X Games史に刻まれる快挙がいくつも生まれた大会【X Games Osaka 2025】スケートボード各種目まとめレポート

2025.06.25
text by Daiki Hatakeyama, Photo: ©Jason Halayko,Yoshio Yoshida/X Games

今年、大阪万博で世界から注目と多くの観光客が集まっているここ大阪で、日本では4回目のX Gamesとなった「X Games Osaka 2025」が京セラドーム大阪にて2025年6月20日(金)~22日(日)に開催され、スケートボード競技からは「パーク」、「ストリート」、「バート」、「バート・ベストトリック」の4種目が行われた。なおスケートボード競技における日本人最高位として男子ストリートで根附海龍選手が自身初のX Games金メダルを獲得した。

世界最高レベルの選手たちを大勢有し、今では世界からスケートボード最強国と知られる日本から、今大会にはオリンピックや世界大会で結果を残すトップ選手たちが出場。同じく世界最高峰の豪華海外招待選手たちを相手にX Gamesの歴史に新たな1ページを刻む快挙も生まれるほど熾烈な戦いが繰り広げられた。

「X Games Osaka 2025」の会場は大阪市の中心地にある京セラドーム大阪。交通の利便性も相まって関西地域の各方面からのアクセスも良く、会場内は屋内で天候に左右されず、かつ今回のコースもスタンドとアリーナ共に観戦しやすい配置となったことから観客は今まで以上に臨場感を感じながら、目の前で繰り広げられる世界最高峰のトップアスリートのパフォーマンスを観戦。その熱気は大きな会場を包み込み終始大盛り上がりであった。

そして毎年注目集まるのが、日本らしさが詰まったオリジナリティあふれるコースレイアウト。パークコースでは都会のど真ん中をイメージしたコースに様々なセクションの数々が、そしてストリートコースでは大阪の人気観光地の「道頓堀」をモチーフにしたコースの中に大小様々なセクションが設置された。この普段の国際大会とはコースの形状も雰囲気も異なるX Gamesならではの環境下、いつもより短い練習時間の中で自分たちのライディングをプラクティスでまとめる技術も求められた。

本記事では各種目の入賞者にフォーカスした大会レポートとしてご紹介。

ストリート種目は根附海龍が昨年のリベンジを果たし、自身初X Games金メダルを獲得!

男子ストリートで金メダルを獲得した根附海龍
©Jason Halayko/X Games

女子ストリート

クロエ・コベル ©Jason Halayko/X Games

大会初日に行われた女子ストリートは、優勝候補の一角であった赤間凛音が怪我のリハビリ中のため出場を見送ったことでリザーバーの松本雪聖が出場を決め、吉沢恋中山楓奈織田夢海伊藤美優西矢椛の日本人選手勢6名に加えて、アメリカ合衆国のペイジ・ハイン、そしてオーストラリアの英雄クロエ・コベルの8名により争われた。

X Gamesの新フォーマットであるプレイオフを勝ち上がった4名が決勝で争う形になり、決勝へ勝ち上がったのはクロエ・コベル伊藤美優吉沢恋松本雪聖。プレイオフと同様に決勝でも45秒間のランを2本走行し、その中で最も良い得点のランが採用されるベストランフォーマットでの戦いとなった。

まず、スピードあるライディングの中に様々なトリックを軽々とメイクしてきた弱冠13歳の松本雪聖はレールでの「キックフリップフロントサイドボードスライド」やクオーターでの「ブラント to フェイキー」、さらには「ハーフキャブフロントサイド180」などを次々とメイク。ラストは「キックフリップバックサイドリップスライド」までフルメイクしラン1本目で77.00ptをマーク。そのまま3位の座を守り切り今回は見事銅メダルを獲得した。

「X Games Ventura 2024」にて初出場で初のX Games 女王に輝き、昨年の「X Games Chiba 2024」で銀メダルを獲得している伊藤美優はハンドレールでの「フロントサイドフィーブルグラインド」でランをスタートすると、クオーターパイプでの「バックサイドブラント」や、彼女の代名詞トリックの一つでもある「ハードフリップ」を決めるなど安定したライディングの中に見られるパワーとフローを合わせたラインで1本目からフルメイク。2本目以降ではスコアアップできず銀メダルとなったものの、これで今まで出場してきたX Gamesでは全てメダルを獲得しているという功績を示した。

