「スノーボーダーとして自分たちが恩恵を受けている自然に少しでも恩返しがしたい」この言葉がとても印象的だった。
自然をフィールドに活動しているスノーボーダーが自然の恩恵を受けると共に肌で感じたのは気候変動や自然環境の変化。そのような自然を自らの手で守りたいという思いから環境保全のため「自伐型林業」で持続可能な森づくりに取り組み、「表現者×自伐型林業」というライフスタイルで山を利活用し、自然と共生した多様な生き方を体現しているスノーボーダーや様々なジャンルの表現者により構成された団体がある。
今回は現役スノーボーダーでありながら林業をメインに活動しているDIVERSE LINES CLUBにて代表を務める天野紗智(あまの・さち)さんと同団体でフォレストマネジャーを務める高橋龍正(たかはし・りゅうせい)さんのお二人にインタビューを敢行。自身のスノーボーダーとしての活動、林業を始めたきっかけ、そして今後のDIVERSE LINES CLUBの展望などを聞いた。
スノーボードが見せ続けてくれる新しい世界
初めにお二方のスノーボードとの出会いを聞かせてください。
高橋龍正さん(以下:T):僕が生まれてすぐに父親がスノーボードを始めたため、家族の影響で3歳からスノーボードを始めました。本当に小さい頃から始めたので物心がつく頃には既に滑れていました。毎週のように家族みんなでスノーボードをするようになり、うまくなっていくうちに僕自身本格的に競技として取り組むようになりました。
天野紗智さん(以下:A):私は元々バスケットボールをしていてインターハイやインカレに出場していたアスリートでした。スノーボードは19歳の頃に始めたのですが、ずっとチームスポーツをやってきた私はスノーボードの勝ち負けだけではない、自分のスタイルを「表現する」楽しさを知ってどんどんのめり込んでいきました。
アスリートとしてはどんな経歴をお持ちでしょうか?
T:僕は幼少期から競技をしていたので大会にもたくさん参戦してきました。中学生の頃にプロ資格を取得して何度か全日本選手権優勝も経験しました。18歳の頃には日本代表としてワールドカップも転戦しましたが一年くらい大会を周ってみて、人と競うことはあまり自分には向いてないと感じたので、ビデオ撮影などの作品作りに転向し被写体のライダーとして活動するようになりました。
転向後もいくつかの大会には出場し、2016年に中国の北京であったBeijing summer rail jamが3位、2015年に東京の六本木であったBurton rail daysで日本人最高位の6位になりました。現在はメーカーの広告塔として撮影したり、自分の滑りを表現するために、色々なビデオクルーのメンバーと精力的に作品作りを行っています。
A:スノーボードの「表現」する部分に惹かれて始めたこともあり、うまくなればなるほど、大会で勝ちたいというよりも自分の滑りを映像で表現してみたいと思うようになっていきました。そこからライダーがたくさん出るような大会でリザルトを残したり、色々な人に滑りを見てもらえるようになって、ライダーになるチャンスが巡ってきたことで映像で表現できる機会が増えていきました。
大会での優勝経験が何度かあるくらいで目立った経歴というものは特にありませんが、ライダーとして自分のかっこいいと思うスタイルを表現し、スノーボードの魅力を発信し続けています。
アスリートとして活動してきたからこそ経験できたことはありますか?
T:小学生から20歳くらいまで大会転戦のため冬はほとんど海外にいるような生活をしていたので、世界中色々な国に行って現地でたくさんの友達ができた経験は自分の世界を広げてくれたのでスノーボードを通して得られた貴重な経験です。
また競技を辞めてからもスノーボードを続けていく中で、撮影ライダーとして自分にできることの幅が広がり、スキー場のような決められた場所だけではなく、自分が滑りたかったポテンシャルのある山にも行けるようになりました。競技をしていた頃には見られなかった新しい世界を体験できるようになったので、スノーボードを通じてそういった世界を渡り歩けていることはすごい経験で財産だと感じています。
A:私もスノーボードをしていたおかげで、スノーボードをするためにカナダにワーホリに行くという目的ができて、長期間海外に住むという経験ができました。スノーボードが私を突き動かして新しい世界を見せてくれたことで視野が広がったので、スノーボードをやって本当に良かったです。
また、海外で1年通して充実した生活を送ることができたことで、日本に帰ってきてから冬しかできないスノーボードと仕事をどう組み合わせて向き合っていくかなど、自分の将来について考えるきっかけにもなりました。
昨今のスノーボード業界では、ライダーたちは冬にスノーボードをするため夏場はがっつり働く形が主流なのでしょうか?
A:日本代表やトップクラスの選手は別ですが、ほとんどのライダーは夏場に活動費用を稼いで冬に一所懸命スノーボードをするというサイクルで毎年活動しています。もちろんそのサイクルが一年間通して自分の満足できるライフスタイルとして送れている方は問題ないと思います。でも私に関してはやりたい仕事ができていた訳ではなかったので「どうしたら山の近くでスノーボードも遊びも仕事も境界線無く生活できるのかな?」とずっと考えていました。
スノーボードも仕事も両立できる生活がしたい
スノーボーダーとして活動しながら林業に関わろうと思ったきっかけを聞かせてください。
A:まず山に近い生活がしたいと思い立って、長野県に引っ越して雪山と東京の二拠点生活を始めました。長野県を選んだ理由も東京からそこまで遠くないことから、都内で仕事があっても行き来しやすいだろうという軽い気持ちからでした。
こっちで暮らし始めてからしばらく経った時に知り合いの方から「林業だったらスノーボードをする自由な時間を作りながら暮らせるんじゃない?」というアドバイスをもらったので、まず林業の研修を受けたことが林業に興味を持ち始めたきっかけです。
T:(天野さんと)一緒に会社を立ち上げたので林業に興味を持ち始めたきっかけはほぼ同じですが、僕自身は東京から長野に22-23歳の頃に引っ越してきました。それからここ長野で歳を重ねていくうちにスノーボードを続けながら他のこともやりたいと思うようになりました。現実的にスノーボードだけで食べていくこともずっとできるわけではないと分かっていたので、じゃあ何をしようと考えた時に林業が選択肢にありました。
林業が良いと思った理由は、僕の勝手な想像ではあったのですが、季節に左右されない自由が利く業種なんじゃないかと思っていたからです。そのような自由な部分がスノーボードとマッチしていて、冬はスノーボードしながら時間がある時に林業できるのではと思って始めることにしました。実際に林業をやってみるとすべてが思い通りになるわけではありませんが、自分の時間を自分で作ることができるので、冬はスノーボードに向き合うことができています。根本的に山が好きなので自分に向いている仕事だと思っています。
注目したのは自伐型林業。スノーボードとの共通点は「表現」すること
DIVERSE LINES CLUBを立ち上げて、最初はどのように林業に携わり始めたのでしょうか?
A:2018年に団体を立ち上げたのですが、自分たちで山を持っているわけでは無いのでどうやって始めるかは凄く悩みました。立ち上げ当初は地元の農家さんを手伝ったり、色々なバイトを掛け持ちしたりしながら活動していました。その中で「これから林業で地域の森を守る活動をやっていきたい」という思いを色んな人に話していたら、地域の農家の方が「うちで持っている山があるからそこでやってみないか?」と言ってもらい林業をスタートすることができました。
林業のやりがいを聞かせてください。
A:森を管理していく中で森をどう活用したら面白いのか、また伐採した木を地域の方やおもしろいアイデアを持つ方にどういう風に使ってもらえるかを考えていくとすごく夢が広がります。木をただ売るだけではなく「表現」するために活用できる。そういったことを自分たちで発信できることが楽しいです。
また、何より自然が大好きなので一年を通して森や自然に囲まれて活動することで、仕事と暮らしと遊びの境界線が少ない環境で生活できていることが心地良いです。
T:僕は基本的に現場に出て活動する立場なので、四季を通して寒い日も気持ちいい日も肌で感じながら山の成長を見られることが楽しいです。林業の専門的な話になりますが、林業にも施業方法がいくつかあって一般的に知られている林業は50年くらいのスパンで木を全部切って新しい木を植え直す「皆伐林業」というスタイルになります。
でも僕たちがやっているのは「自伐型林業」という山の中の不必要な木を「間伐」という方法で取り除き、良い木だけを山に残してあげる作業を定期的に繰り返していくスタイルです。一つの山を長い年月ましてや一生かけて面倒見ていくような林業なので、少しずつ山をより良くしていくことにとてもやりがいを感じます。
A:私たちはスノーボードというスポーツで山や自然の恩恵を常に受けているので、自分たちの仕事を通して少しでも自然に恩返ししたいという思いもあります。そういう意味では自分たちが管理する山の状態が長い年月をかけて良くなっていく様子を見られることはとてもこの仕事のやりがいを感じる瞬間です。
やりがいが多い仕事である一方で林業業界の現実的な課題はありますか?
