約5万人がダンスと音楽に酔いしれた熱い3日間。老若男女誰もが楽しめる地元弘前に愛されたフェス「SHIROFES.2024」

2024.07.04
text by Daiki Hatakeyama, photograph by ©︎SHIROFES2024 / Jason Halayko, harugraphics

今年で9年目を迎える、国内最大級のストリートダンスとパフォーマンスの祭典「SHIROFES.2024」。青森県弘前市の弘前公園にて6月28日(金)~6月30日(日) にわたり開催され、過去最大数となるのべ約5万人の来場者と共に楽しんだ熱い3日間が幕を閉じた。

SHIROFES.のメインコンテンツでもあるダンスバトルやワークショップ、ショーケースなどのストリートダンス系のコンテンツはもちろんのこと、アーティストによる音楽ライブや、ご当地グルメを含めた多種多様なフードエリア、そして今回初登場で親子で楽しめるエアー遊具のSHIROFES.コラボ 「ギャラクシー・ラン」などのコンテンツが大勢の来場者を五感で楽しませた。

時には太陽が照りつけるほどの晴天や、一方で豪雨にも見舞われた天気の中、そんなことも忘れるほどの最高潮の熱量で会場を包み込みこのフェス3日間を朝から晩まで大盛況で終えた。

そして何よりこのSHIROFES.が特別なのは地域密着型で、弘前市が街ぐるみで作り上げていることだろう。地元の企業によるイベント協賛をはじめ、地元の飲食店が会場に出店し軒を連ねた。また来場者はダンサーだけではなく家族連れやお年寄りなど幅広い年代であることから、ダンスカルチャーがこの青森県弘前市に深く浸透し根付いている様子もうかがえ、地元から愛されているフェスであることも肌で感じられた。

下記は本フェスを彩った各コンテンツのハイライトである。

全10種のカテゴリーでチャンピオンの座を競い合ったダンスバトル

©︎SHIROFES2024 / harugraphics

SHIROFES.のメインコンテンツでもあるダンスバトルだが2日目から3日目にわたり、過去最大の全10種のカテゴリーにて王者が出揃った。昨年に引き続き今年も予選は誰でも参加OKのスタイルで開催された各バトルにて、予選を勝ち抜いたダンサーと招待ダンサーが入り混じり、ノックアウト方式の決勝トーナメントで優勝の座を争った。

そして今年も全てのカテゴリーにおいて、予選から決勝まで目が離せない白熱した戦いが繰り広げられ、ストリートダンスバトル史上にまた一つ新たな歴史が刻まれる大会となった。全バトルの優勝者コメントはこちらから!

トップパフォーマーから地元のキッズダンサーまで、年齢やジャンルの垣根を超えて作り上げられ、共に楽しんだショーケースとワークショップ

3日間を通じて、一日の始めと終わりに披露されたのは各ジャンルで活躍するダンサーたちのショーケース。その中には地元のキッズダンサーや学生ダンスクルーによるパフォーマンスが披露され、自分たちの日々の練習の成果を全国からやってくるダンサーや地元弘前のオーディエンスに向けて表現する貴重なステージとなった。

©︎SHIROFES2024 / harugraphics

また、2日目と3日目には一日の締め括りとして、日本が世界に誇るゲストダンサーたちによる豪華ショーケースが次々に披露された。各ジャンルにてダンスシーンを牽引するダンサーたちが大集合し、会場のボルテージを最高潮に引き上げた。その中でも特に盛り上がったのが最終日のクライマックスに用意されたダンスショーケース。

今回特別にタッグを組んだフリースタイルボーラーのBUG!?Ibukiのパフォーマンスを皮切りに「BetRay」「D&F」「HANA+Yasmin」「GRAYSOURCE」「Novel Nextus」「Dance Of Artistic Movers」などと各ジャンルを代表し、日本のダンスカルチャーを世界に発信するトップダンサーたちが見事なパフォーマンスを見せた。

©︎SHIROFES2024 / harugraphics

そして大トリを飾ったのはこのSHIROFES.を立ち上げから支えている「Co-thkoo」のふたり。パフォーマンスの終盤にはジャッジも担当した各ジャンルのレジェンドダンサー陣をステージに呼び込み一緒に豪華なセッションを披露した。

©︎SHIROFES2024 / harugraphics

また、SHIROFES.の醍醐味はこうした国内外のトップダンサーたちによるダンスワークショップも同会場で行われることだ。誰でも参加可能でダンスをとにかく楽しむことを一番の目的として開催された各ジャンルのワークショップは、年齢や性別、自身のダンスキャリアも様々ながらも、ダンスを愛する参加者が集まり一緒にセッションを楽しんだ。

