Beat Buddy Boi結成16年|リーダーgash!が考える現在地と未来像

2025.11.30
Text and Interview by Takako Ito

Beat Buddy Boi(ビートバディボーイ、以下BBB)が結成16年、メジャーデビュー10周年という大きな節目を迎えた2025年。彼らはTGC(東京ガールズコレクション)での召集をきっかけに、結成わずか2年でJAPAN DANCE DELIGHT優勝という偉業を残し、それからもBBBとしてレコード会社と契約しCDデビューを果たすなど、ダンスグループとして常に挑戦をし続けてきた。

今回はそのBBBのリーダーであり、多彩なアイデアとセンスを持つgash!(ガッシュ)に、BBBの激動の歴史と、近年本格的に取り組んでいるソロ活動、そしてダンサーにとどまらず「表現者」として見据える未来について、話を訊いた。

挑戦と葛藤の先に見つけた現在地

— まずは今年最も大きな自主イベントであった「BBB NAKAMA FES 2025」の感想と、gash!さんの役割について教えてください。

率直な感想は、色々な面でとても大変でした。渋谷O-EASTで今年の6月に開催したのですが、まずNAKAMA FESは、コンセプトとして僕たちの仲間を召集したイベントなので、ゲストの方々が多く、そのゲストの方々とBBBがコラボレーションをするという構成になっています。イベントの中身も基本的には自分たちで考えて作ったので、体力面も含めて、相当みんなで頑張りました。

BBB NAKAMA FES 2025

役割として僕は、主にゲストアーティストとコラボをするあたりの演出周りを担当しました。例えば、7ORDERさんとのコラボでは、「終盤でお客さんが疲れてくる頃だから、ダンスというよりは演出寄りの分かりやすいことをやった方がいいんじゃないか」といったアイデア出しをしました。打ち合わせをまとめたり、アイデアを出したりと、らしくないことをしたかもしれません(笑)。

あとは…全てを終えた最後の挨拶では思わず感極まってしまい、色んな感情がぶわっと押し寄せました。あまり泣くタイプではないのですが、様々な覚悟が必要な中、このメンバーと続けてきて良かったなって改めて思いましたし、お客さんやゲストで出てくれた仲間のメンバーも、みんなに囲まれて幸せだなって物凄く温かさを感じる日になりました。

BBB NAKAMA FES 2025

— 今も変わらず様々なことに挑戦をし続けているイメージなのですが、現在のBBBはどのようなマインドで活動をしていますか?

何でも良いから「面白いことやろう!」というマインドで活動しています。楽曲であれ、パフォーマンスであれ、面白いことをやろうとしていますが、今は、ひとつの目標に対して、みんなで向かうことはしていません。そうではない自由な感じを大切にしています。しいていうなら「公園で砂遊びをする仲間」という感じ(笑)。これまで、沢山の目標を掲げて、それに向かって切磋琢磨をしてきたのですが、今のBBBは、形を決めずに「とりあえずやってみよう」というテンションの方が合っているのかもしれないと思っています。メンバーそれぞれが強みや個性を活かして、活動できているのでこのスタイルの方が伸び代を感じています。

BBBとして変わらずワンマンライブをしたり、SHUNはBBBの楽曲制作に加えて他のアーティストへの楽曲提供もしてますし、Toyotakaは舞台に出て役者として挑戦したりもしています。SHINSUKEやRYOは他のグループを結成して「THE DANCE DAY(日本テレビ系列)」のファイナリストに選ばれたり、SHINTAROは地元でダンススタジオを経営してスーパーダンサーを育成するようになりましたね。僕自身も舞台や他のアーティストの方々に振付をすることがメインになっていたりと、みんなBBBの活動をベースに、自由に個人活動をして領域を広げています。

