フェンシング、カヌー。最近ではスノーボードのハーフパイプだろうか。
オリンピックでメダルを獲って初めてメディアに取り上げられ、「その競技に日本人選手が出場していたのか!」と知られる競技は多い。逆に言えば、メダルを獲れなければ、その競技がオリンピック種目になっているという事すら世の中に知られないのだ。
BMX(バイシクルモトクロス)も、そんな競技の一つだろう。
BMXレースは2008年北京オリンピックから正式種目となり、日本人選手も2008年から出場している。BMXフリースタイルが2020年東京オリンピックの新種目として追加され話題となったので、BMXという言葉を耳にしたことがある人もいるかもしれない。
競輪用や街中で乗る自転車よりもタイヤ径の小さい、頑丈な自転車で行われる競技だ。
日本にはいくつかのBMXレーストラックがある。
しかし、その中で、8メートルスタートヒルの練習が出来る施設は一つしかない。
それが、山梨県にあるYBP(Yuta’s Bike Park)だ。
空から見たYBP。画面左、長方形に見えるのが8メートルスタートヒル。写真提供:YBP PROJECT
ユウタのバイクパーク、という名前には訳がある。それは、このパークが、栗瀬裕太というたった一人の男の手によって作られたパークだからだ。
栗瀬裕太は、日本では大変に珍しい、BMX、MTB両方のプロレースライダーであり、フリースタイルライダーである。BMXレース、BMXダートジャンプ、MTBフォークロス、MTBダートジャンプの大会で優勝経験を持ち、MTBダウンヒルでも入賞している。
YBPで開催されたYBP GAMESにて、ファーストジャンプを飛ぶ栗瀬裕太。
13歳という若さでMTBメーカーとスポンサー契約を結んだ、海外でのレース経験もある華々しいライダーが、何故たった一人でコース作りを始めることになったのだろうか。YBPがオープンして5年経った今、彼は何を思っているのだろうか。YBP PROJECTが昨年から行っているBMXスクール「CLUB YBPレッスン」に伺って、話を聞くことにした。また、BMXイベントのMCを数多く務めているMCワダポリスに、栗瀬裕太という人物について語ってもらった。
冬のBMXスクールは、北杜市の協力により、長坂総合スポーツ公園の中にある施設で行われている。この日は平日、しかも大雨だったのだが、開始時刻前から子供たちが次々と集まって来ていた。
栗瀬:僕、初めての自転車が、よくある子供向けの、補助輪が付くようなのではなくて、BMXだったんですよ。親がアクションスポーツが好きだったんで。
初めて自転車に乗った場所も、自宅の前ではなくて、自宅の近くのBMXで遊べるところでした。自分が初めて自転車に乗った隣で、ダートでジャンプしている人達がいたのを覚えています。
4歳でMTBに乗り始めた栗瀬は、子供の頃から山の中でMTBを乗り回して遊び始める。やがてBMXレースの道に進むが、栗瀬はBMXレースだけではなく、MTBやBMXのダートジャンプでもプロとして活動し始める。幼少の頃からBMX、MTBで遊ぶ楽しさを味わってきた栗瀬本人にとっては、ごく自然な事だった。
栗瀬:実際にオリンピックで使われるコースを走ってみたい!!と思って。
オリンピックのBMXレースコースは、前年には完成しているんです。2020年東京オリンピックのコースも、2019年には完成する予定になっています。
僕が出場した2007年のワールドカップは、翌年の2008年オリンピックの為に作られたコースで行われました。
栗瀬:怖かった。怖かったです。あの怖さは一生忘れない。
自分がレースを始めた頃には、スタートヒルはまだ2,3メートルの高さだった。それがオリンピック前に物凄いスピードで進化してしまって、気がつくと8メートルの高さになってしまいました。初めて8メートルの高さに登って、どのくらいのペースで降りて行ったらいいのかも分からない。強豪のヨーロッパの選手は8メートルヒルとその先のファーストジャンプの高さにも慣れていて、どんどん突っ込んで行ってしまう。しかも8人が同時にスタートする。どうしたらいいのか、何も分からなかった。
北京から帰国した栗瀬は、日本に世界基準の練習場を作るべきだと訴え始める。次の世代にどんなに才能がある選手がいても、BMXレースで一番重要だと言われるスタートの練習が出来なければ、世界を舞台に戦うことは出来ない。
栗瀬は、実績のある人気選手だった。だが、彼の訴えは伝わらなかった。
栗瀬:どんなに必要なのかを訴えても、では作ろうか、という話がどこからも出てこないんです。ああ、伝わってないんだと。
それで、自分がやって見せなくてはいけないと思ったんです。
栗瀬裕太というライダーが、本気になって8メートルスタートヒルのあるコースを作り始めた、と注目されれば、もっと周囲を動かすことが出来るんじゃないかと。
栗瀬:長野県にある富士見パノラマスキー場で、コース造成を7年間担当していました。富士見パノラマで、雪が解けてから整備を始めて2ヵ月でコースを作る技術を身につけていたので、YBPは3、4カ月で出来るだろうと思っていました。
栗瀬は「甘かったです」と笑う。もともと整地された場所ではない。未開の地と言っても良い場所なのだ。八ヶ岳特有の地形、地質相手の格闘は、2年続いた。
栗瀬:最初は本当に一人でした。一人で朝から晩までショベルカーを動かして、ショベルカーを壊して。頭おかしくなったと思われてたと思います。でも、それでもずっとやってたら、少しづつ、協力してくれる人が出てきた。最後にはクラウドファンディングで沢山の人が助けてくれて、8メートルスタートヒルのあるコースを作ることが出来ました。
栗瀬:8メートルスタートヒルのあるコースを作って、選手たちに沢山練習してもらおう。今いるレベルの高い選手たちがYBPで練習してくれたら、世界に通用するようになる。その中からオリンピックでいい成績を残す選手が出てきて注目されれば、自分もBMXをやりたい、という子供達が出てくるだろう。やがてYBPでスクールが出来るようになると思っていたんです。
栗瀬:YBPのある北杜市さんが、生涯学習として、市民の方々向けの色々なイベントや講座をやっていて、そこでYBPでのBMX教室をすることになったんです。試験的に始めた2016年の教室に、地元の小学生たちが来てくれました。そこに来た子供達や、YBPのオープン当初から営業日に通って来てくれていた子供達を中心に、徐々に広まってくれて。2017年からスクールを本格的に行うようになりました。
栗瀬:バイクもヘルメットもお貸しできるように準備してるんですけど、スクールに何回か来てくれると、自分のバイクが欲しくなっちゃうみたいですね。このまま伸びていったら、いいレースライダーになるだろうな、という子も出てきています。
考えていたのとは順番が逆になっちゃいました。でも沢山来てくれて嬉しいです。
