この度、一般社団法人渋谷未来デザインは「アイデアと触れ合う、渋谷の6日間。」として、日本最大級のソーシャルデザインをテーマにした東京・渋谷の都市フェス「SOCIAL INNOVATION WEEK SHIBUYA 2022」(以下、SIW)を11月8日(火)~13日(日)の6日間にわたり開催した。 今年で5年目になるSIWは去年と同様、渋谷エリアの多拠点会場とオンライン配信にて並行し行われた。
今回は多種多様な数あるセッションの中、FINEPLAY編集部が厳選した注目のセッション、「Shibuya Urban Sports Day : Round Table Talks」 のレポートをお届け。
「Shibuya Urban Sports Day : Round Table Talks」では渋谷の街で啓蒙されているアーバンスポーツの発展に様々な形で関わる業界関係者が集まり「ポストTOKYO2020」と「街とアーバンスポーツ」という二部のセッションにわたってトークが繰り広げられた。業界最前線で関わっている彼らだからこそ感じるアーバンスポーツの大きな変遷についてや、このアーバンスポーツ界のさらなる発展のためにアイデアを出し合う時間となった。
「ポストTOKYO2020」
昨年世界中に感動を与え、このアーバンスポーツにおいても複数の競技が新競技として大きく取り上げられた東京オリンピック。
第一部では「ポストTOKYO2020」をテーマにこの東京五輪を通して起きた変化を、大会組織委員会として最前線で携われたスケートボード・チームジャパン・ナショナルヘッドコーチの小川元さんと3×3バスケットボールの競技運営に長年従事されている安田美希子さんの2名に加えて、アーバンスポーツ界の発展に欠かせない「ショップ」の立場として「ムラサキスポーツ」のマーケティング担当の遠藤大輔さん、そして当メディアFINEPLAYの運営会社である株式会社ZETA代表取締役CEOの財満栄治の計4名が登壇した。

右から遠藤さん、小川さん、安田さん、財満の順
このセッションではTOKYO2020にて各アーバンスポーツが競技として採用決定がされてから大会開催まで、大会開催中での業界の動き、大会開催後の業界の変化と大きく3つのマイルストーン置いた中で語れた。
まず競技として採用が決定してから大会開催までの期間で感じたこととして、小川さんと安田さんの2人が声を合わせて言ったことがスケートボードと3×3バスケットボール共に、カルチャーをバックグラウンドに持つスポーツであるため競技として採用されることでそのカルチャーが失われるのではという不安だったとのこと。
小川さんは「スケートボードの知名度を上げるためにオリンピック種目になった方が良いという意見と、スケートボードらしさがなくなってしまうからオリンピック種目にならない方が良いという意見の両極端でしたが、スケーターの間では反対的な意見の方が多かったです」と語り、安田さんも「元々3×3バスケットボールは街中で遊ばれているストリートバスケでカルチャーやファッション的な要素が大きいので、競技に持ち上げることで今までの遊びの要素が失われるのではという不安が業界の中で出ていました」と語った。

そんな業界の中で立ち込める不安を背に、コロナウィルスの影響を受けて一年延期して開催された本大会の競技運営に携わった小川さんと安田さんだったが、個人の主観としては2人ともオリンピックという決められたルールが多い環境下でディレクションに関われたことは良い経験だったと話す。
小川さんは「オリンピック特有の厳しいルールの中でいかにスケーターに良い環境を与えられるかを考えることが大変でしたが、今後のスケートボード業界の発展に活かせる要素をたくさんを得られた良い経験でした」と話し、安田さんも「コロナウィルスで一年遅れたことで内部の変化も大きく大変でした。でも今回の東京から始めた取り組みとしていろんなタネを撒いてきたことが少しずつ形になり次のパリでは花が開きそうです」という業界の発展につながる前向きなコメントを口にした。

また東京オリンピックによる業界への注目度は大きく変わっていたことをメディアの視点から財満は「オリンピック競技になったことでTVやスポーツ新聞の報道陣が増えて2倍から3倍になりましたし、オリンピック期間中は弊社のメディアの閲覧数も10倍以上でした。提携メディア数も倍になりました」と話した。
さらにショップの立場でありながら企業として選手をサポートしているムラサキスポーツでは、選手たちに見られた変化を遠藤さんが「大会開催が一年ずれることで選手の人生が大きく変わるのを肌で感じました。2020年開催だったら出場選手もメダリストの顔ぶれも今と全然違っていましたし、オリンピックで選手たちのステージが変わるくらい大きな出来事でした」と語りオリンピックが選手に与える影響を体験談から語った。

東京オリンピック開催後の影響としては各方面にてプラスになってきたとそれぞれが話した。
スポーツの側面から、小川さんは「国内の現場はあたかもオリンピックが元からあったかのように受け入れています。カルチャーやスポーツの側面などスケートボードにいろんな選択肢が増えたので業界全体としてはオリンピックを行ったことでプラスになったと思います」と話し、安田さんは「オリンピック種目になったことで箔がついて企業や行政とのイベントが開催しやすくなり、競技としての可能性も増えました」と語った。
なお一方で選手たちを取り巻く環境の変化に関しては遠藤さんが「それがオリンピックを通してこれらのスポーツが知られて選手に注目が集まるようになりました。企業のスポンサーなどが付きやすくなり、お金が生まれて選手たちが活動しやすくなったという部分では弊社もサポートする上で良かったなと思う部分が大きかったです」と語り、長年選手たちをサポートしてきた側として彼らのステージが上がったことを喜んだ。

