「エア ジョーダン」が好きすぎる偏愛さんのお宅を拝見。まるでココ、博物館!

2022.10.28

エア ジョーダンシリーズに向けられるあまりにも深い愛が、SNSで話題になっている人がいる。
おっくんさんだ。

彼のインスタグラムを見ると、最新作からレアモノまで多士済々の豪華な顔ぶれ。しかし、多くのスニーカーヘッズたちの視線を一身に集める要因はそれだけじゃない。

なんと、書斎兼寝室として使用している部屋を、博物館のごとく作り変えてしまったのだ。となれば、どんな中身か気になるところ。我々は、おっくんさんの住む茨城県へと向かった。

エア ジョーダンの偏愛さんはこの人!

おっくん
SNSなどで話題のスニーカーコレクター。特にエア ジョーダンへの愛はひとしおで、計150足ほどを所有し、それらを鑑賞するために部屋を作り変えてしまうほど。現在、自宅の庭にプチスニーカーミュージアムを作ろうと画策中。インスタグラムのフォロワーは約1.1万人。

自室をスニーカーショップのごとく作り変えた男

まず目に飛び込んでくるのは、壁面に整然と飾られているスニーカーの入ったクリアボックス。

ここだけ切り取れば、もうエア ジョーダンの専門ショップにしか見えないが、いったいなぜこのようなレイアウトに?

「スニーカーのデザインは非常に考え抜かれていて、いつまでも眺めていられるほどに純粋に美しい。それを箱にしまっておくのはもったいないと思ったんです。

だったらその美しさを寝るときも起きたときも目に入るような空間にしたいと。そこで、まずスニーカーを飾るボックスとラックを作ったんです」。

「というのも、保管用のスニーカー専用ボックスは既製品としても売られていますが、限られたスペースの中でそれを置いてしまうとサイズが大きすぎて数が置けないんです。また、アクリルの透明度が低くて靴が美しく見えない。だったら自分で作ろうと思い立ちました」。

そこで、建築士の友人にお願いし設計図を作成。エア ジョーダンの片足がちょうどハマる大きさのアクリルボックスを特別に製作した。そのこだわりがこれまたハンパない。

「足数を飾りながら歩く導線も確保するため、こちらでは片足しか入れていません。そして、パネルの下半分の縁をリフレクター風の蛍光イエローにしました。なので、照明の当たり方によって雰囲気が変わるんです。

もともとエア ジョーダンシリーズって、リフレクティブ素材を使うモデルがあるんですけど、部屋の電気を消しておくと靴のソールだけ光ってたりする。そこからインスピレーションを受けてこの形にしました」。

ボックスの中には、スニーカーを長持ちさせるよう、加水分解を避けるための乾燥剤、そして黄ばみ防止としてミセスロイドを入れている。“美しいものを美しいままでいつまでも”を徹底的に実践しているのだ。

エア ジョーダンの並べ方にも並々ならぬこだわりが

壁面にズラリと飾られているサマは、一般的なスニーカーショップと比べても遜色がない。しかも、こだわりは空間デザインにとどまらず、その並びにまで及ぶ。

「僕の部屋では、3つのエリアごとに飾るスニーカーを分けています。黄色い縁のボックスを並べたエリアは、今履きたい、いつまでも眺めていたい一軍の70足を展示しています」。

並びにも意味を込めている。例えば、上から2段目の横列には、エア ジョーダンシリーズでもとりわけ人気の高い、ラッパーのトラヴィス・スコットとコラボしたモデルを陳列。

しかも、新たに一軍へと昇格するモデルもあれば、それに伴い降格するモデルもある。そのため、位置も流動的に変わっていくという。

「ジョージタウン大学のカレッジーカラーを落とし込んだネイビーのエア ジョーダン 1は、つい先日出たばかりの昇格組。急に一軍ボックスに入っちゃったものだから、ここに入っていたモデルを降格しました。で、こちらの棚に移動しています」。