熱意のある子供達をさらにサポートしていく為に、BMXスクール「CLUB YBPレッスン」はこの4月、クラブチーム「TEAM YBP」として一新されることとなった。
栗瀬:まずは「楽しんでやること」をいつもレッスン生に向けて言っています。レッスンでは、基本的にBMXのレースを教えていて、その先に自分の進みたい道を見つけて欲しいです。自分はBMXレースも、MTBも、フリースタイルもダウンヒルもやってきたので、どれに進みたいと言われても教えてあげることが出来ます。でもそれは、子供の頃にBMXのレースをやって来て、レースの基礎が身に付いているからこそ出来たことです。基礎をしっかり身につけた上で、楽しむことができるようなチームになって欲しい。
スクールが終わった後は、全員で後片付けをする。やりたがらない子は一人もいない。誰もが率先して動いていたのが印象的だった。
子供達が帰って静かになった後、栗瀬に、最も聞いてみたかったことを尋ねてみた。
栗瀬:8メートルスタートヒルを作ろう、8メートルスタートヒルのあるコースを作ろう、というニュースは、何回も聞くんですよ。その度に、ああ良かったとホッとしていました。でも心配でもあって。この5年間、YBPを維持するだけで物凄く大変だったんです。今でも大変です。作る大変さも維持する大変さも分かっているから、誰が中心になって進めていくんだろ、上手く行ってほしいなと心配で。
でも色々な問題があって、全部話で終わってしまっています。
もう誰か早く作って、自分を安心させてほしい。
8メートルスタートヒルのあるコースは、現時点では日本にはYBPしかない。それは大変に魅力的な事でもある。YBPは、地元北杜市からの打診を受け、2020年東京オリンピックの事前合宿地として名乗りを上げた。そして、フランス代表の視察を受けることになる。
栗瀬:僕は正直すごく戸惑いました。だって、フランスの選手を勝たせるためにYBPを作ったんじゃないですから。
でも、ここで協力してもらうことができたら、もっとYBPを良くすることが出来るかもしれない。日本の選手達にとってプラスになるかもしれない。
そう思って視察を受け入れました。
この視察は、思わぬ出会いを栗瀬にもたらした。フランスチームのコースビルダーとして同行していたのが、ワールドカップなどのコースを作っているProTracks社の社長、トマス・ハモンだったのだ。
栗瀬:彼は、僕が見よう見まねで作り上げたコースを誉めてくれました。よく一人で作ったな、と。そして、何故君一人でやらなくてはいけなかったのかも分かる、と言ってくれました。嬉しかった。そして、僕がコース作りを学ぶことができるようにと、フランスに招いてくれました。
栗瀬:自分自身、コース作りをまだまだ学びたい、という気持ちがありました。でも、スクールも始まったばかりで、行こうかどうしようか迷った。
迷ったんですが、僕は、2007北京のワールドカップに出場しなければ8メートルスタートヒルを経験するチャンスが無かったかもしれないように、このチャンスを逃したら、次はないかもしれない。そう思って、現地で2週間、最先端の技術を学ばせてもらいました。
今そこで学んできたことを生かして、4月のYBPオープンに向けて整備を進めています。
栗瀬:僕がYBPで得たノウハウは、いくらでもお伝えします。いつでも呼んで欲しい。
でも、と栗瀬は言葉を続けた。
栗瀬:僕は助けてあげることは出来るけど、作れるかどうかは、その作りたいって思った奴が、どこまで努力できるかです。
そいつが、作れる、と思えるなら、出来るんですよ。
栗瀬裕太という人物について、少しはお伝えすることが出来ただろうか。
では、BMXシーンを長く見続けてきた人は、栗瀬裕太をどう見ているのだろう。
FMX(フリースタイルモトクロス)のMCとして知られるワダポリスは、BMXにも造詣が深く、X-GAMESのテレビ解説を務めている。YBPでは「WADAPOLICE JAM」という、ワダポリスの名前を冠したイベントも開催されている。
YBP GAMES2017にて、栗瀬とともにMCを務めるワダポリス。
ワダポリス:とても、我慢強い人だと思います。いまいち盛り上がらないBMXシーンをどうにかしたい、後継の為に道を開かなくては、という目的の為には、我慢することが出来る人。でも、物凄く我慢強いのに、無鉄砲な人です。思い立ったら後先考えずに始めてしまう。その落差がユウタ君の魅力的なところだと思います。
ワダポリス:今からだいたい20年ぐらい前、日本ではBMXが大人気だったんですよ。カッコいいライダーがいて、彼らがチームを作って、東京のお台場でショーをやったりしていました。それから、徐々に下火になって、今では人気があった頃のことを知らない人が多くなってしまった。
そこにユウタ君が現れて、一人でYBPを作り始めた。国際基準のコースを作って、国内のトップライダーを走らせて、海外からライダーを呼んで、お客さんを呼べるようになった。
シーンが変わる時に、こういう人が出てくるんだな、と思います。2020年東京オリンピックという追い風を受けて、裕太君とYBP PROJECTがどうなっていくのか。一人のBMXファンとして、とても楽しみにしています。
2018年4月7日、YBPは2018年シーズンオープンを迎える。営業日なら、かなりの確率で栗瀬裕太が笑顔で迎えてくれるだろう。BMX、MTBに乗ったことがない人でも、手ぶらでも、訪ねてみて欲しい。あなたが自転車を楽しむことが、YBP PROJECTの、そして2020東京オリンピックに出場するライダーの力になる。
栗瀬裕太は、そう信じている。
<栗瀬裕太さんが語る高耐久スマホ「TORQUE® G03」の魅力>
京セラの高耐久スマホ「TORQUE® G03」は、頑丈で埃にも強く、耐海水試験もクリアした防水性能なので、土や埃が付いたらそのまま水で洗える。 天気や気圧の情報が簡単に手に入るアプリもよく使ってます。 YBPのコースは保全のために、雨が降るとシートをかける必要があるんです。
的確なタイミングでシート掛けが必要で、そうした時に、「TORQUE® G03」の詳細な天気予報があると便利です。
画面や手が濡れていてもタッチ操作できて、雨の中でも気にせず使えるのもいいですね。
あとは、画面側に2つのスピーカーがあって着信音をかなり大きく設定できること。
「TORQUE® G03」くらいの大きな音(100dB以上!)が鳴ると、重機などを使ったコース整備作業中でも電話に気がつきやすいです。
他のスマホよりもワイドに写真や動画が撮れるので、クラブチームのレッスンは「TORQUE® G03」で撮影します。子供達が数名で走行する場合に、前後の子供の動きを同時に撮りやすいので、重宝しています。
カメラ専用ボタンがあるのも便利ですね。
栗瀬裕太さんも登場する「TORQUE® G03」の動画を「TORQUE」スペシャルサイトで公開中!
