ShigekixとAYUMIが優勝し連覇を達成「第4回 全日本ブレイキン選手権」

2023.02.19
text by Shin Akiyama / Ⓒ公益社団法⼈⽇本ダンススポーツ連盟

パリ五輪前年の日本一決定戦に、多くの観衆が注目

2月18日(土)・19日(日)の2日間、日本のストリートダンス発祥の地と言われる、代々木公園内の「国立代々木競技場 第2体育館」にて「第4回全日本ブレイキン選手権 (主催:公益社団法人日本ダンススポーツ連盟)」が開催された。本⼤会は、前年度の全⽇本ブレイキン選⼿権の優勝・準優勝選⼿や、各地で行われる予選となるJDSF BREAKING ブロック選⼿権、マイナビ JDSF ブレイキン ジャパンオープン 2022 などの⼤会を対象とした、「第4回全⽇本ブレイキン選⼿権 出場ポイントランキング」の上位選⼿のみが出場出来る。今回の全日本選手権を勝ち上がり、優秀な成績を残した選手は次年度の「強化選手」に指定され、ダンススポーツ ブレイキンの国際大会へ、日本代表・強化選手として海外で戦う事や、ダンス競技力向上のプログラムに参加することが出来るため、パリ五輪出場に向けての大事な一歩となる。五輪の前年ということもあり、昨年までの大会で活躍した選手はもちろん、NORISteezyskee(どちらもBBOY部門)など、昨年までは出場していなかったが世界大会でも実績を持つBBOY・BGIRLが参加し、さらにレベルの高い大会となった。

Ⓒ公益社団法⼈⽇本ダンススポーツ連盟
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Shigekixが3連覇!「自分自身また強くなったなと感じました」と優勝コメント – オープン部門男子

BBOY部門では、ちょうど3ヶ月前に行われたジャパンオープンの決勝カードであったNORIShigekixが準決勝で対決。ハイクオリティ、かつ細かい音にも動きを合わせる両者は、フリーズまでの一連のムーブを完璧に披露した。結果2-0でShigekixが勝利するが、内容としては僅差のバトルに、会場も大いに沸いていた。決勝はそのバトルを勝ち上がったShigekixと、昨年の全日本選手権3位のSHADEが対戦。SHADEは、クラシックバレエで培った柔軟性を活かし、オリジナリティあふれる動きをムーブに入れるのが得意なBBOY。15年以上のブレイキンキャリアがあり、30代の今もシーンのトップランカーである。しかし、対するShigekixは、3ムーブ制となった決勝戦でも体力は衰えず、最後まで難易度の高い技を連発、結果3-0で勝利した。

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世界大会の決勝カードが日本一決定戦で実現、AYUMIが勝利し大会連覇 – オープン部門女子

準決勝に残ったBGIRLは、昨年と同様のメンバーAYUMIAMIAYANEAYUの4名。決勝にはAYUMIとAMIが進出した。昨年の日本選手権の女子決勝も同じカードであり、この2名は過去に世界一をかけて対戦したこともある。まさに、現在の日本BGIRLシーンを象徴する2名だ。決勝戦では、両者の得意とするフットワークを中心に、スピーディーなバトル運びをしながらも、細かいテクニックや独自の動きを取り入れていく。女子は男子に比べてスコアも接戦となった決勝戦。終わった後のインタビューで「とにかく出し切った!」と、話していたAYUMIが僅差のバトルを勝利し、連覇を達成。優勝直後は涙を堪えるシーンもあった。

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次世代BBOYとBGIRLが活躍したジュニア部門、WATOが2連覇

BBOYの決勝は、関東の次世代BBOY代表格である前回王者のWato vs 初めて全日本の決勝戦に駒を進めたGINが対決。Watoは得意のパワームーブで、ミスのない安定したバトル運びを行い、見事2連覇を達成した。BBOY部門でTOP3に入った3名は、世界大会3連覇の偉業を持つ日本屈指のチームであるTHE FLOORRIORZのアカデミー出身者であり、日本ブレイキンシーントップのDNAが、次世代のBBOYにも受け継がれていることを証明した。BGIRLはHaruEmieKatを下し、ジュニア世代のナンバーワンBGIRLに輝いた。今年のオープン部門で全日本選手権に出場している、TsukkiRA1ONも過去のジュニア部門のチャンピオン。今大会で活躍した次世代BBOYとBGIRLの今後にも注目である。

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オープン女子 優勝 AYUMI コメント

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― 大会を終えた率直な感想を教えてください

AYUMI:踊り切れたことが、とにかく嬉しかったです。最後まで自分のムーブを出し切れました。

― 今日のムーブを通じて、観ていた人たちに何が伝わったと思いますか?