最後にセッションの締めとして「今後のアーバンスポーツがどうなって欲しいか?」という問いには総じてアーバンスポーツと地域との関係に着目した意見が寄せられた。そこで特に語られたのが「アーバンスポーツをもっと身近に楽しめる環境づくり」。
小川さんは「各地の街中で各スポーツのトップ選手を集めて複合的なイベントを行うことで競技間でも相乗効果が生むことができ、そこの地域でもいろんな取り組みが生まれるので思います」と話し、安田さんも「上手い下手関係なく、プロや子どもたちも一緒に楽しめる環境が街中に作りみんなが楽しめるスポーツにしていきたいです」とコメントした。
そして最後に財満は「その街の行政や一般の方と協力してどうやっていけるのか。ソフトとハードの両面から時間をかけて取り組んでいきアーバンスポーツフレンドリーな社会になってほしいです」とセッションを締めた。
「街とアーバンスポーツ」
第二部では、第一部の「ポストTOKYO2020」の締めにもなった今後のアーバンスポーツと地域の関係を起点にした「街とアーバンスポーツ」を議題に、第一部から引き続き小川さん、遠藤さん、財満の登壇者3名に加えて、3×3バスケットボールのプロチーム「ZOOS合同会社」の選手兼オーナーの桂葵さんと、KDDI株式会社事業創造本部 革新担当部長の三浦伊知郎さんの5名を招き様々なアイデアや意見交換が行われた。

右奥から遠藤さん、小川さん、桂さん、三浦さん、財満の順
このセッションで最初に話し合われたのは「アーバンスポーツのカルチャーと競技の2面性」について。
スケートボードに関してはこの問いについて、遠藤さんが「そもそもストリートカルチャーだったものがオリンピックでスポーツになりました。オリンピックの影響もあって最近始める子どもたちがスポーツとして認識し始めているので、どんどんカルチャーの要素は薄れていき20-30年後には完全にスポーツに変わるのではと思っています」とカルチャーの存続への不安を話した。
その話を補うように当メディアを運営する財満は「弊社のメディアで情報発信する上でスポーツの面とカルチャーの面の両方を重視してバランスよく発信するようにしています」と付け加えた。

また東京オリンピックでも話題になった選手同士が健闘を称え合いハグするシーンについてカルチャーとの関係を聞かれた際には、小川さんが「スケートボードはアートと一緒で自己表現の一つであり、他人との競争ではなく自分との競争なので相手が挑戦して成し遂げたことを称え合うカルチャーなんです」と語った。
一方で、よりスポーツ化していくことに関して遠藤さんは「もともとは遊びだったのがスポーツになったことは凄いと思う。経済的にはこうなることが結果的にプラスになるんだろうなと思います」と話した。
しかし、この話を聞いた桂さんは「実は3×3バスケットボールを主催しているのはFIBA(国際バスケットボール連盟)でガチガチの企業なんです。でもカルチャー、若者、街に視点を向けて活動しないとバスケの人気が増えていかないという判断から、オリンピックとして採用されてマーケットが大きくなる中で五人制とはまた違ったフットワークの軽さでストリートカルチャーにリスペクトを持った世界観を作るように動いているんです」と経済的な側面からもカルチャーが重視されていることを話した。

話した桂さんとその話を聞く三浦さん
次に話し合われたのは「ルールとマナー」について。財満が話した「スケートパークで親御さんが子どもを連れていく上でルールが分からず他のスケーターの迷惑になる事例が多くあり、スケーターからルールの文章化の話が上がっている」という切り口から話は展開。
桂さんはストリートバスケの話から「代々木公園のバスケコートもローカルルールがあり関わりにくい雰囲気があるものの、ストリートバスケはそのコートをかけて誰でもチャレンジできて勝った人がそこでプレーできるという誰も排除しないカルチャーがあります。最近では子どもたちもプレーできるみんなの公園にするためのコミュニティづくりが進められているんです」と話した。
また合わせて桂さんから「スケートボードがスポーツとして広まる中、街に出て滑ることについてどう思われますか?」という鋭い質問が小川さんに投げかけられ、小川さんは「連盟でも啓蒙しているのですが路上では法律を守るように伝えています。タバコのポイ捨てと一緒で喫煙者全員が悪いわけじゃなくて、マナーを守らない人が悪いようにスケーターも一緒なんです」と話した。

この現状を聞いた三浦さんは「マスメディアに悪いところばかりが切り取られがちなんですよね。でも新しいものが現れると必ずこういった衝突があるんです。そのため企業や行政と一緒にアーバンスポーツを啓蒙できる仕組みがあると良いなと思いますし、カルチャーとして浸透させて一般の方にも当たり前のこととして引き受けてもらえるようにしたいですね」と別の角度から思いを述べた。
そこで桂さんがマナーに関連して「ストリートバスケではマナーが悪い人たちに怒るのは現地のストリートボーラーたちなんです。自分たちのコートという愛着があるので大切に扱うようにするんですよ」と話し、加えて小川さんは「スケーターも滑る場所や時間帯を考えて近隣住民への配慮をしてスケートボードは悪くないというイメージを打ち出していく必要がある」と話した。今後のスタンダードとして認められるにはこういった活動が大事になるだろうとのことだ。

なってほしいと語った三浦さん
そして、最後に「街とアーバンスポーツが良い関係を築く為のヒント」というトピックにて渋谷アイデア会議にふさわしい独創性溢れる議論が展開された。テクノロジーを活用する話や、スポーツ外で街の住民の方とのコミュニケーションを通して認めてもらうことといった話の中で特に話題になったのは、
三浦さんから出た地方創生を絡めたこのアイデア「過疎化した限界集落にスケーターないし3×3バスケ選手が大勢で移住してマジョリティを取り、そのスポーツが自由にできる自治区かつパラダイスを生み出すこと」。
このアイデアを聞いた桂さんは「愛着が湧いてしまいみんな大好きな町になってしまいますね」と話し、ムラサキスポーツのショップを中心にした街づくりを提案された遠藤さんは「絶対おもしろいですよね。なかなか思いつかない発想ですができなさそうで実はできそう」と期待を寄せ、アーバンスポーツを通じて地方での教育事業も手がける当メディア運営会社の財満は「国内でも様々な地方がアーバンスポーツを用いて地域活性化に力を入れてそのスポーツを定着させようとする動きもあり、都市でも行政との関係構築を通して活動の場を広げているプレイヤーもいるので両方の側面でできると良いと思います」と話した。
新しいアイデアも飛び交い盛り上がったこのセッションは最終的に「まずは渋谷でみんなで一緒にできることを取り組んでいこう」という形で締められた。