SPECIAL EDITION

FINEPLAYはアクションスポーツ・ストリートカルチャーに特化した総合ニュースメディアです。2013年9月より運営を開始し、世界中のサーフィン、ダンス、ウェイクボード、スケートボード、スノーボード、クライミング、パルクール、フリースタイルなどストリート・アクションスポーツを中心としたアスリート・プロダクト・イベント・カルチャー情報を提供しています。
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●今日 ○イベント開催日
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othersアクションスポーツを親子で気軽に楽しく体験できるイベント「PLAY MOVESPORT」が渋谷キャストで開催2023.03.312023年3月29日(水)に日本国内大手のスポーツウェアメーカー「DESCENTE」のニューレーベル「MOVESPORT」による「PLAY MOVESPORT」が渋谷キャストガーデンにて開催され、春休みのお出かけがてらに渋谷へ訪れた大勢の親子連れが来場し「BMX」「スケートボード」「スポーツクライミング」の3種目を体験した。 本イベントにはニューレーベル始動を機に発足した新世代アスリートチーム「MOVESPORT UNIT」の一員でBMXフリースタイル種目の大和晴彦選手、日本のレジェンドスケーターの一人である荒畑潤一選手、そしてスポーツクライミング・ボルダリング・リード種目日本代表の中川瑠選手といった豪華講師陣が、アクションスポーツを体験しにふらっと訪れた親子連れにプロのパフォーマンスを交えながら思い思いに楽しさを伝えた。 春休み中に開催されたこともあり、平日にも関わらず多くの親子連れが来場。子どもたちも初めは不安げにおそるおそる挑戦するも、うまくいってからは終始笑顔でアクションスポーツを楽しんでいた。そしてそんな子どもたちの後ろ姿を見守るように笑顔でスマホを片手に撮影する親御さんの様子が特に印象的だった。 実際にアクションスポーツを体験したとある小学生は「スケボーとかはやった事なかったんですけど、丁寧に教えてもらえたし、BMXとボルダリングも少しはできるようになったので良かったです。これからもこういうイベントをたくさんやってほしいです。特にスケボーはハマっちゃったのでこれからも続けていきたいです。」と楽しげに答えてくれ、 その親御さんからは「このようなスポーツは興味があっても自分たちでは教えられないですし、なかなかスケボーとかも教えてもらえる事がないので、今回のイベントのように気軽に教えてもらえて体験できるという機会はありがたいです。とにかく子どもも楽しんでくれて良かったです。」と満足げに話した。 以下は当日子どもたちへアクションスポーツの楽しみ方をレクチャーした講師陣のコメント。 イベント講師メンバーのコメント 大和 晴彦 選手(MOVESPORT UNITメンバー・BMX フリースタイルパーク種目) -MOVESPORT UNITメンバーとして活動していく中でBMXを通して伝えたいこと僕の活動を通して、このストリート業界でMOVESPORTをメジャーにしていきたいですし、他のライダーとは違うウェアになるので「MOVESPORT x BMXフリースタイル」でもっと自分の存在感をアピールしていきたいです。 -MOVESPORTの実際に着用してみてMOVESPORTは薄い生地ではありながら丈夫さもあって、汗もしっかり吸ってくれるのでライディングしやすいアイテムです。ただ個人的には厚手な生地の服が好きで、BMXは転倒も多いので身体を保護できる丈夫な生地を使用したアイテムも積極的に提案していきたいです。今後、見た目も機能性もよりストリートなデザインで自分の理想の形になっていったら最高です。 -イベントに参加してくれた子どもたちに伝えたいこと本当に始めるきっかけって些細なことだと思うんです。例えば、今日みたいに通りすがりにイベントを目にしたことがきっかけになったりもするので、今回のようなイベントって本当に大事だと思います。また実際に体験してもらって少しでもBMXの面白さに気づいてもらえたらとても嬉しいですし、このイベントが誰かの将来の夢の第一歩になる手助けになれば良いなと思います。 荒畑 潤一 選手 (スケートボード特別講師) 「今回のイベントもそうですが、スケートボードを体験したいという子どもが本当に多いので僕も仲間もとても喜んでいます。また今回初めてMOVESPORTを着用してみましたが柔らかくて着心地が良くて、通気性も良くて軽いのでスケーターにとっても良いアイテムだと思います。スケートボードは自己表現を無限大にできるものなので、今回のイベントで乗ってみて少しでも楽しいと思ったらこれからも乗り続けてくれれば、上手くなればなるほどもっと楽しくなっていくので、是非子どもたちにもその楽しさをどんどん追求してもらいたいと思っています。」 中川 瑠 選手 (スポーツクライミング特別講師) 「スポーツクライミングは他のスポーツと関わる機会も少ないので、このようなイベントで他のスポーツの良さも知れるのは良いことですし、なかなか子どもたちと触れ合う機会も多くないのでこうやって教えられるのはとても嬉しいです。またMOVESPORTのアイテムは生地の伸縮性がすごいので登るときにも邪魔にならないですし、大きめなシルエットもすごく良いです。今回のイベントに参加してくれた子どもたちの中にも、初めは登れなかったり怖いと思う子もいると思うんですけど、登れた時の達成感はすごいし、本当に気持ち良いので是非イベントだけじゃなくてクライミングジムでも体験してもらいたいです。」 最後に 本イベントは「MOVESPORT」としても初の試みであったが、たくさんの親子連れが来場し、アクションスポーツを親子一緒に楽しむ機会として大成功で幕を閉じた。ブランドとしても今後は「MOVESPORT UNIT」のメンバーを中心に全国各地でのイベント展開を予定しており、より多くの子どもたちやこれらのスポーツに出会えていない人たちが、トップ選手たちと交流しながら楽しく体験してもらえるような機会を提供していく。各競技の新世代アスリートたちと生まれ変わったこのブランドが一緒に二人三脚でいろんなことにチャレンジしていきながら、日本でスポーツをさらに普及していくその姿に今後も期待したい。 イベント概要 名称 : PLAY MOVESPORT 体験会日時 : 2023年3月29日(水) 13:00 - 17:00会場:渋谷キャストガーデン 屋外広場(〒150-0002 東京都渋谷区渋谷1-23-21)参加対象者:小学3年生~6年生参加費:無料対象スポーツ:BMX、スケートボード、スポーツクライミング