いつも練習からいち早くパークの特性を把握して、自身のラインを完成させている様子がうかがえるオーストラリアのクロエ・コベルは、まずX Gamesサインで「バックサイドクルックドグラインド」を決めてランをスタートすると、ヒップ越えの「ヒールフリップ」や、約11メートルにもおよぶ透明なプレキシグラスルーフセクション上で繰り出した「キックフリップ・マニュアル」で会場を沸かせる。ラストトリックでは波状のセクションから飛び出してレールでの「バックサイドリップスライド」も決め切りフルメイク。唯一の90点台をマークして見事金メダルに輝いた。

なお今回でコベルは昨年の「X Games Chiba 2024」続いて優勝し自身3個目の金メダルを記録し、全体では6個目のX Gamesメダル獲得となった。

男子ストリート

根附海龍 ©Jason Halayko/X Games

計12名と今大会では一番出場者数多かった男子ストリートは、X Gamesの新フォーマットであるプレイオフを勝ち上がった6名が決勝で争う形に。プレイオフと同様に決勝でも45秒間のランを2本走行し、その中で最も良い得点のランが採用されるベストランフォーマットでの戦いとなった。

今回は昨年の「X Games Chiba 2024」の覇者である白井空良が以前から痛めていた関節の大事をとって欠場となりオーストラリアのキーラン・ウーリーが急遽パーク種目とのダブルエントリー。日本人勢からは根附海龍小野寺吟雲佐々木音憧池慧野巨池田大暉の5名が出場となった。

なおプレイオフを終えて決勝に進出したのは根附海龍小野寺吟雲佐々木音憧、韓国のジュニ・カン、アメリカ合衆国のジェイク・イラーディジュリアン・アギラルディの6名に。

入賞メンバーはまずラン2本目でフルメイクを決めた小野寺吟雲銅メダルを獲得。ハンドレールでの「キックフリップバックサイドテールスライドショービットアウト」でランをスタートすると、フラットバーでの「キックフリップフロントサイドブラントスライドビックスピンアウト」などをメイク。ラストトリックでは「ビックフリップフロントサイドボードスライドビッグスピンアウト」を決め切りフルメイクで90.66ptをマークした。

そして今回終始見事なパフォーマンスを見せて銀メダルを獲得したのは韓国のジュニ・カン。現在16歳のカンは世界最高レベルのアマチュアの大会「Tampa Am」で優勝し世界から注目を集めているライダー。特筆すべきは彼のスタイルで2大会オリンピック金メダリストの堀米雄斗を彷彿とさせるトリックセレクション。

決勝では2本目でスコアを伸ばしてきたのだが、ハンドレールでの「スイッチフロントサイド270バックサイドリップスライド」、「ノーリーヒールフリップ」、ギャップからの「バックサイドノーズブラントスライド」、ラストトリックには堀米の名前がつく「ノーリー270ノーズスライドバックサイド270アウト(通称:ユウトルネード)」を決め切りフルメイクで終えると91.66ptというハイスコアをマーク。今回韓国人スケーターとして初のX Games出場かつ初のX Gamesメダリストという快挙を収めた。

そして今回並いる強豪たちを抑えて念願の金メダルを獲得したのが根附海龍。昨年の「X Games Chiba 2024」では最後の最後で逆転を許し銀メダルに終わっていた彼。今回でのリベンジを胸に挑んだ決勝では1本目から見事なランを見せる。

ハンドレールでの「ヒールフリップバックサイドリップスライド」を皮切りにランを始めると、クオーターでの「キャバレリアルヒールフリップ」、ボックス越えの「レイトバックサイドビッグスピン」を決める。ラストトリックにはハンドレールでの「ヒールフリップバックサイドテールスライドビッグスピンアウト」を決めてフルメイク。スタイルとレベルの高さがミックスされたランに92.33ptがスコアされて暫定で首位に立ち、その後もその座を守り切り去年の雪辱を晴らす結果を見せた。

バート種目は女子カテゴリーが日本初開催!そして男子はブラジルのギー・クーリーが昨年に続き2冠達成!

