今後の自信につながる大きな一歩「2023年UCI BMXレーシング ワールドカップ第3-4戦」第4戦 男子U23カテゴリーにて増田優一が準優勝

2023.06.29
自身最高位の準優勝を果たした増田
photograph by Japan Cycling Federation

「2023年UCI BMXレーシング ワールドカップ第3-4戦」がオランダのパペンダルにて、2023年6月24日(土)~25日(日)の2日間に渡り開催された。今回の日本人選手最高成績は第4戦にて、男子アンダー23クラスの増田優一選手が準優勝、女子エリートクラスで畠山紗英選手が決勝進出し8位という結果となった。

今週末に開催される全日本選手権を目前に控え、今大会には日本チームから女子エリートクラスに畠山紗英丹野夏波が、男子アンダー23クラスは増田優一が、そして女子アンダー23クラスには藪田寿衣が出場した。なお今年からエリートへ上がった男子の中井飛馬は、前回のトルコ大会での怪我の回復が間に合わず直前での欠場判断となった。 

なお、2022年8月から本ワールドカップシリーズはパリ五輪予選大会として開催され、出場国枠獲得に響く重要な大会の一つであることから、日本人選手たちは出場枠確保に向けて一つでも良い順位を残して国別のオリンピックランキングを上位に引き上げるべく今大会に挑んだ。

以下は、今大会での日本人選手出場レースのレポート。

今大会は転倒等もあり苦戦を強いられた日本チーム。しかし第4戦ではU23クラスにて増田優一が大金星。2年ぶりの決勝進出で準優勝獲得。

男子アンダー23クラス

増田優一(#534)のライディング
photograph by Japan Cycling Federation

今大会、男子エリートの中井の欠場により日本人男子選手として唯一の出場となった増田優一は、今回プライベートチームにて参加。なおU23男子はカテゴリー別で最多となる計121名が参戦し、16分の1 決勝まである過酷な戦いとなった。

増田は第3戦では準々決勝にて良い走りを見せるも、上位4名に一歩及ばず5位で敗退。そんな悔しい思いも相まってか、翌日の第4戦では他選手の隙を見逃さずオーバーテイクを重ねる。準々決勝ではレース前半は7位の位置だったが第3ストレートで加速し、そのスピードのまま最終コーナーでごぼう抜きを見せ4位で準決勝に進出。準決勝でも見事なコーナリングで第1コーナーを3位で通過し、そのまま3位の座を守りきり決勝まで勝ち進んだ。

決勝ではスタートで少し出遅れるも、積極的な走りで先頭集団のイン側に飛び込み、準決勝と同様に第1コーナーを3位で通過。その後は第3ストレートでどんどん加速し、最終コーナーでイン側から前の選手をかわして2位に上がりそのままフィニッシュラインを駆け抜けた。なお今回は2021年コロンビア大会以来の決勝進出となり、自身初の表彰台および準優勝獲得となった。 

女子アンダー23クラス

藪田寿衣(一番左)のライディング
photograph by Japan Cycling Federation

本カテゴリーには、第2戦トルコ大会を5位で終えている籔田寿衣が参戦。表彰台獲得という前回を上回る成績を残して、今後の世界選手権やワールドカップ後半戦に繋げたい彼女。
第3戦では順調に予選を勝ち上がり、準々決勝でも好スタートを決めトップ争いの中で第1コーナーに進入。そのまま勝ち上がる展開になるかと思われたが、藪田の真横を走っていた内側の選手が転倒し、その選手のバイクが接触。籔田も巻き込まれ転倒してしまい惜しくも準々決勝敗退となった。翌日の第4戦は怪我の状態から今後続く連戦に向けて大事をとり欠場した。

女子エリートクラス

畠山紗英(#85)と丹野夏波(#201)のライディング
photograph by Japan Cycling Federation

前回のトルコ大会に続き、東京オリンピック日本代表の畠山紗英と、今年からエリートカテゴリーへ上がった丹野夏波の2名が参戦。エリートカテゴリーは日本がパリオリンピック2024への出場枠を獲得した場合、ワールドカップの各ラウンドでの最高順位が日本代表選考にも関わることから、少しでも良い結果を残しておきたい両者。

丹野夏波のライディング
photograph by Japan Cycling Federation

そんな2人が迎えた第3戦では、両選手共に順調に予選を通過。準々決勝では同じヒートになる中、第1コーナーで畠山は前者の転倒をかわしきれず巻き込まれてしまい転倒。惜しくも準々決勝にて敗退となった。
一方、丹野は転倒を上手く避けて準々決勝を4位で通過。準決勝では通過圏内の4位をキープするも、第2ストレートのセクションでミスがあり5位に後退し、惜しくも決勝進出を逃した。

