脇田泰地と都築虹帆が初優勝、年間王者は西慶司郎と松岡亜音に JPSAショートボードツアー最終戦『さわかみCS ALL JAPAN 田原プロ』

2021.11.22
text by 佐藤 稜馬

11月15日~18日、愛知県田原市伊良湖 赤西海岸(ロコポイント)・大石海岸(ロングビーチ)で行われたJPSAショートボードツアー最終戦「さわかみチャレンジシリーズALL JAPAN 田原プロ -Challenge III-」。

メンズクラスの脇田泰地(わきた・たいち)とウィメンズクラスの都築虹帆(つづき・ななほ)が初優勝し、年間王者に西慶司郎(にし・けいじろう)と松岡亜音(まつおか・あのん)が決定した。以下、大会リポート。

絶好調の脇田泰地が9点を叩き出す

風は弱オフショア、波はハラ〜ムネサイズのコンディションのなか決勝ラウンドがスタート。

男子決勝は西と脇田、グーフィーフッター同士の一騎打ち。今年飛ぶ鳥を落とす勢いの西は、準々決勝の時点ですでに年間王者が決定。対する脇田はツアー開幕戦で初優勝を逃し、リベンジに燃えていた。

脇田泰地 c) JAPAN PRO SURFING ASSOCIATION
西慶司郎 c) JAPAN PRO SURFING ASSOCIATION

ヒート序盤、1本目でライト方向にテイクオフした西はバーチカルなトップアクションで7.67ptをスコア。続いて4.17ptを出すと合計12.10ptをそろえた。決勝でも勢いの止まらない西。

バーチカルな動きを見せる西 c) JAPAN PRO SURFING ASSOCIATION

同じく1本目で7.00pt、続いて4.17pt、合計11.17ptをそろえ、西の背中を追いかける脇田。ライト方向にテイクオフした波のポケットに入り、トップターンで特大スプレーを上げた。

得点は今大会のハイエストスコアである9点。会場もどよめきに包まれた。

それが西の焦りを生んだか、セットの波でインターフェアをおかす痛恨のミスを誘発。最終戦 田原プロを制したのは脇田泰地となった。

西、痛恨のインターフェア c) JAPAN PRO SURFING ASSOCIATION

ツアー開幕戦の結果が悔しくて、ずっと引きずっていました。でも、(今回の決勝で)慶司郎がレフトの波に乗ったのを見て、行かせたらダメだと思ってブロックさせてもらいました」と脇田。

(9点をスコアした波について)乗った瞬間はあまり張ってこないなと思ったんですが、途中からいいセクションが出てきて、いいターンもできたので、点数は出るかなって……。よかったです

優勝を決めガッツポーズする脇田 c) JAPAN PRO SURFING ASSOCIATION

最後は得意のラップでウィニングインタビューを締めくくった。

今日は優勝したぜ気分がいい 仲間家族リスペクト感謝したい 賞金下ろしてまたパーティー

都築虹帆、ライバル松岡の思いを胸に決勝へ

女子決勝は地元・愛知県出身の都築虹帆と須田那月(すだ・なつき)、ルーキー対ベテランの戦い。友人で、良きライバルでもある松岡亜音を準決勝で下した都築が、その思いを胸に臨んだ。

互いの健闘を称え合う松岡と都築(右) c) JAPAN PRO SURFING ASSOCIATION
c) JAPAN PRO SURFING ASSOCIATION

序盤、ライト方向のハラ波をリッピングとカーヴィングで乗りこなした都築が6.67ptをスコア。続いて4.43ptをマークし好調な滑り出し。再びライト方向にテイクオフ。大きなカットバックを見せると、ノートリムでリッピングを2発。6.60ptをスコアし、須田を最後まで圧倒した。

鋭いフロントサイド・リッピングを見せる都築 c) JAPAN PRO SURFING ASSOCIATION

都築は18年にプロ資格を取得、19年にバリ島で行われた第1戦では須田と優勝争いの末に2位に甘んじ、グランドチャンピオンを逃した。2年前と同じシチュエーションを前に、並々ならぬ思いで挑んだ今回の決勝戦。沖で試合終了のホーンを聞くと初優勝を確信し、手の甲で涙を拭うしぐさを見せた。

須田のスラッシュ c) JAPAN PRO SURFING ASSOCIATION

(須田選手は)19年のシーズンの時に勝てなかった選手なので、そこは勝ちたいなと気持ちはあったのですが、自分のサーフィンをすることに集中しました」と都築。

おめでとう!」「おめでとう!