「X Games」の花形種目とも言えるほど、ストリート種目やパーク種目と同様に日本人選手たちが大活躍を見せているバート種目。今大会ではついに日本初の女子カテゴリーも開催されて男子カテゴリーと共に世界最高峰のトリックの数々が観客たちを大いに沸かした。その中には新技も飛び出し、また世界のバート種目のレベルを引き上げた大会となった。

女子バート

アリサ・トルー ©Jason Halayko/X Games

大会初日の一番最初の種目となった女子バートは、優勝候補のスカイ・ブラウン(イギリス)が欠場したことからリザーバーの松岡樹ノが出場を決め、日本人選手勢は貝原あさひ長谷川瑞穂の3名に加えて、オーストラリアのアリサ・トルーミア・クレッツァーリリー・ストファシウス(ドイツ)、リース・ネルソン(カナダ)、ライカ・ベンチュラ(ブラジル)の8名により争われた。

X Gamesの新フォーマットであるプレイオフを勝ち上がった4名が決勝で争う形になり、決勝へ勝ち上がったのはアリサ・トルー貝原あさひミア・クレッツァー松岡樹ノ。プレイオフと同様に決勝でも30秒間のランを2本走行し、その中で最も良い得点のランが採用されるベストランフォーマットでの戦いとなった。

日本初開催の女子バートが行われた「X Games Osaka 2025」で銅メダルを獲得した日本の松岡樹ノ。今回リザーバーで急遽出場が決まった彼女だが、実は前日のプラクティスで転倒し肩を脱臼していたが、大会救護班の迅速な対応もあり大会出場が叶った。決勝まで勝ち上がった彼女は2本目でベストランを披露。

ハイエアーから繰り出される「540」や「キックフリップインディグラブ」、「アリウープバリアルキックフリップインディグラブ」、「マドンナ」そしてラストトリックには「ロックンロールスライド」をメイクして77.66ptをマーク。そのままスコアを守り切り銅メダルを2大会連続で獲得した。まだ14歳の若手ライダーの彼女。今後の活躍に期待したい。

今回、女子バートで日本人最高位をマークしたのは貝原あさひ。昨年の「X Games Ventura 2024」にて銅メダルを獲得した彼女は、ラン2本目で素晴らしいライディングを見せた。

「ボディバリアルベニハナ」を皮切りにランをスタートすると、彼女の得意技である「マドンナ」や「キックフリップインディグラブバックサイドエアー」、コーピングでの「フロントサイドノーズグラインド to リップスライド」そしてラストトリックには「フェイキーバリアルステールフィッシュグラブ」を決め切り79.00ptをマーク。

前回大会の銅メダルを塗り替える銀メダルを獲得した。長い手足が映えるライディングがスタイリッシュな彼女の今後のさらなる活躍にも期待したい。

今回見事金メダルを獲得したのは近年負けなしの強さを見せるアリサ・トルー(オーストラリア)。今回も1本目から高難度なトリックでまとめたランを見せて圧勝。ベストスコアを残した2本目はウィニングランで迎える形となった。

そのランでは30秒という限られた時間にも関わらず「バックサイド540」、「インディ360」、「スイッチマックツイスト」、そして「ハーフキャブフロントサイドノーズスライド」をメイクしアップデートするとさらにスコアを87.66ptまで伸ばし金メダルを獲得した。翌日のパーク種目を控えるこの時点で自身6個目のX Games金メダルを獲得する快挙となった。

男子バート

ギー・クーリー ©Jason Halayko/X Games

同じく大会初日に開催された男子バートは、優勝候補のギー・クーリー(ブラジル)やエリオット・スローン(アメリカ合衆国)などを相手に、日本人選手勢は芝田モト猪又湊哉、そして最年少出場選手の河上恵蒔の3名が出場。加えてアメリカ合衆国からJD・サンチェステイト・カリュートム・シャーが出場して計8名により争われた。

女子カテゴリー同様に、X Gamesの新フォーマットであるプレイオフを勝ち上がった4名が決勝で争う形になり、決勝へ勝ち上がったのはギー・クーリーJD・サンチェストム・シャー猪又湊哉。プレイオフと同様に決勝でも30秒間のランを2本走行し、その中で最も良い得点のランが採用されるベストランフォーマットでの戦いとなった。

まず今回銅メダルを獲得したのはアメリカ合衆国のトム・シャー。数々の世界大会で結果を残しているトップライダーである彼は、大きな身体を活かしたパワフルで滞空時間の長いハイエアーの中で繰り出される高難度トリックが特徴的。

