X Games Osaka 2025への切符もかかった日本最高峰の戦いを制したのは「DeNA presents Spark ONE supported by ARKLEAGUE」BMXフラットランド

2025.05.22
photograph by Jason Halayko

2025年5月17日(土)〜5月18日(日)に「DeNA presents Spark ONE supported by ARKLEAGUE」 が神奈川県川崎市で開催された。今大会の会場は株式会社ディー・エヌ・エーが「川崎新!アリーナシティ・プロジェクト」の建設予定地である自動車教習所跡地を活用し運営するアーバンスポーツパーク「Kawasaki Spark」で、BMXフラットランドとスケートボードストリートの大会が、世界最高峰で戦うトップライダーたちにより繰り広げられた。なおフラットランド種目ではMENS HIクラスにて内野洋平選手が、WOMENS HIクラスでは本村果鈴選手が優勝を果たした。

大会当日は朝から夕方まで豪雨に見舞われ大会中止も予測されるほどの状況。当初はスケートボードとBMX両種目共に17日の同日開催の予定だったが、急遽BMXフラットランドは翌日18日に延期。天候への心配を払拭した中で無事に大会は開催された。

photograph by Jason Halayko

なお今大会の競技フォーマットはジャムセッション方式で行われるベストトリック一発勝負。最大40秒間の中で決めたベストトリック1本が最終リザルトとして採用される形となりジャムセッションの中でいかに少ないトライでベストトリック1本を決め切れるのかが勝敗を分ける戦いとなった。本記事では入賞した選手たち上位3名にフォーカスして今大会を振り返る。

大会レポート

MENS HI :悲願の優勝を勝ち取ったのは、BMXフラットランドシーンを牽引する「Ace of the World」内野洋平

男女ともに世界最高峰で活躍するトップライダーから次世代の注目選手、さらにはベテランライダーなど全国から実力者が集まりが熱戦を繰り広げた今大会。MENS HIは計23名が出場し、5ヒートに分かれたジャムセッションの中で各々が自身のベストトリックにトライ。各ライダーがトリックメイクに大苦戦を強いられる中、高難度ルーティンを決めた内野洋平が久しぶりの優勝を果たし賞金100万円を勝ち取った。

優勝者:内野 洋平

内野洋平のライディング photograph by Jason Halayko

過去通算11度に渡り世界タイトルを獲得し、日本のBMXフラットランドシーンが世界に名を轟かせるきっかけを生み出したパイオニアでもある内野洋平。近年では各大会でなかなか自分の思うようなルーティンを決めきれず優勝を逃すなど辛酸を舐める経験をしてきた彼は、今回バックスピンからのハーフバイクフリップからまたハーフバイクフリップで戻すルーティンを決めた。彼のベストトリックには8.1ptがマークされ見事優勝を果たす結果となった。

今大会には自身が万全なコンディションで臨めていない中でのこのパフォーマンスであったため、来月大阪で行われる「X Games Osaka 2025」でのさらにハイレベルなルーティンを披露してX Games初金メダルを獲得する姿が見られることを楽しみにしたい。

第2位:片桐 悠  

片桐悠のライディング photograph by Jason Halayko

現在BMXフラットランド界最強とも呼ばれる世界最先端を突き進むトップライダーである片桐悠。今大会でも異次元のトリックセレクションにトライ。序盤ではなかなか自分の思うようにコンボをメイクできず苦戦を強いられるが、後半ではバイクを縦に跨ぐペダル軸のツーフットのバックワーズから体勢を変えながらも終始難しいペダル軸でのルーティンを展開。本来であればもういくつかトリックを組み込んだルーティンになる予定だったように彼の様子からはうかがえたが、それでも8.0ptをマークして2位となった。

今月末にはFISE Montpellier、来月には国内で今年一番の注目が集まる「X Games Osaka 2025」が控えており、既に出場権のある片桐がこれらの大会で今回メイクできなかったルーティンを披露してくれるのかに期待したい。