「ここは、いわゆる2つ目のエリアです。降格したモノを中心に、エア ジョーダンを雑多にディスプレイする場所。こちらも片足だけ並べていて常時60足を飾っています」。

いわば2軍。とはいえ、プレ値級のモデルから大定番、珍モデルとその顔ぶれは豪華で、実にうらやましい限りだ。ただ、1軍と2軍で随時、昇降格があるためちょっとした悩みも。

「昇降格のたびに、並びの位置も変えなければいけません。そうなると、どのボックスへ入れるかすごく悩むんですよね。先ほど紹介した昇格モデルも、実は今の配置に納得がいってなくて(笑)」。

モデルが生まれた歴史や、カラー展開、コラボなどに合わせて、パズルのピースをはめ込むように並びを決めている。「完全にオタクの領域なんですが、まとまってないと気持ち悪いんです(笑)」。

一軍のボックスをよく見ると、そのモデルを説明したカードが添えられている。

「一軍はコレクションシートをハンドメイドで作っています。コレクションシートとは、いろんな情報を見て、自分なりに勉強してそれを文章内にまとめたもの。これがあると、後々、どんなモデルだったかを見直すことができて便利なんです」。

「一軍に昇格するたびに製作しているんで、いざ降格するとコレクションシートも変更する。なので、過去の一軍だったモデルのコレクションシートがこんなにもあるんです。

でも、このスニーカーはなんで作られたんだろうとか、どういう素材で、なんでこの名前なのかとか、それを見直すのも楽しいんですよね。記憶を呼び覚ますのにも役立っていますしね。飲みながらこんなのを見直して楽しんでいます」。

稀少なジョーダンが並ぶヴィンテージゾーンがすごい!

さらに奥へ進むと、そこにはなんとスニーカー好き垂涎の驚愕モデルたちが。

「ここは3つ目のエリアです。比較的新しいスニーカーをセレクトした一軍のエリアとは一線を画し、ヴィンテージやオリジナルを中心に並べています。

手に入れようとしてもなかなか手に入らないものばかり。なので、昇格&降格はほとんどありません。僕のもっとも好きなエア ジョーダンが揃っています」。

その愛情は、ボックスからも伝わってくる。

「こっちは2足入るアクリルケースを作りました。ただ、一軍と同じイエローで作ってしまうとちょっと映えづらい。だったら、アクリルの色を変えようと友人と話し合いました。

エア ジョーダン 1の85年のオリジナルはソールが赤で、こいつがこのヴィンテージコーナーのいわば“顔”。だから、それに合わせてケースの縁を赤にしています」。

庭にスニーカーミュージアムを作るのが夢

スニーカーを購入したら写真を撮り、インスタにポストしてスニーカーを見ながら酒を飲む。週末は、そのスニーカーを履いて出かけ、撮影をする。

その次の休みにはスニーカーのメンテナンスをしてこの部屋に飾る。これが、おっくん流のルーティン。撮って、履いて、眺める。まさにスニーカーを楽しむためのフルコースを実践している。

観賞用にと購入した20万円ほどのこちらのリクライニング式ベッドから見る眺めが最高なのだとか。

「今は、壁一面にエア ジョーダンを飾っていますが、本当は、床には透明のボックスとスニーカーを敷き詰めて、天井からもスニーカーを吊るしたいんです。そうしたら、上からも下からもエア ジョーダンを楽しめますよね」。

そんな夢を実現すべく、建築士の友人とともに、自宅の庭にスニーカーミュージアムを作ろうと画策中だ。

「もうただ頭がおかしいだけなんですけどね」と自虐的に笑うが、その笑顔は実に輝いている。

 

寝ても覚めてもエア ジョーダン。その愛情は紛れもなく本物である。

佐藤ゆたか=写真 菊地 亮=取材・文

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(この記事はOCEANS :「エア ジョーダン」が好きすぎる偏愛さんのお宅を拝見。まるでココ、博物館!より転載)
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