決勝では1本目でベストランを披露。「フェイキーテールグラブ720」を皮切りに「アリーウープヒールフリップインディグラブ」、「キックフリップボディバリアル540」などをメイク。そして1本目と2本目共にラストトリックには「ブラントキックフリップフェイキー」をトライするも失敗しフルメイクとはならなかったが、1本目でマークした83.00ptを守り切り表彰台の座を獲得した。

今大会では新世代として強さを見せたのはアメリカ合衆国の16歳、JD・サンチェス。プラクティスの時点から好調な様子を見せていた彼。幅広いトリックセレクションの中からひとつひとつのトリックを高い精度を繰り出した彼は、ラン2本目で素晴らしいライディングを見せた。

「フロントサイド360 to フェイキー」を皮切りに、常に高いエアーを保ちながら「キックフリップステイルフィッシュグラブ」や「フロントサイドヒールフリップボディバリアル360」そして「インディグラブ720」を綺麗に決め切るフルメイクランで88.33ptをマーク。1本目のスコアをアップデートし順位をジャンプアップ。自身初のX Gamesメダルを銀メダルとした。

今回唯一の90点台をマークし盤石な強さを見せたのはギー・クーリー(ブラジル)。1本目から見事なフルメイクで強さを見せると周りのライダーにプレッシャーをかけた。その1本目で見せたのは「900」、「ボディバリアル・キックフリップ540」、「ステイルフィッシュグラブ540」、「キックフリップ・インディグラブ540」、「キックフリップ・インディグラブ・トゥ・フェイキー」、そして「インディグラブ720:といった高難度の技を次々と成功させて、ランを終えるとスコアを90.66ptをマークして自身6個目のX Games金メダルを獲得した。

男子バート・ベストトリック

ギー・クーリー ©Jason Halayko/X Games

大会最終日に行われたバート・ベストトリックでは20分間のジャムセッションの中で異次元のトリックが飛び出した。今大会では世界初メイクのトリックも披露されるなど、バートの競技レベルがさらに引き上げられた戦いが繰り広げられた。またなんと今回の表彰台の面々は偶然にも「X Games Chiba 2024」と同じメンバーとなった。

昨年の「X Games Chiba 2024」と同様に今回銅メダルを獲得したのは猪又湊哉。彼の最終トライで決め切って見せたのは「バックサイドバリアル540 to ハンドバリアルステイルフィッシュグラブ」だ。このトリックは世界初のトリックで彼自身が「雷神(RAIZIN)」と名付けた新しいシグネチャートリック。今大会ではランディングが少しブレてしまったことで銅メダルに止まったが完璧に決めきれば金メダルも狙えるトリックであることは間違いないだろう。

そして前回同様に銀メダルを獲得したのは芝田モト。彼が3度目のトライでメイクしたのは前回の「X Games Chiba 2024」でもメイクした「フロントフットインポッシブルリーンエアー540」。もちろんこのトリックだけでも異次元の難しさを誇るのだが、実は他にも出したいトリックがあったという。今後彼がどんなトリックを繰り出すのかに注目だ。

そんな異次元の高難度トリックバトルを制し、金メダルを獲得したのはギー・クーリー。昨年の「X Games Chiba 2024」にて時間ギリギリにメイクした「キックフリップボディバリアル900」を一発に決めて見せた。さらに完成度を上げたこのトリックは今回のベストトリックとなった。そしてクーリーはこれで2年連続でバートとバート・ベストトリックの2冠を達成し、彼の金メダル数は通算7個となった。また次のX Gamesではどんな歴史が生まれるのかにも期待したい。

そして今回メダルは逃したものの触れておきたいのは河上恵蒔のライディング。河上は関西出身ということもあり大会前から多くの注目を集め、大会では結果としてはメダルに一歩届かず5位にとどまるも「1080」を決めてみせた。まだ弱冠10歳ながら世界を驚かせ続けている彼。今週末の「X Games Salt Lake City 2025」にも出場予定の彼だが今後の大会でどんなライディングをするのか注目だ。