ワクワクが隠しきれない様子だった。
各セッションの様子はオフィシャルYoutubeアカウントのアーカイブ配信で視聴可能なので是非視聴してみてもらえたら幸いだ。
第一部:ポストTOKYO2020
SPEAKER: 安田美希子、小川元、財満栄治、遠藤大輔
<日付>11.12(月)
<時間>13:00~14:30
<場所>渋谷キャスト
第二部:街とアーバンスポーツ
SPEAKER: 小川元、財満栄治、遠藤大輔、桂 葵、三浦伊知郎
<日付>11.12(月)
<時間>14:15~15:15
<場所>渋谷キャスト
登壇者プロフィール

安田美希子 / 株式会社SPORVE 代表取締役
大学卒業後、アプリケーションエンジニア・人材ソリューション営業を経て、スポーツビジネス界へ。アメリカ・ロサンゼルスのスポーツマネジメント会社にて、日本人メジャーリーガーのエージェント業務や米国スポーツ産業研修・事例研究プログラム企画・開発に携わる。
帰国後、スポーツマーケティング会社にて3人制バスケットボール事業の立ち上げやさまざまなスポーツイベント・コンテンツのスポンサーセールスや外部アライアンス締結を担当。
2018年より東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会にてオリンピック初種目となった3×3 バスケットボールの競技運営責任者として大会の企画運営を統括。2022年株式会社SPORVE設立。

小川元 / スケートボード チームジャパン ナショナルヘッドコーチ
1995年~2008年、バーチカル種目の13年連続日本チャンピオン。かつて世界に認められた日本人のバーチカル・スケートボーダー。2010年代半ばまで様々な海外コンテストやデモに出場(アメリカ、ヨーロッパ、オセアニア、アジア等の10カ国以上)、国際大会出場や海外視察を通し、日本人スケートボーダーが世界大会に出場できる最初のパイプを作ったパイオニアで、日本のスケーターから「世界の小川」と呼ばれている。
・東京オリンピック2020スケートボードテクニカルオペレーションマネージャー
・アジア競技大会ジャカルタ2018年、杭州2023年のテクニカルデリゲート
・スケートボード競技国際ジャッジ

財満栄治 / 株式会社ZETA 代表取締役CEO
大学卒業後、広告会社、ヤフー株式会社、株式会社デジタルガレージ、複数ベンチャー企業でコンテンツ・メディアプロデュース、スタートアップ支援などに従事。
2016年アクションスポーツ・ストリートカルチャーに特化した株式会社ZETA(ゼータ)を設立。他、「ローレウス・ワールド・スポーツ・アワード」のアクションスポーツ部門パネルメンバー、5万人を動員した横浜アーバンスポーツフェスティバル実行委員など兼任。

遠藤大輔 / 株式会社ムラサキスポーツ マーケティング部 セクションマネージャー・チームマネージャー
大学卒業後、神奈川県・藤沢市の店舗入社、その後マーケティング部へ異動。
2013年にアクションスポーツ総合イベントとして、MURASAKI SHONA OPENを企画。10年続くイベントへと成長。SURF・SNOW・SKATE・BMX・DANCEのアスリート担当としても世界へ活躍するライダー達を近くで見続けている。

桂 葵 / ZOOS合同会社 代表
小学校の3年間をドイツ・ハンブルクで過ごす。帰国後に始めたバスケットボールで、学生時代は5人制の年代別日本代表として活躍。アジア2位、世界7位等。
桜花学園高校卒業後、早稲田大学社会科学部へ進学。大学4年時にインカレ優勝・MVP獲得を最後に競技を引退。バスケット界を離れ、新卒で三菱商事株式会社へ入社。
その後、3年のブランクを経て3×3で競技復帰。商社マンとの二足の草鞋で活動しながら2021シーズンには3×3プレミアリーグ優勝、MVP等。2022年3x3W杯日本代表候補。
2022年2月、新卒時より約7年間勤めた三菱商事を退職し、同年4月に3×3クラブ「Düsseldorf ZOOS」を設立。女子3×3界初となる”選手兼オーナー”としてFIBA主催世界最高峰のプロサーキットへ参戦し、民間クラブ史上最高成績となる5位入賞を果たした。

三浦伊知郎 / KDDI株式会社 事業創造本部 革新担当部長
成蹊大学文学部卒。1996年よりNTT(日本電信電話株式会社)、Ogilvy and Mather、DIESEL JAPAN広報宣伝室マネージャーを経て、PRコンサルティング会社立ち上げ。その後2017年、KDDI株式会社にて新規事業の創出、プロモーション等領域の革新担当部長に就任し、2020年1月に渋谷区と共に『渋谷5Gエンターテイメントプロジェクト』を立ち上げ、ファウンダーとして渋谷発の5G、テック&エンタメビジネスの創出を主導。また、2020年に日本初の自治体公認「バーチャル渋谷」をローンチさせ「バーチャル渋谷 au 5Gハロウィーフェス」を企画実施。3年連続で大成功を収め約150万人の来場を成し遂げた。
SPECIAL EDITION