T:実は日本は戦前にしっかり山に木が植えられたこともあって、今では木が大きくてすごく良い山がたくさんあります。でも産業が発展していく中で林業が衰退した様々な歴史的背景もあり、日本の山はたくさんポテンシャルがあるのに活かしきれていないのが現状です。
A:私たちは山主さんの代わりに管理が行き届いていない山の手入れをする活動をしていますが、そのような山が増えている一方で林業者はどんどん減っている現状がある中、山の手入れをすることの大切さをみんなが認知しているわけではないので、なかなか管理を任せてもらえないという課題はあります。私たちとしてはもっとたくさんの山を手入れして良い森を増やしていきたいですが、この思いをみんなに知ってもらうことが難しくてもどかしい部分です。
T:僕たちがやっている自伐型林業に関しても、まだ認知が広がっておらず必要性を感じられている方が少ないので、団体として林業者を増やすための研修会を開いたり、地域の方に自伐型林業のことや山の管理の大切さを知ってもらうために、地域のイベントで「木こり体験」としてノコギリで丸太を切って創作するワークショップも開催しています。このような活動を通してもっとたくさんの人に森を管理する大切さを知ってもらいたいと思っています。
A:また林業者を増やす活動をしている理由は、今地域に私たちのような活動をしている人がほとんどいない現状に加えて、移住者や移住希望者、アスリートでありながら自由に活動したい人たちから「自然と共に暮らしながら仕事をしたい」という声が上がっているからです。
ただ彼らが私たちのように林業を始めるきっかけがほとんど無いので、自ら研修会を開催して仲間を増やしていければ、持続可能な森が増え、自治体や地域の方にも声が届きやすくなるのではと思って精力的に普及活動をしています。
アスリートとしての経験が林業という新たなチャレンジを支えた
今までスノーボーダーとして活動してきた中で「林業」という新たなキャリアへ踏み出すことへのチャレンジはありましたか?
A:林業であれば自由な時間が作れてスノーボードと両立できるのではないかと思って始めましたが、本当に林業で生活していけるのかや事業資金面での不安がすごくありました。でも実際にやってみたら地域の人の理解や応援してくれる人たちの存在があったり、国の助成事業に採択してもらえたりと大きなチャレンジでしたがやってみることで道が拓けていきました。
T:林業はやはり最初の設備投資が個人レベルでできるものではないので、ゼロから始めた僕たちには参入障壁が高く難しかったのですが、管理する山が一つ決まってからはなんとか事業計画や予算をまとめて実際に形にすることができて僕にとってもすごいチャレンジングな経験でした。
また林業は毎日同じ作業のようで全く違うので、日々トライアンドエラーを繰り返しながら前進しています。自然相手の仕事なので怪我などの危険と常に隣り合わせですが、最悪な状況にならないようにセーブしながら作業することもチャレンジングです。現状幸い無事故で活動できているので今後も気を付けてやっていきたいと思います。
スノーボーダーとしての経験が林業に活かされている点もありますか?
A:はい。スノーボーダーとしての活動の中で自分を表現してアピールすることはずっとやってきたことなので、林業でも同じようにやっているだけです。例えば、私は「こんな滑りで魅せます」というのと同じで、林業でも「こんないい森にします」ということをアピールして、活動を広げていくことはスノーボードも林業も一緒だと思います。
また、ただ林業をするというわけでは無く、「アスリートのセカンドキャリア問題の解決を目指す」という活動にも共感して応援してもらったり、スポンサーのような形でサポートしてもらえています。
「林業はかっこいい」を伝えたい
お二方の林業への思いを聞かせてください。
T:自伐型林業の間伐する木を見極めて選木し、良い山を作り上げていくことには美学が詰まっていて、そういったこだわりはスノーボードと通じるものがあると感じています。そのような点からも林業はかっこいいものだと僕は思っているのですが、業界は高齢化が進み、まだアナログな体制でやっているところがほとんどなのでその魅力が伝わっていないんです。
そこで表現者として活動している自分たちが「林業はかっこいい」ということを発信していくことで色々な人が林業に興味を持ち、自分たちのようなライフスタイルをしてみたいと思ってもらえるようにしたいです。
A:スノーボードを含めストリートのスポーツって大体最初はかっこいいからという理由で始めると思うんです。それと一緒で自分たちの活動を通して林業がかっこいいと思ってもらえて、憧れの仕事やライフスタイルになれば嬉しいです。ディバースラインではスノーボードと林業の活動、そしてライフスタイルを合わせた映像も発信しているので、今後も続けていきたいと思っています。
今後どのような活動を考えられているのか聞かせてください。
T:ディバースラインはまだこれからの団体なのでまずは林業の活動の幅を広げ、たくさんの山を管理していきたいと思っています。でも自分たちだけでは限界があるのでもっと周りを巻き込んで仲間も増やしていきたいです。近くの地域に僕たちのような団体が増えていくことで自治体や行政にも声が届きやすくなると思うので、そのためにも今後も積極的に講習会や研修会は開催していきます。
あと僕はやっぱりスノーボーダーなので、個人的には雪山に山小屋を作って泊まれるようにして、次の日の山を滑る生活もしてみたいですね。現実的な山の利活用案としてはマウンテンバイクコースやトレイルランコース、キャンプ場を作るようなことは今後やっていきたいと考えています。
A:私もそのような山の利活用をしたいと思ったのはスノーボードがきっかけでした。特に私がワーホリで訪れたカナダのウィスラーで経験したスノーボードをしながら仕事をして暮らすというライフスタイルは、私の好奇心や探求心を満たしてくれて、日本に帰っても同じような環境作りがしたいという思いにさせてくれました。どこまでできるかは分かりませんがスノーボードと仕事と遊びに境界線がない生活ができたら最高です。
そして林業を通して貢献したいことは、環境保全やセカンドキャリア・デュアルキャリア構築、地域活性化などたくさんありますが、林業と山の利活用をしながら、原点である自然と共に生活したり仕事したりすることの楽しさや豊かさを伝えるということをし続けていきたいです。
セカンドキャリアを考えるアスリートたちに伝えたいこと
自身の経験から現役のアスリートたちへのアドバイスや伝えたいことはありますか?
A:スノーボードでライダーを目指し始めたときから、自分なりに精一杯頑張ったことで、撮影の機会を作ることができたり、海外で滑りたいという次の目標が見えてきました。いつも目の前のことに一生懸命チャレンジしてきたからレベルアップができて今があると思っています。
そのような経験から私が言えることは、目の前の目標に対して全力でチャレンジしてほしいということです。そして目の前のことをやり切った先にある次のステージでも全力でチャレンジする。このようなチャレンジを繰り返していくことで自分が本当にしたいことや目指したいところが見えてくると思います。
T:素直に自分と向き合ってシンプルに好きだと思った環境に飛び込めば良いのかなと思います。仕事にしてもスポーツにしても自分に合うものをやることが一番良いと思っているので、自分としっかり向き合って自分の好きなものを見つけてあげると自ずと自分の行きたい道へ段階を踏んで導いてくれると思います。
セカンドキャリアないしデュアルキャリアを歩む先輩として今後どんなアスリートたちが増えて欲しいですか?