畠山紗英(#85)のライディング
photograph by Japan Cycling Federation

翌日に行われた第4戦では、丹野が準々決勝まで勝ち上がるも思ったような走りができず6位で敗退。一方、畠山は好調な走りで準々決勝を2位で通過。準決勝では途中で後続の選手に追いつかれる場面もあったが第2ストレート以降は4位を守りきり決勝へ勝ちあがった。決勝ではスタート直後に隣の選手と接触し後退。第2ストレートでは一時的に6位まで浮上するも最終的には8位でレースを終えた。

以下は今大会出場の日本人選手による代表コメント。

日本人選手コメント

準優勝を収め喜びを表す増田
photograph by Japan Cycling Federation

増田 優一 選手(男子U23クラス)
「未だに決勝進出そして表彰台獲得が信じられないですが、これまでのトレーニングの成果が表れて嬉しい気持ちでいっぱいです。一昨年のコロンビア大会での決勝進出とはまた違い、U23クラスが新たなカテゴリーとして確立されてきた中で獲得できたこの2位は、これまで迷いがあった自分の力を信じることができるきっかけになりました。
この流れを7月の全日本選手権、アジア選手権、8月の世界選手権大会に持っていきたいです。応援頂いた皆さま、現地でサポートして頂いた日本チームに感謝しています。  」

藪田 寿衣 選手(女子U23クラス)
練習も順調に進み、勝ち上がる自信もあったので予定よりも早くレースが終わったしまったことは残念でした。転倒前には細かなミスなどもあったので、次戦で同じミスがないように修正して、このあと続くタイトルの懸かった大会に備えたいと思います。

畠山 紗英 選手(女子エリートクラス)
「前回のトルコ大会に続き、エリートクラスのフルメンバーの中で決勝に進出できたことはポジティブに捉えています。今大会では練習時からスタートとジャンプセクションで自分の走りができたので、この感覚を自信に繋げて次の世界選手権に挑みたいと思います。 」

丹野 夏波 選手(女子エリートクラス)
「今大会では決勝進出を目標に臨んだので、準決勝の重要な場面でのミスが悔やまれます。 エリートカテゴリーに上がり、レース展開に余裕が持てていないので、次戦に向けて考え過ぎている部分などを修正していきます 。」

大会結果

第3戦
<女子Under23>
優勝: ヴェロニカ・ストゥリスカ / ラトビア
準優勝: テッサ・マルティン / フランス
3位: ミーガン・ウィリアムズ/ ニュージーランド
23位: 薮田 寿衣 (ヤブタ・ジュイ) / 所属: 大阪体育大学

<男子Under23>
優勝: リコ・ベアマン / ニュージーランド
準優勝: マテオ・コースネット/ フランス
3位: ティム・グーセン / オランダ
17位: 増田 優一 (マスダ・ユウイチ) / 所属: 大阪体育大学

<女子エリート>
優勝: 榊原 莢 / オーストラリア
準優勝: ローラ・スマルダー / オランダ
3位: メレル・スマルダー / オランダ
10位: 丹野 夏波 (タンノ・カナミ) / 日本
20位: 畠山 紗英 (ハタケヤマ・サエ) / 日本

第4戦
<男子Under23>
優勝: リコ・ベアマン / ニュージーランド
準優勝: 増田 優一 (マスダ・ユウイチ) / 所属: 大阪体育大学 
3位: キャスパー・パイパー / オランダ

<女子Under23>
優勝: ヴェロニカ・ストゥリスカ / ラトビア
準優勝: テッサ・マルティン / フランス
3位: アイコ・ゴマース / ベルギー
棄権: 薮田 寿衣 (ヤブタ・ジュイ) / 所属: 大阪体育大学

<女子エリート>
優勝: ベサニー・シュリーバー / イギリス
準優勝: 榊原 爽 / オーストラリア
3位: アリス・ウィロビー / アメリカ合衆国
8位: 畠山 紗英 (ハタケヤマ・サエ) / 日本
23位: 丹野 夏波 (タンノ・カナミ) / 日本

大会概要

⼤会名称 : 2023年UCI BMX スーパークロス ワールドカップ第3-4戦
開催期間 : 第7戦-2023年6月24日(土)、第8戦-2023年6月25日(日)
※詳細は公式HPをご覧ください。
大会会場:オランダオリンピックトレーニングセンター パペンダル内 BMXトラック 

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FINEPLAY編集部
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