静岡最大級のブレイキンバトル『ROB JAM 2023』オーガナイザーに大会直前インタビュー。ローカルからカルチャーを発信する意味とは

2023.04.29
text by 橋田 樹台

今年のゴールデンウィーク後半、5月6日(土)に静岡の地で BBOY / BGIRL 3on3 BREAKING BATTLE『ROB JAM 2023』が開催される。「ROB JAM」は昨年も静岡にて開催されたBREAKINGのバトルイベントであり、国内のBREAKING 3on3バトルでも有数の盛り上がりを見せている。

今回はROB JAMのオーガナイザーである、BBOY HIROTO(OWLZ)と、前回のJUDGEであり、静岡県ダンススポーツ連盟 ブレイキン部長を務めるBBOY Tsuyoshi(SPARTANIC ROCKERS / 神風 / 舞志道 )の2人にインタビューを敢行。2人は師弟関係でもあり、ともに静岡のダンスシーンを作り上げている存在として静岡のダンスシーンや『ROB JAM』に対する想いを聞いた。

HIROTO:以下 H
Tsuyoshi:以下 T

「静岡にも挑戦できる場所を作りたかった」

左:BBOY Tsuyoshi 右:BBOY HIROTO

まずは簡単にお二人の自己紹介をお願い致します。

H:BBOY HIROTOです。静岡県出身で今は東京に上京して活動しています。昨年から「ROB JAM」のオーガナイズも行っています。

T:BBOY Tsuyoshiです。出身は八王子で、そこから20年くらい前に静岡の地に来てブレイキンの活動と普及をしています。その中で教え子でもあるHIROTOと出会いました。

昨年のROB JAMが第1回として開催されましたが、このイベントを開催しようと思ったきっかけを教えて下さい

H:自分は20歳になるまでに目標があったんです。イベントを開催するっていうのと、海外に行くっていうのがあって。でもコロナがあって何も進まなかった時期があったんですけど、唯一達成できそうだったのがイベント開催でした。
7~8年前の静岡には「GOTEMBA STREET」とか、浜松の「ザザ前ブレイキン」とか大きいバトルがあったんですけど、もうここ最近は静岡にバトルが無いっていう状況だったんです。そこで「静岡でみんなが目標にする舞台ってないな」と思ったのがきっかけでしたね。

東京だったら、色んな気持ちや想いをダンスで消化する場所がどこかに行けばあるんですけど、それが静岡にはないと思ったのでROB JAMを開催したっていうのもありますね。

BBOY Tsuyoshi

お二人の視点から見て、静岡のシーンに対しての想いがあれば教えて頂きたいです

T:俺が当時静岡に来たときには「舞志道」っていう15人くらいのCREWが1つしかなくて。その中でも2人くらいが外に目を向けて県外に出ていったりしていましたね。静岡では「外に出て勝負しよう」っていうのと、「県内で楽しくやろう」っていう2つの部分がありましたね。それからまた「REAL CRIME」っていう外に出て挑戦しているCREWがいるシーンがあって。
今はその3代目くらいの世代で、浜松だったり藤枝の若い世代が頑張っていますね。一握りの人間が外に出て挑戦するという歴史は繰り返しているような感覚はあります。

静岡全体で言うと、ダンス人口はとても多いのでフリースタイルバトルのイベントはめちゃくちゃ多いんです。今のD.Leagueで活躍してる子もたくさんいるし、特に浜松のフリースタイルのレベルは日本全国で見てもかなり高いです。でもフリースタイルバトルだけだと、どうしてもBBOYらしい戦い方が出来なかったりする時もあるので、ROB JAMが静岡にあることはありがたいですね。

H:先程も少し言いましたが、静岡にBBOYが勝負できる場所は少なかった気がしますね。でも静岡にも絶対東京でも勝負できるレベルの人はいると思ったし、静岡でそれを開催すればみんなも集まると思っていました。もともと「ザザ前ブレイキン」とか「GOTEMBA STREET」に全国からBBOY / BGIRLが来ていたので、それを知っている世代の人たちも「また静岡で大きなバトルがあるんだ」っていう感じで遊びに来て欲しいですね。

