はじめに
青森県にある弘前市(ひろさきし)をご存知だろうか。弘前の特徴として青森県南西部にあり日本で最初に市制を施行した都市の一つである。弘前藩の城下町として発展し、津軽地方の中心都市として弘前都市圏を形成し、青森県唯一の国立大学法人である弘前大学が設置されているほど青森を代表する中心地だ。
また、りんごの生産量は弘前市が全国一を誇り、弘前公園で開催される弘前さくらまつりや弘前城も全国的に知られており「お城とさくらとりんごのまち」のフレーズは古くから使われている。8月には、国の重要無形民俗文化財に指定されている「弘前ねぷたまつり」が開催され、例年100万人以上の人出があり、全国的に知名度のある夏祭りも開催されている情熱と伝統が色濃く残る地でもある。
その弘前で、近年急成長を遂げているイベントが今年も開催される。それが弘前城の城が由来の「SHIROFES.」だ。
「SHIROFES.」は、今年で10回目の開催を迎える。初期から内容を拡張し、現在は音楽、ダンス、そして様々なアートが融合した、まさに複合型の一大イベントへと成長を遂げている。観客の熱気、ダンサーのエネルギーとパワー、そして運営スタッフの情熱がエネルギーの塊となり、まさに「目覚めろ、個性。燃え上がれ、弘前。」というキャッチフレーズを体現するイベントとなっている。今回は、このSHIROFES.を支える弘前の櫻田市長と、イベントを牽引するオーガナイザーのNOBUOにその軌跡と現在のSHIROFES.がもたらす影響、そして街づくりについて話を訊いた。

– 本日はお忙しい中、貴重なお時間をいただきありがとうございます。早速ですが、昨年のSHIROFES.をご覧になられた感想を教えていただけますか?
櫻田市長: 昨年のファイナルは、まさにエネルギーの塊を体で感じ、圧倒されました。ブレイクダンスなど各大会の決勝戦では、ダンサーの方々が相手をリスペクトしながらも最高のパフォーマンスを繰り広げ、会場が一体となっていました。若い人たちが市民会館を埋め尽くしている姿を見て「これが今の時代の新しい、全てを融合した一つの文化になっているのだな」というのが私の率直な感想です。SHIROFES.は単なるダンスイベントではなく、弘前が世界と繋がる象徴となっており、若者たちが自己表現できるかけがえのない舞台になっていると強く感じました。

– 昨年は予期せぬアクシデントがあったかと思いますが、無事に終えられた時の感想を教えてください。
NOBUO: そうですね、コロナ禍に入ってオンライン開催や無観客開催もありましたが、昨年ようやく市民会館がある弘前公園の方で実施することができました。そこに災害レベルの雨が降ってきたのですが、奇跡的に市民会館を使わせていただくことができ、屋内に急遽残りのプログラムを移動することができました。通常なら中止になっていただろう状況で、関わってくれるスタッフや日本を代表するダンサーの方々が裏で同じように動いてくれて、結果的に最高の盛り上がりを見せることができました。コロナ禍を経て、トラブルに見舞われながらも開催できたことが、自分としては非常に大きかったと感じています。オンラインからリアルな対面開催への移行、そしてトラブルを乗り越えたからこそ生まれた熱量が、ダンスイベントならではの得られた経験だったと感じています。

– 櫻田市長も現場にいらっしゃったと思いますが、当時の状況をみてどのように感じましたか?
櫻田市長: 私も2日間ほど会場で観覧をさせていただいていたのですが、豪雨になった時は大変な状況だと感じました。しかし、コロナ禍でも中止せずオンライン開催で世界と繋がるきっかけを作った彼らの「常に前を見続けて進む、止めることはしない」という強い思いが、様々な人たちの力を借りながらイベントとして成立しているのだと実感することができました。市民会館への急な変更にもかかわらず、まるで最初からそこで予定されていたかのような完成度の高いステージになっていました。これは市民が自ら作り上げてきたイベントの象徴であり、これからも市民、アーティスト、スタッフが交流しながら新しい文化を作っていくイベントになると感動しました。
SHIROFES.の成長と街づくりの影響
– SHIROFES.は全国的に見てもその規模や招集されるダンサーのレベル、そして幅広い世代が集まる点が他に類を見ないイベントだと感じます。この10年間の努力が積み重なってのことだと思いますが、特に成長する上で大きなきっかけになったことがあれば教えてください。
櫻田市長: 最初は弘前城の天守の石垣工事をきっかけにイベントが始まったのですが、私が思うに、急成長の大きなきっかけはコロナ禍でのオンライン開催だったと思います。あの時、「どうすれば自分たちの取り組みを止めることなく続けられるか」と真正面から向き合い、オンライン開催に踏み切ったことが、通常開催を重ねるよりもさらに飛躍的な成長を遂げたのではないかと感じています。困難があればあるほどそれを乗り越えていく力を持っているからこそ、実際に乗り越えていける。これが人としての成長、そして市民を巻き込んだイベントとしての成長に繋がっていると思います。

NOBUO: 弘前市の方々には本当に数え切れないほど多くの部分で協力していただいています。SHIROFES.が生まれて10年になりますが、その前から僕個人としては様々なイベントを開催していましたし、SHIROFES.の10年間も並行して様々なイベントや事業を行ってきました。そうしたなかで実感するのは、SHIROFES.以外の他のイベントに足を運んでくださる方が凄く増えたこと、そして初めて会うお店のスタッフさんから「SHIROFES.楽しみにしています!」と声をかけていただけることです。“楽しみにしてもらえる”という点で地元の方からも理解が得られていることが、協力してもらっていると凄く感じる部分ですね。僕がダンススタジオを始めた18年ほど前は、ダンスに対する理解度や認知度が低く、ダンサーや子供たちも今ほど市民権を得ていなかった中で、皆がそれぞれの立場でダンスシーンを盛り上げようとしてきた結果、今ではダンス関係者のみならず、地元の方からの応援も多く感じられるようになりました。SHIROFES.がそれをさらに繋げてくれたという手応えがとてもあります。
– 櫻田市長は、SHIROFES.が街に広まり、良い影響をもたらしていると実感されていますか?
櫻田市長: はい、そうですね。SHIROFES.は、若い人が集まるイメージでしたが、会場に行くとご高齢の方や私と同年代のご夫婦まで来られていました。地域の方々がSHIROFES.を認知し、若い人たちが集まる姿を見に来る、そうした「街づくり」に近いところまで来ていると思います。先日も、Shigekixさんをはじめとした世界レベルのダンサーの方々が十名ほど市役所を表敬訪問してくださいました。その際、私の目の前でパフォーマンスをしてくれたんです。こんな贅沢な市長はいないなと思いましたし、これは地域に対する大きな貢献であり、市民がどう受け止め、どう育てていくかが試されている、これこそが街づくりそのものであると感じました。

– 今年は近隣の宿泊施設がすでに満室になっているほど、盛り上がりをみせていると伺いました。まさに街づくりですね。NOBUOさん、昨年の反響が大きいのでしょうか?
NOBUO: そうですね、今年の大会はエントリー数がすでにものすごい速さで昨年の記録を超えていて、定員に達している大会もあります。15歳以下の子供たちの参加人数だけで400人を超えていて、そのご家族もいらっしゃると考えると400家族くらい。大会参加者(出演者)全体ですでに1,300人を超えている状態です。そして、全国だけでなく、昨年よりもさらに海外のダンサーのエントリーが増えているんです。
さらに驚いたのは、エントリーをせずにただ「見に行きます」と言ってイタリアから来られる方がいることです。直接DMをもらい、おすすめのホテルや食事、SHIROFES.の楽しみ方、弘前での5日間の移動手段などを尋ねられました。見に来るためだけにわざわざ海外から来られる方がいるというのは、僕の知る限りはこれまでなかったので、とても新鮮でしたし昨年の反響を感じますね。