FINEPLAYはアクションスポーツ・ストリートカルチャーに特化した総合ニュースメディアです。2013年9月より運営を開始し、世界中のサーフィン、ダンス、ウェイクボード、スケートボード、スノーボード、クライミング、パルクール、フリースタイルなどストリート・アクションスポーツを中心としたアスリート・プロダクト・イベント・カルチャー情報を提供しています。
アクションスポーツ・ストリートカルチャーの映像コンテンツやニュースを通して、ストリート・アクションスポーツの魅力を沢山の人へ伝えていきます。
●今日 ○イベント開催日
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bmx今週末にBMXの聖地で開催される国際大会「マイナビ Japan Cup Yokosuka」の見どころ2023.06.02BMXフリースタイル種目の競技大会である「マイナビ Japan Cup Yokosuka」がうみかぜ公園 (神奈川県横須賀市)にて、今週末の2022年6月3日(土)~4日(日)の2日間に渡って開催される。 神奈川県横須賀市の全面バックアップの下で、 横須賀市では今回2度目の開催となるこの大会は今回より外国人選手も参加可能な「国際大会」にグレードアップされ、ワールドカップ出場に必要なワールドポイントを日本国内で取得できるようになることから、海外選手の参加も見込まれ去年より盛り上がることは間違いない。 そして今回の会場となる「うみかぜ公園」はダートジャンプコースやスケートパークが併設された公園であり、BMXカルチャーが根付く全国でも有数な聖地の一つだ。また大会レガシーとして前回使用されたセクションを中・上級者向けBMXパークとして常設したことから競技者からファンライドを楽しむ全てのBMXライダーにゆかりのある場所となっている。 本記事では、昨年よりも更に勢いを増した今大会を盛り上げる日本を代表するライダーたち4名をピックアップして紹介する。 BMXフリースタイル・パーク 中村 輪夢(所属:ウィングアーク1st) 中村輪夢のライディング「マイナビ Japan Cup」/ ©JFBF BMXフリースタイル・パーク種目ではもちろんのこと、日本のBMXシーンを牽引する今世界から最も注目されている選手の一人。昨年度には今まで日本人が成し得なかった世界チャンピオンとなり世界最高の称号を持つ彼が初めてこの横須賀大会に出場。UCIワールドカップを始め、X GamesやSimple SessionなどBMXの様々な世界大会で快挙を残してきた彼の走りを国内で見れる機会はそう多くないため今回是非この場に訪れて、世界も認める人間離れしたハイエアーとその中で繰り広げられる様々な回転技のコンビネーションを目の前で見て欲しい。 小澤 楓(所属:岐阜第一高等学校) 小澤のライディング「マイナビ Japan Cup」/ ©JFBF 前回の「マイナビ Japan Cup Yokosuka」ではエリートカテゴリー初優勝を果たした、弱冠15歳ながら世界レベルの実力を持つBMXライダー。2017年及び2019年には世界選手権で優勝しジュニア世界チャンピオンとなり、2021年には13歳~15歳の年齢別クラスでJFBFの年間シリーズチャンピオンの経験を持つ。昨年からJFBFのエリートクラスに昇格し最年少でありながら並いる強豪を突き放し優勝や準優勝を続けている彼。2022年のワールドカップシリーズFISEの最終戦では準決勝進出を果たすなど世界でも着々と結果を積み上げる彼の走りに今回も注目だ。 BMXフラットランド 片桐 悠 (所属:GLOW) 片桐悠のライディング「マイナビ Japan Cup」/ ©JFBF 今世界で一番強く、最先端のライディングをしていると言っても過言ではないほど、高難度で他の選手ができないトリックを多く持つ若手ライダー。師匠に世界大会11回優勝経験のある内野洋平を持つ彼は、内野同様に高難度かつ独創性の高いトリックを得意とする。その中で彼の代名詞は「フルバイクフリップ」という自分の身体のお腹側でバイクを横に一回転しキャッチする技。今までも世界大会でたくさんの好成績を残してきた彼だが、前回初めて出場した「マイナビJapan Cup」 第一戦で周りを大きく引き離し優勝。また先日開催された「X Games Chiba 2023」でも優勝した彼のライディングを横須賀で再び見ることができる。 荘司 ゆう 荘司ゆうのライディング「マイナビ Japan Cup」/ ©JFBF フロントトリックとリアトリックの両方を扱い高難度トリックを魅せる彼。そんな彼が一躍世界最高峰の選手として認識されるようになったのは、2020年にフランスで行われたワールドカップに初出場し、若さを生かしたパワフルなライディングで勝ち取った準優勝がきっかけ。同年は国内大会で表彰台に登り、ポイントランキングで年間3位になる。また先日行われたFISE Montpellierでは初優勝を飾るなど今乗りに乗っている彼が今大会に出場だ。 大会を更に盛り上げるサイドコンテンツ 「マイナビ Japan Cup」/ ©JFBF 今回は更にこの大会を色々なジャンルや年齢層の方に楽しんでもらうべく様々なサイドコンテンツが用意されている。競技観戦ももちろんだが、是非自身でもこのスポーツを体験するなど色々な楽しみ方で素敵な週末を横須賀で過ごしてほしい。 【アーバンスポーツ体験会】 BMX、スケートボードの体験会を開催。体験用具をたくさんご用意し、アーバンスポーツ初心者を広く歓迎します。 【のりものフェスタ連携スタンプラリー開催】 6/4(日)にヴェルニー公園で開催の「よこすかYYのりものフェスタ」とコラボしたスタンプラリーを開催。 スタンプラリー完走者にはBMXペリーのオリジナル缶バッジをBMX会場でプレゼント。 またヴェルニー公園とうみかぜ公園間で無料シャトルバスを運行します。 【BMXペリー限定Tシャツ販売】JFBFと横須賀市の連携協定のシンボルとして昨年発表し人気を集めた「BMX に乗るペリー」が進化し、オリジナルTシャツに!大会会場で限定販売します。 