「スケートボードは自由。だからカッコいい。」スケーターのためのストリートイベント「Red Bull Mind the Gap」in Sendai

2022.08.29
text by 畠山大樹 / photograph by Joji Shimamoto

「その日ー番クールにギャップを飛び越えることができたライダー」を決めるイベント「Red Bull Mind the Gap Sendai」が2022年8月14日(日)に宮城県仙台市の仙台市民広場で行われたストリートカルチャーの祭典「伊達祭」内にて開催された。

Red Bull Mind the Gap」は世界中で開催されているストリートスケートボードイベント。昨年日本に上陸し今年で2年目となるこのイベントはここ仙台でも同会場にて2年連続の開催となった。

「とにかくカッコよくギャップを飛び越える」をコンセプトとするこのイベントでは各ライダーたちが得意とするトリックを含めたライディングでどれだけ観客やジャッジを魅了できるかを競い合う。

photograph by Joji Shimamoto

競技フォーマットはジャムセッション方式で、制限時間内に3人のジャッジがプロの目線でその日ー番クールなトリックとスタイルを披露したベストライダーを優勝者としてピックアップする。

なお、このイベントは16歳以上であればアマチュア・プロまで関係なく自由に参加が可能である。このフラットな条件だからこそ「カッコいいライディング」に自信を持つライダーたちが楽しみながら自分たちの力量を試すことができる。これがまさに「Red Bull Mind the Gap」が他のコンテストと一線を画す点である。

以下は当日の大会の様子である。

大会の様子

晴れ渡る夏空の下、心地良いヒップホップの音楽が流れる仙台市民広場で開催された「Red Bull Mind the Gap Sendai」。本大会はストリートカルチャーの祭典である「伊達祭」の中で開催されたこともあり、一般のお客さんの観覧も多くストリートカルチャーを愛する人たちの熱気で終始賑やかな雰囲気の中で行われた。

photograph by Joji Shimamoto

今回会場に用意されたセクションは湘南でも使われた「Red Bull Mind the Gap」のミニバンクに加えて、本大会の前後に行われたデモンストレーションイベント用のクオーターボックスというライダーたちの個性を存分に引き出すセクションの数々が揃った。

今回の参加者は総勢27名。開催地の仙台のローカルライダーたちをはじめ、周辺の東北エリアや遠方は関東/関西エリアからもライダーたちが仙台市民広場に集まり自分たちのカッコいいライディングを披露した。

全国からたくさんのライダーが集まった。
photograph by Joji Shimamoto

また本大会のジャッジには仙台のストリートスケートボードシーンを長年支えてきたレジェンドスケーター丸山晋太郎さん、荻堂盛貴さん、佐藤敏博さんの3名が参加。このメンバーにより、この日仙台で一番カッコいいライディングを魅せたライダーが公正に審査された。

椅子に掛けてライダーを審査するジャッジ陣
photograph by Joji Shimamoto

予選は3グループに分かれての10分間のジャムセッション。その前の参加ライダー紹介では各ライダーに1トリックを披露する時間も用意された。
決勝にはジャッジがこの日カッコいいライディングをしていると思った10名をピックアップ。予選を勝ち上がったその10人の中から優勝者1名とジャッジ特別賞+イベントディレクター特別賞の受賞者4名が決められた。

今回観客とジャッジを魅了し、見事優勝の座を勝ち取ったのは菅原悠翔選手

今回優勝した菅原悠翔
photograph by Joji Shimamoto

今回は優勝者とは別に、ジャッジ3名とイベントディレクター1名がそれぞれ本イベントでカッコいい滑りをしていたスケーターを選び特別賞を贈った。

松木愛瑠のライディング
photograph by Joji Shimamoto

はじめに今回のジャッジであり、仙台市内で「ブリッジ」というスケートボードショップを経営する丸山晋太郎さんの特別賞を獲得したのは松木愛瑠選手。松木の高いエアーから繰り広げられる「ダブルバックサイドフリップ」は観客を沸かせた。

ジャッジの荻堂さんから特別賞を受け取る堤隆之介
photograph by Joji Shimamoto

また仙台でスケートボード教室を運営しているジャッジの荻堂盛貴さんの特別賞を獲得したのは前大会の優勝者堤隆之介選手。ミニバンクへ反対側から進入し行う難易度の高い「ギャップオーバー・バンクイン・バックサイドキックフリップ」はジャッジを唸らせていた。

柿谷季輝のライディング
photograph by Joji Shimamoto

そして同じくジャッジでレジェンドスケーターの佐藤敏博さんの特別賞を獲得したのは京都から参戦した柿谷季輝選手。柿谷も堤と同様にミニバンクへ反対から進入するライディングで、ジャンプ中にスタンスを変える「ギャップオーバー・バンクイン・セックスチェンジ」はスタイリッシュで他のスケーターたちも思わず立ち上がり彼のメイクを称えた。

イベントディレクターの阿部直央さんと特別賞を獲得した高山翼
photograph by Joji Shimamoto

今回のイベントディレクターである阿部直央さんの特別賞を獲得したのは高山翼選手。スタイルのある玄人好みの「オーリーレイトショービット」はシンプルな動きに詰め込まれたスキルの高さを感じられた。