T:最近思うことですが、今の時代一つのことだけに固執する必要はないのではと感じています。もちろん一つのことを続けて極めていくことにも大きな価値があると思っています。でも別にそれ一つだけではなくもう一つやもう二つ付随するものを生活に取り入れることは自分の選択肢を広げてくれると思っているので僕はオススメしたいです。
A:私は自分のやっていることにこだわりを持って欲しいと思っています。どうしてもアスリートは勝ち負けで判断されてしまいますが、自分にしかないスタイルにこだわりを持ち続けていれば、そのかっこよさを認めてもらえたり、そこから別の何かが生まれてくる可能性もあり次のステージでも活かせると思います。自分の信じた道を進み、たくさん新しい世界を見て欲しいです。
一般社団法人ディバースライン(DIVERSE LINES CLUB)について
2018年12月設立。DIVERSE LINES CLUBは表現フィールドである自然を自らの手で守りたいという思いから環境保全に繋がる具体的な方法として「自伐型林業」による長伐期多間伐施業で持続可能な森づくりに取り組んでいる。「表現者×自伐型林業」というライフスタイルで自然を守りながら多様な生き方を体現している。
スローガンは「OUR LINES CREATE A CULTURE」。自分たちが描くラインが新たなカルチャーを作り上げていくことを願ってDIVERSE LINES CLUBと名付けられた。
天野紗智プロフィール
秋田県出身のスノーボーダー。3歳からスキーを始め、19歳でスノーボードに転向。スノーボードを始めて間もなくカナダ・ウィスラーを訪れ壮大なビッグマウンテンで繰り広げられる世界レベルのスノーボードに心動かされ、自分自身も人の心を動かすライダーを目指すようになる。法人立ち上げ翌年の2019年にはスノーボード、自然に対する考え方、森林の活用などをさらに深く知るために再度カナダへ渡る。そして、2020年帰国後ディバースラインの代表として本格的に始動。活動フィールドである自然を守る取り組みとアスリート活動を並行し「環境・人・社会」を豊かにするライフスタイルを目指している。
高橋龍正プロフィール
新潟県出身のスノーボーダー。親の影響で3歳からスノーボードを始める。中学・高校と世界を目指しスロープスタイル日本代表としてワールドカップを転戦。その後Burton rail days 6位、Beijing summer rail jam 3位など国内外の大会で活躍。近年はBurtonライダーとしてビデオ撮影を精力的に行い、ストリートからバックカントリーまで独自性の強いライディングでオールラウンドにこなし国内外のビデオクルーと共に数々の作品に出演している。そしてディバースラインでは取り組みの1つである自伐型林業のリーダーを担い、持続可能な森林を作ることで自分たちの活動フィールドを守り「環境・人・社会」を豊かにするライフスタイルの構築を目指している。
また現在はVECFOOTというスノーボードクルーと映像プロジェクトに取り組んでいる。
VECFOOTとは
浅間の麓で「スノーボード」「クライミング」「マウンテンニアリング」「アート」など、 様々なカルチャーに小さい頃から触れてきた僕らは、気づけば大人になっても深みを探求していた。 自然の中で培った経験と技術と知識を持ち寄り、探求し、記録し、表現していく。
Starring:
Ikumi Imai, Ryusei Takahashi, Kurumi Imai, Isagi Funayama
Film:
Yasuaki Yamagata, Kosuke Kobayashi
Edit:
Kosuke Kobayashi
Design:
Arata Funayama
Support:
BURTON, QUIKSILVER, DRAGON, NIDECKER, FW, ANON, YONEX, HERENESS
SPECIAL EDITION
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raceRACE
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streetSTREET
FINEPLAYはアクションスポーツ・ストリートカルチャーに特化した総合ニュースメディアです。2013年9月より運営を開始し、世界中のサーフィン、ダンス、ウェイクボード、スケートボード、スノーボード、クライミング、パルクール、フリースタイルなどストリート・アクションスポーツを中心としたアスリート・プロダクト・イベント・カルチャー情報を提供しています。
アクションスポーツ・ストリートカルチャーの映像コンテンツやニュースを通して、ストリート・アクションスポーツの魅力を沢山の人へ伝えていきます。
●今日 ○イベント開催日
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othersCREATIVE X AWARD 2024 supported by SanDisk 授賞式がRed Bull Japanにて開催!2024.04.23アクションスポーツ、ストリートカルチャーというフィールドで活躍するクリエイターを発掘するべくスタートしたCREATIVE X AWARD。今回は第2回目である「CREATIVE X AWARD 2024 supported by SanDisk」が開催され、前回に引き続き、アワードを通してさまざまな表現の作品が応募された。今回はRed Bull Japan本社にて授賞式が初開催され、会場では受賞作品発表、審査員トークセッション、歓談の時間が設けられ、参加者たちによる多くの交流が見られた。 授賞式の様子 受賞式では審査員から受賞者たちに直接ボードが手渡され、その受賞結果に受賞者や被写体となったプレイヤー、その友人たちの緊張がほぐれた様子が見受けられた。その後、歓談の時間が設けられ、授賞式の雰囲気とは一変、和やかなコミュニケーションの場となった。 そんな雰囲気の中、最後のプログラムとして審査員トークセッションが行われ、審査員から応募作品に対して分け隔てなく、愛も感じられる様なさまざまな意見が飛び交った。審査員のみならず受賞者との意見交換も行われ、それぞれの応募者の作品にかける想いやこだわりが語られた。 受賞者、受賞作品 映像部門 最優秀賞「山崎 大輔」 https://www.youtube.com/watch?v=OzaevJRT1Dg&feature=youtu.be 映像部門 最優秀賞「山崎 大輔」競技:MTBダウンヒル被写体:Tetsuma Haguchi 映像部門 優秀賞「上原 一成」 https://www.youtube.com/watch?v=owxEmWqa2Mo 映像部門 優秀賞「上原 一成」競技:フリースタイルバスケットボール被写体:yu-ta 写真部門 特別賞(SanDisk賞)「いずも しゅうじ」 写真部門 特別賞(SanDisk賞)「いずも しゅうじ」競技:サーフィン被写体:安井 拓海 写真部門 最優秀賞「村田 一樹」 写真部門 最優秀賞「村田 一樹」競技:フリースタイルフットボール、フリースタイルバスケットボール被写体:Kazane. Kengo from MONSTERBALLAZ 写真部門 優秀賞「松井 悠也」 写真部門 優秀賞「松井 悠也」競技:BMX被写体:山本 悠 審査委員 <審査委員長>梶野仁司:フュールメディア株式会社代表取締役映像プロデューサー、アクションスポーツジャーナリスト。これまで多くのアクションスポーツ系ブランドや、企業の映像作品を数多くディレクション。また、X-GAMESやRed Bull X-Fightersなど世界のビッグコンテストにも積極的に取材し、国内外のアクションスポーツメディアも手掛けてきた。2012年フュールメディア株式会社を設立し、アクションスポーツを題材とした幅広いコンテンツの企画 、プロデュースを行う。 <審査員>黒田賢:DirectorCG会社を経て、2006年 P.I.C.S.入社。現在P.I.C.S. management所属。 映像ディレクション に加え、Art Direction、Motion Graphics、3DCG制作等のキャリアを積む。 CM・MusicVideo・OOH等の企画 / 演出の他、ミュージシャンとのコラボレーション映像や、ストリートカルチャー / アクションスポーツをテーマにしたオリジナルワークスを展開する等、幅広く活動中。 <審査員>柏崎佑介:Cinematographer / Photographer桐島ローランド氏に師事後、2011年に独立。 TVCM、WEBCM、広告写真など広告を中心にショートムービー、ミュージックビデオなどムービー、グラフィック問わず幅広いジャンルで活躍中。アクションスポーツを被写体とした作品も数多く残す。 <審査員>ZiNEZ:Freestyle Basketballer日本とカナダのハーフ。2004年バスケットボール選手を目指したカナダでフリースタイルバスケットボールを始め、日本一決定戦において、史上最年少優勝記録と、初の連覇を成し遂げる。その後も現在に至るまで幾つもの大会を優勝し、海外でのショーや、国内においてもラジオDJ、タレント・モデルなどインターナショナルに活躍する。