横須賀青年会議所による【ワンコイン地域活性プロジェクト】6/4(日)に市内で 500 円以上のお買い物をしてレシートを会場ブースに持参すると、横須賀市×BMX ステッカープレゼント。(無くなり次第終了) ※6/2(金)は終日雨天予報のため全てのプログラムがキャンセルとなります ※6/3(土)に予定していた体験会やブース営業等のイベントは全て中止となりました 大会概要 ⼤会名称 : 「マイナビ Japan Cup Yokosuka」開催期間 : 2023年6月3日(土)~4日(日)- 2日間 -※詳細は公式HPをご覧ください。大会会場::神奈川県横須賀市 うみかぜ公園(神奈川県横須賀市平成町3-23)主催: 一般社団法人 全日本フリースタイルBMX連盟(JFBF)共催:横須賀市後援:一般社団法人 日本アーバンスポーツ支援協議会特別協賛:株式会社 マイナビ協賛:鎌ケ谷巧業株式会社企業版ふるさと納税:信金中央金庫
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skate自身の冠大会というプレッシャーを跳ね除けた、王者堀米雄斗のラストラン「UPRISING TOKYO Supported by Rakuten」楽天グループ株式会社が主催するスケートボード・ストリート種目の国際大会「UPRISING TOKYO Supported by Rakuten」が2023年5月26日(金)から28日(日)の3日間にわたり、有明アリーナにて開催され、男子は堀米雄斗、女子は上村葵が優勝し記念すべき第1回大会の王者の座を獲得した。 「UPRISING TOKYO Supported by Rakuten」は日本を代表する大手企業の楽天グループと同じく世界を舞台に大活躍する日本人プロスケーター堀⽶雄⽃との戦略的パートナーシ ップのもと開催された。この大会は堀米の信念でもある「スケートボードカルチャーとスケートボードの楽しさを伝えていきたい」という思いを発信していくための活動の一環としても注目されていた。そんな信念を根底に設計されたパークは、ハリウッド・ハイを模した12段のステアや東京の街をモチーフにしたセクションなどストリート要素が色濃く表れたセクションも特徴的であった。 そんな今大会の決勝は世界中から名だたるトップスケーターが集まり初代王者の座が競われる中で数々のドラマが見られた。今回はその中でもそんなハイレベルな戦いを見事勝ち取った男女ストリート、ストリートベストトリックの優勝者である各4名が魅せたドラマを本記事では触れたいと思う。 予選での怪我を堪え、勝ち取った優勝 上村 葵 ©Rakuten Sports 世界大会で結果を残す選手から大型ルーキーまで日本の最高峰の選手だけで争われた女子決勝は予選で負傷した膝の痛みが多少残る中でランに挑んだ14歳の上村葵が優勝。技の多さはさることながらセクションの使い方という意味でも様々なバリエーションを兼ね備えている彼女は、緊張した面持ちで1本目に入る。終始安定したランを進めるも最後に侵入したビックハンドレールでの「バックサイド・ボードスライド」を失敗し転倒、やはり痛みが残るのかやや足を引きずるような仕草も見られた。スコアは51.29ptだった。 暫定7位で迎えた2本目は「フロントサイド・フィーブル」で始める。トリックのトランジション中は膝をかばいなからゆっくり移動するも着実にトリックを決めていき、最後はビックハンドレールでの「バックサイド・スミスグラインド」をメイク。自分の狙ったトリックのメイクに思わず笑顔が溢れガッズポーズを見せた。おそらく怪我をした足を使うライディングで不安な中決めきったことへの喜びと安心感だろう。周りからも歓声が湧き、コース横で見ている仲間たちとグータッチする様子も見られた。そしてスコアを84.19ptとし暫定1位へ浮上した。 最後の3本目のランでは最初のトリックで転倒。ヘルメットと下に被っていたキャップがズレてしまい被り直す時間もありなかなかランを再開できずにて時間だけが過ぎていく。その後も再開するもトリックをメイクできずに転倒。スコアを上げることが出来なかったため優勝できるかの命運は上村の後の最終滑走者である赤間の結果に託されたが、赤間もなかなかトリックが決めきれず転倒もよく見られた。上村は2本目のベストスコアを守り切り見事優勝。優勝が決まった瞬間に他の選手たちや仲間が駆け寄り彼女の優勝を称えていた。 また2位には神奈川出身の吉沢恋、3位には兵庫県出身の大西七海が入った。国内外で輝かしい実績を誇る西矢椛の大会欠場もあったが、決勝に進出した10名はすべて日本人選手であり、10代前半のスケーターたちの活躍が特に印象的であった。 ラストランで掴み取った逆転優勝 堀米 雄斗 ©Rakuten Sports 男子決勝には堀米雄斗をはじめ、池田大輝や白井空良、佐々木音憧など国内トップレベルの実績を持つ選手がラインナップ。海外からもシード選手として参戦しているカルロス・リベイロ(ブラジル)や準決勝を1位通過したトミー・フィン(オーストラリア)など豪華な顔触れとなった。 今大会開催のきっかけとなり優勝候補筆頭であった堀米雄斗は決勝で自身の思うようなライディングができず苦戦。1本目では終始安定したトリックでランを進めるが最後にトライした「ノーリー270・バックサイド・ボードスライド」で着地に失敗し80.81ptに。 暫定4位で迎えた2本目では天を見上げてひと呼吸置いてからランに入る。少しバランスを崩しかける様子もあったが全体的はミスのないランを展開するも、またもやラン終盤の同じセクションでトライした「ノーリー270・バックサイド・ボードスライド」で着地に失敗。失敗した後には自分に苛立ちボードを投げる様子も見え、スコアを75.48ptとし、4位のまま最終ランを迎えた。 最後は暫定5位で3本目のランを迎えるが、ランに入る前の表情はどこか心を決めたような様子。ランの最初はハリウッドハイセクションでの「ノーリー・バックサイド180・スイッチフロントサイド50-50」をメイク。その後も「ノーリー270・バックサイド・ボードスライド」をメイクしていく。