第3位:早川 起生

早川起生のライディング photograph by Jason Halayko

リアトリックのスピンを中心に構成されるバリエーションの多いトリックが注目の早川起生。今回も彼の代名詞トリックでもある「サーカス」や「タイムマシーン」を発展させたオリジナルトリックを交え、難しい体勢から繰り出されるコンボを披露。前半はかなりトリックメイクに苦戦を強いられていた彼だが、中盤から後半に掛けてルーティンを決めて3位入賞となり、既に「X Games Osaka 2025」の出場権を獲得している内野と片桐を除くトップ成績を収めた早川が見事出場権を獲得した。

WOMENS HI :今年ほぼ負けなしの強さを見せている本村果鈴が優勝

MENS HIと同様に18日(日)に行われたWOMENS HIは計9名の2ヒートで争われ、ハイレベルなトリック合戦を制した本村果鈴が優勝を果たした。

優勝者:本村 果鈴

本村果鈴のライディング photograph by Jason Halayko

国内はもちろんのこと海外でも好成績を残しており、BMXフラットランド界において世界最高レベルと言われる日本を代表する本村果鈴。ここ最近では出る大会負けなしと言っていいほど強さを見せている彼女は、今回も長い手足を活かした豪快なルーティンで見事なライディングを見せた。その中でも「ウィップラッシュ」を中心に構成したフロントトリックと細かな切り返し、そして最後にはX-upの状態でフィニッシュするといったハイレベルなルーティンを披露するなど、オリジナリティと高いテクニックが詰め込まれたライディングで5.9ptをマークし賞金100万円を勝ち取った。

第2位:高橋 七衣

高橋七衣のライディング photograph by Jason Halayko

2位に入ったのはBMXフラットランド強豪と知られている佐賀出身の高橋七衣。他のライダーがトリックメイクに苦戦する中、自分のペースと間合いを上手く理解し順調にひとつひとつのルーティンを決めていく姿が特徴的だった彼女。フロントタイヤとリアタイヤを器用に使い分けるルーティンを展開し、その中でも細かく様々なバリエーションで繋いでいく構成は見事で、終盤の「ラードヤード」の姿勢からスイッチをしっかり決めきり会場を盛り上げた。彼女の安定した正確なルーティンメイクは今後他のライダーの脅威になっていくことだろう。

第3位:清宗 ゆい

清宗ゆいのライディング photograph by Jason Halayko

ここ最近の大会では表彰台常連となってきている清宗ゆいが今大会で3位入賞。フロントトリックでのスピンや切り返しのレベルの高さが特徴的な彼女は、今回もバックスピンからのハーフパッカーの繋ぎなど難しいバランス感覚が要求されるトリックも見事にメイクし、今回強豪が揃う中で3位という結果を残した。

大会結果 

MENS HI

photograph by Jason Halayko

優勝:内野 洋平 / 8.1pt
2位:片桐 悠 / 8.0pt
3位:早川 起生 / 7.3pt

4位:菱川 高虎 / 6.6pt
5位:志賀 勇也 / 5.9pt
6位:早川 結生 / 5.8pt

WOMENS HI

photograph by Jason Halayko

優勝:本村 果鈴 / 5.9pt
2位:高橋 七衣 / 5.1pt
3位:清宗 ゆい / 4.5pt

4位:田口 織帆 / 4.3pt
5位:宮嶋 歩菜/ 3.8pt
6位:吉村 想花 / 3.3pt

MENS LOW

photograph by Jason Halayko

優勝:田口 煌也 / 6.9pt
2位:藤井 斗芭 / 6.7pt
3位:金本 龍弥 / 5.9pt

「Spark ONE」概要

名称:Spark ONE(スパークワン)
日程:
2025年5月17日(土) スケートボード・ストリート種目
2025年5月18日(土) BMXフラットランド種目
*雨天変更後
場所:Kawasaki Spark内特設会場
観覧料:無料
主催:株式会社ディー・エヌ・エー
協力:一般社団法人ARK LEAGUE
協賛:不二サッシ株式会社、株式会社ムラサキスポーツ

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