SNSではクオリティの高い映像作品などを発信している。 <審査員>ジェイソン・ハレコ:PhotographerFMXをはじめ、BMX、スノーボード、ブレイクダンス等、幅広いジャンルのアクションスポーツを撮影。これまでに様々な企業の広告やwebで実績を残す。2022年、アクションスポーツフォトグラフの権威、「RED BULL ILLUME」に作品が掲載された。 審査員コメント 授賞式に参加した審査員4名(左から梶野仁司、黒田賢、柏崎佑介、ZiNEZ) 黒田賢氏:「普段はライダーなどのコンテストはありますが、作品の創り手のとしてアワードというのはほぼなかったですね。作品を創るというのはもの凄く労力がいりますし、オリジナル作品を創るのは実はすごく大変なことなんです。創るということは正義だと思うので皆さんもこれから頑張って創っていって下さい。」 ZiNEZ氏:「写真と映像は誰でも取り組めるようになっていると思っていて、自分もそういった形でパフォーマンスを沢山の人に見てもらって自分の仕事にしていったということで、写真と映像というものが無ければ今の自分の職業は無かったと思っています。今これだけ写真や映像が普及したからこそ、流行りのものが多いと思うんですよね。僕たちがやっているストリートカルチャーというのは何にも支援されないところから始まり、これは新しいかっこよさであって、流行るということの種であると思います。そんな中でこのアワードが開催されるということは未来に繋がることだと思います。アワードを通して、次回もどんどん自分の癖をぶつけていって欲しいと思います。」 柏崎佑介氏:「みんなが映像を取れるようになってきているじゃないですか。全体のレベルが上がっているので、そんな中で今の流れといったものは関係なく、ぶっ壊して欲しいんですよ。あまり他のことは考えずに、自分がやりたいことをしっかり押し付けてくるぐらいの作品が見てみたいです。」 梶野仁司氏:「こういう時代だからこそ、映像作品というのは創りやすくなりました。そんな中でどんどんチャレンジして欲しいです。今回keep the styleというテーマがあり、僕たちが好きなスタイルという言葉をなぜ全面的に出してきているかというと、スタイルの中に見えてくるものってもっとあると思うんですよね。最近の映像作品をSNSも含めて色々見ていると、もう少し昔の方がスタイルが強調されていたかなと思っていて、そういうところで自分というものを表現してもらいたいです。良い作品は何年後までも残ると思うのでそういった形でみんなにチャレンジして欲しいしです。今回CREATIVE X AWARDを第2回目という形でやらせて頂きましたけど、こういう作品としてのシーンをもっと盛り上げていきたいと思っています。今までは競技のシーンを盛り上げることに注力してきたんですけども、これからは今回参加されたようなクリエイターの皆さんも巻き込んで、もっとそういった人たちにフォーカスが当たるようにし、結果的に全体のシーンがスポットライトを浴びるようにしていきたいなと思います。」 今回受賞した5名(左から上原 一成、山崎 大輔、いずも しゅうじ、村田 一樹、松井 悠也) 今回のCREATIVE X AWARDでは授賞式が初開催されたことで、審査員やクリエイターたちによる有意義な意見交換が行われ、アクションスポーツ、ストリートカルチャーに携わる人々による、さまざまなコミュニケーションがなされた。今後のクリエイターたちの活躍やシーンの発展にも注目していきたい。
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L:私のスロープスタイルでの1番の課題は、他の選手と比べた時にジブセクションで難易度の高いトリックができないという部分だったので、今回のX Games Aspenの前にはワールドカップの大会を一つスキップして3週間くらい中国に行きプライベートで練習してきました。それくらい自分の強化が大事だと思ったので、大会出場よりも練習に重点を置き集中して取り組みました。 ちなみにジブセクション含め、今回のX Games Aspen 2024のコースレイアウトはどのようなものでしたか? L:今大会に限らないのですが、毎年X Gamesのコースではジブセクションのサイズも他の国際大会より大きく、アイテム数も一般的には平均6個程度であるのに比べて7~8個と多いです。もちろん2~3個アイテムが多いと、その分アイテムの間隔が短くなるのでできる技が限られてきます。そういうタイトなコースで自分のトライできる技が限られた中で戦い抜くことが難しかったです。 今大会を戦い抜いた中でご自身で感じられたことがあれば聞かせてください。 L:正直、今回メダルは取れないと思っていました。なぜなら本番の時にコース内は風が強くて、私自身と周りの選手との体格差の問題もあるのですが、どうしても体の大きい海外選手に比べて飛距離が出しにくく、予定していた高難度トリックをジャンプセクションでメイクできなかったんです。一方でジブセクションでは上手くいったのですが、ジャンプセクションでの自分のパフォーマンスに、周りの選手と大きな差を感じていたので、あまり自分のランに自信がありませんでした。でもジャッジにジブセクションでのトリックを高く評価してもらえたことで今回メダルが取れた感じなので自分でもびっくりしています。 強さの秘訣は、他選手にはないトリックの完成度と精度の高さ 普段は基本的にどこで練習をされていますか? L:実は世界の大会を転戦していく中で日本で滑る機会はどんどん減っています。毎年10月からワールドカップシリーズがスタートするのですが、始まってしまうと大会を周ることがメインになるので、なかなか一つの場所で常に練習することは難しいです。ただ国内にいる時によく行くのは私のコーチがプロデュースしているコースがある「GALA湯沢」で、海外ではオーストリアにある「Absolut Park」をベースにしています。 あと最近は日本国内の雪不足が結構深刻になっていて、国内で大きなジャンプを作っているところでも13mくらいである一方で、海外では20mサイズのキッカーを作っているので世界で戦うには日本国内だけで練習するのは難しくなっていることも背景にあります。またシーズン中は大会のある国に前乗りして、1週間くらい調整してから大会に出るという形がワンセットになっていて、それがシーズン中は次々続いていくのでベースにしているオーストリアでトレーニングできるのも今では年に1~2回くらいです。 ちなみにオフシーズンはどういう風に練習されているのでしょうか? L:国内はどこのスキー場も4月第2週くらいで営業が終わるので、それ以降の5月からは本格的にオフシーズンに入っていきます。オフシーズンは「埼玉QUEST」に週5~6回くらい通いながら、それ以外は東京の亀戸にある「KOBATORE STUDIO」というサッカーの長友選手などを教えている体幹を専門にしているトレーナーのジムでお世話になっています。そういった形で、私を含めほとんどの日本人選手は5月から8月の間は国内でオフシーズンを過ごした後、9月頃から季節が逆の南半球のニュージーランドなどに行ってシーズン入りすることが多いです。 ライディングの練習中には映像を撮って自分の技を振り返ることもあるかと思います。どんな機材を使うことが多いですか? L:スマートフォン等で撮影もできるとは思うのですが、GoProはアクションスポーツに特化したカメラで手ぶれ補正の性能が高く、私たちの速いスピードでジャンプを飛んでいる様子も綺麗に映してくれるので自分の技をチェックするときにこのGoProはとても役立っていて重宝しています。今使わせてもらっているGoPro12は、高性能なのでもちろん普通のレンズで撮るのも綺麗なんですが、GoPro専用の重ねられるカメラレンズがあって、そのレンズを使うと周りの景色をクリアにできたり、色味を変えて映像の雰囲気を変えられたりもするので、自分の技の見栄えがカメラの性能のおかげで良くなる点もGoProならではの特徴的な部分で気に入っています。 ちなみに自身のことを日々研究されている中で、岩渕選手の強みはどんなところだと思いますか? L:完成度と精度の高さにこだわって日々練習しているので、他の選手よりはトリックの形は綺麗だと思っています。もちろんエアーを大きくしたり、見栄えするために大きく動くことも意識しますが、どうしても自分より身体が大きい選手と比べると、いくら大きく動いても迫力負けをしてしまうことはあるので、そういう相手と差をつけるのが難しいところは自分のできる精一杯を頑張って、あとは他の選手には無いくらい自分のライディングの精度を上げることに重点を置いて日々練習しています。 また競技活動を支えてくれるコーチや家族は岩渕選手にとってどんな存在ですか? L:今は一人暮らしを始めたり、コーチとも専属契約を交わしたこともあって、家族との時間はだいぶ減ってしまっていますが、そんな中でも一番私を応援してくれているのは家族だと思いますし、そこへの感謝は忘れずに活動しています。また今のコーチも自分の時間を使って教えてくれていて、私自身メンタルが弱いときもあるのですが、そういう性格的な部分も知った上で技術的なコーチングと合わせて教えてくれるので、とても信頼して競技生活を送ることができています。 