パーク種目はアリサ・トルーが女子スケーター最多金メダル記録を更新!日本の四十住さくらが3年ぶりの銀メダル獲得

アリサ・トルー ©Jason Halayko/X Games

女子パーク

女子パークは大会最終日に開催され、優勝候補のアリサ・トルー(オーストラリア)やスカイ・ブラウン(イギリス)を相手に日本人選手勢からは開心那四十住さくら草木ひなの藤井雪凛の4名が出場。さらにアメリカ合衆国のブライス・ウェットスタインリリー・エリックソンを加えた計8名により争われた。

X Gamesの新フォーマットであるプレイオフを勝ち上がった4名が決勝で争う形になり、決勝へ勝ち上がったのはアリサ・トルー開心那四十住さくら草木ひなのの4名。プレイオフと同様に決勝でも45秒間のランを2本走行した上で、最も良い得点のランが採用されるベストランフォーマットでの戦いとなった。

今大会で銅メダルを獲得したのは草木ひなの。今回の彼女のベストランは1本目で、ボックスジャンプで「サランラップ」をメイクしてランをスタートさせると、「バックサイド540」やコーピングでの「バックサイドロックンロールスライド」を綺麗にこなしながら、ボックスジャンプで「サランラップ360」をメイク。ラストトリックにはウォールセクションに「バックサイドボーンレス」を当て込みランを終えると85.66ptをマーク。そのスコアを最後まで守り切り見事銅メダルを獲得した。

そして今回の3年ぶりのX Gamesメダルを獲得した四十住さくらは、2本目でランをアップデート。ボックスジャンプでの「バックサイドエアー」を皮切りにランをスタートし、「ヒールフリップインディグラブ」やコーピングでの「フロントサイドリップスライド」、そして昨年の「X Games Chiba 2024」ではメイクできなかったトランスファーでの「ノーグラブバックサイド540オーリー」を決め、ラストトリックを「バックサイドディザスターリバート」で締めてフルメイクでランを終えた。このランには87.66ptがスコアされ2位まで浮上。

銀メダル獲得が決まった瞬間喜びの涙が浮かぶ様子も見られ、過去のX Gamesを含めて今までどれだけ努力をしてきたかを感じられた瞬間だった。

そして今回見事金メダルを獲得したのは、昨年の「X Games Chiba 2024」の覇者でパリオリンピックでも金メダルを獲得するなどパーク種目においてもほぼ負けなしのアリサ・トルー(オーストラリア)。

ラン2本目ではよりスピードとパワーをプラスしたランへアップデート。彼女の得意技の「マックツイスト」をはじめ「キックフリップインディグラブ」や「フロントサイドキャバレリアルステイルフィッシュグラブ」などを決め、ラストトリックには「スイッチマックツイスト」を決め切りフルメイクで終えるとトップの座を獲得した。

なおこの結果から通算7個目となる金メダルを獲得し、レティシア・ブフォーニが保持していた「女子スケーター最多金メダル記録」を更新。しかもバート種目と2種目での2冠は3大会連続の快挙!どこまでこの記録を伸ばし続けるのか目が離せない。

男子パーク

トム・シャー ©Yoshio Yoshida/X Games

男子パークは今大会の最終競技として開催され、日本人選手勢からは永原悠路が出場。海外招待選手としてトム・シャー(アメリカ合衆国)、キーガン・パルマー(オーストラリア)、テイト・カリュー(アメリカ合衆国)、ペドロ・バロス(ブラジル)、ギャビン・ボドガー(アメリカ合衆国)、キーラン・ウーリー(オーストラリア)、トレイ・ウッド(アメリカ合衆国)といった世界トップクラスのライダーたちを加えた計8名により争われた。

他の種目と同様にX Gamesの新フォーマットであるプレイオフを勝ち上がった4名が決勝で争う形になり、決勝へ勝ち上がったのはトム・シャーキーガン・パルマーペドロ・バロステイト・カリューの4名。こちらもプレイオフと同様に決勝でも45秒間のランを2本走行した上で、最も良い得点のランが採用されるベストランフォーマットでの戦いとなった。

まずは様々なフリップトリックをコンビネーションを中心にランを構成したテイト・カリュー(アメリカ合衆国)。今回は豪快な「キックフリップインディグラブ」や、コーピング周りでの流す「バックサイドスミスグラインド」や、「バックサイド540」、そしてディープエンドからX Gamesサインに当て込む「オーリーtoテール」など高難度かつスタイリッシュなランで84.00ptをマークし銅メダルを獲得した。