海外から5日間も弘前に滞在してイベントを見に来てくれるというのは、ある意味本当に一線を越えた、僕らの中では「ダンスの聖地」になったという感覚があります。そして今年からは、オンライン開催時に繋がったベトナムのダンサーから要望を受けたSHIROFES.の予選大会をベトナムで開催することができました。
そこで優勝した大人と中学生の男の子が、初めてパスポートを取って弘前に来るんです。ベトナムの大会もすごい盛り上がりで、台湾の方々も見に来ていて「来年はぜひ台湾でもやってほしい」と言われました。弘前の地元企業の方々も、海外での観光PRや、弘前りんごジュースを参加者に配るといった形で協力してくださっています。アジア圏では弘前は認知度が皆無に等しいと思うのですが、「SHIROFES.に行きたい!」と言っている人がたくさんいて、弘前を訪れてくれる機会になればと思います。
弘前からもベトナムへ連れて行った子供たちがいるのですが、そこでベトナムの子供たちから「SHIROFES.はすごい!」と言われたり、見知らぬ土地でSHIROFES.を目標にダンスを頑張っているダンサーたちと触れ合うことができ、良い意味でカルチャーショックを受けていました。コロナ禍を経て海外の人たちと繋がったことで、日本から視る海外、弘前から視る海外といった視点で考えるようになり、文化交流や経済的なPR、おもてなしの部分で弘前らしさを出せるのではないかと考えるようになりました。

弘前のダンス文化を支える「練習場所」誕生秘話
– ダンスは言葉も道具もいらないツールとして、国際交流の文化として地域に根付き発展しているんですね。櫻田市長はストリートダンスに対してSHIROFES.以前から関心をお持ちでしたか?
櫻田市長: ええ、実は弘前市役所の隣にある市立観光館の建物で、もう20年以上前から夜になるとカセットデッキを持ってきて音楽をかけ、ダンスをする若者をたくさん見てきました。観光館の管理者はその様子を危険だと考えていましたが、私は当時弘前市長の秘書をしていたのですが、市長に対し「彼らは自分たちでペットボトルを持ってきて、ゴミも残さずきれいに片付けている。純粋にダンスをしている。この人たちにスポットライトを当てられないか」と相談したことがありました。

その後、私の職員時代のことですが、弘前の駅前にある複合施設「HIRORO」のフリースペースに若者が集まってダンスをしているという話を聞き、鏡を設置することを提案しました。市役所の食堂の建て替えで残っていた昭和40年代の鏡を貼り、足りない分は市役所の方で整備をして全体で3、4枚貼ったところ、若者がただ集まるだけでなく、そこでダンスをすることで治安が良くなったんです。ダンスをしていた人たちをサポートできた経験があったので、SHIROFES.が始まったときも「あの時、あの場所で踊っていた人たちが、弘前で成長をし、いろいろと挑戦をしているんだな」と思い、職員として応援し、市長になってからもその想いは継続しています。
HIROROの練習広場 親子共に安心して自由に練習ができ交流場にも
NOBUO: まさにその観光館でカセットデッキを持って練習していた第一世代が僕らなんですよ。櫻田市長がおっしゃる20数年前というのはまさに僕らの時代です。当時から、弘前には「中下(ナカシタ)」というダンサーの聖地と呼ばれる練習場所があったのですが、上手い人達が沢山いて僕は大学に入ってからダンスを始めたので、そこに行くのが怖くて(笑)。大学から自転車で行ける距離にあった観光館がとても良い場所だったので、ダンスを始めた頃は夜になると毎日行っていました。ライトアップされると光の加減で鏡のように映る場所があってちょうど良かったんですよね。
HIROROの鏡の設置についてですが、この動きに関してはおそらく日本で一番最初の試みだったと思います。弘前ではデパートのフロアに鏡を設置して無料で練習できる場所を提供していて、今ではその経緯を知らない子供たちや、僕自身の子供でさえ、学校終わりにスクールからHIROROまで行って練習しています。複合施設のフリースペースで、親としても安全な場所なので、今では完全に子供たちにとってのダンスの聖地になっています。冬でも練習できるこうした場所はなかなかありません。
多くの自治体の方がSHIROFES.を見に来る際にイベントだけでなく、そうした普段の練習環境や流れを追って視察されます。この鏡の経緯を聞かれると10年以上前の話なので、ダンスがオリンピック競技になるという話もない時代にすでに自然とできていたことに驚かれます。こうした環境が整っていたことが、若い子たちが伸びている要因だと強く感じています。SHIROFES.に限らず、この街には恵まれたダンスの環境がかなり早い段階からあったのだなと改めて思いました。

– 櫻田市長が当時、危険視されがちな若者の集まりを純粋にダンスに打ち込む姿として捉え応援しようと思われたのは、行政管理視点としては真逆のように感じたのですが何かきっかけがあったのでしょうか?
櫻田市長: 当時、私の仕事が忙しく夜中に残業して帰る時も、彼らはひたすらカセットデッキで音楽をかけて踊っていました。冬の寒い中でも毎日見ていたので「この人たちにコーヒーでも差し入れしようかな」と思うほどでした。ある時「大丈夫?寒くない?」と、声をかけたら「大丈夫です。ダンスの練習がしたいんです!」と元気いっぱいに答えてくれたことがすごく印象に残っています。その時に、見方を変えることによって「この若い人たちは何をしたいのか」が分かったんです。
若い自分も何か挑戦したかった想いと重なり、少しでもサポートできないかと考えるようになりました。怪しいことをやっているという見方ではなく、何をしたいのかが分かると、自分たちがやりたいことを実現するためにはルールを守るといった、人としての当然のところが活きてくるんです。してはいけないとだけ言うのではなく、「一緒にこの地域で成長していこう」と感じたので、その当時からダンスが好きで踊っている人たちに何かしらサポートできないかと思っていました。それが鏡の設置となり、今に繋がっています。

SHIROFES.が持つ魅力と未来への展望
– ストリートダンスやSHIROFES.の魅力について、改めてお伺いできますか?
櫻田市長: ダンスを通して自分の想いを表現していく。これはリズム感、身体的な筋力、柔軟さなど様々なものが関わってきます。自分の持つ能力の強い面、良い面を伸ばし、それが世界で戦う場に繋がっていることが素晴らしいと思います。ダンスを通して様々な人が関わり、自分は踊れなくても見ることで楽しめます。昨年は台湾の小さな子供が応援するためにSHIROFES.を訪れたという話も聞きました。
このようにダンスを通して交流人口や関係人口が増えています。私は職員時代に観光を担当していましたが、現在のSHIROFES.はまさに観光誘致の世界であり、宿泊施設が満室になっている状況です。これは弘前では“さくらまつり”や“ねぷたまつり”くらいしかありません。観光誘致のみならず、文化の交流によって新しい経済活動が生まれていると感じており、これからの地域活性化に繋がると確信しています。
– ストリートダンスはジャンルが様々で、SHIROFES.はバトルコンテンツが多いと思います。特にダンスバトルは分かりにくい側面もあると思いますが、櫻田市長は率直に「楽しめるもの」だと感じますか?
櫻田市長: そうですね。率直にお答えすると・・「よく分かりません」。
一同(笑)