ビックエア競技をはじめ、大会時にはメンタルが重要な場面も多いかと思いますが、どのように対処していますか? L:一番は公開練習のうちに自分が不安に思っているところをしっかり確認して、「自分は大丈夫だ」っていう自信を本番前にちゃんと持っておくことです。また本番の時はもちろん失敗することは考えないようにして、自分が飛んでから着地するまでのイメージをずっと頭の中で反復しながら意識するようにしています。 激しい競技生活と対照的にオフで意識するのはリラックスした時間の使い方 スノーボードの他に好きなことや趣味はありますか? L:他のスポーツをする時間が無いのもあって、ほとんどインドアな趣味で完結することが多いです。遠征中は本を読むことや映画を観ることが好きで、特に本はミステリー系の推理小説が好きですし、映画であれば感動系をよく観ます。あと日本にいる時はパズルをやったり、写真を撮りに行ったりもします。やっぱり普段は競技に集中してかなり激しいことをやっているので、それ以外は落ち着いてリラックスしたいと思い、読書とか映画鑑賞でゆっくりした時間を取るようにしています。あとはリラックスするために、朝早くに海へ行って朝焼けを見たりとか、私のいとこもドライブが好きなので時間が合うときは一緒に夜景を見に行ったりと、景色の良いところに行って息抜きをしたりすることも多いです。 最近特にハマっている趣味はありますか? L:最近久しぶりに月9のドラマを見始めたのですが、時間がある時はそのドラマを追っかけています。今観ているのは「君が心をくれたから。」という永野芽郁さんと山田裕貴さんが主演をしている感動系のドラマなのですが、毎週月曜日を楽しみにしながら見ています。 オフではスノーボーダー以外の友達ともよく遊びますか? L:ちょうど明日(インタビュー翌日の2月19日)から地元の友だちが東京に遊びに来るので、3ヶ月前くらいからスケジュールを擦り合わせて今回会う予定を作りました。大体年に2、3回くらいは地元の友達とも会ったりしています。 世界女子初の超高難度トリックを引っ提げ挑むのは世界最高峰の頂 オリンピック2大会連続4位というあと一歩メダルに届かなかった経験から、2年後に控えるミラノ・コルティナオリンピックへ向けての意気込みを聞かせてください。 L:2大会連続4位という結果であと一歩メダルに届かなかった中で、そのメダルがあるかないかの差は私自身すごくその壁の大きさを感じてきました。2大会共、そのとき自分ができるMAXの技を出してギリギリダメだったということが共通点ですが、前もってしっかり準備するということは今までももちろん気をつけていました。でもいくら準備しても足りないということをこの2大会を経験して学んだので、自分に余裕ができるくらいきつい練習を今はするしかないと思って、最近はかなりメンタル的にも追い込んだ練習をしています。 ちなみに自身を追い込む練習を始めてから感覚的な変化はありましたか? L:大会中で技をかける時に前ほど気負わないでできるようになったと思います。やっぱり練習中から難しい技をどんどんやって恐怖心やそのトリック自体に自分を慣れさせることで、大会時の緊張を加味した上でも自分に余裕を持たせられるようになるので、こういった練習はこれからも続ける必要があると思いますし、実際この練習の成果が見られたのがこの前の「X Games Aspen 2024」だったのかなと思っています。 日本は世界トップレベルのライダーが多いですが、彼らは岩渕選手にどんな刺激を与えてくれていますか? L:近しい人たちがみんな世界レベルだと、常に自分に満足することなく、良い意味で焦りもありながらモチベーションを維持できると感じています。彼らがすごいことをすると私にも火が付くことがありますし、とはいえ足を引っ張り合うような関係ではないので、お互いが自分のことに集中しながら切磋琢磨できる良いライバルになっているんじゃないかなと思っています。 トリプルアンダーフリップなどの超高難度トリックへ挑戦し続けることへの思いを聞かせてください。 L:北京オリンピックまでにトリプルアンダーフリップがメイクできなかったことで、「自分はこれ以上上手くなれないんじゃないか?」という限界を感じていたのが北京オリンピックの少し前の時期でした。でも実際に北京オリンピックでトリプルアンダーフリップにトライしたことで「まだ自分はもう少し上手くなれる」って思えたんです。それから自分が無理だと思うような挑戦にも取り組み続けることが、今自分が成長するために必要なことなのかなと感じています。なので今では挑戦することに対して積極的に向き合うようになったと思います。年々、女子のレベルも高くなっていて、男子がやるような技もどんどん必要になってきています。ありがたいことにそういう技は周りの男子選手が先立ってやってくれているので、それを見よう見まねではないですが一緒に挑戦し続けながら、彼らを追っていけるように女子の中では常に新しいことや難しいことを第一線かつトップレベルでやっていけたら良いなと思っています。 そんな新しい技や難しい技に挑戦する時の恐怖心を乗り越えるために意識していることはありますか? L:一番意識していることは思い切りよくやることです。新しい技を雪山で挑戦する前に夏場は「埼玉QUEST」やオフトレ施設で自分に自信が持てるくらい体に技を染み込ませるようにしているので、雪山で挑戦する時は変に怖がって動きが小さくなってしまわないように、覚悟を決めて思いっきりやるっていうことだけは絶対に決めてトライしています。 スノーボードはいつも自分を成長させてくれる。岩渕麗楽がプロスノーボーダーとして表現したい姿とは スノーボードの好きなところや魅力はなんですか? L:私がスノーボードを好きになった最初のきっかけは、ジャンプした時の空中に浮いてる感覚からでした。その感覚が好きなのは今でも変わっていないですが、それ以上に自然をすごく感じられるというか、海外の大きい山にも行くようになってからそこで見る自然の大きさに圧倒される機会が多く、そういう風に自然を感じられる環境の中でできるスノーボードはとても気持ちが良いですし、魅力の一つでもあるのかなと思っています。 プロスノーボーダーとして表現したいことや次世代に伝えたいことはありますか? L:もちろん楽しみながらスノーボードすることはみんなに大前提として持っていて欲しいです。あと私自身は、北京オリンピックの時にトリプルアンダーフリップにトライして転んでしまい納得できる結果を残すことができませんでした。その時、自分では結果に繋げられなかったことがダメだと思い込んでいたのですが、私が挑戦する姿を見て影響を受けたと言ってくださった方もたくさんいたことを知れたので、今後も応援してくれるみなさんが、何かに挑戦することや勇気を持てるきっかけになるような滑りを、この現役生活の中でやっていきたいと思っています。更にその先で自分がどうなっていきたいかということに関しては、やっぱり私自身今までいろんな先輩のライダーが楽しそうに滑っているのが羨ましくて、その姿に憧れてこのスノーボードをずっと続けてきたところがあるので、とにかく自分が楽しんで滑っている姿をこれからもみなさんに見せることができたら良いなと思っています。 そんな岩渕選手が現在目指している目標はなんでしょうか? L:この競技生活の大きなゴールはやっぱりオリンピックでメダルを取ることなので、それを第一目標において日々頑張っています! 将来の夢を含めて最終的にどんな自分になりたいですか? L:スノーボードを通して一番感じているのは諦めないでやり続けることの大切さで、それは小さい頃からずっと続けてきたこのスノーボードで学んできたことなので、この先競技を引退することになって違うことを始めるかもしれないですが、その中でも挫けずに諦めず挑戦し続けたいと思う姿勢はスノーボードを通して得たことなので今後も大事にしていきたいと思っています。 最後に岩渕選手にとってスノーボードとはなんでしょうか? L:自分を成長させてくれるきっかけです。スノーボードを通して海外へ行くようにもなりましたし、挑戦することや語学勉強のきっかけにもなりました。さらに世界中ではいろんな人がスノーボードをやっているので、その人数の分だけいろんなチャンスがあります。そんな環境の中で、このスノーボードを通じたコミュニケーションから私自身いろんなきっかけや繋がりを見つけることができているので、これはスノーボードだからこそ可能になっていることだなと強く思います。そういう意味でも、スノーボードはどんなことに対しても常に自分を成長させてくれるきっかけになっています。 岩渕麗楽プロフィール 2001年12月14日生まれ。岩手県出身のプロスノーボーダー。両親の影響で4歳の時にスノーボードを始めると、小学校1年生の頃から本格的に大会に出場するようになる。13歳でプロテストに合格し、2017年12月にはビッグエアでワールドカップ初勝利。その後もビックエア競技では、2019-2020シーズンで FISワールドカップシリーズ ビッグエア競技にて年間ランキング1位に。そして昨年にはX Games Aspen 2023にて自身初の金メダルを獲得。またビッグエア競技では2018年平昌オリンピックと2022年北京オリンピックで4位という結果を残している。一方、スロープスタイル競技では2021年ワールドカップスロープスタイル最終戦での優勝を皮切りに、2022年北京オリンピックでは日本人勢最高位の5位になると、先日のX Games Aspen 2024では銅メダルを獲得。更に2024年シーズン最後のワールドカップスロープスタイル最終戦でも優勝を飾り、ビックエア競技はもちろんのことスロープスタイル競技でもその強さを世界に示している。現在は2026年のミラノ・コルティナオリンピックでのメダル獲得を目指し、日々大会転戦とトレーニングに励んでいる。