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othersU-15トップアスリートたちが学ぶエリートキャンプが開催!『Next Generations Elite Camp』2023年3月27日(月)に、渋谷区のBMW XM ポップアップ内にて、Next Generations実行委員会(主管:一般社団法人渋谷未来デザイン)主催のもと、 日本国内外のストリートスポーツシーンにおいて活躍し将来の活躍が有望な次世代アスリートを対象に、「心・技・体・智」をテーマにしたストリートスポーツアスリート向けのキャンプ、 『Next Generations Elite Camp』が開催された。 この「Next Generations Elite Camp」は、Next Generations Gamesでの実績や、連携する競技団体からの推薦などを含めた競技・種目・ジャンル等から18名のU-15トップアスリートたちが招待され、彼等の「自分の強みを知る・磨く」きっかけ創りと「同世代を知る・つながる」場つくりとして開催された。 午前と午後で様々なプログラムやゲストを招いての講義が行われ、ストリートスポーツに特化した充実の内容となった本キャンプをFINEPLAY編集部からお届けする。 「自分を表現して言葉にする」自己表現ワークショップ 午前中は「自己表現ワークショップ」がイントロダクションとして行われた。内容は、参加者に配布された雑誌の中から自分を表現する要素を切り抜き、画用紙に自由に貼り付け、自身のプロフィールを作成する、というものだ。作成後は自身のプロフィールを基に1分間以内のプレゼンテーションが行われた。 限られた時間の中で物事を作り出すこと、その中でパフォーマンスのクオリティも担保することを求められるトップアスリートにとって、必要なポイントが詰まったセッションとなった。 1分間の発表タイムでは思ったようにプロフィールを作成できず苦戦している様子も多少見られたが、参加者の緊張も徐々にほぐれ、自分とは異なるジャンル・競技アスリートたちの発表を興味深く聞いている様子がうかがえた。 「映像で自分の魅力を発信する」アスリートセッション by GoPro 左:YUUTAROU氏 右:西窪 友海氏 午後に実施された「アスリートセッション by GoPro」では、GoPro契約アスリートのYUUTAROU氏(パルクールの人)、西窪 友海氏(トライアルライダー)の2名がゲスト講師として登壇。「自分の魅力や強みを映像を通してどう表現するか」ということを参加者に語ってくれた。 YUUTAROU氏は、SNSに自分のパフォーマンス動画を投稿する際には「動画を見て1〜2秒のインパクトが大切、カッコよさも求めたいが冒頭のインパクトが一番大事。」と話し、自身がSNSに投稿している動画も参考にしながら現代のSNSのアルゴリズムをロジカルにわかりやすく解説してくれた。 「今日僕が見せた自分の映像は本気でパルクールをやっている部分ではなくて、初めて見てくれる人に『面白いな』と思ってもらえるように動画を作っています。パルクールをやっていない人にも見てもらえるように映像を頑張ると自分のスキル幅も広がるし、知って貰うことに繋がるのでぜひ皆さんにもトライして貰いたいです。」と参加者の今後に繋がる素敵なコメントも残してくれた。 「映像がきっかけでスポンサーがついたりする。」と語るのはトライアルライダー、西窪 友海さん。 「このストリート業界で生きていく、ご飯を食べていくには自分を知ってもらって、自分の価値を高めることが必要だと思います。自分のスキルをいかに社会の価値として持たせるのか、スキルで人々を喜ばせられるかが重要になってくると思います。だから自分を映像で表現して評価を得ることで、お金をもらえたり様々な仕事に繋がっていきます。」と、プロとしての映像発信の在り方を説明してくれた。 「自分で心の機嫌を取ろう!」メンタルトレーニング 辻 秀一氏 「メンタルトレーニング」では、行政・大学・地域・企業・プロチームなどと連携し、 スポーツの文化的価値「元気・感動・仲間・成⻑」の創出を目指す、スポーツドクターの辻 秀一氏が登壇した。このセッションでは「スポーツ」とは何かを考え、自らの心を整えて自分の機嫌を取ることの重要性を辻 秀一氏が説いた。 セッション冒頭のグループワークでは「スポーツとは何か」を参加者同士で話し合う際に、なかなか会話が進まない参加者に辻氏から「自分が考えていることを言葉にできないと一流にはなれない」とアドバイスが飛ぶ場面も。 辻氏は、人間の心の状態は「Flow」と「Non Flow」の2種類があると説明し、「自分のパフォーマンスの質を高めるためには心の状態が大切。心の機嫌が悪いと何をしても質が落ちるし、心の状態を整えれば結果も成果も出やすくなる。」と、パフォーマンス向上のための心の状態のあり方を参加者に語った。このセッション内では参加者も次第にグループで積極的にコミュニケーションを取るようになり、熱心にメモを取る姿も見られた。 参加者は熱心にメモを取りながら話を聞いている様子も グループ内でも積極的にコミュニケーションを取っていた 今回の「Next Generations Elite Camp」が参加者にとって、プレイヤーとしてより飛躍するために大きな学びがあり、有意義な時間になったことは言うまでもないだろう。 実際に参加者に話を聞くと、「今日は撮影の仕方やメンタルトレーニングを学んだんですけど、普段絶対に学べないことを学べたので、これからに活かして頑張りたいと思います(RA1ON)」「いろんなことを初めて学べて、心の機嫌を大事にすることなどを学べて良かったです。今後の自分のダブルダッチにも活かせそうです!(HARUKA)」「普段学べないことをたくさん学べて凄くいい1日でした!(HINATA)」と、満足した様子で本イベントを振り返っていた。 鈴木 朋彦氏 最後に、Next Generationsプロジェクト プロデューサーの上野 桂氏によるラップアップ、そして株式会社スポーツビズ 専務取締役COOである 鈴木 朋彦氏による締めくくりの挨拶が行われ、本イベントは終了となった。 鈴木氏は、「皆さんは普段自分の競技を一生懸命練習して、仲間たちと切磋琢磨していると思いますが、今日みたいに違う競技をやっている同世代の仲間と触れ合えることは、重要な機会になったと思います。皆さんは10代と若いので、技と一緒に心と体を鍛えて自分の目指す頂に登っていって欲しいなと思います。