櫻田市長: よく分からないんですけど「何かがすごいんだな」ということは周りの観客の方々の反応で感じます。私自身、どこがすごいのかはよく分かっていないかもしれませんが、昨年の会場の一体感やダンサーの方々がお互いをリスペクトし頂上を目指しハイレベルな戦いをしていることはわかりましたし、心が震える場面も多くありました。なので、私のような方がいらしても大丈夫です。わかっていなくても一緒になってこの空気感を楽しむということをすれば、新しい楽しみ方ができるかと思います。
NOBUO: 僕としては、大会としてダンスバトルを行っているのですが、一方でダンスバトルだけじゃないダンスの楽しみ方を知ってもらいたいというのも正直あります。ダンスは音楽が軸であり、ヒップホップなどの洋楽だけでなく様々な音楽があり、地元の伝統芸能が入ると、他の地域から訪れたダンサーも「津軽三味線を生で初めて見た」と新しい発見をしてくれます。
ダンスバトルは一つの「フック」だと思っていて、バトルを軸に弘前に来ようと思ってもらえる大会にしていくのが僕らの役目だと考えています。昨年のイベントが終わった際には、多くの地元の方々から「SHIROFES.のステージに立つのが夢なんです」と言っていただき、今年は地元市民のパフォーマンス時間を増やしました。ダンスを軸に始まったイベントかもしれませんが、ダンスバトルがきっかけで市外から人が訪れ、地元で様々な音楽や伝統芸能をやっている人たちもSHIROFES.の同じステージに立ちたいと思ってくれる。
ダンスバトルも大事にしつつ、様々な音楽、ダンス、アート、伝統芸能が複合的に混ざることで生まれる地元密着型の空気感を大事にしていきたいと思っています。

– 弘前市を代表する祭りと言っても過言ではない程に成長したSHIROFES.を、市としてはどのように捉えていますか?
櫻田市長: そうですね、SHIROFES.10年、あっという間でした。市民の皆さんがこのイベントを認知し、さらに楽しみにしてきている、市民の成長が大きな効果を与えてくれていると思います。ダンス、音楽、アート、地元の伝統芸能を含め、これらが総合的に地域と繋がり、弘前とSHIROFES.が成長を遂げてきています。これは若い人たちが弘前から世界へ羽ばたく大きなきっかけになっていると思います。
夢を描き、自らの能力に挑戦し、世界で戦うんだという自信を市民の皆さんに与えてくれているのはこのSHIROFES.です。弘前は桜とりんごの街ですが、ダンスの街として大きく打ち出していける集客力がある。国外から人々が訪れ、世界で予選会を開きたいという声も出てきている。その中心が弘前だということは、ダンスの世界では弘前が「聖地」になりうるのではないかと感じています。これを市もしっかりと支え、様々な意味で協調していくことがこれからの地域づくりに繋がっていくと思っています。

– 今後に向けて、どのような展望をお持ちですか?
NOBUO: 一つひとつのコンテンツはこれからもレベルが上がっていくだろうと思います。僕自身は考える側ですが、実際に作るのは現場に立つアーティストやダンサーになってきているので、そこはどんどん伸びていくだろうと。その中で、僕らが弘前でやっていることが、他の地域でも同じようにできるのかという問いには、他の地域のオーガナイザーや海外のダンサーともっと繋がっていきたいという想いがあります。
自分がやっているイベントが一番良い、と言いたいわけではなく、もっと他の地域との交流、そして弘前でダンスをやっている子供たちが地元にいながら外の地域の人たちと交流できる環境作りをしていきたいです。それがベトナム開催のきっかけにもなっていますし、海外で予選大会をやって、そこに地元の子供たちも連れて行ってパフォーマンスする機会を作るなど、もっとできることがたくさんあると感じています。

日本では「決勝大会と言えば東京」といった主要都市にメインコンテンツが集中しがちですが、東南アジアなど他の地域にも広げることで、地方にいる子供たちが経験の格差を感じずに済むようにしたい。弘前だけで頑張るのではなく、全国の地方で頑張っているオーガナイザーと繋がって新しいムーブメントを作っていきたい。
ベトナムをはじめ、今後はインドでの開催も考えています。僕自身はSHIROFES.を誰かに継いでほしいとは正直全く思っていません。若い世代の子たちが刺激を受け「弘前でイベントを作りたい!」と自主的に思うような環境を作りたいです。今あるものを育てるというよりは、新しいことができるようにするために、新しい文化や他の文化を持つ人たちとの交流をどんどんやっていかないと、結局何も感じないまま高校を卒業し、地元を出ていってしまうという地方の課題を解決したいです。ダンスシーンがどうこうという次元の話ではなく、僕らが僕らの立場で何を後世に残せるか、どういうことができるかが、下の子供たちやこれからの街に大きく影響すると感じています。

おわりに
– 最後に、今年のSHIROFES.に来場される方や読者の皆様にメッセージをお願いします。
櫻田市長: このSHIROFES.は、ストリートダンスが単なるパフォーマンスではなく、その人の生き方そのもの、自分を表現する自由な手段であるということをダンスで表現していると思います。地元の子供たちも超一流の方々のダンスを見て大きな刺激を受けている、そのようなイベントに成長してきました。
初開催から10年が経ちますが、市民の皆さんと一緒に作り上げてきたこのSHIROFES.というイベント、国内外から多くの皆さんにレベルの高いパフォーマンスダンスをぜひ見ていただき、そして文化としての祭典だと認識してもらいたいと思います。若者や地域の方々、さらには世界に挑戦する方々が一体となって作り上げるイベントですので、ぜひ多くの方々にお越しいただければと思います。

