武術発祥の「究極のスポーツ」。世界で勢いを増すトリッキングとは何か

2021.09.13
Text by Reiji(TOK¥O TRICKING MOB)

トリッキングとは、「X M A(エクストリームマーシャルアーツ)」呼ばれる武術発祥のカルチャーであり、中国武術・テコンドー・カポエイラ・ブレイクダンスなどのジャンルが合わさって誕生した新しいスポーツである。

きっとこの記事を見ているあなたも、一度は見たことがあるだろう。

今や、アクションやパルクール・ダンスなどに幅広く活用されているトリッキングは、他ジャンルから絶大な支持を得ている。

トリッキングが生まれたのは二十数年前の話で、他のスポーツに比べるとまだまだ歴史の浅いカルチャーである。トリッキングのカルチャーが世界的に成長したのは約10年前。最初はアメリカ、その後ヨーロッパ各国、果てはアジアへ……と次々に広まっていった。

競技人口はどんどんと増加しており、世界大会やアジア大会が年に4、5回以上開催されるほど世界的にも普及している。日本はその中で最も歴史が浅いにもかかわらず、世界でもトップの強豪国だ。2018年〜2020年の世界大会ではトップ3に日本人が2人も食い込むほどの力をつけている。

それでは、日本のトリッキングの歴史について見てみよう。

『日本のトリッキング』の歴史

2011年に日本初の全国大会「A J T B」が行われ、そこから数少ない全国のトリッカー達が交流を持ち、トリッカーのコミュニティーが成長した。

2016年、神戸のショッピングモールで開かれた日本最大規模の「T B J(トリッキングバトルオブジャパン)」によって大盛り上がりを見せた。

2017年に神戸で行われたT B Jが進化し、日本初の世界大会「World of Tricking」通称W O Tが開催され、海外から世界のトリッキングシーンを背負ったトリッカーを呼び、数々のインスピレーションによって若者はますます士気が上がっていった。

それによって日本のレベルは段違いに上がり、日本人が2位の好成績を収めるほど日本のトリッキングは高成長をし続けた。2018年には数々の世界大会を日本人が総取りし、2019年にはW O Tに世界的に有名なトリッカーを各国から集め日本を大熱狂させた。2019年W O Tでは日本人が優勝するなどトリッキングは今もなおカルチャーとして成長し続けている。

そしてトリッキングには様々な種目がある。

トリッキングは、ムーヴ制と制限時間制の2つのバトル形式があり、人数は1vs1、2vs2など大会によって異なる。今日は、いくつか代表的な例とその審査基準をピックアップして説明していこう。

先ずは基本的なトリッキングの審査基準についてだ。難易度、完成度、独自性の3つを元に審査をし、選手はトリッキングを審査員に披露する。ただ闇雲に難易度が高い技をすれば勝てるわけではないのがトリッキングである。

選手自身のトリッキングに個性、独自性が出ているのか、繋ぎとしての完成度の高さ、高難易度の使い方すべてのバランスの良さで審査が決まる。

これを踏まえた上で、「1vs1」は文字通り1人対1人で戦うバトル形式だ。この形式にだけルールが2つあり、先程紹介したムーヴ制と制限時間制の2つのどちらかだ。「ムーヴ制」は決勝トーナメントでは、2ムーヴで決勝は3ムーヴ制が殆どである。この形式の見所は、選手一人一人の個性が見えやすい所だ。

もう1つの「制限時間制」は1分間何ムーヴでもして良いと言うルールである。この形式の見所は、1分間に繰り広げられる体力との己の勝負など選手のパッションが1分間に詰め込まれている所だ。そしてその中で最も多く採用されているムーヴ制のバトル動画を紹介しよう。

オランダで開かれた世界大会HOOKED GATHERING2017のTRISTAN(トリスタン)VS DAISUKEの歴史的バトルだ。

「2vs2」も文字通り2人対2人で戦うバトル形式である。チームバトルだけは制限時間制のみとなっていてムーヴ制は存在しない。このバトル形式の見所は、2人によるエンターテイメント性や息の合ったシンクロ、発想力が生み出す繋ぎであり、何より魅力的なことはトリッキングを知らない人でも楽しく見れる事だ。

他にもまだ3vs3やトリッキングの技で板を正確に当て割るブレイキングボード部門や刀などの武器を使いトリッキングと組み合わせて披露し点数を決めるウェポン部門などにも注目だ。

そんな数ある種目で世界的に活躍している「トリッキング」の日本人選手に注目していきたい。

トリッキングの発祥地であるアメリカは世界的にとても強豪だが、それを凌ぐほどの実力を持っている選手が彼らだ。

先ずは、誰もが知ってるであろう世界大会HOOKED GATHERING2017にて日本人初王者その名は 「DAISUKE TAKAHASHI」

彼の武器といえば、圧倒的な想像力によるトリッキング力。

先程紹介した審査基準の『独自性』は、まさしくそれである。そして独自性とトリッキングそのものの上手さが超越している。

DAISUKEはトリッキングのスキルである片足で踏み切りもう片方の足を振る「スイングスルー」が卓越していて、そのスキルと独自性を詰め込んだコンボが主流だ。そのバトルスタイルを使い、日本で開かれた3つの全国大会を全て優勝し三冠を得た。

