東京五輪メダリストも参戦!「YOKOHAMA URBAN SPORTS FESTIVAL 2022」イベントレポート

2022.06.07
©︎Kazuki Murata
text by 佐藤稜馬/photograph by Jason Halayko、Yoshio Yoshida、Ayato Nakamura 、Kazuki Murata

東京五輪の影響で人気が高まる都市型スポーツとストリートカルチャーの祭典「YOKOHAMA URBAN SPORTS FESTIVAL(以下、YUSF)」が4日、5日に横浜赤レンガ倉庫で初開催された。主催はYUSF2022実行委員会。

両日とも天候に恵まれ、多くの来場者でにぎわった同イベント。広場に組まれた特設ステージでは、2021年夏に日本人選手の活躍で一躍人気となったスケートボードのほか、今注目のブレイキン(ブレイクダンス)やパルクール、そしてBMXフラットランド、ダブルダッチ、キッズチェイスタグの全6種のアーバンスポーツ大会が行われた。

そのほか、キッズ向けコンテンツやマーケットプレイス、ワークショップやミュージックライブなど、全エリア入場無料で2日間にわたり開催された“スポーツ×ストリートカルチャー”フェスティバルは、盛況のうちに幕を閉じた。

メダリストの西矢・中山も出場

織田(左)と西矢 ©Jason Halayko/YUSF
西矢椛 ©Jason Halayko/YUSF

会場奥に組まれたステージには、若きスケートボーダーたちが集合。階段に取り付けられた鉄製の手すり(ハンドレール)やボックス上で勢いよく滑走し、その得点を競った。

大会には、東京五輪でメダルを手にした西矢椛(もみじ)、中山楓奈(ふうな)のふたりもエントリー。安定した滑りで5日の決勝に臨んだが、惜しくも表彰台にのぼることはできなかった。

この日のために埼玉県から来たという重岡千尋ちゃん(5)は、オリンピックのTV放送を見て西矢のファンに。西矢の名前をあしらった手作りのうちわを会場に持参し、あこがれのスケーターに向けて声援を送った。

自作のうちわを手にする重岡千尋ちゃん

スケート女子部門優勝は、2020年のフロリダ大会で準優勝を飾った織田夢海(ゆめか)。この日、女子で初めての大技「フロントフリップフロントフィーブル」をメイクし、7.7ptを叩き出した。

©Jason Halayko/YUSF

パルクール出場者に歓声とぶ

パルクールとは、走る、跳ぶ、登るといった動作を軸に、身体機能の限界に挑戦する次期オリンピック競技種目の呼び声高いエクストリームスポーツ。

タイムを競う「スピードラン」、自由演技の得点を競う「フリースタイル」、基本動作技術をを競う「スキル」、「鬼ごっこ」のように相手にタッチする時間を競う「タグ」の4種目に分けられる。なお、今大会ではフリースタイル競技が行われた。

空中で回転するKAITO(準優勝) © Kazuki Murata /YUSF

正方形に組まれた鉄製パイプや台形のボックスが並べられたパルクール特設会場に5日、全国のトレーサー(パルクール選手)が集結。セクション(障害物)を利用して飛んだり、跳ねたり、回転したりするアクロバットな動きで技の難易度や完成度を競い合った。

総勢34人のトレーサーのなかから栄えある初代チャンピオンに輝いたのは、「パンチバック」や「レイアウトインバックアウト」といった空中技を披露した関雅仁。「体力的にかなりキツかったですが、無事に終われてよかったと思います」と胸を撫でおろした。

優勝した関雅仁 © Kazuki Murata /YUSF

この日、関の応援に駆けつけたスクール生の井原明日希くん(16)は、「迫力のある技に圧倒されっぱなしでした。先生が優勝して、僕もとてもうれしいです」とコメント。師匠の白星を祝った。

