S.LEAGUE 25-26初戦「さわかみ北海道プロ」開幕!

2025.07.28
text by 水野 亜彩子 / Asako Mizuno, 写真提供: S.LEAGUE

2025年7月10日(木)から13日(日)の4日間、さわかみS.LEAGUE 25-26シーズンの開幕戦「さわかみ 北海道プロ」が、北海道・厚真町の浜厚真海岸で開催された。
北海道でのショートボードのプロ大会開催は1990年以来、ロングボードにおいては史上初となった。

試合期間中は風の影響を受ける日が多く、波のコンディションは不安定。実際に波に乗ってみないと分からないと話す選手も多く見られた。
また気温も、肌寒い朝晩から真夏日となる日中まで寒暖差があり、体調管理の難しさも浮き彫りとなった。

初ファイナルの松原渚生を抑え、西慶司郎がS.LEAGUE開幕戦優勝

西慶司郎 ©︎S.LEAGUE

ショートボードメンズのファイナルは、西慶司郎と今回が初のファイナル進出となった松原渚生の対決となった。
松原渚生は、セミファイナルと同様の戦略で、右側に入ってくる波を狙う戦略を選択。一方の、西慶司郎は会場の正面に来る波で着実にスコアを重ね、リードを広げていく。
終盤、松原渚生も西慶司郎と同じポジションに移動して反撃を試みたが、時間内に逆転にはならず、試合終了。
安定した試合運びで、西慶司郎がS.LEAGUE開幕戦を見事に制した。

松原渚生 ©︎S.LEAGUE

川合美乃里、開幕戦を制覇

川合美乃里 ©︎S.LEAGUE

ショートボードウィメンズのファイナルは中塩佳那川合美乃里による一戦となった。
ロングボードの試合終了後、一時試合が中断され、潮が満ち込むタイミングを待って再開。
それでも波数が少ない難しいコンディションが続く中、川合美乃里は入ってきた波を確実に捉え、着実にスコアを重ねてリードを広げた。
一方の中塩は、逆転に必要な波を待ち続けたが、最後までチャンスは訪れずタイムアップ。
川合美乃里が見事な試合運びで優勝を果たした。

川合美乃里 ©︎S.LEAGUE

9.90の逆転スコア!田岡なつみ、ロングボード決勝で圧巻の逆転優勝

田岡なつみ ©︎S.LEAGUE

ロングボードウィメンズの決勝は吉川広夏田岡なつみによる一戦。
開始直後、吉川広夏が1本目で8.83ポイントというエクセレントスコアを叩き出し、幸先の良いスタートを切る。
続けてバックアップのスコアを揃え、田岡なつみが逆転するには9.40ポイント以上が必要な状況に。
このまま逃げ切るかと思われた残り1分、田岡なつみが勝負をかけて波に乗る。
ハングファイブ、ハングテン、ロールインと、その波でできる技をすべて出し切り、9.90ポイントをマーク。
劇的な逆転で、田岡なつみが優勝を飾った。

吉川広夏 ©︎S.LEAGUE

田岡なつみ ©︎S.LEAGUE

浜瀬海が圧巻のスコア連発 ロングボードメンズ決勝を制覇

浜瀬海 ©︎S.LEAGUE

ロングボードメンズの決勝は浜瀬海中山祐樹の対戦。
浜瀬海はバリエーション豊かなライディングで、9.99ポイントと、8.10ポイントというハイスコアをマーク。
一方、ノーズライディングに定評のある中山も果敢に攻めたが、追いつくには至らず。
浜瀬海がそのまま逃げ切り、見事優勝を果たした。

中山祐樹 ©︎S.LEAGUE

浜瀬海 ©︎S.LEAGUE

河野正和、後半の逆転スコアでショートボードマスターズ優勝

河野正和 ©︎S.LEAGUE

ショートボードマスターズのファイナルは、牛越峰統河野正和山田桂司米田桂祐の4名による戦いとなった。
今大会通して、積極的に波に乗る牛越峰統が、決勝でも果敢に攻め続ける。
山田桂司、米田桂祐もテンポよく波に乗っていくが、牛越峰統が引き続きリードを保つ展開に。
一方、河野正和は1本目に6.03ポイントをスコアしたものの、その後は波を待つ時間が続く。しかし、後半に7.17ポイントをスコアし河野正和が逆転に成功。
最後に、牛越峰統がアップするがわずかに届かず、河野正和が優勝を飾った。