NOBUO: そうですね、まず僕は弘前市で地元行政と連携を取りつつ10年間このイベントを開催してこれたことに関して、“恵まれているな”ととても思います。それを感じているのは僕自身だけでなく、「ダンスでここまでのものができるの?」という全国の関係者からのお声も多くいただきます。夢を与えてくれる街なのかなとすごく思いますね。
だからこそ「どうやってやってるの?」と皆が思うところで、それは単純に「恵まれている」の一言に尽きるのかなと思います。どの地域でもできることかもしれませんが、やっぱりこれだけのことは弘前じゃないとできないよな、と自分自身すごく感じています。弘前だからこそこういうことができている、こういう相談もできる、という理解も少しずつ広がってきていると感じます。なので、SHIROFES.に遊びに来る人たちには、イベント自体を作っている人たちの熱量や、街全体の魅力も、ぜひ来ていただいた時に感じてもらえたら嬉しいです。
– 弘前はグルメも魅力的ですよね。ぜひ読者の方へおすすめグルメを教えてください。
NOBUO: 弘前の名物と言えばアップルパイですね!
櫻田市長: そうですね。また、弘前はイタリアンもフレンチも美味しいです。実はお寿司もびっくりするくらい新鮮なものが食べられるのでとっても美味しいですよ。
– 食も和洋折衷で楽しめるんですね!歴史も深く、食も文化も幅広く楽しめる弘前は観光としても非常に魅力的な地域ですね。本日は大変貴重なお話をありがとうございました。
プロフィール
青森県・弘前市長 櫻田 宏
弘前大学人文学部経済学科卒業
略歴
昭和58年4月 弘前市役所(福祉事務所保護課)採用
昭和62年4月 総務部人事課 主事
平成6年4月 市長公室企画課 主事
平成8年4月 市長公室企画課 企画担当主査
平成10年4月 企画部企画課男女共同参画室 男女共同参画担当主査
平成11年4月 企画部秘書課秘書係 係長
平成16年4月 企画部秘書課 課長補佐
平成18年8月 商工観光部観光物産課 課長補佐
平成23年4月 商工観光部観光局観光物産課 参事
平成24年4月 商工観光部観光局観光物産課 課長
平成25年4月 市民文化スポーツ部市民協働政策課 課長
平成26年4月 経営戦略部 理事
平成27年4月 観光振興部 部長
平成30年4月16日 弘前市長に就任
NOBUO
岩手県出身。弘前大学ストリートダンスサークルA.C.T.に所属し、ダンスを始める。大学院修了後、2008年にダンススタジオ「FUNKY STADIUM」をオープン。2012年、弘前市で芸術舞踊に関する活動を発展させるため、「ひろさき芸術舞踊実行委員会」を設立。2016年、弘前城本丸にて大規模野外フェスティバルSHIROFES.を開催。2021年、国が主催する「スポーツ文化ツーリズムアワード2021」で SHIROFES.が国内最高賞「スポーツ文化ツーリズム賞」を受賞。自身もダンサーとして活動し続け、更には育成などにも力を注いでいる。ダンススタジオ事業・イベント事業、レッドブルジャパン(株)のダンスコンテンツプロジェクトディレクターも務める。2023年10月より弘前大学大学院博士課程に進学。「カルチャーに対する熱量が及ぼす影響について」をテーマに研究も行っている。
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dance今年もBBOY Shigekixが全国の小中学校へやってくる!!「MIZUHO BLUE DREAM BREAKING LIMITS WorkShop Tour 2025」2025.07.15昨年大好評だった、公益社団法人日本ダンススポーツ連盟(以下:JDSF)が行っているブレイキンの魅力とそのスポーツとしての価値を広めるための国内の小中学校向けのブレイキンワークショップツアー「MIZUHO BLUE DREAM BREAKING LIMITS Workshop Tour」が今年も開催決定。現在7月25日(金)まで開催希望校を募集している。 このワークショップは、近年国際的に注目され2024年パリオリンピックでは正式種目となったブレイクダンスの日本国内での普及と発展を一層推進し、子どもたちにブレイクダンスを通じて身体を動かす楽しさと創造性を体験してもらい、トップアスリートとの交流を通じて子どもたちが夢や目標に向かって努力することの大切さを学ぶ機会も提供することを目的に行われ、昨年の2024年度では計6校で開催し、大好評だったたことを受けて引き続き今年も開催となった。 なお本ワークショップツアーは、今年も特別協賛として「ともに挑む。ともに実る。」をパーパスに掲げている株式会社みずほフィナンシャルグループと開催。同社はブレイキンの常に挑戦を続ける精神や、お互いの個性を認め合いながら新しい自分を探求し自己表現をする姿に共感してJDSFにも協賛している。 また同社のサポートアスリートで本ワークショップツアーの講師であるBBOY Shigekix(半井重幸)も、「ブレイキンを通じて子どもたちが夢や目標に向かって挑戦する姿勢を応援したい」という想いを伝えていきながら、子どもたちがブレイキンを体験するだけでなく、トップアスリートとの交流によって大きな夢を抱き、その実現に向けて努力する大切さを学ぶことができることに期待する取り組みである。 「MIZUHO BLUE DREAM BREAKING LIMITS Workshop Tour 2025」のプログラム 本ワークショップツアーでは大きく2つのプログラムに分けられ、「トークセッション」と「ブレイキン体験会」が開催される。 トークセッション BBOY Shigekixが世界で活躍するまでに経験してきたエピソードや、「夢へ挑戦することの大切さ」について話す。話のあとは、子どもたちからの質疑応答タイム。素朴な疑問や悩みなど様々な質問や相談に対して、Shigekixが向き合う。 ブレイキン体験会 まずは簡単なステップから、Shigekixやサポート講師と一緒にブレイキンに挑戦。「できるできないより、楽しむことから」を重視して、お互いの個性を尊重しながら自己表現をする、ブレイキンの醍醐味を実際に体感。日本代表選手たちによる、スペシャルなパフォーマンスも披露。昨年度は子どもたちとShigekixたちが一緒にサイファーをしたりと大人気なプログラムである。 特別講師 BBOY Shigekix(半井 重幸)について 7歳の時にブレイキンを始める。11歳で世界大会への挑戦をスタートした。2020年には、Red Bull BC One World Finalにて世界最年少で優勝。2021年からJDSF全日本ブレイキン選手権を3連覇。そして2023年アジア競技会にて金メダルを獲得し、2024年パリオリンピック出場を果たす。このパリオリンピックでは開会式、閉会式ともに旗手を務めた。これまでに出場した国際大会での優勝経験は50回以上を誇る。名実共に日本を代表するブレイクダンサーである。 主な戦績・2023年JDSF 第4回全日本ブレイキン選手権 優勝(3連覇)WDSF World Series in 北九州 銅メダルWDSF World Series in ブラジル 銅メダルWDSF World Series in ポルトガル 金メダルWDSF 世界選手権 銅メダルアジア競技会 金メダル・2024年パリオリンピック 4位入賞WDSF 世界選手権2024 準優勝・2025年JDSF 第6回全日本ブレイキン選手権優勝 「ブレイキン」とは? ブレイキンは、1970 年代のアメリカ、特にニューヨーク市のブロンクス地区で発祥したストリートダンスの一種。ヒップホップ文化の一部として発展し、リズムに合わせて身体のあらゆるところを使って回転したり、ジャンプしたりダイナミックな動きを取り入れたダンスが特徴。2024年にはパリ五輪の正式種目として採用され 、ヒップホップ文化からダンススポーツとしても注目。そして日本のブレイクダンサーは世界トップクラスの実力を持ち、多くの国際大会で優秀な成績を収めており、日本だけでなく世界的にも日本のブレイキンは注目されている。 