キッズチェイスタグ

パルクール会場横では、障害物が設けられたエリアで、キッズチェイスタグが行われた。チェイスタグとは、誰もが経験する「あそび」を競技化した“追いかけっこ”のこと。20秒の制限時間内に“鬼”となって相手を捕まえ、逆に次の20秒間は、“鬼”から逃げ切る。鬼ごっこのようなユニークなスポーツだ。

今回は参加者を子どもに限定し、U-9(小学1〜3年生)とU-12(小学4〜6年生)に分けて優勝者を決めた。

U-9クラス © Ayato Nakamura /YUSF
U-12クラス © Ayato Nakamura /YUSF

究極の“鬼ごっこ”を制したのは、U-9で佐俣政太朗(さまた・せいたろう)くん7歳、U-12で武山佳生(たけやま・かい)くん10歳。両者とも果敢な走りで優勝トロフィーを手にした。

tofubeatsや鎮座ドープネスらのフリーライブも

ミュージックステージでは、tofubeatsやFNCY、どんぐりずといったアーティストらがライブパフォーマンスを披露。アーバンスポーツの余韻に浸る観客を、今度は音楽の渦に巻き込んだ。

https://twitter.com/FNCY_official/status/1533752893731643392?s=20&t=TlC10Yuy_n0jYtyXTuHaUw

https://twitter.com/rietason/status/1533528365831168002?s=20&t=TlC10Yuy_n0jYtyXTuHaUw

2日間を終えて

初年度から初開催とは思えないほどの盛況ぶりをみせたYUSF2022。これはそのまま、世間からアーバンスポーツへの関心の高さをあらわすバロメーターだと言ってもいいだろう。己の想像力をフル稼働させて、限界に挑戦するアスリートたちに敬意を表するとともに、彼らの活動に今後とも注目していきたい。

©Yoshio Yoshida/YUSF

開催概要

開催名称YOKOHAMA URBAN SPORTS FESTIVAL 2022 (略称:YUSF) 
会場横浜赤レンガ倉庫 イベント広場・赤レンガパーク
(住所:神奈川県横浜市中区新港 1-1) 
日程6 月 4 日(土)・5 日(日) 両日とも OPEN 10:00 CLOSE 21:00 
内容SKATEBOARDING “SKATE ARK” 
BMX FLATLAND “FLAT ARK” 
BREAKING “FREESTYLE SESSION JAPAN 2022”
 
*6 月 4 日(土)のみ *ワークショップあり 
DOUBLE DUTCH “DOUBLE DUTCH ONE’S FINAL 2022” 
*6 月5日(日)のみ 
PARKOUR “ONE FLOW BATTLE” 
*6 月5日(日)のみ 
KIDS CHASE TAG 
*ワークショップあり 

MUSIC LIVE produced by Spotify O-EAST 
6 月 4 日(土) 
LIVE:JJJ / MONJU / SPARTA / STUTS DJ:原島“ど真ん中”宙芳 / doooo(CreativeDrugStore) 
6 月5日(日) LIVE:どんぐりず / FNCY / tofubeats / Lil’Leise But Gold DJ:KM / shakke-n-wardaa 
MARKET AREA 
FOOD AREA 
主催YOKOHAMA URBAN SPORTS FESTIVAL 2022 実行委員会 
協賛GoPro / 六甲バター株式会社 / FIJI Water / Manhattan Portage / MUGENYOYO / ChargeSPOT / KIBACOWORKS / BRIEFING / カシオ計算機株式会社 / JOYSOUND / Hyundai Mobility Japan
協力一般社団法人 ARK LEAGUE / 有限会社 OVER THUMPZ / 株式会社 I AM / 株式会社 PKM / FINEPLAY / BEAMS SPORTS / Fanatics Japan G.K. / XANA
後援横浜市市民局 / J-WAVE 81.3FM 
企画制作株式会社横浜赤レンガ / 株式会社シブヤテレビジョン / 株式会社ローソンエンタテインメント / 株式会社乃村工藝社 / 株式会社グリーンルーム / 株式会社 ZETA 

 

執筆者について
FINEPLAY編集部
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