そして近い将来、皆さんと一緒に仕事ができることを楽しみにしています。」と、参加者の将来に向けてモチベーションとなるであろう言葉を残した。 2回目の開催となった今回の「Next Generations Elite Camp」だが、U-15の若い世代がストリートスポーツに特化したプログラムを学び、横のつながりを広げることで自分の強みを知り、同世代を知るキッカケとなったであろう。それがストリートスポーツシーン全体の底上げにもなると感じさせられた。今後のストリートスポーツシーンの発展のため、FINEPLAY編集部は引き続き、「Next Generations Elite Camp」を応援していきたい。 Next Generations Elite Camp概要 日 程:2023日3月27日(月)11:00〜16:30 場 所:ヨドバシJ6 ビル(jing) 東京都渋谷区神宮前6-35-6内 容:「心・技・体・智」をテーマにしたU-15ストリートスポーツアスリート向けのキャンププログラム。現時点での活躍の実績から、今後の国内大会や国際大会で活躍が期待されるアスリートを招待。U-15アスリートたちの「自分の強みを知る・磨く」きっかけ創りと「同世代を知る・つながる」場を提供します。対 象:U-15アスリート 20名招待制(保護者帯同可)主 催:Next Generations 実行委員会主 管:一般社団法人渋谷未来デザイン助 成:公益財団法人日本財団協 賛:KDDI 株式会社 / GoPro 合同会社 / 株式会社シブヤテレビジョン / 株式会社スポーツビズ / 東急株式会社 / 東急不動産株式会社 / バリュエンスホールディングス株式会社 / 後 援:渋谷区 / 渋谷区教育委員会
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culture海とふれあい、環境問題を考える。『Hug the Earth in SHICHIRIGAHAMA vol.2』2023.03.292023年 3月 19日(日)に七里ヶ浜海岸駐車場にて、子供から大人まで楽しみながら海と地球を考えることが出来るイベント、「Hug the Earth in SHICHIRIGAHAMA vol.2(主催:特定非営利活動法人 NAZe)」が開催された。 快晴の空の下、穏やかな春の始まりを感じさせた本イベントをFINEPLAY編集部がリポート。 サーフカルチャーが根付く七里ヶ浜ならではのマーケットエリア まず最初に目に飛び込んできたのは数々のブースが立ち並ぶマーケットエリア。鎌倉エリア発祥のクラフトビール「鎌倉ビール」や、ボルボ・カー鎌倉による電気自動車「XC40 Recharge」を含めた車両の展示、日本の大自然で育てられたオーガニックハーブを使用したフレグランスブランド「jote」、女性向けサプリメントとしてマカを販売してきたパイオニア企業「ホットストア」、ライフスタイルメディア「オーシャンズ」によるOCEANS Carに詰め込んだ“Feel so good”な企画など、その土地に馴染んだ企業が多くブースを構えた。 鎌倉ビール ボルボ・カー鎌倉による電気自動車の展示 フレグランスブランド「jote」 女性向けサプリメント・マカを販売してきたパイオニア企業「ホットストア」 OCEANS Carによるブース展示 また、NPO法人NAZe理事長 出川三千男氏による「再生サーフボードの展示」や、洗って使えるプラスチックフリーの食品用ラップ Bee Eco Wrap(ビーエコラップ)の販売、 自社工房で一つひとつ丁寧に作り上げた100%植物性のルナバーガーや、サステナブルな商品を通して動物や植物の環境を壊さないライフスタイルを提案するethicame(エシカミー)の物販ブースなどの、エシカルマーケットも多く立ち並び、ランチからショッピングまで日曜日の七里ヶ浜駐車場は大きな賑わいを見せた。 NPO法人NAZe理事長 出川三千男氏による再生サーフボードの展示 Bee Eco Wrapの販売 100%植物性のルナバーガー NAZe 海の学校 また親子で楽しめるコンテンツとして午前中には、湘南海上保安署による海の環境紙芝居『うみがめマリンの大冒険』の読み聞かせや、ビーチクリーン、宝探し、ビーチフラッグが体験できるビーチワークショップも多くの参加者で賑わっていた。 午後には、同じく湘南海上保安署による海の環境紙芝居『うみがめマリンの大冒険』の読み聞かせ、そして海の環境アニメーションを上映(海洋ゴミ、貝殻、流木などの海の拾い物を動かしてコマどりアニメーションの作成)する、「アニメーションワークショップ」が開催され、親子で楽しみながら地球環境問題を考える体験型ワークショップとなっていた。 ビーチワークショップ 湘南海上保安署による紙芝居読み聞かせ この日の七里ヶ浜は前日の荒天とは打って変わり、雲一つない快晴の下でイベントがスタートした。ワークショップに参加した子どもたちは、紙芝居の読み聞かせから元気いっぱいの表情で楽しむ姿が見られた。 その後はビーチへ移動し「ビーチクリーン」、「宝探し」、「ビーチフラッグ」のコンテンツを体験。まずはビニール袋を手に取り、参加者全員でビーチクリーン。自らが遊ぶ場所に感謝を込めて清掃をすることで、海を守っていく大切さを全員で共有した。 さらに子どもたちはがむしゃらに砂浜を駆け抜けてビーチフラッグに熱中。参加した保護者はわが子を収めようとスマホカメラを片手に応援する様子が印象的であった。 「宝さがし」では砂浜の中に埋まった宝物を見つけ出そうと、砂だらけになりながらも一生懸命に砂を掘って貝殻の宝物を探し出し、お宝を見つけた時の笑顔に思わず我々もほっこりした気持ちになった。宝探しでは景品として Hydro Flask、ecostore、jote の協賛物品が、そしてNAZeからオリジナルビーガンクッキーが子どもたち全員に配られた。 子どもたちがビーチフラッグを楽しむ様子 親子一緒にビーチクリーンで海の環境保護に取り組んだ NAZeから配られたビーガンクッキーに喜ぶ子どもたち アニメーションワークショップ 午後に行われたアニメーションワークショップでは、海洋ゴミ、貝殻、流木などの海の拾い物を砂浜に並べ、少しずつ動かすことで、コマどりアニメーションを作成した。 子どもたちは砂浜で互いに遊びながらも一つの作品を作り上げていき、次第に形どられた一匹のウミガメが砂浜に浮かび上がった。 バラバラに散りばめられていた貝殻や流木を、砂だらけになりながらもきれいに並べて作品を仕上げた子どもたちの顔には達成感や、「海で遊ぶことの楽しさ」を再認識したかのような笑顔がたくさん光っていた。 