開催概要 名称:MIZUHO BLUE DREAM BREAKING LIMITS Workshop Tour 2025開催期間:2025年9月~2026年1月の期間で計6校主催:公益社団法人日本ダンススポーツ連盟ブレイクダンス本部(JDSF)特別協賛:株式会社みずほフィナンシャルグループ応募期間:2025年7月3日(木)~7月25日(金)23:59まで費用:無料(学校様の費用負担はありません)対象:全国の小学校・中学校応募方法:応募フォームより必要事項をご入力の上、送信してください。授業内容:合計2コマ分の授業時間を使って実施します。・1コマ目:トークセッション(人数制限なし) Shigekix選手のキャリア、夢への挑戦についてのトーク、生徒の皆さまからの質疑応答・2コマ目:ブレイキン体験会(体育館の規模によっては参加可能人数の制限あり)実際に日本代表選手のパフォーマンスを見て、ブレイキンを体験。応募条件:・全国の小学校または中学校(支援学校などを含む)が対象であり、学校長が了承していること・「トークセッション」「ブレイキン体験会」共に、体育館での実施が可能であること。・体育館にマイク、プロジェクター及びスクリーンなどの設備があり、校内の諸室・設備も使用可能であること。・特別協賛社のロゴ露出(看板やバナー)等が可能であること・メディア等の取材を了承いただけること(参加者の肖像使用についてのご承諾含む)。 *その他注意事項や必要事項は公式HPをご確認ください。
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culture約7万2000人とダンスと音楽で一緒に10周年を祝った3日間。弘前から世界へ。夢を与え続けるフェス「SHIROFES.2025」2025.07.05今年で10周年を迎え、今では日本のダンスシーンにはなくてはならない、年に一度の一大ダンスイベントとなった国内最大級のストリートダンスとパフォーマンスの祭典「SHIROFES.」。今回も青森県弘前市の弘前公園にて2025年6月27日(金)~6月29日(日) にわたり「SHIROFES.2025」が開催され、過去最大数を更新するのべ約7万2000人の来場者と共に楽しんだ夏の熱い3日間が大盛況の中で惜しまれながらも幕を閉じた。 SHIROFES.のメインコンテンツであるダンスバトルやワークショップ、ショーケースなどのストリートダンス系のコンテンツをはじめ、地元アーティストによる音楽ライブは過去最大のカテゴリー数と出演者数により開催され、3日間を通して止まることなく来場者を全身で楽しませた。またご当地グルメを含めた多種多様なフードエリア、そして昨年から子ども連れに大人気のエアー遊具のSHIROFES.とASOVIVAがコラボした「ふわふわ遊具」などのコンテンツも老若男女問わず大勢の来場者を迎えては、最高潮の熱量で包まれる会場を後押しし、このフェス3日間を朝から晩まで非日常的な空間にしていた。 ©︎SHIROFES.2025 / Jason Halayko そんな今年のSHIROFES.も弘前市の全面バックアップにより開催。過去10年間にわたりイベント側と行政が地域密着型の二人三脚で歩んできたからこそ、地元の企業によるイベント協賛をはじめ、地元の飲食店が会場に出店し軒を連ねるなど、毎年過去最大規模を更新し続ける一大イベントへ作り上げている。またその様子がうかがえるように来場者はダンサーやファンだけではなく、一般の家族連れやお年寄りなどダンスシーン外の幅広い年代の人々も訪れていたことから、ストリートダンスカルチャーがこの青森県弘前市に深く浸透し根付いていて、地元から愛され続けているフェスであることも肌で感じられた。なおこのようなフェスになるまでに今までSHIROFES.と弘前市が共に進めてきた取り組みや経緯に関してはこちらの記事を是非一読してみて欲しい。 下記は本イベントを彩った各コンテンツのハイライトである。 過去最大の全11種のカテゴリーでチャンピオンの座を競い合ったダンスバトル ©︎SHIROFES.2025 / harugraphics SHIROFES.のメインコンテンツでもあるダンスバトルだが、2日目から3日目にわたり全11種のカテゴリーが開催され、なんと過去最多の計1,182名のダンサーたちが国内外からここ弘前に集まり各バトルに出場。昨年に引き続き今年も予選は誰でも参加OKのオープンスタイルで開催された各バトルにて、予選を勝ち抜いたダンサーとゲストバトラーが入り混じり、ノックアウト方式の決勝トーナメントで優勝の座を争った。 そして今年も全てのカテゴリーにおいて、予選から決勝まで目が離せない今まで以上にハイレベルで白熱した戦いが繰り広げられ、SHIROFES.の10周年記念にふさわしいダンサーたちのドラマが各バトルで見られる大会となった。是非そのドラマはこちらの全バトルの優勝者コメントから感じ取って欲しい! トップパフォーマーから地元のキッズダンサーまで、年齢やジャンルの垣根を超えて会場一体で時間を共有したショーケース BUG!? ©︎SHIROFES.2025 / Hama Show 3日間を通じて、野外パフォーマンスステージであるフォレストステージでは各ジャンルで活躍するトップダンサーたちやアーバンスポーツのプロパフォーマーたちによるショーケースが披露された。その中には日々の練習の成果を披露する地元弘前で活動しているキッズダンサーたちや学生ダンスクルーによるパフォーマンスはもちろんのこと、伝統芸能を継承する学生グループによるライブパフォーマンスも披露され、ここ弘前がダンスと伝統芸能が共存する稀有で魅力的な街であることが伝わるショーケースとなった。 弘前大学書道部のパフォーマンス ©︎SHIROFES.2025 / Hama Show 弘前大学ストリートダンスサークルA.C.T ©︎SHIROFES.2025 / Hama Show また、2日目と3日目には一日の締め括りとして、日本が世界に誇るゲストダンサーやトップパフォーマーたちによる豪華ショーケースが次々に披露された。各ジャンルにて日本のダンスシーンを牽引するダンサーたちや、ダブルダッチやフリースタイルバスケットボールのプロパフォーマーたちが大集合し、SHIROFES.の記念すべき10周年を観客と共に全員で祝った。 Novel Nextus ©︎SHIROFES.2025 / Hama Show その中でも特に盛り上がったのが最終日のクライマックスに用意されたダンスショーケース。今回は「JUNNA」「MiMz&Yasmin」「Boo&SHOW-GO」「YOSHIE&THE D Soraki」「GRAYSOURCE」「Novel Nextus」「Dance Of Artistic Movers」などといった様々なフィールドで各ジャンルを代表し、日本のダンスカルチャーを世界に発信し続けているトップダンサーたちが見事なパフォーマンスを披露し最終日の夜のボルテージを引き上げた。 Co-thkoo ©︎SHIROFES.2025 / Hama Show そして今年も大トリを飾ったのは、このSHIROFES.を立ち上げから支えている「Co-thkoo」のふたり。パフォーマンスの終盤には昨年同様に今回のバトルでジャッジを担当した各ジャンルのレジェンドダンサー陣をステージに呼び込み、SHIROFES.でしか見られない豪華なセッションを披露して最終日の夜を締め括った。 過去最多の参加者数となったSHIROFES.人気コンテンツであるダンスワークショップ HANA&Yasminのワークショップの様子©︎SHIROFES.2025 / Jason Halayko また、SHIROFES.のもう一つの醍醐味はショーケースでもパフォーマンスを披露する国内外のトップダンサーたちによるダンスワークショップに参加できること。誰でも参加可能でダンスをとにかく楽しむことを一番の目的として開催された各ジャンルのワークショップは、年齢や性別、ダンスキャリアも様々ながらも過去最多の合計327名のダンスを愛する参加者が集まり一緒にセッションを楽しんだ。 このワークショップではトップダンサーから現在成長株の若手ダンサー、そして次世代に輝くキッズたちと言った幅広い世代が近い距離感で同じ時間を共有。お互いをリスペクトし合いながらプログラムを進めていくところにダンスカルチャーの素晴らしさを感じると共に、まさにここ弘前でダンスシーンが広がっていく様子を肌で感じるコンテンツとなった。 