そしてランの最後はハリウッドハイセクションで1・2本目とは違う「スイッチ180・クルックドグラインド」をチョイスし見事フルメイクを決め87.94ptをマークした。会場からは大きな歓声が沸き、見事「UPRISING TOKYO Supported by Rakuten」の初代王者に輝いた。 ランの前に見せた表情はきっと気持ちを切り替えて、勝ちに行くトリック選びをした決意の表れだろう。実際優勝後のインタビューでは「1、2本目のランは最後のトリックが上手くいっていなかったので自分の中で調整して3本目は乗り切れた」と話していた。いろんなプレッシャーがある中ラストランで決め切る姿は、東京オリンピックでの決勝を彷彿とさせる世界一になった選手の強さだと改めて感じさせた。 前田 日菜 ©Rakuten Sports 濱村 大征 ©Rakuten Sports また男女の決勝後にはジャムセッション形式で男女の「ベストトリック」がハリウッド・ハイのハンドリールとダウンレッジで開催された。様々な選手が自分たちのベストを披露する中で、一際歓声も多かったのが女子は前田日菜の「キックフリップ」をエアキャッチでパーフェクトメイク、男子は濱村大征のメイクした「バックサイドKグラインドノーリーフリップアウト」。この2人が優勝を勝ち取り、今大会の全てのコンテンツを締めくくった。特にベストトリックは今大会のミッションである「国内外のスケートボードとそのカルチャーの発展」に沿った、国内のこれから世界で輝く才能が世界中に発信される瞬間を目の当たりにした。 各部門 優勝者コメント ©Rakuten Sports 男子優勝 堀米 雄斗 「優勝できてすごくホッとした気持ちです。1、2本目のランでもう少し決め切れていれば違うトリックのチョイスもできたんですが最後のトリックが上手くいっていなかったので、自分の中で調整して3本目に乗り切れたので良かったです。今シーズンの出だしはあまり良くないので、ここから切り替えて6月のローマで行われるオリンピック予選もクリアしていきたいです。」 女子優勝 上村 葵 私はバックサイドスミスが一番得意で、そのトリックで乗って優勝できたので良かったです。今大会は街中の手すりと同じような大きさのセクションが置かれていらので、そこが大会として印象的でした。今の私の日本のランクが6位ぐらいなので、今後は3位以内に入って必ずオリンピック代表になりたいです。 女子ベストトリック優勝 前田日菜 「自分の好きな技でベストトリックをとれたので良かったです。私の得意なキックフリップは人それぞれで見え方が違って、自分らしいキックフリップで乗れたので嬉しいです。この大会が終わったらアメリカに行くので、頂いた賞金はその費用にしたいです!」 男子ベストトリック優勝 濱村 大征 「自分のベストな技で挑戦した結果、このような結果を頂けたので良かったです。日本で海外の人と滑ることができたし、今後もスケートボードを広めていくために活動していきたいです。」 大会概要 イベント正式名称: 「UPRISING TOKYO Supported by Rakuten」 日程: 2023 年 5 月 26 日(金)〜28 日(日)会場: 有明アリーナ(東京都江東区有明 1 丁目 11-1)主催: 楽天グループ株式会社後援: 東京都、江東区大会カテゴリー: 男子部門、女子部門、ジュニア部門 その他イベント: エンターテインメント、音楽、ファッション、スケートボードカルチャー関連の催し大会ビジョン: 「すべての人にスケートボードの魅力を届け、価値を創造する存在となる」
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climbボルダーW杯前半戦が終了!気になる日本人選手の活躍は?2023.06.012023年5月21日(現地時間)アメリカ・ソルトレイクシティにて、ボルダーW杯第3戦となる「IFSC ボルダーワールドカップ ソルトレイクシティ」が開催され、合計6戦が組まれている今シーズンのボルダーW杯は折り返しを迎えた。 ここで日本人選手の現時点でのW杯年間ランキングも踏まえて前半戦を振り返り、6月2日(現地時間)からチェコにて行われるボルダーW杯第4戦にも注目していきたい。 男子・楢崎智亜が年間ランキング1位に浮上 楢崎 智亜 / ©Slobodan Miskovic/IFSC. 現在、男子のボルダーW杯年間ランキング(2023年5月22日時点)1位は楢崎智亜だ。W杯開幕戦の八王子大会では準決勝敗退と振るわなかったが、2戦目のソウル大会では調子を上げて準優勝で銀メダルを獲得。降雨により決勝戦は行われず準決勝の結果が最終成績となったが、持ち前の実力を発揮して表彰台に食い込んだ。 そして迎えた第3戦のソルトレイクシティ大会では、決勝の舞台で全課題を完登する大活躍。堂々のパフォーマンスで優勝を手にし、ボルダーW杯前半戦を終えた。 現在楢崎の年間ランキングは1位だが、2位には僅差でフランスの18歳 メジディ・シャールックがつけている。彼はW杯初戦の八王子大会、2戦目のソウル大会を2大会連続優勝している若手選手だ。第3戦のソルトレイクシティ大会は「残りのシーズンに集中するため」として大会出場はなかったが、今後もトップ争いに絡んでくるであろう選手だ。 この投稿をInstagramで見る Mejdi Schalck(@mejdi_schalck)がシェアした投稿 さらにソルトレイクシティ大会では16歳の安楽宙斗が2位となり、自身初の表彰台に上がっている。安楽の年間ランキングは5位と上位につけており、日本人では楢崎に次いで高い順位となる。ほかにも日本人選手では一昨年、昨年と2年連続で年間ランキング1位に輝いている緒方良行など実績を兼ね備えた選手がまだまだ控えている。 ボルダーW杯は6月14日から~16日にオーストリアで行われる第6戦が最終戦となり、その後はリードW杯へと続く。そして今年の8月にはパリ五輪の出場権がかかるクライミング世界選手権(ボルダー&リード)もスイスで開催されるため、より熾烈な争いがこの先にも待っているだろう。 