貝殻などを砂浜に並べていく様子 最後は制作したアニメーションを鑑賞 最後は上映ブースへと移動し、参加者で制作したコマどりアニメーションを鑑賞。砂浜に打ち上げられたものを使い、アートへと昇華する「アップサイクル」な企画に子どもたちはもちろんのこと、感心しながら見守る保護者の姿も多く見受けられた。 一日を通して子どもから大人まで全員が海とふれあい、環境問題についても考える機会となる本イベントはワークショップ参加者だけでなく、イベントエリアに通りがかった多くの人々が足を止め、エシカルマーケットやフードエリアで買い物を楽しんでいた。 「海を守るために自ら何をしていくべきか」、大人はもちろん、未来を担う子供たちが考えて行動に移していくキッカケとなる有意義なイベント。今後にも期待をするとともに、私たちも改めてできることから環境問題に対したアクションを行うことを意識するきっかけとなった。 開催概要 【開催名称】Hug the earth in SHICHIRIGAHAMA vol.2【開催日時】2023年3月19日(土) 10:00〜16:00【開催場所】 七里ヶ浜海岸駐車場神奈川県鎌倉市七里ガ浜東2丁目1-12【主 催】特定非営利活動法人 NAZe【助 成】日本財団【協 賛】RHC ロンハーマン、ボルボ・カー鎌倉、鎌倉ビール醸造株式会社、Japan Perfume Studio 株式会社、ホットストア株式会社【協 力】株式会社ライトハウスメディア OCEANS、鎌倉天幕、ダスキンレントオール湘南イベントセンター、株式会社アップサイクルジャパン【協賛物品提供】Hydro Flask / ecostore / jote【コンテンツ】■サーフカルチャー×海の環境変化展示■再生サーフボード展示■海のアート■エシカルマーケット■フードトラック■エコカー展示■湘南海上保安署・海の環境紙芝居読み聞かせ(無料・NAZe海の学校の体験前に行います)・湘南海上保安署によるブース出展■NAZe海の学校 (無料・要予約・小学生以下対象)・宝探し×ビーチフラッグ×ビーチクリーン・海の環境アニメーション上映×海洋ゴミで作るアニメーションワークショップ【協賛出店】ボルボ・カー鎌倉 / 鎌倉ビール / jote / ホットストア【エシカルマーケット】Bee Eco Wraps Japan / BLUE BUTTERFLY / birds / Davids / Ethical&SEA横浜 / エシカミー / FUZZBOXX / GUGGA / inacujira / LONG TRACK FOODS / Little Hands Hawaii / PORTRUNKS / Style du nature / 湘南野菜のベジ八 / ZEROWASTE LIVING【アップサイクル】UPCYCLE JAPAN【アート】ETSUKO TAGUCHI / かとうくみ 【フードトラック】DOUBLETALL COFFEE / LUNA BURGER 【マイバッグご持参のお願い】マイバッグをお持ちいただき、使い捨てプラスチックゴミ削減にご協力お願いいたします。【イベントでのコロナ対策・安全対策について】開催にあたっては自治体の開催ガイドラインに基づき、安全対策を行なってまいります。
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skateアクションスポーツ好きな子どもたちあつまれ!「PLAY MOVESPORT」が渋谷キャストで開催2023.03.27日本国内大手のスポーツウェアメーカー「DESCENTE」のニューレーベル「MOVESPORT」によるスポーツ体験会「PLAY MOVESPORT」が、 2023年3月29日(水)13時〜17時に渋谷キャストガーデンにて開催される。 「MOVESPORT」は「日常をもっとスポーツのように。」をコンセプトに、これまでのパフォーマンスをサポートする機能性に加えて、多様化するライフスタイルに合わせた日常でも着用しやすいデザイン性を高め、ニューレーベルとして生まれ変わり23年春夏シーズンから展開を始めた。また本ニューレーベルの始動を機に、未来のスポーツシーンの発展を目的に新世代アスリートチーム「MOVESPORT UNIT」を発足した。 そして今回の「PLAY MOVESPORT」は新世代のスポーツシーンを盛り上げていくため、「MOVESPORT UNIT」のメンバーを中心とした豪華講師陣を招いて開催するBMX、スケートボード、スポーツクライミングの体験型ワークショップである。 今回の講師には、BMXフリースタイルで活躍し「MOVESPORT UNIT」の一員でもある「大和 晴彦」選手、日本のスケートボードシーンを牽引してきた一人の「荒畑 潤一」選手、そしてスポーツクライミングからは日本代表選手「中川 瑠」選手の3名を招き、小学3年生から小学6年生までの子どもたちにアクションスポーツの楽しさを届けていく。 本イベントは対象年齢の小学生であれば誰でも無料で参加できるため、春休み中の子どもたちのみんなには是非参加してもらって一緒にアクションスポーツを楽しんで欲しい。 当日イベント講師メンバー 大和 晴彦 (BMX フリースタイルパーク種目) 荒畑 潤一 (スケートボード・ストリート種目) 中川 瑠 (スポーツクライミング・ボルダリングリード種目) イベント概要 名称 : PLAY MOVESPORT 体験会日時 : 2023年3月29日(水) 13:00 - 17:00(予定)会場:渋谷キャストガーデン 屋外広場(〒150-0002 東京都渋谷区渋谷1-23-21)参加対象者:小学3年生~6年生参加費:無料対象スポーツ:BMX、スケートボード、スポーツクライミング ※注意事項 ・荒天の場合は中止となります、予めご了承ください。 ・動きやすい服装でご来場ください。 ・当日はイベント保険に加入しております。 (参加者の方のご負担はございません)