メンバーとのリハーサルの様子

激動の結成期とメジャーでの葛藤

— BBB結成のきっかけと当時の心境について教えてください。

TGC用にFILAのステージダンサーとしてakihic☆彡さんにお声がけいただいたのがきっかけです。そこで当時Overflowとして活動していた5人と出会い、akihic☆彡さんも含めて7人で踊りました。その時、7人で踊った感じが良かったんですよね。それからグループを組むことになり、あれよあれよとJAPAN DANCE DELIGHT(以下:JDD)のファイナルに進むことになりました。実は僕自身、最初「マジか、大丈夫かな」という不安がめちゃくちゃありました。

Overflowはヒップホップのグループで、音ハメやシンクロダンスを得意としていました。当時、僕はakihic☆彡さんにレッスンを受けていた身なので、他のメンバーに対してレベルの差を痛感していました。その僕よりスキルが高い集団の中にひとりで入ったので「勝てなかったら自分のせい」と思うほど、プレッシャーを感じていましたね。

JDDの大会に向けて2ヶ月間、ほぼ毎日練習をしました。コンテスト中に頭が真っ白になった瞬間もありましたが、そのおかげで体は動いたんです。プレッシャーは相当ありましたが、無事にやり切ることができ、結果として優勝をすることができました。

JDD優勝をした日のBBB

— JDD優勝は、BBBにとって大きな節目だったように思います。その後、CDデビューを迎えますが、当時の心境を教えてください。

今思うと、アーティストという自覚がないままデビューした感じでした。当時のダンサー界隈では、アングラで活躍することがクールだという風潮がありましたし、メジャー活動をすることに対してコンプレックスもありました。僕たちとしては「新しいことにチャレンジしていこう」「とりあえずやってみよう」というようなマインドで、当時も活動していました。

どちらが正解なのか出口も分からないまま、メジャーとアングラを行ったり来たりしていましたね。メンバー間でも「アングラとの絶妙なバランス感を保っていきたいよね」という会話をしていました。結果として、どちらにも振り切ることはできなかったように思います。

— メジャー活動を経験して感じたことを教えてください。

メジャーになったからと言うわけではないですが、47都道府県のダンス部やダンススタジオをメンバーと共に回れたことは、今でも宝だと思っています。一方で、正直に話をすると魂を売った瞬間もありました。僕たちは本当にアーティストというものも、メジャーというものもよくわからなかったので、がむしゃらに活動をしていました。今振り返ると、もっと自分たちの魂が入ったものをやれたら良かったなと思います。それは、僕たちの勉強不足や力不足だと今だから感じることですね。

それから、レコード会社との契約が切れるのですが、僕自身の心境はそこまで影響がなかったです。ショックという気持ちよりも、むしろ「自分たちの好きなこと、もうちょいちゃんとやれるかな」という感覚でした。いや、もちろんめちゃめちゃBBBのために色々な方々が協力をしてくれているのも、身をもって感じています。その経験があって今のBBBがあるわけですしね。ただ、やっぱり僕たち自身もまだまだ幼い中で、試行錯誤が必要な期間だったと思います。その後は、自主的に活動を続ける中で、NAKAMA FESを立ち上げたり、メンバーの卒業があったり、グループとしても本当に様々な経験を経て、今のスタイルへと変化していきました。

全国47都道府県のダンス部をBBBが駆け巡る「NAKAMA PROJECT」

BBBになるまで

— gash!さんのダンサーとしての原点について教えていただけますか?

地元の秋田で、高校1年の時に友達に誘われダンスの練習場に行ったことがきっかけです。最初は抵抗がありましたが、行ったらめちゃくちゃハマりました。練習場所は「アトリオン」というビルの周りのガラスでした。いわゆるストリートですね。なので、ほぼ独学で練習しましたし、同じ練習場にいる人に教えてもらったりしていました。東京のクラブイベントのビデオテープや、「ミュージックステーション(テレビ朝日系列)」でドリカムのダンサーとして活躍をされていたSHIGEさんやKEITAさんなどの映像をダビングしたものがダンサー間で回ってきたりして、そういったものに影響を受けていましたね。

— 高校卒業後も、ダンサーを続けていくのですか?