全体を通じてトップダンサーから次世代に輝くキッズや若手ダンサーたちとのクロスオーバーが見られ、ダンスカルチャーの素晴らしさを感じるコンテンツとなった。

SHIROFES.の会場を彩ったのは多種多様なジャンルの音楽。地元アーティストたちを中心に披露された音楽ライブと、3日間盛り上げ続けたDJ陣。

©︎SHIROFES2024 / Jason Halayko

青森県出身の人気アイドルグループのりんご娘や、元りんご娘のジョナゴールドなどの青森を代表するアイドルにより口火を切られた音楽ライブ。各ダンスバトルコンテンツの間に開催された音楽ライブではアイドルやバンドによる様々な人気曲だけではなく、伝統的な津軽笛を演奏する佐藤ぶん太氏や、三味線を演奏する渋谷和生氏などの伝統芸能のパフォーマンスも含めて新旧の音楽が入り混じり、幅広い年齢層と音楽嗜好の観客に刺さる構成でフェスを盛り上げた。

©︎SHIROFES2024 / Jason Halayko

一方で終始フェスを盛り上げる音楽ライブが行われたフォレストステージに打って変わり、3日間ミュージックビレッジで開催されたDJタイムもSHIROFES.の魅力。時には傍でグラフィティのライブパフォーマンスが進行する中、トップDJたちが代わる代わるノンストップで心地よい音を届けダンサーをはじめとする来場者の多くが分け隔てなく体を揺らした。最終日は雨天により市民会館内へ場所を移しての開催となったが、終始ダンサーや観客が音楽を楽しむ憩いの場となっていた。

©︎SHIROFES2024 / Jason Halayko

会場での様々なコンテンツをさらに充実させたのは美味しいグルメの数々。

©︎SHIROFES2024 / Jason Halayko

会場敷地内に登場した地元の飲食店からダンサーが手掛ける飲食店まで多種多様なグルメの数々もフェスを彩った。ご当地グルメはもちろん、普段は東京や他の地方を拠点に展開している人気グルメが計30店舗近く弘前に集合し、来場者の喉を潤しお腹を満たした。

©︎SHIROFES2024 / Jason Halayko

実際にフードやドリンクを片手にバトルコンテンツや音楽ライブを楽しんでいる親子連れやダンサーたちも多く見られ、これぞまさにフェスといった賑やかな雰囲気を生み出していた。

エアー遊具で遊びながら競ったのは「ギャラクシー・ラン」最速王の座?

©︎SHIROFES2024 / Jason Halayko

子どもはもちろんのこと大人まで童心に戻って楽しんだのはエアー遊具。その中でも目を引いたのは会場に設置されたのは35m大型遊具。今回はここでSHIROFES.コラボ 「ギャラクシー・ラン」というアトラクションが設置され、様々な障害物がある一直線のエアー遊具を駆け抜け最速王を競った。子供(小学生以下)と大人(中学生以上)の2部門にて最速王も決まり、優勝トロフィーと副賞が贈られた。

SHIROFES.2024の思い出を持ち帰らせてくれるのは、スタイリッシュなオフィシャルグッズ。

©︎SHIROFES2024 / Jason Halayko

フェス3日間を通して五感で感じた、この「SHIROFES.2024」の思い出を持ち帰らせてくれるのはオフィシャルグッズの数々。その中でも特に好評だったのは「藍染で製作したオリジナル手縫い」「ストリートダンサーのME78(METH)さんがデザインしたオリジナルTシャツ」だ。オリジナル手縫いは来場者だけではなくダンサーたちにも好評で、各バトルの優勝者には副賞として手渡されると嬉しそうな笑顔で受け取る姿も見られた。お土産としても人気なオフィシャルグッズは、いつまでもこの3日間の感動を思い出させてくれる「SHIROFES.2024」にとって貴重な立役者だ。

最後に。

©︎SHIROFES2024 / harugraphics

今年で9年目となり、大盛況のうちに終えた国内最大級のストリートダンスとパフォーマンスの祭典「SHIROFES.2024」。もはや新たなストリートダンスの聖地となっている青森県弘前市の弘前公園だが、9年前に風光明媚な場所に新たな風を吹き込み、ゼロから作り上げたオーガナイザーやレジェンドダンサーたちと弘前市の関係各所の計り知れない努力の賜物である。そして今回この「SHIROFES.2024」のバトルを通じて、新たなニュースターも生まれた。

来年で10周年を迎え、新たなフェーズに突入するこのフェスとこれからのストリートダンスシーンに期待しながら来年の開催を待ちたいと思う。

「SHIROFES.2024」の様子は、リキャップ映像をチェック!!

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