世界自然遺産・徳之島を舞台に繰り広げられた熱戦──栄冠を手にしたのは小林桂と川瀬心那

2025.10.21
WSL / Char
text by 水野 亜彩子 / Asako Mizuno, 写真提供: WSL / Char

2025年10月17日から19日までの3日間、WSL Tokunoshima Town Pro QS2000鹿児島県大島郡徳之島・花徳浜(けどくばま)で開催された。
徳之島でWSLイベントが行われるのは、2023年10月に開催された「TOKUNOSHIMA TOWN PRO JUNIOR」以来、2年ぶり。
開催地が南西諸島に位置することから、奄美大島や地元・徳之島出身の選手も多く出場。日本で5番目に世界自然遺産に登録された豊かな自然に囲まれたこの地で、白熱した戦いが繰り広げられた。

9月から国内でQS(Qualifying Series)の開催が続いてきたが、日本で行われる今大会が今シーズン現時点では最後の一戦となる。今後はフィリピン、台湾へと舞台を移すが、日本で獲得したポイントが今季の最終ランキングに大きく影響を与える可能性もある。

コンディションは3日間を通して胸前後。日中は気温上昇に伴いオンショアが吹き、海面がやや乱れる時間帯もあったが、コンスタントにうねりが届き、試合を進行するには十分な波が続いた。

©︎WSL / Char

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ファイナルデー進出者は実力者4名

小林桂 ©︎WSL / Char

迎えたファイナルデー。ラインナップには、個性豊かな4名のサーファーがそろった。
試合巧者の小林桂、逆転劇で勝ち上がってきた大音凛太、腰の不調を抱えながらも波を読み切った山中海輝、そして御前崎から好調を維持する岡村晃友
この好調な4名の中から、ファイナルへと駒を進めたのは小林桂と、QS初のファイナル進出を果たした岡村晃友となった。

©︎山中海輝 WSL / Char

©︎大音凛太 WSL / Char

©︎岡村晃友 WSL / Char

岡村晃友との接戦を制し、小林桂が頂点へ

©︎WSL / Char

小林桂はどの試合でも必ずスタートから動き出す試合運びも今大会でも披露し、開始10分たたず5.83スコアをする。 しかし、岡村晃友も10分過ぎる直前でフロントサイドでスプレーをあげた縦へのアプローに4.67をスコア。 中盤戦、小林桂が7本目に5.47スコアしバックアップスコアを伸ばし、岡村晃友が優勝するための必要なスコアを6.53と伸ばす。 しかし、岡村晃友が7本目に6.10とヒートハイエストをスコアし優勝するためのスコアを5.20と縮める。 小林桂は引き続き動き続け10本目に6.67スコアしヒートハイエストを塗り替え、岡村晃友が必要なスコア6.41に引き離す。 そのまま岡村晃友はスコアを伸ばす波を見つけることができず試合終了。
見事、MIDAS CAPITAL OMAEZAKI Pro 2025 QS2000、Mera Group Corporation The Open Miyazaki Pro QS2000に続き優勝を果たした。

岡村晃友 ©︎WSL / Char

小林桂 ©︎WSL / Char

川瀬心那が宮崎に続き、徳之島でも頂点に立つ

©︎WSL / Char

ウィメンズは、今季好調な川瀬心那をはじめ、吉田花瑚、徳之島・母間出身の青山コト、そして奄美大島から出場した山田佳那の4名がファイナルデーに名を連ねた。

山田佳那 ©︎WSL / Char

青山コト ©︎WSL / Char

ファイナルに進出したのは、川瀬心那吉田花瑚
お昼前、波の変化が見られるタイミングでヒートがスタートした。
川瀬心那がスタートダッシュを見せ、1本目で5.50をスコア。続く2本目でも3.83をマークし、序盤からリードを広げる。しかし、その後はバックアップを伸ばすのにやや苦戦する展開となった。
対する吉田花瑚は、3本目で3.67、5本目に4.17をスコアし、トップスコアを塗り替えながら必要スコアを5.17まで縮める。
しかし中盤以降、波数が減少。川瀬心那はプライオリティを活かして吉田花瑚をマークし、吉田花瑚はそれを避けるようにライト方向(右側)へポジションを移す。両者がポジションを変えながらチャンスをうかがうも、最後まで決定的な波は訪れずタイムアップ。
見事、川瀬心那がMera Group Corporation The Open Miyazaki Pro QS2000、そしてKitaizumi Surf Festivalに続く優勝を飾った。

吉田花瑚 ©︎WSL / Char

川瀬心那 ©︎WSL / Char

徳之島での戦いを終え、舞台はフィリピン・台湾へ

世界自然遺産に登録された、自然豊かな徳之島を舞台に繰り広げられた今大会。
日本で続いたQSシリーズはこの大会で一区切りとなるが、舞台はこのあとフィリピン、そして台湾へと移る。
ツアーはフィリピン、台湾へと続き、選手たちは来季の出場権を懸けた重要な戦いが続いていく。

Women’s 結果

©︎WSL / Char

優勝:川瀬心那
2位:吉田花瑚
3位:青山コト・山田佳那

Men’s 結果

©︎WSL / Char

優勝:小林桂
2位:岡村晃友
3位:山中海輝・大音凛太

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