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danceStripes & Mennoが優勝!23年越しに開催した伝説のブレイキン・バトルイベント「Red Bull Lords of the Floor」2024.04.07カルチャーとしてのブレイキンにスポットライトを当てた世界大会 4月6日(日本時間:7日)にアメリカ・シアトルにて、ブレイキンの原点とも言えるレッドブルの伝説的なイベントRed Bull Lords of the Floorが開催された。Red Bull Lords of the Floorは、2000年代のブレイキンシーンを象徴する歴史的な大会であり、現在の30歳〜40歳以上の世代にとっては最も影響されたイベントの一つ。VHSでの映像を目にしていた日本人B-Boyも多く存在し、この大会を通じてスタイルや技が拡散されていった歴史もある。現在の若手世代は、Lords of the Floorという名前は知らなかった人が多いものの、過去にこの大会に出場していたB-Boy達が築き上げて来た、各国のシーンで育てられた世代だ。今も尚、昔のB-Boyのスタイルを取り入れるダンサーは多く、五輪予選で注目を浴びるダンススポーツで活躍する選手にも大きな影響を与えている。パリ五輪で新種目になることをきっかけに、この数年スポーツとしての文脈でブレイキンが取り上げられていることも多いが、本来のブレイキンはHIPHOPカルチャーが由来であり、ストリートダンスの要素が強い。およそ4ヶ月後に迫ったパリ五輪を前に、レッドブルがカルチャーとしてのブレイキンにもう一度スポットライトを当てながら、10代〜40代までという幅広い世代のB-Boy・B-Girlたちとブレイキンカルチャーを世界に発信する。今大会は2on2のトーナメント形式で行われ、招待枠で事前に12組のデュオが決まっており、残りの4枠は前日予選を勝ち上がったデュオが出場権を手にしている。日本からは、日本ブレイキンシーンの先駆者であるTaisuke、日本人B-Girlのアイコンとして活躍するAmi、パリ五輪の日本代表のShigekixなどが本戦に出場し、世界を相手に戦った。 Carlo Cruz / Red Bull Content Pool 初戦からレジェンド同士が激突する、Lords of the Floorならではの夢の対戦カードが実現 トーナメント表の左の山には、レジェンド勢が多くクレジットしており、通常のバトルでは見られないような夢のカードが1回戦から実現した。シルエットやB-BoyくさいスタイルにこだわるSKILL METHODZ(Flea Rock&Luigi)と、個性的なB-Boyの代表格であるHAVIKORO(Marlon&Palmer)のバトルでは、両極端なスタイルでこれまでシーンを引っ張って来た2組が激突。また、韓国のブレイキンシーンを代表する2名、Hong10&Physicxのデュオと、アーティスティックなスタイルを武器にするStripes & Mennoのバトルも注目カードの一つ。Hong10とMennoは共にRed Bull BC One(世界最高峰の1on1バトル)を生涯で3回制覇しており、ヤングレジェンド二人のマッチアップにもオーディエンスが大いに盛り上がった。会場は20年前の大会を見事に再現。観客席からダンサーが踊る真ん中のステージを見下ろすことができ、フロアは当時使っていたものを使用。その雰囲気の中で踊るレジェンドたちのムーブはもちろん、当時はキッズだったヤングレジェンド世代や、現在のトッププレイヤーである若手世代がこのステージで踊り、様々な世代がクロスすることで、今回のLords of the Floorならではの空気感が生み出された。 Little Shao / Red Bull Content Pool 日本のShigekix & Issinは世界のTOP4に進出 過去の大会を経験しているレジェンドたちの多くはクオーターファイナルで敗れ、TOP4入りを逃した。セミファイナルへ駒を進めたのは、パワームーブを主体に組み立てる南米を代表するB-BoyのLil G & Alvin。日本B-Boyのトップ1.2(ワンツー)コンビのShigekix & Issin。オリジナリティあふれるムーブを武器にするStripes & Menno。 セミファイナル勢で唯一、過去の大会を経験しているK-Mel & Prada-G。この4組が勝ち上がった。日本のShigekix & Issinは、Lil G & Alvinにジャッジ1票差で敗れ、惜しくもTOP4敗退。K-Mel & Prada-GもTOP4で姿を消すことになった。2000年代のブレイキンシーンを牽引し、過去のLords of the Floorでもアイコン的な存在だったK-Melが舞台を後にする際には、観客からスタンディングオベーションが起こった。 Little Shao / Red Bull Content Pool Stripes & Mennoの優勝は、現代版Lords of the Floorの象徴に Little Shao / Red Bull Content Pool 歴史的な大会の優勝をかけて戦うのは、セミファイナルまでに数多くのレジェンドたちを、独自のスタイルを貫きながら倒してきたStripes & Menno。1回戦から得意のパワームーブで会場をロックし、この日一番勢いのあるLil G & Alvinの二組。Lil G & Alvinは1人あたり3ムーブ制となる決勝戦でも(準決勝までは2ムーブ制)、最後までパワームーブを出し切り会場を沸かせたが、スキルとオリジナリティ、そして芸術性を兼ね備えるStripes & Mennoが勝利し、ブレイキンシーンに歴史を刻んだ。Stripesはアメリカの36歳、Mennoはオランダの34歳であり、今回も出場したレジェンドたちから直接的に影響を受けてきた世代でもある。一方で、二人は現在のブレイキンシーンにおいても最も独創的なスタイルの持ち主でもあり、その独自性や芸術性に影響される若手世代も多い。Stripes & Mennoは、上の世代から学んだことを土台に、現代的な要素を自ら取り入れ、現在のシーンを引っ張る存在とも言える。カルチャー要素が強く、それぞれのスタイルや個性に注目が集まりやすいLords of the Floorというバトルで、今回Stripes & Mennoが優勝したことにより、二人のスタイルがこれからの時代の象徴的なスタイルの一つになるだろう。そして23年ぶりに開催し、かなりの盛り上がりを見せたLords of the Floorが今後も開催されることを期待したい。 The moment of「Red Bull Lords of the Floor」 Little Shao / Red Bull Content Pool Little Shao / Red Bull Content Pool Carlo Cruz / Red Bull Content Pool Carlo Cruz / Red Bull Content Pool Carlo Cruz / Red Bull Content Pool Little Shao / Red Bull Content Pool Little Shao / Red Bull Content Pool
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danceブレイキンカルチャーの歴史的な大会「Red Bull Lords of the Floor」が明日アメリカ・シアトルで開催2024.04.06パリ五輪直前のこのタイミングで、カルチャーとしてのブレイキンにもう一度スポットライトを当てる 4月6日(日本時間:7日)にアメリカ・シアトルにて、ブレイキンの原点とも言えるレッドブルの伝説的なイベントRed Bull Lords of the Floorが開催される。パリ五輪の新種目として注目を集めるブレイキンだが、五輪でのブレイキンはスポーツ要素が強いことから、ダンススポーツと表現されることが多い。一方で、本来のブレイキンはHIPHOPカルチャーが由来しており、ストリートダンスの要素が強く、ブレイキンシーンではカルチャーの側面を支持する人たちも多く存在する。※ライブ配信ページは下部に記載 今回、レッドブルが23年越しに開催するRed Bull Lords of the Floorは、2000年代のブレイキンカルチャーを代表するイベントであり、これまでのブレイキンシーンを築いてきたレジェンドたちも多く参加してきた。そしてパリ五輪直前のこのタイミングで、再度このRed Bull Lords of the Floorが開催されることで、カルチャーとしてのブレイキンにもう一度スポットライトが当たり、五輪種目という側面だけではなく、ブレイキンカルチャーとその歴史にも注目が集まりそうだ。 今大会は2on2のトーナメント形式で行われ、すでに12組のデュオが招待枠として確定している。