3x3FOOTBALL BATTLE Vol.3 制限時間内までに勝ちまくったのは「K3+D」

2021.08.27
王者となった「K3+D」
text & photograph by 松岡健三郎

「3x3FOOTBALL BATTLE Vol.3」となる今大会は横浜・元町で開催された。夏の暑さも考慮されて今大会は17時スタート。夕日の眩しさが残る中のキックオフとなった。

 3回目ということもあり、リピーターも多く、リベンジに燃え、「#アソビタオセ」どころか、初戦から真剣で、白熱の展開が続いた。

 120分という限られた時間内で、1つでも多く勝ったものが王者となる、3人制のスモールサイドフットボール。引き分けも許されず、ただひたすら勝ちまくるしか優勝する方法はない。

 今大会はこれまでよりも参加チームが多く、18チームの参加となった。これがこれまでと大きな違いを生むこととなる。それは待ち時間だ。1度負けてしまうと、次の試合まで多くの時間を無駄にしてしまう。連勝できれば回復する時間として使えるが、すぐに負けてしまうとなかなかリズムが作れず。連勝した勢いのあるチームと戦うのは厄介だ。

 この日のキーワードとなったのは「初戦」。

 初戦で勝てれば、大会に入って行きやすく、逆に負けてしまうと時間を無駄にしてしまい、なかなかテンションも、コンディションも上げられないまま沼にハマってしまう。

「1番最初にゲームができて、そこで4連勝できたのがとてもよかったです」と振り返るのは優勝した「K3+D」。彼らはくじ引きにより決めた対戦順で1番を引いたことで、初戦に勝ち、勢いに乗れ、自分たちのリズムを作れ、そのままいい流れを作れた。

 この大会のポイントは、いかに自分たちの初戦で勝利していい流れを作れるかにかかっているようだ。

 それでも、初出場のチームはサッカーでもなく、フットサルでもない独特な攻略法に悩まされる。「守備からいこう!」という声がでるも、守備だけではもちろん勝てない。この大会は、引き分けでは勝ち点をもらえないため、いかに守備をして、攻めに転じられるかがポイント。強いチームを見れば、守備からボールを奪った次のタッチでシュートを決められる戦術眼を持っている。この展開の速さが3×3の魅力の一つでもある。この「守→攻」で、いかに攻め切る「鬼カウンター」が勝負の分かれ目だ。

photograph by 松岡健三郎

優勝したK3+Dは第1回大会にも出場しているため経験値は高い。カウンターにプラスして、狭いピッチでも、サイドを広く使い、相手のブロックを広げて、タイミングのいいダイレクトパスを交えて攻撃する。カウンターに頼らない攻撃力で勝利を重ねた。今大会最多連勝記録となる5連勝を含む17勝。結果17ポイントで優勝を勝ち取った。

 優勝はもちろんだが、今大会では「EXTRA BATTLE」にも触れておかなければならない。

本戦と平行して前回に続き、設けられた「EXTRA BATTLE」。スペシャルチームと対戦して勝てば(引き分けは0ポイント)2ポイント獲得できるビッグチャンス(通常の1勝は1ポイント)だ。参加費とは別に、対戦するたびに「1000円」を支払って参加するため、無駄な戦いはできない。しかし、相手は前回14戦無敗を誇る強敵なだけに課金してまで、ポイントを狙うかは難しい判断となる。

 そのスペシャルチーム「TRIDENTE SP」は前回同様、元フットサル日本代表・稲葉洸太郎。日本屈指の卓越した技術を持つストリートフットボーラー“K”。そして、北京オリンピック日本代表にも選出されたプロサッカー選手の一柳夢吾の3名だ。

photograph by 松岡健三郎

スペシャルチームの“初戦”の相手は、本戦でそれまで1勝もできていなかった「もやしスターズ」。アップもままならなかったのか、なんと前回無敗のスペシャルチームがまさかの敗戦! 出鼻をくじかれた格好となった。

 しかしそこからスイッチの入ったスペシャルチームは、テクニックと高い決定力で参加者を魅了。負けなしが続き、もう負けることはないだろうと誰もが思っていた、もやしスターズとのリベンジマッチ。しかしまさかの同じチームに2連敗。

photograph by 松岡健三郎

「初戦と連戦の疲れと(対戦した)タイミングが良かっただけです」と謙遜したもやしスターズだったが、「(唯一)やりづらさがありました」とKが語るように、スペシャルチームとは相性がよかったようで、計4戦(4000円の課金)して、2勝2分け。スペシャルチームは結果勝つことができず。大会の裏ではもやしスターズが主役となっていた。ちなみに、もやしスターズはその2勝したあと、本戦でようやく1勝を勝ち取るが、大会は5ポイントで終わってしまった。

photograph by 松岡健三郎

EXTRA BATTLEとともに、この大会の醍醐味の一つは「ダブルアップチャレンジ」だ。優勝チームがスペシャルチームと対戦して、勝てば優勝賞金が2倍の20万円を獲得できるビックチャンス。優勝したK3+Dは、EXTRA BATTLEに1度だけチャレンジして、そのときは0-2で負けている。

 負ければ優勝賞金10万円が没収され0円になってしまう。しかし、「優勝したらチャレンジすると決めていました」と、K3+Dは即答で「チャレンジ」を選択した。

 会場は一気に盛り上がり、先ほどまでライバルだった参加者が、サポーターへと一変。

 ダブルアップチャレンジは、引き分けはなし。同点なら延長戦、それでも決まらなければPK戦となる。

 1本目は、3分間でスコアレスに終わり、延長戦となった2本目に入ると、K3+Dが先制。このまま3分経てばK3+Dの勝利。しかし、スペシャルチームがプライドをかけて猛攻を見せる。しかし、K3+Dが虎の子の1点を守り抜き勝利。大会初となる「ダブルアップチャレンジ」に成功し、K3+Dが参加費1万円で20万円を獲得した。

大会結果

1位 K3+D   17勝
2位 麦わらの一味 15勝
3位 C.T.R.Z.    13勝

次回の「3x3FOOTBALL BATTLE Vol.4」は9月25日(土)に開催予定。

詳細は3x3FOOTBALL オフィシャル Instagramから。

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