SHIROFES.2025を音楽で盛り上げた地元アーティストたちによる音楽ライブと豪華DJ陣 りんご娘 ©︎SHIROFES.2025 / Hama Show 今回は青森県出身の人気アイドルグループのりんご娘や、元りんご娘のジョナゴールドなどの青森を代表するアイドルはもちろんのこと、地元青森で活躍するバンドやラッパー、そして弘前に根付く伝統的な囃子方を披露する弘大囃子組や、津軽三味線を演奏する山田流 和三絃會などの伝統芸能のパフォーマンスも含めてSHIROFES.ならではの新旧の音楽が入り混じる構成で老若男女様々な音楽嗜好を持つ観客たちを盛り上げ楽しませた。 津軽三味線を演奏する山田流 和三絃會 ©︎SHIROFES.2025 / Hama Show 3日間にわたり終始フェスを盛り上げる音楽ライブとショーケースが行われたフォレストステージの一方で、ミュージックヴィレッジで開催されたDJタイムではトップDJたちが代わる代わる入れ替わり、3日間ノンストップで心地よい音を届け、ダンサーをはじめとした多くの来場者が分け隔てなく体を揺らせるチルな時間を提供した。ワイワイ盛り上がれる音楽ライブとは異なり、ゆるい雰囲気の中でダンサーや観客が音楽を楽しみながら時間を過ごせる憩いの場があるのもSHIROFES.の魅力だろう。 アーティスト Olive Oil ©︎SHIROFES.2025 / Hama Show 会場で盛り上がったら欲しくなる美味しいグルメとドリンク。充実のフードエリアが来場者のお腹を満たし喉を潤した! ©︎SHIROFES.2025 / Jason Halayko 会場敷地内に登場したのは地元の人気飲食店からダンサーが手掛ける飲食店まで多種多様なグルメの数々を提供するフードエリア。ご当地グルメはもちろん、普段は東京や他の地方を拠点に展開しているダンサー界隈で大人気のグルメを含めた計21店舗がこの弘前公園に集合し、会場内で身体を動かして盛り上がった来場者の喉を潤しお腹を満たした。 ©︎SHIROFES.2025 / YUSUKE OISHI 会場内ではフードやドリンクを片手に音楽ライブやショーケースを楽しんでいる親子連れやカップル、そしてダンサーたちも多く見られ、より一層SHIROFES.のフェス感を演出していた。 子どもたちが飽きずに終日楽しめる!親子に嬉しいエアー遊具 ©︎SHIROFES.2025 / YUSUKE OISHI 小さい子どもたちでも一日中飽きることなく楽しめたのは、SHIROFES.がASOVIVAとコラボしたエアー遊具のおかげでもあるだろう。会場内に2カ所設置されたのは大型遊具の「ふわふわ遊具」。お城や動物の形を模した登ったり降りたりできるこの遊具に子どもたちは大興奮。時には親子でも楽しむ様子を見られるなど、子ども連れの家族の休日を充実させるのに一役買っていた。 SHIROFES.2025は記念すべき10周年ということもあり、オシャレなオフィシャルグッズも大人気! ©︎SHIROFES.2025 / Jason Halayko 今年は記念すべき10周年ということもあり、一際人気だったのがこの「SHIROFES.2025」の思い出を一緒に家へ持ち帰らせてくれるオフィシャルグッズの数々。その中でも今回、BBOY兼デザイナー/クリエイターとして活躍するTENPACHIがデザインした10周年を記念した限定デザインのTシャツとトートバッグは大人気。2日目の途中には売れ切れてしまうほどの人気っぷりで、いかに来場者の皆さんもこの10周年記念の思い出を胸にしまっておきたいかが感じられる一コマであった。 最後に ©︎SHIROFES.2025 / harugraphics 今年で10年目となり、イベント期間中は天候にも恵まれて、プログラムの最後には会場から惜しまれる声も上がるほど大盛況のうちに終えた国内最大級のストリートダンスとパフォーマンスの祭典「SHIROFES.2025」。今となっては「SHIROFES.」は日本のダンスシーンになくてはならないイベントであり、青森県弘前市もストリートダンスの聖地の一つになっている。しかし10年前の当時はブレイキンがオリンピック種目になったわけでもなければ、今ほど世間的に浸透していなかったこのストリートダンスカルチャーを背負ってゼロから作り上げ、コロナ禍という厳しい期間も乗り越えて毎年開催し続けたオーガナイザーやレジェンドダンサーたちと弘前市の関係各所の努力は計り知れない。 ©︎SHIROFES.2025 / Jason Halayko ただその努力の賜物のひとつとして、今回「SHIROFES.2025」のバトルを通じて各ジャンルのスターが生まれると共に、会場内ではこのイベントに夢をもらった小さな若き才能が芽吹いたような瞬間も垣間見れた。この10年という時を超えて、さらに新たなフェーズに突入していくこのSHIROFES.とこれからのストリートダンスシーンの発展に期待しながら来年の開催も楽しみに待ちたい。なおそんな来年の「SHIROFES.2026」は2026年9月4日〜6日の3日間で開催予定!今から来年のスケジュールも是非押さえておこう! 「SHIROFES.2025」の様子は、リキャップ映像をチェック!!
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danceSHIROFES.2025|全バトル優勝者コメント必見!記念すべき10周年を彩ったのは各ダンスバトルの様々なドラマ!2025.07.02今では日本のダンスシーンになくてはならない、国内最大級のストリートダンスとパフォーマンスの祭典となった「SHIROFES.」が、今回「SHIROFES.2025」として2025年6月27日(金)~6月29日(日) の3日間にわたり青森県弘前市にて開催された。SHIROFES.のメインコンテンツでもあるダンスバトルが繰り広げられた2日目と3日目は、2日間で7つのジャンルと4つのALL STYLEバトルが行われ、その数なんと過去最大の11種類のバトルコンテンツからそれぞれの優勝者が決定した。 野外パフォーマンスステージであるフォレストステージでは、主に屋内で開催されたバトルコンテンツと同時に、ダンスはもちろんのことダブルダッチやフリースタイルバスケットボールのショーケース、津軽笛や津軽三味線を含む青森伝統芸能のパフォーマンス、アイドルやアーティストによるミュージックライブなど様々なカルチャーを目と耳と肌で体感できる豪華なプログラムが過去最大数の出演者により実施された。 ©︎SHIROFES.2025 / harugraphics 今年で10年目と大きな節目を迎えるSHIROFES.は「地元にダンスを根付かせたい」や「ダンサーを1番に輝かせる」というミッションを掲げ、「目覚めろ、個性。燃え上がれ、弘前。」をスローガンに開催。毎年過去最大のイベント規模を更新し続ける本イベントではダンスバトルコンテンツにおいて様々なドラマが生まれた。 そのダンスバトルでは、ゲストバトラーとして国内外からトップダンサーも招待されるなど日本だけに止まらず国際大会レベルで幅広いジャンルのストリートダンスバトルを開催。これだけ豪華なバトルの数々を一度に同じ会場で観ることが出来るのがこのSHIROFES.の醍醐味の一つでもあり、今年も例年以上に全国から多くのオーディエンスが会場に足を運び、ダンサーたちが繰り出す一挙手一投足に目を釘付けにしながら一緒に盛り上がった。 海外からもダンサーが集まり、過去最大の全11種のカテゴリーで競う世界レベルのストリートダンスバトルに KAZANE ©︎SHIROFES.2025 / harugraphics 過去最大を更新し続けているSHIROFES.は、今年も大会2日間を通じて計11種のカテゴリーで熾烈なバトルが繰り広げられ各カテゴリーで王者が出揃った。なおこのSHIROFES.の特徴なのが、どのバトルコンテンツもダンスのレベルや経験に関係なく誰でも参加できるオープンカテゴリースタイル。各バトルにて予選を勝ち抜いたダンサーと招待ダンサーが入り混じり、ノックアウト方式のトーナメントを通して優勝を争った。 Hana ©︎SHIROFES.2025 / harugraphics 全11種のカテゴリーにわたり行われた各バトルでは、それぞれで多くのドラマが繰り広げられた。