日本の選手たちがオリンピック出場へとつながる世界選手権に出場するためには、W杯で結果を出して日本代表選手に選ばれることが必要となってくる。まずはボルダーW杯 第4戦以降の日本人選手たちの活躍に引き続き期待したい。※世界選手権の日本代表枠 5 つのうち安楽宙斗 、楢崎明智、百合草碧皇の3名がすでに決定しており、残り2枠が争われる 安楽 宙斗 / ©Slobodan Miskovic/IFSC. 野中生萌は年間ランキング3位をキープ 野中生萌 / ©Dimitris Tosidis/IFSC. 野中生萌は現在のW杯年間ランキング(2023年5月22日時点)3位につけており、八王子大会で準決勝敗退、続く第2戦のソウル大会では優勝、ソルトレイクシティ大会では準決勝敗退の結果となっている。 現在の女子年間ランキング1位はアメリカのブルック・ラバトゥだ。八王子大会で優勝、ソウル大会は3位、ソルトレイクシティ大会では3位、と安定した成績で常に表彰台に上がっている。続くランキング2位のナタリア・グロスマン(アメリカ)もソルトレイクシティ大会で今シーズン初優勝を飾り、調子を上げてきたように見える。ランキング上位を占める海外勢に対して松藤藍夢や伊藤ふたばなどの日本勢が割り込んでいけるのか、期待しながらボルダーW杯後半戦も見ていきたい。 そして女子も同様、8月には世界選手権を控えており日本代表の枠は森秋彩と松藤藍夢が決定している。残り3つの代表枠には誰が絡んでくるのか、こちらも引き続き注目していきたい。
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dance「ROB JAM 2023」が開催。静岡ローカルからHIPHOPで全国を巻き込む!2023.05.29去る2023年5月6日(土)静岡県静岡市にて、BBOY / BGIRL 3on3 BREAKING BATTLE『ROB JAM 2023』が開催された。「ROB JAM」は昨年も静岡にて開催されたBREAKINGのバトルイベントであり、国内のBREAKING 3on3バトルの中でも有数の盛り上がりを見せている。 本イベントはゴールデンウィーク期間ということもあり、北は北海道、南は九州まで全国各地から多くのBBOY / BGIRLが集結した。そんな静岡が熱く燃えた本イベントのリポート記事を、FINEPLAYからお届けする。 FINAL:NAIL ALE vs WASEDA NINE WASEDA NINE vs NAIL ALE 予選からトーナメントを勝ち上がり「ROB JAM 2023」の決勝に駒を進めたのは、準決勝にてFlip side BRANDSを破ったWASEDA NINE。そして同じく準決勝でstrangersに勝利したNAIL ALEの組み合わせとなった。 WASEDA NINEは九州を中心に活動するNINE STATES B-BOYZのFUMA・RYUTA、そして東京のBOBCHANCHYN(WASEDABREAKERS)の3名。ハイレベルなスキルを持ちながらも、勢いとストリートを感じさせるフレーバーで決勝まで勝ち上がった。対するNAIL ALEもGOOD FOOTのJUN・Reny renに、HEROESのKENTを加えた3名。NAIL ALEは落ち着いたバトル運びの中で、ムーブの決定力や爆発力も見せるオールラウンドなチームだ。 8分間の時間制限で決勝戦がスタートすると、WASEDA NINEのRYUTAが先行でゆっくりと登場する。そこからキレのあるトップロック・フットワークでギアを上げていき、一瞬で決勝戦の熱い雰囲気を作り上げた。 既に予選から多くのムーブ数をこなしている両チームだが、全く疲れを感じさせないムーブのクオリティで、濃密な8分間の攻防が続いていく。 KENT(NAIL ALE) バトル終盤にはJUN(NAIL ALE)のチェアーグライドで大きな歓声が沸くと、すかさず相手のFUMA(WASEDA NINE)も完成度の高いムーブを返していく。一進一退の攻防が続いたが最後はKENT(NAIL ALE)がDJのスクラッチに合わせてフリーズを決め、バトルを締めくくった。 甲乙つけがたいバトル展開となったが、見事勝利を手にしたのはNIAL ALE。高い完成度のムーブと、冷静さの中に感じる熱いパッションで、「ROB JAM 2023」チャンピオンの称号を手にした。 https://youtu.be/HuVGNLOZixg 昨年に続いて2回目の開催となったROB JAM 2023。静岡の地で全国からBBOY / BGIRLが集い、熱い盛り上がりを見せた。オーガナイズの「静岡のHIPHOPシーンに還元したい」という想いが形となり、今年も多くの名場面が生まれたイベントとなった。 カルチャー要素が詰まったコンテンツも https://youtu.be/zDiwudcKkCw 「ROB JAM 2023」ではバトル後に会場を移し、AFTER PARTYも実施された。地元静岡県出身のラッパーによるLIVEやビートメイカーによるBEAT LIVE、そしてRIORA (EDGWCYPHER/FULLOUT) vs T-DAWGS (STONE BRIDGE/FULLOUT) によるExhivition Battleも行われ、静岡のHIPHOPカルチャーがふんだんに詰まったイベント内容となっていた。 Exhivition Battleはヒートアップを極め激しいバトル展開となったが、多くの歓声により最高潮の盛り上がりを見せていた。 FEworksのYouTubeチャンネルから「ROB JAM 2023」の映像がアップされているので、ぜひ一度ご覧になっていただきたい。 「NAIL ALE」優勝コメント 左:Reny ren 中央:KENT 右:JUN JUN久々の優勝だったのでとにかく嬉しいです!メンバーの2人も小さいころから一緒にやっているので優勝できて良かったです。