前日となる4月5日(日本時間:6日)には、前日予選が行われ100人以上のB-Boy・B-Girlが参加。勝ち上がったTOP4のでデュオに本戦の出場権が与えられた。 Little Shao / Red Bull Content Pool シーンを象徴するレジェンドからパリ五輪の代表選手まで、様々な世代がクロスする世界大会 日本代表として、招待枠で既に本戦出場が決まっているのは、TAISUKE&AMIのデュオ。キッズの頃から自らが先駆者として、日本のブレイキンシーンを世界に発信し続けてきたTAISUKE。そしてAMIは、2018年にRed Bull BC One B-Girlの初代世界女王となり、そこから数年間、日本と世界のトップランカーとして走り続けている。世界大会での実績十分な日本人二人がタッグを組み、同世代やレジェンド達とどのようなバトルをするのか楽しみだ。TAISUKEと同世代でアメリカのシーンを牽引しているEL NINOは、パリ五輪のアメリカ代表(内定)VICTORとタッグを組んで参戦する。EL NINOはキッズ時代に過去のLords of the Floorへ出場しており、今回は23年ぶりのカムバックとなる。アメリカのブレイキンシーンを代表する2名が、2on2でどのようなバトルを展開するのか要注目である。トーナメント表のTAISUKE&AMI、EL NINO&VICTORなどがいる反対の山では、レジェンド級のダンサーが勢揃いしている。過去の大会にキッズ時代のEL NINOを引き連れて出場していたK-MEL、シーンの中でも大先輩となるクルーSTYLE ELEMENTSやSKILL METHODZ。韓国のシーンを築き上げて来たPHYSIXなどなど、出場するダンサーたちも「これは観たい!」と思うような、豪華な対戦カードが多く存在している。世界レベルのB-Boy・B-Girlが集まり、10代から40代までの世代がクロスした大会は唯一無二であり、今回のLords of the Floorは、シーンにとっても歴史的な1ページとなるであろう。 Little Shao / Red Bull Content Pool Red Bull BC One All Starsの日本人メンバーであるSHIGEKIX&ISSINは予選を勝ち上がり本戦へ SHIGEKIX&ISSINは、ファーストムーブから会場をロックし、TOP16、TOP8と順当に勝ち上がって本戦出場の条件であるTOP4入りを果たした。TOP16のバトルでは、SHIGEKIXがこの日のハイライトと言っても過言ではないくらいのムーブを見せ、会場を大いに沸かせた。日本を代表する世界トップクラスの若手二人が、上の世代を相手にどこまで勝ち進むことが出来るか、挑戦が始まる。その他、前日予選では下記のデュオが予選を突破している。Red Bullのバトルに久々にカムバックする、元BC Oneワールドファイナル王者のISSEIも本戦で間違いなく注目されるB-Boyになるだろう。 前日予選を通過し本戦の出場権を手にしたデュオ Little Shao / Red Bull Content Pool Issei and Wing Zero, Found Nation (Japan)Gravity and Data (USA)Amir and Dias, Predatorz (Kazakhstan)Issin and Shigekix, Red Bull BC One All Stars (Japan) Red Bull Lords Of The Floor 概要 ルールトーナメントの勝ち抜き方式を採用。クルーごとに直接対決を行い、5名の審査員が勝者を決定。また対戦の組み合わせは、2001年当時のオリジナルルールと同様、イベント開催日直近の週末に発表される。 スケジュールDay 1 – 金曜日, 4/5: 予選 + ワークショップブレイキンワークショップ: 1:00-2:30PM PSTOGによる講演会: 3:00-4:30PM PST予選: 5 PM PSTDay 2: Red Bull Lords Of The Floor 本戦Red Bull Lords Of The Floor 本戦 @ ワム・シアター: 7:00 PM – 10:30 PM PSTRed Bull Lords Of The Floor 公式アフターパーティー 11:00 PM – 2:00 AM PST ライブ配信Red Bull TV日本時間:2024年4月7日·11:00 JST
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dance23年越しにシアトルで開催される「Red Bull Lords of the Floor」日本から参戦する4名のB-Boy・B-Girl 大会直前インタビュー2024.04.05招待選手として出場するTAISUKE & AMI、前日予選に挑むSHIGEKIX & ISSINの独占インタビューをお届け 4月6日土曜(日本時間:7日)にアメリカ・シアトルにて、ブレイキンの原点とも言えるレッドブルの伝説的なイベントRed Bull Lords of the Floorが開催される。23年越しに開催するRed Bull Lords of the Floorは、2000年代のブレイキンカルチャーを代表するイベントであり、パリ五輪直前のこのタイミングでもう一度カルチャーとしてのブレイキンにスポットライトを当て、過去に参加していたレジェンドから、2010年代を盛り上げた現在のシーンを引っ張る世代、さらにはパリ五輪出場を決めている若手世代など、さまざまなB-Boy・B-Girlが参加し世界に向けてブレイキンカルチャーを発信する。今大会は2対2のトーナメント勝ち抜き方式で行われ、クルーごとに直接対決を行い、5名のジャッジが勝敗を決定。対戦表はすでに公開されており、招待枠で既に12組のデュオが発表されている。本戦出場の残り4枠をかけて、前日に予選が行われ、全16組のデュオが世界一をかけてバトルを繰り広げる。今回の記事では、現地時間5日(日本時間:6日)の予選に出場するSHIGEKIX、ISSIN。そして招待枠で本戦への出場が決まっているTAISUKE、AMIの大会直前の声をお届けします。 SHIGEKIX「今回のLords of the Floorは、10代から40代までの世代がカルチャークロスする魅力的な大会」 Little Shao / Red Bull Content Pool 今回の出場を決めた背景を教えてください Red Bull Lords of the Floorが23年越しの開催ということで、Red Bullとしての記念すべき大会に、Red Bull BC One All Starsの一員として立ち会いたいという気持ちがありました。TAISUKE&AMIが招待枠で出場することがアナウンスされて、自分もRed Bull BC One All Starsの日本チームとして出れたら良いなと考えていたので、ISSINと一緒に出よう!となりました。二人でバトルに出るのは初めてです。 Red Bull Lords of the Floorはどんな印象ですか? 映像はもちろん見たことがあって、ブレイキンを始めた頃から(今回も出場する)PHYSICXなど、レジェンドたちの映像をめっちゃ見ていました。自分がブレイキンを始めて、最初に興味を持った世界規模の大会がRed Bull BC Oneだったので、その更に前に行われていたイベントということは、自分たちの上の世代の人たちが、この大会を見て世界規模のバトルに興味を持った、という位置付けなのかなと思っています。そういう大会に出れることは嬉しいですし、ちゃんと予選を勝って、本戦でも大暴れしたいです。 今回、自分の中でのテーマはありますか? Lords of the FloorやBC Oneはカルチャー要素が強く、独自の雰囲気があるので、それを味わいたいです。やっぱりRed Bullならではのかっこいい空気感があるし、バトル本番だけでなく、現地に入ってからのムードを楽しむ心構えで、この1週間を過ごしています。 ブレイキンカルチャーを感じる部分を教えてください やっぱり参加する世代が幅広いところかなと思います。過去に出場していたレジェンドがカムバックしていたり、自分たちの一回り上である30代の人たちがいたり、自分たちのような10代・20代の若手がいたり、いくつかの世代に渡ってカルチャークロスする感じが、魅力的な大会になると思います。 ISSINとの2on2バトルはどのような戦い方になりそうですか? 僕も彼も若いので、とにかくエネルギッシュに戦えると思うし、勢い全開でいけるなという気持ちよさがあります。普段から、最年少や若手という立ち位置でバトルに出ることが多いですが、今回はかなり上の世代まで出場するので、より一層そうなると思います。だからこそ、レジェンドたちとの違いを存分に示して、パワー、勢い、エネルギッシュさを出していきたいです。 ISSIN「採点とかではなく観ている人の心を動かした人が勝ち!というのがカルチャーイベントの醍醐味」 Little Shao / Red Bull Content Pool 今回の出場を決めた背景を教えてください Lords of the Floorはとても歴史があり、自分が生まれる前に行われていたバトルなので、自分自身が盛り上がりを肌で感じたことはないですが、上の世代が今回の復活を聞いて盛り上がっていて、そんなに価値のある大会なら出場してかましてやろう!