その中でもまず印象的だったのはKIDS ALL STYLE 1ON1 NINJAで優勝したHana、COLLEGE ALL STYLE 1ON1 ROOKIEで優勝したaRaTa、そしてHOUSE 1ON1 OPEN YOUR EYESで優勝したKAZANEのダンス。3人とも昨年は決勝まで勝ち上がるも準優勝に終わり、優勝まで一歩届かない悔しい思いをしてきた。今回はまさにそのリベンジを果たすドラマチックな幕切れとなった。 僕と父 ©︎SHIROFES.2025 / harugraphics また今回初開催となったALL STYLE CREW BATTLE G-COATの決勝は、レジェンドHIRO、GUCCHON、KITEとその実の息子たちで構成された「僕と父」と、今シーンで最も勢いのある若手と言っても過言ではない、龍、勇太、MIKUMIKU、RINKAによって構成された「558000」の対決。優勝を収めた「僕と父」は、レジェンド達のスキルフルな踊りに加え、親子ならではの息のあったルーティンで会場を沸かせた。 バファリン vs SHOW-GO ©︎SHIROFES.2025 / harugraphics そして唯一フォレストステージでトーナメントが開催され、SHIROFES.2025のバトルコンテンツを締め括ったPOPPIN’ 1ON1 SAMURAIでは、各予選から勝ち上がってきた並いる実力者たちを下して、決勝へ駒を進めたSHOW-GOとバファリンが1ムーブ1分3ラウンドの激闘を繰り広げ、最後の最後までどうなるか分からないバトルの末、SHOW-GOが3-2の接戦でバファリンを抑えて見事優勝を勝ち取った。まさにSHOW-GOが今までSHIROFES.に抱いてきた熱い想いがダンスを通して勝利をたぐり寄せる要因になったのだろう。 FINEPLAYでは世界レベルのダンスバトルを制し、各ジャンルで優勝に輝いたダンサーたちへ大会直後にインタビューを敢行。ダンサーそれぞれが今回の「SHIROFES.2025」に抱いてきたその想いとそれぞれの持つドラマを是非チェックしてもらいたい。 優勝者インタビュー WAACKIN’ 1ON1「MIYABI」優勝者 莉多 莉多 ©︎SHIROFES.2025 / Jason Halayko ― 優勝した今の率直な気持ちを聞かせてください。ワッキングでカテゴライズされたバトルで優勝するのは今回が初めてなので率直に嬉しいです! ― 今回の自分の踊りを振り返ってみていかがですか?SHIROFES.で勝つために今回ここ弘前へ来たので、「優勝できたらいいな!」という気持ちで踊っていました。最後まで集中も切れることなくすごい楽しんで踊りきれました。 ― 今後の目標について聞かせてください。今後も自分らしく、楽しくみんなと踊り合って、自分のワックをたくさんの人に見てもらえる機会を作りたいと思っています。 ― SHIROFES.はあなたにとってどんなイベントですか?SHIROFES.には去年から参戦させてもらっているのですが、「今年も絶対行きたい!」って思うぐらい去年のイベントがすごく楽しかったし、今までは青森に来る機会がほとんど無かったんですけど、SHIROFES.に来てから青森のことがすごい好きになりましたし、いつもたくさんの方に会えて遊べるので最高のイベントです! HIP HOP 1ON1「DO OR DIE」優勝者 RINKAAA RINKAAA ©︎SHIROFES.2025 / Jason Halayko ― 優勝した今の率直な気持ちを聞かせてください。まず約7時間かけて埼玉から運転してくれたママとパパに本当に感謝しています!そして一緒に来た弟も「力みすぎだよ」とか「もっとこうした方がいいよ」って常にアドバイスをくれたので、ラフに楽しく踊れた上でSHIROFES.の「DO OR DIE」で優勝できたことが本当にすごく嬉しいです。 ― 今回の自分の踊りを振り返ってみていかがですか?最近は良い踊りができていても、ベスト4止まりだったりと悔しい思いしてきたました。その状況から抜け出すために友達や先生と一緒に練習したり最近色々刺激をもらっていた上の今日だったので、「もっとこうすれば良かった」みたいな課題は置いといても本当に楽しく自分らしく踊れました! ― 今後の目標について聞かせてください。私はD.LEAGUEのList::Xというチームでも活動しているのですが、そのD.LEAGUEの活動とこういったバトルをしっかり両立して、自分らしく全部貫き通しつつ、今年から世界にも羽ばたいていきたいと思っているので、怖いけどどんどん挑戦して世界で有名人になりたいです! ― SHIROFES.はあなたにとってどんなイベントですか?私は4年前ぐらいからSHIROFES.のバトルに挑戦させてもらっているのですが、予選は上がれてもトーナメント1発目で負けちゃったりとか、優勝はかなりほど遠いと思っていたバトルだったので、今回優勝できたことが本当に夢のようですし、SHIROFES.はすごくてとても楽しいイベントです。 HOUSE 1ON1「OPEN YOUR EYES」優勝者 KAZANE KAZANE ©︎SHIROFES.2025 / Jason Halayko ― 優勝した今の率直な気持ちを聞かせてください。もう本当に嬉しいです!SHIROFES.はとても大好きなイベントでショーケースとかジャッジでもう5年ぐらい出させてもらっていて、バトルも一応毎年出ていたのですが今回自分の中で目標にしていた初優勝ができて嬉しいです。 ― 今回の自分の踊りを振り返ってみていかがですか?私はバトルによく出るんですが、最近は「新しい踊り方できないかな?」ってちょうど挑戦してる段階だったので、今回はそれが出せたという感覚があります。あと前回と違ってバトル会場が屋外ではなかったのですが、屋内もすごい良い環境で音楽もパーティーみたいな音だったので自分自身がすごい楽しめて踊れたなと感じています。 ― 今後の目標について聞かせてください。目標めっちゃあるな〜。私海外に行くのが好きなので、今後も大会に出たりダンスを教えに行ったりと色々な形で、日本を出て海外で活躍し続けたいという思いがあります。これからももっと日本のHOUSEと日本の若い世代が素晴らしいということを海外に伝える活動をしていきたいです! ― SHIROFES.はあなたにとってどんなイベントですか?本当にジャンルレスでどのスタイルのダンサーも、プロからキッズまでみんなが同じ場所に約3日間一緒にいられるという環境がもう本当に素晴らしいので、みんながもっとダンスが好きになれる場所だと思います。 LOCKIN’ 1ON1「EVERYBODY’S UP!!」優勝者 Locking Broco Locking Broco ©︎SHIROFES.2025 / Jason Halayko ― 優勝した今の率直な気持ちを聞かせてください。優勝できて本当に嬉しいです!ただここまで嬉しい気持ちになれているのはバトルに勝てたからだけではなく、このカルチャーの愛を持って多くの人たちと繋がることができたからです。 このような機会をくれたSHIROFES.のオーガナイザーとスタッフの皆さんに心から感謝していますし、彼らがダンスカルチャーをより良くして、そのカルチャーの中で皆が多くの愛を感じられるようにしてくれていると感じています。最近は世界を見ると争いごとが多いので、このような愛に溢れたイベントはとても良いと思います。 ― 今回の自分の踊りを振り返ってみていかがですか?バトルで大事なのはテクニックだけではないので、常に観客やジャッジ、そして全てのダンサーに自分の愛を共有したいと思いながら踊っています。今回も勝敗だけを意識するのではなくダンスに対する愛とビジョンをみんなと共有したい思って踊りました。 ― 今後の目標について聞かせてください。来年の目標はパートナーと一緒に優勝することです。最近は1対1のバトルが主流となっていることが多いですが、個人的にはもっとクルーバトルを推していきたいと思っています。同じバトルに多くのメンバーが参加することで、より大きなエネルギーが生まれると思いますし、これはカルチャーにとって勝敗以上に重要なことだと感じています。 ― SHIROFES.はあなたにとってどんなイベントですか?SHIROFES.はダンスだけではなく、色々なカルチャーを感じられるイベントです。特に他ジャンルの繋がれることが本当に素晴らしいですし、台湾ではこのようなイベントが多くないので、このカルチャーとこの素敵なイベントに本当に感謝しています。 