1vs1だけでなく実の弟と組んだ2vs2も現在4連覇、3回防衛している。3vs3でも数々の優勝経験があり、日本のトリッキングシーンを引っ張り続けているレジェンドである。

日本人初王者であるDAISUKEの実の弟であり、アメリカで行われた世界大会ADRENALINE WORLD WIDE CHAMPION SHIP2018優勝。その名は「REIJI TAKAHASHI」

昔から期待され続けている選手であり何と言ってもバトル中の技の速さと鋭さが異常だ。海外のコメントでは、「そのスピードのどこで息継ぎをしているんだ」「世界で一番スピードが速い」「果物が切れそう」など様々なコメントを見かけるほど速く鋭いスタイルである。

2016年に開かれたアジア大会で初優勝を収めその勢いのままにアメリカ世界大会ADRENALINE WORLD WIDE2018にて制限時間制のバトル形式で日本人初優勝した経歴を持つ。

彼も兄と同じく日本のトリッキングシーンを引っ張り続けている人の1人である。多くの大会で好成績を残しており今後の大会への活躍に期待が高まる1人である。

現役高校生であり世界最強と誰もが呼ぶ現役世界チャンピオン、その名は 「SHOSEI IWAMOTO」

彼の凄さは何と言っても常人離れのパワーである。

その驚異的なパワースタイルを使い数々の強敵を倒し世界大会HOOKED GATHERING2018年,2019年を2連覇する。

そのパワースタイルには、4回捻りを入れるなど一見パワーだけに見えるが、そこには様々な工夫により成り立っている最強のスタイルだ。

そしてもう1つ最強な理由は、弱点が一つも無いところである。

審査の項目でも説明したが、難易度が高いだけで勝てるほどトリッキングは甘くは無い。だが彼はパワーだけが最高峰ではなく他の分野も最高峰であるが故に弱点もなく最強と言われる。史上最強の高校生である。

次に紹介する選手も現役高校生でありSHOSEIとライバル関係でもある世界的に注目されているトリッカー、その名は「ZEN KAJIWARA」

SHOSEIと対等に戦えるトリッカーは唯一彼しかいない。トリッキングを初めてたった2年で世界大会のトップ16に入る天才キッズである。

その才能は止まらず、世界にZENだけしか出来ない技をいくつも持っており、世界のトリッカーでトップ5を選ぶとするならば必ずランクインするほどの実力である。今最も勢いのある選手であり次の大会での最有力優勝候補の期待の新星だ。

トリッキング歴2年で世界大会に招待され一瞬にして世界に名前が広がった超人その名は、「TAKA SAKURAI」

彼のトリッキングの基盤には、器械体操がありそれによるポテンシャルとフィジカルを使った後方2回宙返り「ダブルバック」が彼の武器である。

ダブルバックは、器械体操の中で難易度が決して高くは無いがトリッキングの助走技を用いてダブルバックを打つ事ができる人間が世界にほぼいないほど繊細で難しいのである。だが、彼の凄いところはそれだけではない。TAKAはトリッキングのコンボをする際に存在する技から技へと繋ぐテクニック、「トランジション」が卓越している。その「トランジション」によって生み出される繋ぎのスムーズさが彼の武器であるダブルバックをより強調させている。滑らかな繋ぎとダイナミックな大技で世界と戦い世界2位の好成績を残し世界中から期待されているトリッカーなのは間違い無い。

次は、日本にたった1つだけのトリッキングパフォーマンスチームを紹介しよう。TOK¥O TRICKING MOB「トウキョウトリッキングモブ」だ。

オランダで行われたトリッキングのオリンピックと呼ばれる世界大会を日本人として初出場し、日本人初優勝したDaisukeが率いるパフォーマンスチームである。
その活躍は、様々な場所で知られている。

チームでは勿論、ドームアーティストのバックを務め、地方イベントでのトリッキングの普及活動を行うなど幅広く活動している。そして個人では、特撮ドラマのメインキャストやモデル、舞台俳優などマルチでも活躍しているチームである。気になったらチェックしてみよう。

日本のトリッキングは、まだ少ないながらトリッキング専用施設やトッププレイヤーによるワークショップが次々と増えている。

一番の強豪国である日本は、学べる場所が少ないなど需要があるのに対して供給が追いついてきてないが、これから更に「設備が整ってくる」「プレイヤーが増える」、といった事が当たり前となってくる可能性が無限大のスポーツである。まだまだ成長するトリッキングのカルチャーには目を離せないだろう。

もし興味があれば、トリッキングと調べて見るとい良いだろう。

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