ダンサーで飯を食いたいとは思っていましたが、すぐには無理だろうと考えていました。高校生の頃に東京の「DANCE ATTACK!!」と言うコンテストに出場したのですが、周りのスーパーダンサーたちとのレベルの差を痛感しました。秋田では、レッスンも持たせてもらっていたし、バトルやコンテストでも優勝していたのですが、井の中の蛙状態で、外に出るとあまり良い成績を残すことができなかったです。

「こりゃ〜今行ったところで太刀打ちできない」と思ったので、まずは秋田にいながら東京に出てレッスンを受けたり、コンテストやバトルに出て、自分の足でもっと“外側”にいる人たちとの経験を積んでから上京しようと考えました。ダンスは続けるのですが、もしもの時のことを考えて理容師の専門学校にも通い、免許を取得しました。

専門学校卒業後、理容師になろうと思い2社面接を受けたのですが落ちてしまって。「あ、やっぱダンスしかないんだ」ってこの時に振り切れましたね。それから、秋田以外の東北を中心に活動の幅を広げ、ある程度自信がついたタイミングで東京に上京しました。

学生時代に組んでいたダンスチーム「REAL」

「表現者」を追求すべくソロ活動を強化

— 昨年からソロ活動を精力的に行っているようですが、なぜソロ活動に注力しようと思ったのですか?

何事も継続することは難しいと思うのですが、まずBBBはグループとして今後も継続していきたいと思うグループです。ただ年齢的にも、表で踊れる期間はこの先そんなに長くないだろうと思っています。そんな中で、ひとりのダンサーとしてちゃんと作品を残していきたいという思いが強くなりました。BBBではメンバーのフィルターを通して作品が生まれるけど、ソロでは自分のやりたいことを100%の純度で形にできる。ただその分、責任や反響も良いも悪いも全て個人で受けることになるんだけど、それも含めてソロとして作品づくりをしたいと思うようになりました。新しいことに挑戦をすることで、日々学びを得ています。

— 12/5に2度目のワンマンライブを迎えるそうですが、企画や運営からグッズ制作まで、基本的に全てセルフプロデュースで行っているのでしょうか?

そうですね。大変だとは思っていましたが、作品を形にしていくことの難しさを改めて実感しました。いや、もう想像以上に大変です(笑)。メジャー活動時代に裏方の方々が同じことをもっと大規模でやってくれていたことの凄さを思い知る、良い経験にもなっています。苦しいですが、その分やりがいもあり、ひぃひぃ言いながら助けてくれる周りの友人たちと一緒に日々楽しめてもいるので、本当に良い経験になっています。周りの方々に感謝しています。

— 今回のワンマンライブの見どころを教えてください。

生バンドで踊るというパフォーマンスが見どころですね。バンドメンバーの方々も僕が信頼をする方々にお越しいただきますし、ダンサーは音源を流して踊ると言うことがほぼ9割だと思うのですが、やっぱりグルーヴの一体感やその場限りのセッションの雰囲気は格別です。バンド部隊と肉体ひとつで表現をするダンサーの、ある種対立構造もきっと楽しんでいただける要素だと思います。そこにお客さんの熱も加わり、会場全体に相乗効果が生まれる気持ち良さをぜひ味わっていただきたいと思っています。ゲストの方もお呼びしているので、コラボステージも楽しみにしていただけると嬉しいです。

また、話は少し外れますが、前回のワンマンではカバー曲がメインでしたが、今回はオリジナルで制作をしたインストを2〜3曲準備しています。ダンサーの壁として「人様の音源で踊る」ことがスタンダードだと思うのですが、これだと著作権の関係で、商業用に扱う際にハードルが上がります。その辺もクリアしていくために、音源制作にも取り組んでいます。ダンサーとして踊るだけではなく、裏側の仕事も広範囲で自分でやってみるようになりました。なので、僕の描く世界観が純度100%で伝わる空間になるので、気になる方はぜひお越しいただきたいです。