今回は3on3 バトルでしたが、僕個人としては今ソロバトルでなかなか成績を残せていないので、またここからギアを上げて、ソロでも結果を残せたらいいなと思います! Reny ren僕は静岡県自体バトルで初めて来て、正直東京で活動していてあまり静岡のシーンのことも知りませんでした。でも実際に来て、知らないBBOYでもめちゃくちゃ上手い静岡のBBOYもいたので、地元を大事にしているBBOYたちと戦って優勝を勝ち取れたことが何より嬉しかったです。 KENT僕は岐阜県に住んでいて、ちょっと遠いんですけどこのROB JAMが開催されるってことでめちゃくちゃ面白そうだったので参加させてもらいました。観客の反応もすごく良かったし、レベルも高くて、そんな素敵なイベントで優勝できたことが何より嬉しいです! オーガナイザー HIROTO コメント オーガナイザー HIROTO 今年も全国からBBOY / BGIRLが来てくれて本当にありがとうございました。皆さんのおかげで良いジャムができています。静岡の先輩、後輩たちからも『いつも画面で見てる人たちを生で見れて嬉しい!』『刺激になる』といった声をたくさん聞けて、イベントをやってよかったなと思います。今年から会場やシステムの変更、アフターパーティーの追加、僕自身がMCを務めるなど、かなり攻めすぎてしまいましたが家族や仲間たちの愛、多くの企業様サポートのおかげで良い形でイベントが終われたと思っています。個人的にはとにかくアフパが最高でした(笑)これから先も本気で続けていくので、来年も楽しみにして頂ければと思います。 そしてこれは静岡の方へ。いま僕は先輩たちと静岡全体をもっと盛り上げようと、ROB JAMとはまた違ったイベントのを計画しているので、そちらも楽しみにしていて欲しいです!今年も皆様ありがとうございました。また来年も静岡で!愛です。
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dance高校1年生 “龍”が最年少で東京予選を制覇!『Red Bull Dance Your Style Japan EAST Side』2023.05.282023年5月27日(土) Hareza池袋 中池袋公園にて『Red Bull Dance Your Style Japan EAST Side』が行われた。Red Bull Dance Your Styleとは「真の世界一」を決めるグローバルダンスイベント。日本を含め計20カ国以上で国内予選が行われ、勝者は2023年11月4日にドイツ・フランクフルトにて行われる『Red Bull Dance Your Style World Final』への出場権を獲得する。様々なジャンルのダンサーが招待され、バトルで流れる音楽は誰もが一度は聞いたことのある歴代のヒットソング、そして勝敗を決めるジャッジは観客、といったエンターテイメント性のある内容となっている。 東京と名古屋(5月13日に予選を実施)で予選が行われ、各予選には16名の招待ダンサーが出場。上位4名(計8名) が大阪で行われる国内大会の決勝戦『Japan Final』への出場権を獲得し、日本の最高峰が集う舞台へと駒を進める。 今回もYOASOBIやSEKAI NO OWARI、米津玄師など流行の音楽が流れ、16名のダンサーがそれぞれの個性とスキルを武器にハイレベルなバトルを展開した。 トリッキングの動きをベースに独特な世界観を表現するRikubouzや、高いスキルに加えて幅広い表現力を持つRuna Miura、Waackシーンに留まらずダンスシーンから高い評価を受けるMIKUMIKUなど、知名度・実績ともにトップレベルのダンサーたちがクレジットし、東京予選を盛り上げた。 FINAL:龍 vs 優弥 左:優弥 右:龍 東京予選の決勝に進んだのは、TOP16から自らのスタイルでオーディエンスを湧かせていた優弥(SEPTENI RAPTURES/FORCE ELEMENTS / 心優弥)と龍(REAL AKIBA BOYZ / DESCARADOS / サンセットレーベンズ)の組み合わせ。 優弥はD.LeagueのSEPTENI RAPTURESとして活動し、POPのスタイルをベースにLOCK / HOUSEを組み合わせた表現を武器とする。KIDS時代から国内外のバトルで数々の実績を残している。対する高校1年生の龍は、HIPHOPのスタイルを軸とし、アニソン・ボカロなど様々な音楽を楽しみ枠にとらわれないオリジナリティあふれるスタイルを貫くダンサーだ。 優弥は高いミュージカリティとボディコントロールの能力が光ったが、龍は流れる音楽の歌詞の意味をダンスで表現するなど自身のスタイルを前面に押し出す。多くの歓声が飛び交った決勝戦は龍に軍配が上がり見事優勝。チャンピオンとして、Japan Finalへの出場権を手にした。 またTOP4に残った、優弥、Runa Miura、Aoiの3名もJapan Finalへの出場権を獲得した。昨年のRed Bull Dance Your Style World Finalでは THE D SoraKiが優勝して世界一を獲得している。彼に続く新たなスターがこの大会で新たに生まれることに期待しながら、7月に行われるJapan Finalにも引き続き注目していきたい。 龍 優勝コメント 龍 本日優勝した感想を教えてください! この大会に向けて周りの人たちが応援してくれて、僕だけじゃなく色んな人を巻き込んで掛けてきた想いがあったので、優勝できて良かったです! HIPHOPバトルやALLSTYLEバトル、APOP(アニソンのバトル)など多くのバトルに出ている龍さんにとって「Red Bull Dance Your Style」はどういった印象のバトルでしたか やっぱりダンスって音楽に関係なく、踊っていて嬉しいとか楽しいとか笑えるとか、そういった感情が出てくるのがダンスだと思っています。Red Bull Dance Your Styleは洋楽もアニソンも邦楽も流れるし、そういった意味で「ダンス」の大会の中で一番大きい大会だと僕は思っています! 7月に行われるJapan Finalに向けての意気込みを教えてください! 優勝して世界まで行きます!