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park「みんなから憧れられるBMXライダーになりたい」弱冠15歳のBMXエリートライダー小澤楓が目指す将来の姿2023.03.17東京オリンピックから正式種目として採用され、世界中で人気上昇中の自転車競技「BMXフリースタイル・パーク」。近年、世界で結果を残す日本人選手が増えているこのスポーツは、キッズライダーのレベルに関しては世界最高とも言われるほどで国内でシーンが急成長している。今回は世界最高峰の舞台で戦う注目の若手BMXエリートライダーである小澤楓(おざわ・かえで) 選手にインタビュー。小澤選手は昨年、全日本フリースタイルBMX連盟(JFBF)が開催する国内のシリーズ戦において最高カテゴリーのエリートクラスに最年少の14歳で出場し初戦から準優勝。その後も国内では周りの選手を寄せ付けない勢いで安定した好成績を残し、国際大会であるFISEにも出場を始め世界の更なる高みを目指している。そんな彼にBMXを始めた経緯から強さの秘訣、そして弱冠15歳で世界のトップ選手たちと戦う中で感じていることなど様々な角度から彼のBMXに対する想いを聞いた。小澤 楓(以下:K) 当時14歳で初出場したエリートクラスでの快挙 高木聖雄選手とのツーショット -エリートクラスでは初出場した大会で準優勝という好成績でした。どうしてこのような結果を初戦から残せたのでしょうか?K:実は僕自身、エリートクラス初出場のこの大会は予選突破できれば良いかなという程度に考えていました。でも前年の2021年シーズンのJFBF最終戦にて2位という悔しい結果で年齢別最後の大会を終えたこともあり、もう同じ思いはしたくありませんでした。その時の敗因が、大技にこだわりすぎてラン全体の流れを見た時にトリックをしないシングルジャンプが多くなってしまったことだったので、それ以降は大技のレベルを少し下げてでもすべてのジャンプでトリックを入れられるようにランを構成してたくさん練習してきました。そのような練習の甲斐もあって、エリートクラス初めての大会でも自分の思った通りのライディングができたので準優勝できたのだと思います。ただ最初にも話した通り予選突破を目標にしていて、初めから勝ちに行くつもりではなかったので、予想以上の結果に驚きましたがとても嬉しかったです。 -年齢別クラスからエリートクラスに昇格し、周りの選手たちの年齢もレベルも変わったと思います。エリートクラス初戦はどんな印象でしたか?K:年齢別クラスに出ていた頃は年齢的にまだ体が小さいこともあって、大技をメイクすること自体が難しいので基本的には大技がメイクできたら勝てるという印象でした。でもエリートクラスは大技をメイクしたからといって勝てるわけではないので、どういう風に試合を進めるのかをすごく考えないといけないですし、もちろん周りの選手たちも同じことを考えながら戦っています。エリートクラス独特のピリついた空気感もあり、今までのクラスとは全然違うと感じました。 -改めて、そういった空気感の中で準優勝という結果を残した初戦でした。率直にどんな気持ちでしたか?K:2位という結果は素直に嬉しかったですが、2位と1位とではその座を勝ち取る難しさが全然違うので今後どうやって戦おうかなと考えるようになりました。それと周りの選手も僕みたいに初めて出てきた選手には負けたくないと思いますし、次の大会からは更にギアを上げてくると感じたので自分自身ももっと気を引き締めて頑張らないといけないなと思いました。この初戦の準優勝という結果によって次の大会でも良い成績を残さないといけないというプレッシャーが生まれたり、他の選手からの見られ方が変わったのを感じた大会でした。 -ちなみにその準優勝を勝ち取ったライディングは個人的にどんな評価ですか?K:大技をする前の小技も含めてランを通して、全てのジャンプでしっかりトリックを決めることができたので満足のいくランだったと思います。ただ、決勝ランは他の選手たちももちろん本気で来るわけなので、結果として表彰台には乗れなくても「自分のルーティンがしっかり決められたらいいかな」という気持ちで挑んだライディングでした。 BMXフリースタイルパークとの出会いとBMXの持つ魅力 BMXを始めるきっかけとなったのは父・健司さん(一番左) -BMXを始めたきっかけを聞かせてください。K:元々は父がBMXを趣味でやっていました。それを僕が見ていた時に父から「一緒にやろう!」と誘われて、幼稚園年長くらいの頃にBMXに乗り始めました。当時、父がやっていたのはフラットランドという種目だったので、最初は僕も一緒にフラットランドをやっていたのですが、たまたまパークに行く機会があり、そこで今もトップでやられている高木聖雄選手と出会い、パーク種目の魅力に惹かれて小学2年生の時にパーク種目を始めました。 -小澤選手が思うBMXの魅力と好きなところを聞かせてください。K:BMXフリースタイルパークの好きなところは、まず「ジャンプ中に色々なトリックを決めるのがかっこいい 」というところです。また最近海外転戦をするようになってからは、大会で色々な国に遠征に行くことで世界中の選手たちと友達になれることもBMXの魅力だと感じるようになりました。 -小澤選手がライディング中に特に意識していることはありますか?K:ジャンプ中の大技の完成度はもちろんですが、大会で特に意識していることはトリックをしないシングルジャンプをなるべく作らないようにすることです。大技をメイクする前のジャンプでもしっかり技を入れるようにしたり、各ジャンプでトリックを入れてバリエーションのあるライディングを意識しています。 国内最強の15歳を生み出した練習環境 楓選手の練習の様子 -ちなみに大技を決めるために意識していることもありますか?K:僕の考えでは、大技はタイミングとテンポが合えばメイクできると思っています。そのため大技をする前はしっかり自分のライディングをイメージして、セクション1個1個を綺麗にこなしていくことを意識しています。特に練習の時は大技にトライする一個手前のジャンプを綺麗に合わせて十分に加速することを大切にしています。 -国内での練習環境についてですが、普段はどこで乗ることが多いですか?K:普段は父とBMXの仲間が作った、地元の岐阜県本巣市の根尾にある「Neoパーク」で練習しています。でもこのパークは屋外にあり天候が悪いと乗れないので、そういう時は愛知県あま市にある屋内パークの「Hi-5 スケートパーク」に行って練習しています。また父が休みの時は遠方のパークに行って練習することもあります。 -新しいトリックに挑戦する時はどういう風に練習していますか?K:「Hi-5 スケートパーク」にはスポンジプールがあるので、そこで新技を挑戦してみてメイク率が上がってきたら、自分が走り慣れている「Neoパーク」の実際のジャンプセクションで挑戦する感じです。 BMXライダー仲間とライディングを楽しむ楓選手 -ちなみに地元で普段から一緒に乗るBMXライダー仲間はいますか?K:地元にはいないですが、同じ岐阜県には高木聖雄選手や他にも一緒に乗るライダーはいます。普段は「Neoパーク」に岐阜県内からライダーたちが集まってきて一緒に乗っています。 -他のアクションスポーツのライダーとの繋がりもあったりしますか?K:「Neoパーク」にはBMX以外のライダーはいませんが、「Hi-5 スケートパーク」ではスクーターやスケボー、インラインスケートなどのライダーがいて、よく一緒に乗ることもあるので結構繋がりはあります。 15歳の等身大の姿と大家族の存在 7人兄弟のうち6人がBMXライダーの小澤兄弟 -パークで乗らないオフの日は主に何をしていますか?K:重機を使ってBMXダートコースを自分たちで作ってライディングしたり、BMXフラットランドは近くの駐車場でたまに乗ったりしますね。数年前に鎖骨を骨折してBMXが乗れなかった時はドローンを飛ばしたりラジコンでよく遊んでいて今でも趣味で父と一緒に楽しんでいます。また接骨院の先生にはとても可愛がってもらっているので時間がある時は先生の家に遊びに行ったりもします。 -小澤選手は7人兄弟とのことですが、妹の美晴選手を始め兄弟と一緒に乗ることもよくありますか?K:兄弟6人で一緒に乗ることはそんなに多くないですが、美晴の下の3番目の妹まではたまに乗る感じで、その下の4番目と5番目の弟と妹はお父さんがいれば乗るという感じです。また、上石津のパークに行く時はBMXを練習するためにみんなで行くので一緒に乗りますが、「Neoパーク」の場合はBMX以外にも楽しめる遊びがたくさんあって、乗るかどうかも基本的に自分たちの自由なので弟たちは一緒に来ても乗らないことが多いです。 楓選手に良い刺激をくれるのは妹の美晴選手 -BMXに導いてくれたお父さんや一緒に練習している美晴選手など、家族は小澤選手にとってどんな存在ですか?K:練習するには車でパークへ行かないといけないので父のサポートが必要ですし、妹が一緒に練習してくれると一人で練習するよりも気分が上がって楽しく乗れるので、家族は僕にとってとても大事な存在です。 世界最高峰への挑戦のために始めた海外転戦 2022年ワールドカップ最終戦があったオーストラリアでの一コマ -海外遠征で色々な国に行くようになったと思います。海外に行って感じた日本との違いはありますか?K:BMX関係ではとにかく海外はパークが多く、車で10分くらいの距離間でボウルのあるスケートパークがあるので1日に5ヶ所くらいは周って乗れるような環境があります。その中でも特にオーストラリアは比較的治安が良く気楽に乗りに行けるので個人的には好きです。ただ逆にこの前行ったアブダビはかなり治安が悪く、荷物にも鍵をかけながら動かないといけないので精神的にも疲れましたね。 -自分より先に世界で戦っている中村輪夢選手や溝垣丈司選手の存在についてはどう感じていますか?K:一緒に海外転戦する上で、自分より先に海外を経験している二人の存在は心強いです。普段とは全く違う環境で多くの海外選手を目の前にしても気後れすることなく大会前の練習ができたのも彼らのおかげだと思います。特別よくコミュニケーションを取るわけでもないですが、一緒にいるだけで乗りやすくなり自分に自信がつく雰囲気が作れています。 -また大会最年少選手として世界最高峰の選手たちと対峙して感じたことを聞かせてください。K:海外のトップ選手たちは基本的なランの構成がすべて大技で組まれていて、どのセクションでも大技を決めてくるところが凄いと思います。また彼らはもちろん僕のトリック以上に高難度な大技を入れてきますし、その大技まで繋ぐジャンプでも日本では大技と言われるようなトリックを軽々メイクしてくるので、全体的なランの完成度が自分よりも1段階も2段階も上なのでとにかく凄いなと感じました。 -そのようなハイレベルの戦いを求められる中、昨年12月のFISEでは準決勝へ進出し全体18位という結果でした。この成績についてはどう感じていますか?K:予選突破を目指していた大会だったので、自分のルーティンをしっかり決めたことで準決勝進出という結果がついてきたのは良かったです。まだ海外選手に比べてスキル的にも体格面でも劣るので不安な部分も多かったのですが、今回の結果から正しいトレーニングを積めば戦えることが分かったので、そういう意味では自分に自信がつきました。 -今後自分が勝つためには何が必要だと思いますか?K:確実に大技をメイクすることはもちろんですが、ライディングのスピードも採点に影響するのでスピードも上げつつ、大技を決められるようにすることが課題だと感じています。今後は筋力トレーニングを本格的に取り入れ体格面も強くしていきながら、自分の思い通りに身体をしっかり動かせるように着実にレベルアップしていきたいと思っています。 小澤楓が目指す今後の目標と理想のBMXライダー像 -年齢的にはパリオリンピックにも出場可能ですが、今後に向けて取り組んでいくことはありますか?K:パリオリンピックに向けてというよりも、まずはFISEで確実に準決勝以上へ進出していかないとオリンピック出場は難しいのでそこを目標とした上で、どれだけ自分のトリックを決めて順位を上げていけるかというところを考えながら戦いたいです。 -今シーズンの意気込みと今後の目標に聞かせて頂けますか?K:先ほども言いましたが、まず今シーズンの一番の目標はFISEで準決勝に残ることです。そして来年の2024年はUCIとFISEを含めた世界のポイントランキングでトップ6に入れるように頑張りたいと思っています。なぜかというと、パリオリンピック出場選考基準の中にトップ6に入ることが一つの条件としてあるのでそのスポットを目指しています。 -最終的にどんなBMXライダーになりたいですか?K:日本で開催された「Chimera A-side Final」にも出場したオーストラリア出身のBoyd Hilder(ボイド・ヒルダー)という選手がいるのですが、彼はどちらかというストリート系のライダーでスタイルもかっこよくてインスタグラムのフォロワー数も多く、みんなに憧れられる選手なんです。もちろん大会で優勝したり結果を残せる強い選手になることも重要だと思いますが、僕はスタイルがあってみんなから憧れられる彼のようなBMXライダーになりたいです。 小澤楓プロフィール 2007年9月7日生まれ。岐阜県本巣市出身のBMXライダー。小学校2年生の時にBMXフリースタイルを始める。自宅の近くには父親が手作りで作った練習場「Neoパーク」が設置されており、現在は7人兄弟のうち6人がBMXフリースタイルの練習に日々励んでいる。2017年及び2019年には世界選手権で優勝しジュニア世界チャンピオンとなる。2021年には13歳~15歳の年齢別クラスでJFBFの年間シリーズチャンピオンに。そして2022年からはJFBFのエリートクラスに昇格し初出場となった2022年シリーズ第1戦では準優勝、その後の第2戦では優勝。2022年のワールドカップシリーズFISEの最終戦では準決勝進出を果たした。