昨年のROB JAMのようす

実際に去年にROB JAMを開催してみての感想を教えてください

H:まず自分が思ってた以上に全国から人が来てくれたんです。一番遠くて九州から来てくれた人もいてビックリしました。でもコンセプト的に前回は、僕がお世話になった人達を大集合させたんです。例えば僕の師匠であるTsuyoshiさんもそうですし、東京でレッスンや生活面でお世話になったSEIJU(DROPZ)さんやNORI(TAKE NOTICE)さん、お隣の名古屋でかっこいいなと思っていたBAL.(NAKED GUNZ)さんもJUDGEとしてお声がけさせて頂きました。俺が上京していろんなものを見て、色んなコミュニティが出来て、それをお世話になった人達に見せられたのは良かったなと思っています。

実際にJUDGEとしてイベントを見られての感想はいかがでしたか?

T:多分 HIROTOは、自分が育った「街」と「ダンス」に恩返ししたいという想いと、これからの自分が進んでいく想いがミックスしたんじゃないかなと思います。そこで彼の気持ちに共感してくれた人たちがたくさん来てくれたんだと思っています。

イベントに関してはカルチャー面を大事にしていて、誰でも参加しやすいイベントだったと思います。会場がクラブで、スケートのランプもあったりして。俺とかはカルチャーでしか育っていない世代だし、ジャッジしているときも居心地が良かったですね。あのイベントにHIP HOPの大事な要素はいっぱい詰まっていたと思います。

「自分が育った街やシーンに還元したい」

BBOY HIROTO

今回のイベントで特にこだわっている点や、注目して欲しいポイントがあれば教えてください。

H:去年と会場が変わって広い会場に変更になっています!あとはゲストバトラーも前回優勝者のEDGW CYPHERと九州からcoffee shop squadが来ます。特に関東の人達は coffee shop squad とバトルできるのは結構レアだと思います。それに静岡は東京・名古屋・大阪からもアクセスがいいし、会場も駅から近いので不便はないと思うんです。イベントで言うと前回より間違いなく満足度は高いと思います。

あとトーナメント後のコンテンツとして、アフターパーティも開催します。コンテンツもしっかり組んでいるので見ていても絶対面白いと思います。エキシビジョンバトルもあるし、DJも間違いないです。自分がやりたいことだったり、リスペクトがある人たちをキャスティングしているので、身内も初めて来た人も「ROB JAM」を含めた静岡の街全体を楽しんでいって欲しいと思っています。

T:もちろんトーナメントの勝ち負けも大切ですが、その後に仲間と交わすコミュニケーションだったり、パーティをして遊ぶっていうのもカルチャーの中の一つだと僕は思っています。今の若い人たちからしたら、カルチャ―も学べる良い場所だと思うし、今回のROB JAMも注目したいですね。

最後に伝えたいことがあればお願いします!

H:このROB JAMは、僕が好きなものだったり、カッコいいなって思ったもの、自分が得たものを還元できる場所にしたいです。そして今の静岡には僕たちより若い世代が増えているので、目標になる舞台を作り上げられたらいいなと思っています!

開催概要

ROBJAM 2023
3ON3 BREAKIN BATTLE

Date
2023/5/6 (sat)
OPEN 11:00
CLOSE 19:30

Venue
LIVE ROXY SHIZUOKA
静岡県静岡市葵区黒金町28-1-2

Fee
ENTRY:3000+1D
ENTRANCE:2000+1D

JUDGES
GANDHI (OUT OF MIND/HANDZ)
SHINICHIRO (REVOLVER JUNKIES)
YASMIN (K.A.K.B.)
STEEZ(THE FLOORRIORZ/TAKE NOTICE)

MC’s
HIROTO / 2NEKI

DJ’s
D-1
LARGE RICE(絶頂/RUMBLE KINGS)

GUEST BATTLER
EDGW CYPHER (ROBJAM 2022 CHAMPION)
・KEYEACH
・KODEEONE
・JURA

COFFEESHOP SQUAD
・SOWA
・haruhikoakawatchm3n
・SO-TA

◆PRICE◆
WINNER / 300000YEN
協賛各社より豪華賞品

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