試合終了後、ビーチで様子を見守っていた松岡が都築のもとに駆け寄り、優勝を祝福した。

優勝に喜びを爆発させる都築。須田の敗退で松岡(右下)のグランドチャンピオンが決定した c) JAPAN PRO SURFING ASSOCIATION

JPSAツアー年間王者と新人王者が決定

開催中止となった第2戦『新島プロ』を含め、全5戦のショートボードツアーが今大会で終了し、グランドチャンピオンとルーキー・オブ・ザ・イヤーが男女ともに決定した。

男子のグランドチャンピオンは、今大会では惜しくも2位となったが、破竹の勢いでツアーを沸かせた西慶司郎。ルーキー・オブ・ザ・イヤーは三重県出身の齋藤昇吾(さいとう・しょうご)に決定した。

女子のグランドチャンピオンは、今ツアー第3戦でプロ資格を取得し、優勝を飾った松岡亜音。同時に松岡はルーキー・オブ・ザ・イヤーも獲得した。

男子グランドチャンピオン(年間王者)西 慶司郎
男子ルーキー・オブ・ザ・イヤー(新人王者)齋藤 昇吾
男子さわかみシリーズチャンピオン西 慶司郎
女子グランドチャンピオン(年間王者)松岡 亜音
女子ルーキー・オブ・ザ・イヤー(新人王者)松岡 亜音
女子さわかみシリーズチャンピオン都築 虹帆

選手コメント(Instagram)

都築虹帆

松岡亜音

西慶司郎

マスタークラスで河村正美、
シニアクラスで牛越峰統が優勝

今大会と同時開催された『ショートボード特別戦 シニア・マスタープロ』。全国から集結したレジェンドサーファーがしのぎを削った。

マスタークラス

マスタークラス決勝は、小川昌男、川井幹雄、岡野教彦、河村正美の4人。湘南・鵠沼ポイントをホームに置く河村正美が優勝を決めた。

河村正美 c) JAPAN PRO SURFING ASSOCIATION
c) JAPAN PRO SURFING ASSOCIATION

ロングボードの名手でもある河村。ショートの試合に出るのは30年ぶりだったという。

それもあってワクワク感がここ10日間くらいあって、うれしかったです」とコメントした。

シニアクラス

シニアクラス決勝は進藤晃、河野正和、牛越峰統、遠田真央の4人。優勝はライト方向でフロントサイドのリッピングを連発した牛越峰統。

牛越峰統 c) JAPAN PRO SURFING ASSOCIATION

c) JAPAN PRO SURFING ASSOCIATION

普段ビールを飲みながらサーフィンを語り合うメンバーですが、(試合中は)久々に話さなかったです。真剣にやりました」と牛越。

「今年も踏まえ、来年もJPSAをよろしくお願いします。ありがとうございました」

大会スポンサー、伊良湖ローカルサーファー、大会運営スタッフに向けて順に礼を述べつつ締めくくった。

最終戦フォトギャラリー

脇田泰地

c) JAPAN PRO SURFING ASSOCIATION
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c) JAPAN PRO SURFING ASSOCIATION
c) JAPAN PRO SURFING ASSOCIATION
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西慶司郎

c) JAPAN PRO SURFING ASSOCIATION
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c) JAPAN PRO SURFING ASSOCIATION
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都築虹帆

c) JAPAN PRO SURFING ASSOCIATION
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松岡亜音

c) JAPAN PRO SURFING ASSOCIATION
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