河野正和 ©︎S.LEAGUE

男女平等な賞金を目指して 「さわかみブースト賞」が開いた新たな扉

©︎S.LEAGUE

「さわかみブースト賞」とは、ショートボード男子の賞金額(優勝・準優勝・3位)を基準に、その差額分を「ショートボード女子」および「ロングボード男子/女子」の選手に支給する仕組み。
これにより、WSL(世界プロサーフィン連盟)のように男女の賞金額が同額となる構造が、国内プロ大会で初めて実現した。
なお、男子ショートボード選手に対しては、賞金額据え置きへの配慮として「さわかみ特別賞」が別途支給され、全体のバランスにも配慮がなされている。

「さわかみブースト賞」が導入される大会は、今シーズン「さわかみ S.ONEシリーズ」の3戦に限定されている。
「さわかみ ブースト賞」対象大会
ショートボード (全3戦)
2025年7月10日~14日:さわかみ 北海道プロ
2025年8月20日~22日:さわかみ 静波サーフスタジアム PerfectSwell® PRO
2026年4月21日~25日:さわかみ S.LEAGUE GRAND FINALS 25-26 一宮
ロングボード (全3戦)
2025年7月10日~14日:さわかみ 北海道プロ
2025年7月24日~25日:さわかみ 鉾田プロ
2026年4月21日~25日:さわかみ S.LEAGUE GRAND FINALS 25-26 一宮

次戦は静波パーフェクトウェーブで開催!S.LEAGUEショートボード第2戦に期待高まる

S.LEAGUE ショートボード第2戦は、8月20日から22日に静波パーフェクトウェーブで開催される。今回の白熱した開幕戦を経て、各選手の意気込みも一層高まっていることだろう。新たな舞台となる静波の波で、どのようなドラマが生まれるのか、ファンの期待はますます膨らむ。次戦も見逃せない熱戦に注目したい。

さわかみ北海道プロ結果

《ショートボード男子》
優勝:西慶司郎
2位:松原渚生
3位:金沢呂偉、増田来希

《ショートボード女子》
優勝:川合美乃里
2位:中塩佳那
3位:松野杏莉、野中美波

《ショートボードマスターズ》
優勝:河野正和
2位:牛越峰統
3位:米川佳祐
4位:山田桂司

《ロングボード男子》
優勝:浜瀬海
2位:中山祐樹
3位:堀井哲増山翔太

《ロングボード女子》
優勝:田岡なつみ
2位:吉川広海
3位:市川梨花、菅谷裕美

執筆者について
FINEPLAY編集部
FINEPLAY は世界中のサーフィン、ダンス、ウェイクボード、スケートボード、スノーボード、フリースタイル、クライミングなどストリート・アクションスポーツに関する情報を発信するスポーツメディアです。
ピックアップフォト
アクセスランキング
FINEPLAY
アクションスポーツ・ストリートカルチャー総合メディア

FINEPLAYはアクションスポーツ・ストリートカルチャーに特化した総合ニュースメディアです。2013年9月より運営を開始し、世界中のサーフィン、ダンス、ウェイクボード、スケートボード、スノーボード、クライミング、パルクール、フリースタイルなどストリート・アクションスポーツを中心としたアスリート・プロダクト・イベント・カルチャー情報を提供しています。

アクションスポーツ・ストリートカルチャーの映像コンテンツやニュースを通して、ストリート・アクションスポーツの魅力を沢山の人へ伝えていきます。

イベントスケジュール
7月 2025
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31    
« 6月   8月 »

●今日 ○イベント開催日

ピックアップフォト
編集部おすすめ記事
アクセスランキング
FINEPLAY
アクションスポーツ・ストリートカルチャー総合メディア

FINEPLAYはアクションスポーツ・ストリートカルチャーに特化した総合ニュースメディアです。2013年9月より運営を開始し、世界中のサーフィン、ダンス、ウェイクボード、スケートボード、スノーボード、クライミング、パルクール、フリースタイルなどストリート・アクションスポーツを中心としたアスリート・プロダクト・イベント・カルチャー情報を提供しています。

アクションスポーツ・ストリートカルチャーの映像コンテンツやニュースを通して、ストリート・アクションスポーツの魅力を沢山の人へ伝えていきます。

配信先メディア一覧