次にカリューを上回ったライディングを見せたのは2大会オリンピック金メダリストであるオーストラリアのキーガン・パルマー。コースを広く満遍なく使いながらライディングする彼は、クオーターでの「メロングラブ540」や「キックフリップアリーウープリーンエアー」、ボックスジャンプでの「リーンエアー360」、トランジションには「バックサイドテールスライド」を上手く使い加速。ラストトリックには「キックフリップインディグラブフェイキー」を決めきり見事銀メダルを獲得した。

そんな二人を上回ったのは昨年の「X Games Chiba 2024」と同様に今大会のバートでも銅メダルを獲得したトム・シャー(アメリカ合衆国)がパーク種目でも金メダルを獲得。彼はバートで培われたハイエアーとトランジションでの見事な安定感が特徴的で、ベストランでは「テールグラブ540」や、ボルケーノでの「フロントブラント」、クオーターでの「アリーウープキックフリップインディグラブ」や、ボックスジャンプでの「ステイルフィッシュ360」、またディープエンドからX Gamesサインに当て込む「ノーズストール」、ラストトリックでは「フェイキー5-0」など幅広いトリックコンビネーションをフルメイクし2大会連続の金メダルを獲得。自身16個目のX Gamesメダルを持ち帰った。

大会結果

 左から貝原、トルー、松岡の順
©Jason Halayko/X Games

女子バート

優勝 アリサ・トルー(オーストラリア)/ 87.66pt
準優勝 貝原 あさひ(日本)/ 79.00pt
3位 松岡 樹ノ(日本)/ 77.66pt
4位 ミア・クレッツァー(オーストラリア)/ 52.66pt
5位 長谷川 瑞穂(日本)
6位 リリー・ストファシウス(ドイツ)
7位 リース・ネルソン(カナダ)
8位 ライカ・ベンチュラ(ブラジル)

左から伊藤、コベル、松本の順
©Jason Halayko/X Games

女子ストリート

優勝 クロエ・コベル(オーストラリア)/ 90.00pt
準優勝 伊藤 美優(日本)/ 81.00pt
3位 松本 雪聖(日本)/ 77.00pt
4位 吉沢 恋(日本)/ 74.00pt
5位 中山 楓奈(日本)
6位 織田 夢海(日本)
7位 ペイジ・ヘイン(アメリカ合衆国)
8位 西矢 椛(日本)

左からクーリー、サンチェス、シャーの順
©Jason Halayko/X Games

男子バート

優勝 ギー・クーリー(ブラジル)/ 90.66pt
準優勝 JD・サンチェス(アメリカ合衆国)/ 88.33pt
3位 トム・シャー(アメリカ合衆国)/ 83.00pt 
4位 猪又 湊哉(日本)/ 51.66pt
5位 テイト・カリュー(アメリカ合衆国)
6位 河上 恵蒔(日本)
7位 エリオット・スローン(アメリカ合衆国)
8位 芝田 モト(日本)

左から芝田、クーリー、猪又の順
©Jason Halayko/X Games

男子バート・ベストトリック

優勝 ギー・クーリー / ブラジル
準優勝 芝田 モト / 日本
3位 猪又 湊哉 / 日本 
4位 エリオット・スローン / アメリカ合衆国
5位 河上 恵蒔 / 日本
6位 JD・サンチェス / アメリカ合衆国
7位 トム・シャー / アメリカ合衆国 

左から四十住、トルー、草木の順
©Jason Halayko/X Games

女子パーク

優勝 アリサ・トルー(オーストラリア)/ 93.33pt
準優勝 四十住 さくら(日本)/ 87.66pt
3位 草木 ひなの(日本)/ 85.66pt
4位 開 心那(日本)/ 83.66pt
5位 スカイ・ブラウン(イギリス)
6位 ブライス・ウェットスタイン(アメリカ合衆国)
7位 リリー・エリックソン(アメリカ合衆国)
8位 藤井 雪凛(日本)