菅原悠翔のライディング
photograph by Joji Shimamoto

最後にこの日一番クールなライディングをしたライダーとして選ばれ、見事優勝の座を獲得したのが菅原悠翔選手。菅原も柿谷や堤同様にミニバンクへ逆から進入し行う難易度の高い「ギャップオーバー・バンクイン・スイッチヒールフリップ」をメイク。
平面から一段上がったギャップに向かってのヒールフリップは高さとランディングの精度が必要とされる動き。イベント全体を通してスタイルのあるカッコいいライディングを魅せた菅原を優勝を決定づけるトリックとなった。

優勝者インタビュー

今回優勝した菅原悠翔
photograph by Joji Shimamoto

菅原悠翔選手のコメント
優勝できたことは嬉しいですが、それ以上にたくさんの人が盛り上がってくれたのがすごく良かったなと思います。
たくさんの人に見てもらえる場所でのイベントっていうのはなかなか無いので、僕にとっても「Red Bull Mind the Gap」は特別なイベントです。それにレッドブルをたくさん飲めるのも最高ですね!笑
今後はもっとストリートの映像などを撮っていって、アメリカで活躍できるスケーターになりたいです!!」

地域と調和しながら自由に滑る仙台のスケートボードコミュニティ。

そして「Red Bull Mind the Gap」を取材する我々FINEPLAY編集部は、このイベントの運営に大きく携わる各地のローカルスケートボードコミュニティに注目。今回は仙台のスケートボードシーンを牽引するメンバーの一人であり「Red Bull Mind the Gap in Sendai」のイベントディレクターを務めた阿部直央さんにインタビューをさせて頂いた。

今回インタビューに応じてくれたイベントディレクターの阿部直央さん
photograph by Joji Shimamoto

阿部さんのお話の中で印象に残ったのが「スケートボードは自由でどこでもできる遊び」であるということ。特に今回のイベント開催地となった仙台は街全体がスポットと言っても過言ではないほど自由に滑れるスポットが多い。「仙台は仲間たちと一緒に気が向くままに滑ることができる環境」と阿部さんは話してくれた。

参加ライダーたちと一緒に滑るジャッジの丸山さん
photograph by Joji Shimamoto

そんなカルチャーの根付く街で開催された「Red Bull Mind the Gap」は仙台ローカルスケーターたちに対してもスケートボードの良いところを引き出してくれる遊びの延長上のコンテストで、まさに彼らのスケートボードカルチャーの本質を表現できているイベントであると捉えられていた。

実際に決勝では制限時間が終わってもなおトリックに挑戦し続けるスケーターたちがいて、それを後押しするように大会関係なく応援し続ける観客と大会関係者の姿も垣間見え、まさにスケートボードの自由さを体現していた。

賞品を受け取る観客の女の子
photograph by Joji Shimamoto

さらに、我々は感じたのはローカルスケーターたちと地元の人たちの関わりだ。今回の優勝者で仙台出身の菅原選手も話してくれたが、本イベントでもスケーターたちが観客や他のスケーターを盛り上げたいという気持ちを強く感じた。

表彰式後には自分たちがもらった賞品を観客にあげるなど、スケーターと一般の人が同じ空間を一緒に楽しんでおり、地元の理解を得ながらローカルスケーターがスケートボードの楽しさを伝えているように思えた。

お互いを称え合うライダーたち
photograph by Joji Shimamoto

そしてもう一つ忘れずに述べておきたいのが、このローカルカルチャーの中で育った若手がコンペティションの場でも活躍しているということだ。本イベントに参加したスケーターたちに総じて見られたことであるが、トリックのメイク率の高さに合わせてスケーター同士のプロの間合いが見られた。

彼らは制限時間がある中でもお互いのトリックの邪魔をしない絶妙な間隔でライディングしており、トリックをメイクした時にお互いを称え合うのとは別に無言のリスペクトの心がスケーターの間にあるように感じた。これがこのローカルカルチャーの中で育まれているものでスポーツとしての彼らのスケートボードの強さなのだと思う。

最後に

photograph by Joji Shimamoto

今回の「Red Bull Mind the Gap in Sendai」を通して、地元に根付く仙台のスケートボードコミュニティの持つ自由さから溢れるスケートボードのカッコよさを感じさせてもらった。

インタビューをさせて頂いた阿部さんも「このカルチャーの方で育ってきたから自分たちのやりたいことをやるだけ。その中でスポーツとしてのスケートとカルチャーとしてのスケートがうまく共存してどっちも残っていけば良いと思っている。」とスケートボードの自由さを話してくれた。

一人でも多くの人がこういったスケートボードのローカルカルチャーに触れ、我々と同じようにスポーツとしてだけではなくカルチャーとしてのスケートボードのカッコよさも感じてもらえたら嬉しく思う。

大会概要

イベント名: Red Bull Mind the Gap Sendai
会場: 仙台市民広場(宮城県仙台市青葉区本町3丁目)
日程: 2022年8月14日(日)

執筆者について
FINEPLAY編集部
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