と思っていました。実は、Red Bull BC One All Starsとして(チーム戦に)出場する初めてのバトルなので、めちゃくちゃ気合が入っています。 Red Bull Lords of the Floorはどんな印象ですか? 映像は何度も見たことがありましたが、そのバトルがLords of the Floorという大会であることは知らなかったです。昔の人のムーブがすごい好きで、勢いだけで飛ばしていく人や、ムーブがかなり短くてもかましているB-Boyをよく見ていました。 SHIGEKIXとの2on2バトルはどのような戦い方になりそうですか? 勢いはどのデュオよりも切らさずにいけると思います。シゲキ君も体力がすごいあるし、僕もある。2on2だと片方が踊っている時に休めるので、体力の回復も早いです。2on2だからこそ、後先考えずに出来ることもありそうですし、最初からの勢いそのままに、決勝までメラメラの状態でいきたいです。 ブレイキンカルチャーを感じる部分を教えてください 採点とかではなく、観ている人の心を動かした人が勝ち!という部分が一番カルチャー要素を表していると思います。優勝も大事だけど、一番良いムーブやバトルをした人たちが、その後に語り継がれていると思うので、どれだけ歴史に名を刻めるか?という意識になるのも、カルチャー要素が強い大会の特徴だと思います。 Lords of the Floorの見どころを教えてください 幅広い世代で、いろんな人が参加しているので、バトルの中でのコミュニケーションに注目して欲しいです。バチバチしている感じもそうだし、踊りというよりも、バトルの中でダンスを通じた会話をどのようにしているか?を意識して見ると面白いと思います。これだけ上の世代が出場する大会は珍しいし、かなりスタイルにこだわっている人も多いので、それに対して挑発されたらやり返したり、いろんなコミュニケーションが生まれると思います。 AMI「本当に今回しかないマッチアップだからとても貴重なものだし、B-Boy・B-Girlの十人十色な部分を注目して欲しいです」 Little Shao / Red Bull Content Pool 歴史あるLords of the Floorという大会に招待選手として出場しますが、どんな気持ちですか? すごい光栄なことだと思います。声がかかった時も嬉しかったし、その後に他の招待選手や予選に出る人が明らかになって、レベルの高さに驚きました。それだけみんなが出たい!と思うイベントにインバイトしてもらい、TAISUKEさんと出場できることが嬉しいです。 Red Bull Lords of the Floorはどんな印象ですか? 映像は見たことがあって、木の床(体育館のような木製の床)で踊っていて、かなり盛り上がっているイベントという印象がありました。KoreanRock(ブレイキンの歴史や動画を発信するメディア)とかが発信している動画を見て、このイベントは何ていう大会なんだろう?と思っていて、それがLords of the Floorということに気がつき、23年越しに復活する大会に自分が出れるチャンスが回ってきたのは嬉しいです。 Red Bull BC Oneとの印象の違いもあれば、教えてください BC Oneは、今現在自分からガツガツイベントに出ている人たちがインバイトされたり、予選から勝ち上がってくるイメージなのに対して。今回のLords of the Floorは、20年以上に前に活躍していた人たちを始め、いろんなジェネレーションが揃っているのが違いであり、楽しみです。どんな大会になるのかも予測不能ですよね笑。BC Oneは男女が分かれているけど、今回はミックスになっているのも楽しみの一つです。 ブレイキンカルチャーを感じる部分を教えてください BC Oneと同様に大規模なイベントですが、やっぱりカルチャーに寄っているなとは思います。バトルの瞬間だけではなく、会場の雰囲気作りもそうですし、昔の時代を知っているジャッジやDJが参加するなど、昔からの流れを大事にしているイメージがあります。あとは、いい意味でスキルよりもクセが強いという感じがあって、クセが強い人が多いと、カルチャー要素が強くなる気がしています。自然に醸し出している雰囲気や独特さが強い人たちが集まるので、面白いバトルになると思います。 TAISUKEとの2on2バトルはどのような戦い方になりそうですか? TAISUKEさんとの2on2は3回目ですが、前回出たのはだいぶ前になるので、結構久々です。もちろん足を引っ張っちゃいけないという気持ちはありますが、とても安心感があって頼もしいから、自分はやりたい事を自由に出来ると思ってます笑。昔からAMIのことをよく知ってくれているからこそ、やりやすいです。 本戦に向けてコメントをお願いします 今回のLords of the Floorは、本当に今回しかないマッチアップだから、とても貴重なものだし、その中で出る十人十色な部分を注目して欲しいです。自分自身は、(五輪予選やBC Oneのような大会での)いつものシリアスな緊張というよりは、大会自体が予測不能なので、ワクワク感やそわそわする感じがありますが、インバイト(招待枠)だからといって気負うことなくやりたいです。 TAISUKE「Lords of the Floorは競技ではなく自分をレペゼンし合う大会」 Little Shao / Red Bull Content Pool 現地シアトルに入ってからは、どんな感じですか? めちゃくちゃリラックスしてます笑。昨日の全体ブリーフィングや、若手のB-Boy・B-Girlとも話していた時に感じましたが、Lords of the Floorを知らない世代も出るし、Lords of the Floorが何か分かっていて、あの伝説のイベントに出る!という気持ちの自分たち以上の世代とで、感覚は本当に両極端だなと思いました。 幅広い世代が集まる、かなり貴重な大会になりそうですね! そうですね。自分の同世代は、EL NINOやLIL Gが同い年ですが、更に上の世代のB-Boy達から、お前らもヤングレジェンドだって言われて、俺らもそういう世代(立ち位置)になったんだなと思いました。それと、昔は25歳程度がB-Boyのピークと言われていた時代もあったので、そう思うと今の自分の年齢で出来ることや、40代の人たちがまだ踊っているのを見て、複数の世代が歴史を積み重ねることで、B-Boyの寿命も大きく変わって来たなと感じました。 今回、自分の中でのテーマはありますか? 23年越しに復活したものの、次回があるかは分からないし、このメンバーが集まることはかなり貴重なので、この特別な大会を楽しみたいです。 Red Bull Lords of the Floorならではの雰囲気はありますか? 久々に会うレジェンド同士が話し込んでいる場面があって、すごく良いなと思っていますし、BC Oneの会場にはなかなか来ない人もいたりするので、通常のイベントとは感覚が違います。ブラケット(トーナメント表)の左の山は結構レジェンド達も多いので注目の対戦カードが多いですよね。個性が強いHAVIKOROと、シルエットを意識したB-BoyくさいスタイルのSKILL METHODSの1回戦は、全然スタイルが違うので、かなり面白くなると思います。 本戦に向けてコメントをお願いします やっぱりLords of the Floorは、自分のキャラクターを際立たせられた人が目立つイメージで、だからこそ語り継がれていて、これまでにいろんな人が見て影響を受けた大会だと思います。BC Oneのようにフルセットで頑張って出し合う、というバトルとは対照的に、ムーブが短くても、気持ちがめちゃめちゃ乗っかっている踊りをする人たちが多いと思うので、個性重視で観て欲しいです。競技ではなく、自分をレペゼンし合う大会です。個人としても、とにかく技を詰め込んで相手を倒す!というよりは、TAISUKEとは?という部分を自分がどう表現するかを見て欲しいです。「TAISUKEといえばあれだよね!あれあれ!」と言ってもらえるように、自分のイントロダクションのような踊りが出来たらと思います。 Red Bull Lords Of The Floor 概要 ルールトーナメントの勝ち抜き方式を採用。クルーごとに直接対決を行い、5名の審査員が勝者を決定。また対戦の組み合わせは、2001年当時のオリジナルルールと同様、イベント開催日直近の週末に発表される。 スケジュールDay 1 – 金曜日, 4/5: 予選 + ワークショップブレイキンワークショップ: 1:00-2:30PM PSTOGによる講演会: 3:00-4:30PM PST予選: 5 PM PSTDay 2: Red Bull Lords Of The Floor 本戦Red Bull Lords Of The Floor 本戦 @ ワム・シアター: 7:00 PM – 10:30 PM PSTRed Bull Lords Of The Floor 公式アフターパーティー 11:00 PM – 2:00 AM PST ライブ配信Red Bull TV日本時間:2024年4月7日·11:00 JST