前回のワンマンライブの様子

— 最後に、ダンサー gash!としてのこれからの展望を教えてください。

ダンサーという枠で考えるよりも「表現者」として色んなものを表現していきたいです。それが音楽であれ、洋服であれ、自分が良いな、好きだなと思うものを形にし続けたい。

そして、オリジナル曲を増やし、いちダンサーとして自分の力でBillboard Live TOKYOやBLUE NOTE TOKYOに立てたら良いなという、目標もあります。

ダンスは今でも「うまくなりたい」と思って、練習を続けています。そして、後輩たちに対して、ダンスはそれ自体だけでなく、「ダンスというものを使って色々なものを表現できるよ」ということを、背中で示せる人間になれたらいいなと思っています。

The r∞M
-gash! Solo dance show with special band live-

開催日:2025年12月5日(金)
時間:開場18:30 開演19:30
会場:ADRIFT @adrift_shimokita
チケット料金:5,000円(税込)
チケット発売:9/28(日)12:00(正午)〜
チケット受付:https://gash1030.zaiko.io/e/room1205

-Starring-
gash!

-Special band-
Dr.タイヘイ Ba.三嶋大輝 Key.斎藤渉 Tp.山田丈造 Sax.永田こーせー

-Special guests-
ZIN and more…?

-Opening & Closing DJ-
Mori Zentaro
Flyer Design: Momoko Maruyama
Photography: Momoko Maruyama @momoko0127
Styling: Hideaki Tatematsu @hideaki0812
Hair & Makeup: YUYA @hairmake_yuya

The r∞M -behind-

開催日:12/6(土)11:00〜17:00(16:00最終入場)
※Marked池尻は通常営業しております。
会場:Marked池尻 @marked_ikejiri
東京都世田谷区池尻2-4-5 HOME/WORK VILLAGE 118区画
入場無料
※12/5・6の両日ご来場の方には、来場者特典をご用意しています

【DJ】
・NON @dj_non
・Mori Zentaro @mori_zentaro
・PEI @basquiatrhyme

【フリマ】
・Hideaki Tatematsu @hideaki0812
・gash!
・friends’ market

【写真】
・Momoko Maruyama @momoko0127
・gash!

【物販ブース】
・The r∞M GOODS
・SLOWROOM @slowroom813
・秋田の日本酒3種飲み比べ

【体験】
・缶バッチ
・シルクスクリーン

Flyer Design by JUTA @jutasvogg

gash! profile

Beat Buddy Boi Leader
Dancer / Choreographer

長身を活かしたスタイリッシュなダンスは秀逸である。自身のライブ、舞台のみならずアーティストのライブ、舞台、ショーと様々なステージで振付師として多彩な発想力を武器に表舞台、裏舞台関係のない活躍を魅せている。

CHOREOGRAPHY / 振付
2025
7ORDER「True Spark」
Eunhyuk「SecondChances」
七海ひろき「Skyword」
Da-iCE「Funtasista」
矢野妃菜喜LIVE2025~GirlsintheMirrorWorld~「鏡YO鏡」「Jumpin‘」
『ヒプノシスマイク-DivisionRapBattle-』RuletheStage-IdealandReality-
MADKID「MadPulse」TVアニメ「DIGIMONBEATBREAK」オープニングテーマ
2024
Da-iCE「Aware」
Da-iCE「atmosphere」
ZIPANGOPERA『RockOut』
Voltaction「インレイドDanceRemix」
Voltaction「DesertDiamond」
Voltaction「IcanbetheOne」
Voltaction「TAKEACTION」
高野洸「Staywithme」
高野洸「exDoll」
舞台『進撃の巨人–TheMusical-』
『ヒプノシスマイク–DivisionRapBattle-10thLIVE』
2023
7ORDER「Heavy」
2022
ミュージカル『EDGES2022』
高野洸「ASAP」
King&Prince「踊るように人生を。」
2019〜
『ヒプノシスマイク-DivisionRapBattle-』RuletheStageシリーズ ほか多数

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