左からカン、根附の順
©Jason Halayko/X Games

男子ストリート

優勝 根附 海龍(日本)/ 92.33pt

準優勝 ジュニ・カン(韓国)/ 91.66pt
3位 小野寺 吟雲(日本)/ 90.66pt
4位 ジェイク・イラーディ(アメリカ合衆国)/ 88.66pt
5位 ジュリアン・アギラルディ(アメリカ合衆国)/ 86.00pt
6位 佐々木 音憧(日本)/ 84.33pt
7位 池 慧野巨(日本)
8位 ケルビン・ホフラー(ブラジル)
9位 池田 大暉(日本)
10位 ブレイデン・ホーバン(アメリカ合衆国)
11位 コルダノ・ラッセル(カナダ)
12位 キーラン・ウーリー(オーストラリア)

左からパルマー、シャー、カリューの順
©Jason Halayko/X Games

男子パーク

優勝 トム・シャー(アメリカ合衆国)/ 90.33pt
準優勝 キーガン・パルマー(オーストラリア)/ 85.33pt
3位 テイト・カリュー(アメリカ合衆国)/ 84.00pt
4位 ペドロ・バロス(ブラジル)/ 79.66pt
5位 ギャビン・ボドガー(アメリカ合衆国)
6位 キーラン・ウーリー(オーストラリア)
7位 トレイ・ウッド(アメリカ合衆国)
8位 永原 悠路(日本)

大会概要

⼤会名称 : X Games Osaka 2025
開催期間 : 2025年6月20日(金)~22日(日) – 3日間 (一般開場は21~22日の2日間)-※詳細は公式HPをご覧ください。
※金曜は公式練習日のため関係者・招待客・取材媒体のみ。一般入場は土曜と日曜の2日間です。

会場:京セラドーム大阪(KYOCERA DOME OSAKA)

主催: X Games Osaka 2025 組織委員会、株式会社 XGJ、日本テレビ放送網株式会社、株式会社ライブエグザム、株式会社イープラス、株式会社CB、株式会社グッドスマイルカンパニー、読売テレビ放送株式会社

主管: 大阪府、大阪市

後援: 一般社団法人ワールドスケートジャパン、一般社団法人日本スケートボーディング連盟、一般社団法人全日本フリースタイルBMX連盟、一般財団法人日本モーターサイクルスポーツ協会、一般社団法人TEAM JAPAN MX PROJECT
、FM802 / FM COCOLO、読売新聞社

協賛: Monster Energy、INSTYLE GROUP、ムラサキスポーツ、モスフードサービス、日本郵政、SANDISK、バンテリン、Mizkan NEW酢SHOT

協力: 公益財団法人JKA、モトクロスインターナショナル、株式会社JTB、シミズオクト、Skatelite by 井上スダレ株式会社、Yogibo、TOYO TIRE株式会社、
TryHard JAPAN、くれおーる、ラーメンまこと屋

執筆者について
FINEPLAY編集部
FINEPLAY は世界中のサーフィン、ダンス、ウェイクボード、スケートボード、スノーボード、フリースタイル、クライミングなどストリート・アクションスポーツに関する情報を発信するスポーツメディアです。
ピックアップフォト
アクセスランキング
FINEPLAY
アクションスポーツ・ストリートカルチャー総合メディア

FINEPLAYはアクションスポーツ・ストリートカルチャーに特化した総合ニュースメディアです。2013年9月より運営を開始し、世界中のサーフィン、ダンス、ウェイクボード、スケートボード、スノーボード、クライミング、パルクール、フリースタイルなどストリート・アクションスポーツを中心としたアスリート・プロダクト・イベント・カルチャー情報を提供しています。

アクションスポーツ・ストリートカルチャーの映像コンテンツやニュースを通して、ストリート・アクションスポーツの魅力を沢山の人へ伝えていきます。

イベントスケジュール
6月 2025
       1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30       
« 5月   7月 »

●今日 ○イベント開催日

ピックアップフォト
編集部おすすめ記事
アクセスランキング
FINEPLAY
アクションスポーツ・ストリートカルチャー総合メディア

FINEPLAYはアクションスポーツ・ストリートカルチャーに特化した総合ニュースメディアです。2013年9月より運営を開始し、世界中のサーフィン、ダンス、ウェイクボード、スケートボード、スノーボード、クライミング、パルクール、フリースタイルなどストリート・アクションスポーツを中心としたアスリート・プロダクト・イベント・カルチャー情報を提供しています。

アクションスポーツ・ストリートカルチャーの映像コンテンツやニュースを通して、ストリート・アクションスポーツの魅力を沢山の人へ伝えていきます。

配信先メディア一覧