まったイベントに

写真提供:Daisuke

今回大会を開催するにあたって大変だったことや、苦労した点はありますか

D:自分が主催で大会をやるのは初めてなのですが、実は全部順調に思えてるんですよね(笑)逆に何をミスするのか分からなくて、イレギュラーが思いつかないんですよね。それが逆に怖いですが、今はとても順調です!

コロナ禍を経たうえで工夫されたポイントはありますか?

D:今回はライブ配信にもチャレンジしています。ライブ配信中にユニフォームが写ったりコマーシャルを流したり、オンラインレッスンの宣伝だったり。今までのトリッキングの大会はそこまでそこに重きを置いていませんでしたが、ライブ配信自体が身近になった中で「発信」という意味でライブ配信も面白い視点で行っていきます。

逆にオフラインの「現場でしかできない事」でこだわった点はありますか

D:グッズの販売ですね。スポンサーさんの商品展示も一つの要素ですが、サブカルチャー育成としてアパレルのポップアップみたいに商品のブースをしっかり設けています。

「トリッキングに費やした時間が無駄にならないような環境を作るのが自分の役目」

写真提供:Daisuke

最後にトリッキングカルチャーに対して将来的・長期的なビジョンがあれば教えてください。

D:トリッキングの2面性を使って、選手は企業さんと協力関係にあって選手として活躍していけるような環境を作っていきたいです。更にはサブカルチャー面も育成してお金が回るシステムを作っていきたいです。

今トリッキングをやっている人が費やした時間を損しないような環境を用意することが役目なのかなと思っています。今大会はそういった目標の先駆けの大会になれば良いなと思っています。みんなが選手を目指さなくても、嗜んでやっている人も増えてきたので、逆に今度は「トリッキングに携わって働いていきたい」っていう人たちも報われるようなシステムも構想として見え始めてきました。なので、今後しっかりそういった環境を自分たちが作っていきたいです。

Daisuke プロフィール

写真提供:Daisuke

2016年日本で行われた3種類の全日本大会すべて優勝、さらに世界大会HOOKED GATHERING2017にて日本人初王者に輝く。メディアやエンターティメント活動に富み、弟のReijiと共に行うシンクロトリッキングなど、新しいトリッキングの可能性を広げている。

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