AYUMI:少しでも楽しそうだな!とか、元気を貰ったと思っていただけたら嬉しいです。今日はこんなにすごい舞台に立たせてもらっていますが、いつもは地道に一歩一歩という感じで練習を積み重ねているし、もちろんいい時もあれば、悪い時もあります。明日からまた、次に向けて努力していこうと思います。

― 大会前から多くの注目が集まっていましたね

AYUMI:一昨日、東京入りしてから、テレビでブレイキンの特集をやっていたり、駅や電車の中で露出していたりしたので、びっくりしました。とてもありがたいことだと思います。

― 何度も対戦経験のあるAMIとのバトル、決勝戦を振り返ってみてどうでしたか?

AYUMI:毎回そうなんですが、お互い少し離れたところで準備をしていて、バトル前は意識をしないようにしています。というよりも、自分との勝負!という気持ちの方が強くて、バトルなので相手も大事だけど、自分がしっかり出し切れるための準備をしていました。今日は自分の踊りを自分自身でほめたいと思いますけど、明日からはまた次に向けて一歩一歩練習していきたいと思います。

― 来週の世界大会(WDSF Breaking for Gold World Series in 北九州)に向けて

今日の日本選手権で得た気づきを活かして、自分のスタイルで頑張っていこうと思います。

オープン男子 優勝 Shigekix コメント

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― 大会を終えた率直な感想を教えてください

Shigekix:これで全日本に出場するのは3回目で、毎回優勝させてもらっていても、次は2連覇を狙うとか、3連覇を狙うとか、そういう感覚よりかは、「今回の全日本を優勝する」っていう感じで割り切って、新たなテーマを持って挑んでいます。毎回出場するBBOYが違うし、前回と比べて全体のレベルも上がっていたので、今回は新たなスタートみたいな感じで挑みました。自分の踊りで良い部分も課題も見つけられて、最後は良い結果を残せたので凄く嬉しい気持ちです。

― 今大会の位置づけは自身の中でどのようなものでしたか?

Shigekix:僕はこの全日本に特別な想いがたくさんあるんですけど、毎度自分が参加するバトルは、全力で優勝を狙いに行くという気持ちは変わらないので、一方でそのうちの一つという気持ちもありました。あとは自分の中で連覇がかかっていたり、今後自分が目指しているステージに進むためには、日本一になるために勝つしかないという位置づけをしていました。

― 今日のダンスを通して、見ている人にどういったものが伝わったらいいなと思いますか?

Shigekix:僕は、心の底から楽しく踊れている瞬間が、身も心もいい状態になって一番いい踊りが出来ます。まず自分が良い踊りをするために頑張るというのが一番ですが、結果的にそれが皆さんに伝わっていたら嬉しいなとも思っています。また、出場しているBBOYはみんな、良さも個性も全く違う中で、その個性豊かで、自由度が高いところに魅力を感じてもらえたら、今日僕たちが見せたものに価値があるかなって思います。

― 大会前から個人にもかなり注目が集まっていましたが、どうでしたか?

Shigekix:大会に規模の大小があり、大きい大会ほど注目されるので、プレッシャーも感じますし、そういう気持ちになって、自分も人間だなと改めて感じました。事前にテレビでドキュメンタリーが放送されたり、テレビの中継があったりして、正直、今日はすごいプレッシャーがあったんですけど、オリンピックの金メダルを目指しているので、これくらいのプレッシャーを感じておかないとなって思いましたし、それをエネルギーに変えて1日を過ごすことが出来ました。

― 来週の世界大会(WDSF Breaking for Gold World Series in 北九州)に向けて

23日には北九州に移動しなくてはいけないので、残り3日しかないんですけど、全日本の経験を活かすために、身体で感じた部分と、映像でも改善点を見ながら振り返っていきたいと思います。このまま集中を切らさずに、身体も休めながら準備していきたいです。

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大会結果

オープンBBOY

優勝:Shigekix
2位:SHADE
3位:NORI
4位:ISSIN

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オープンBGIRL

優勝:AYUMI
2位:AMI
3位:AYANE
4位:AYU

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ジュニアBBOY

優勝:WATO
2位:GIN
3位:Lil kong
4位:yu_shin

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ジュニアBGIRL

優勝:Haru
2位:EmieKat
3位:7G
4位:Noa

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大会概要

大会名:第4回全日本ブレイキン選手権(ジェイディエスエフ ダイヨンカイ ゼンニホンブレイキンセンシュケン)
主催:公益社団法人日本ダンススポーツ連盟(JDSF)
共催:NHK
オフィシャルパートナー:株式会社ベイエフエム / 株式会社コーセー/東急不動産ホールディングス株式会社/カシオ計算機株式会社
オフィシャルウェアパートナー:NIKE
パートナー:味の素株式会社 / ⻄川株式会社
オフィシャルサプライヤー:株式会社ファクトリージャパングループ / RIMOWA
オフィシャルメディアパートナー:PR TIMES / FINEPLAY
会場:国立代々木競技場 第二体育館

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