KIDS ALL STYLE 1ON1「NINJA」 優勝者 Hana Hana ©︎SHIROFES.2025 / Jason Halayko ― 優勝した今の率直な気持ちを聞かせてください。NINJAができた最初の頃から参加しているのですが、ずっと準優勝であと1歩のところで優勝を逃してきたので、今回は「もう絶対やったるぞ」って気持ちで来たんですけど、勝ちたいという気持ち以上に楽しいという気持ちを持って戦えて、結果的に勝つことができたのでとても嬉しいです。 ― 今回の自分の踊りを振り返ってみていかがですか?正直、7 to Smokeで7回連続ずっと踊っていたので、自分がどんな踊りをしていたのか本当に記憶にないのですが、とにかく自分のベストを出すことができたと思うので良かったです! ― 今後の目標について聞かせてください。今年でキッズカテゴリー卒業なので、今後は大人の部門でも自分の踊りを見せて自分らしさを出して結果を残していきたいです。 ― SHIROFES.はあなたにとってどんなイベントですか?開催されるのが年に一度ということと、私自身東京に住んでいることもあって、青森に来ることもなかなか無いんです。そういう意味でもSHIROFES.はこのような大きなイベントなので旅行気分もありつつ、でも毎回すごい心を動かされて心が燃える年に一度のイベントです。 COLLEGE ALL STYLE 1ON1「ROOKIE」優勝者 aRaTa aRaTa ©︎SHIROFES.2025 / Jason Halayko ― 優勝した今の率直な気持ちを聞かせてください。去年が2位でそれがめちゃめちゃ悔しかったので、今年また茨城のみんなで来ることができて、その上で優勝できてめっちゃ嬉しいです! ― 今回の自分の踊りを振り返ってみていかがですか?たくさん反省点はあるんですけど、でも相手とコミュニケーションを取りながらバトルができて良かったです。 ― 今後の目標について聞かせてください。これからももっと頑張ります!! ― SHIROFES.はあなたにとってどんなイベントですか?本当にジャンルレスに色々な人たちと交流できてめちゃくちゃ楽しいイベントです! ALL STYLE 2ON2「DEADLY DUO」優勝者 Tamaki & LUCCI Tamaki&LUCCI ©︎SHIROFES.2025 / Jason Halayko ― 優勝した今の率直な気持ちを聞かせてください。LUCCI:まず素直に嬉しいですし、尊敬しているTamakiちゃんと一緒に出場できて優勝という結果がついてきて嬉しいです!Tamaki:自分たちらしく踊るということが目標だったんですけど、楽しんで踊れてたくさんの人に見てもらえて結果もついてきてすごい嬉しいです! ― 今回の自分の踊りを振り返ってみていかがですか?Tamaki:いつもの踊りで遊んでいるような感覚のまま、決勝は踊れたと思っていて、自分たちなりのダンスの楽しみ方みたいなものを見つけられたと思います。 ― 今後の活動について聞かせてください。Tamaki:一緒にショーケースやりたくない?LUCCI:うん。また一緒に踊れたらいいなっていうのと、それぞれが個々でやりたいことや突き進みたい追求・探求があるので、それをそれぞれがやった上で一緒に交わって遊んで楽しくダンスしたいという感じです! ― SHIROFES.はあなたにとってどんなイベントですか?Tamaki:私たち二人ともずっと気になっていたイベントだったのですが、なかなか来れていなくて今回が初参戦でした。でも自分的にはSHIROFES.で自分の踊りをレペゼンすることは目標の1つとしてずっと持っていたので今回それが叶ってよかったです。LUCCI:SHIROFES.初参加めちゃくちゃ楽しいなというところもありつつ、地方でこのようなドデカいイベントをすることと、それでいてめっちゃ盛り上がっているところがすごいです。とにかく「SHIROFES.すごい!」という感じで、また来たいです!Tamaki:私ももうすごいリスペクトで、来れてよかったです! BREAKIN’ 1ON1「THE JAM」優勝者 HaLuTo HaLuTo ©︎SHIROFES.2025 / Jason Halayko ― 優勝した今の率直な気持ちを聞かせてください。やっぱりまず嬉しいという思いがあるのですが、こう何回も戦ってきている相手と決勝でバトルして勝てたことが一番嬉しいかなって思います。対戦相手のダンサーも知り合いで仲も良いんでそういう意味でも今回勝てて嬉しかったです。 ― 今回の自分の踊りを振り返ってみていかがですか?いつもは慌てて踊ってしまうことが負けの原因なんですけど、今回は落ち着いて自分の得意である「音を取る」ことがしっかりできたのでそこは良かったところかなと思います。 ― 今後の目標について聞かせてください。次の目標はここで調子に乗らずに、負けを少なくしてあまり負けないようにしたいです。もちろん時には負けることも大事なんですけど、なるべく負けないように努力をさらに積み重ねていきたいと思います。 ― SHIROFES.はあなたにとってどんなイベントですか?SHIROFES.は一般の人でもダンスやってる人でも平等に楽しみがたくさんある場所だなって思っていて、特に踊る側は緊張もあるんですけど、こういった外でバトルするところもあるし、屋内でも大きい音が流れてバトルできるところも楽しい部分かなと思います。 BREAKIN’ 1ON1「ON THE BEAT」優勝者 KOHE1 KOHE1 ©︎SHIROFES.2025 / Jason Halayko ― 優勝した今の率直な気持ちを聞かせてください。優勝しようと思ってバトルしに来たので、無事優勝できて嬉しいです! ― 今回の自分の踊りを振り返ってみていかがですか?結構きつかったっすね全体的に。ただで色々なきっかけがあって、底力というか常に自分の力はあまり落とさずに最後まで踊れたので、途中クラッシュはあったんですけど良かったかなと思います。 ― 今後の目標について聞かせてください。具体的に狙ってる大会とかはまだ先になるのですが、ここからまだまだ攻めたいと思っているので徐々に力をつけて、細かく目標定めてやっていこうかなと考えています。 ― SHIROFES.はあなたにとってどんなイベントですか?一年に一度のお祭りですね。僕も去年地元であるここ青森に戻ってきたので、やっぱりこういうイベントがあると、東京にいた時の先輩だったり友達にも会えるので本当に貴重な機会だなと思っています。 ALL STYLE CREW BATTLE「G-COAT」優勝者 「僕と父」 僕と父 ©︎SHIROFES.2025 / harugraphics *コメントは代表者のgucchonより ― 優勝した今の率直な気持ちを聞かせてください。今回は「僕と父」と言うコンセプトで息子と父親の3組で優勝出来た事がめっちゃ嬉しいです。 ― 今回の自分の踊りを振り返ってみていかがですか?今回は親子3組でクルーバトルに出るという事でその時点で最高に幸せでしたし、前日の練習から6人でワイワイしながら一緒に踊れた事が幸せでした。 ― 今後の活動について聞かせてください。普段それぞれがダンスシーンを盛り上げて行こうと活動をしていて、その中でも今年7月11日の「TURNT UP OSAKA in 大阪」、9月12日〜14日の「SDCJ in 山梨」、9月15日の「SOUL HOOD CAMP in 大阪」、10月12日〜13日の「FOREVER JAPAN in 大阪」、そして来年6月7日〜8日の「OSAKA GET DOWN in 大阪」は僕らが携わってるダンスシーンにとって重要なイベントです。 是非チェックして下さい!あとは、もちろん来年開催のSHIROFES.2026も!! ― SHIROFES.はあなたにとってどんなイベントですか?SHIROFES.は第1回目からずっと参加させて頂いてるんですが、世界で見てもこんなダンスフェスは無いです。 ゲストを150名以上招待して行うPARTY、CYPHER、SHOW、BATTLE全てが詰まった3日間。 オーガナイザーのNobuoやイベントスタッフの皆が何ヶ月もかけて作り上げるこの3日間は夢の3日間です。 本当に一回来たらハマるんでまだ来てない人は是非足を運んでみて下さい! POPPIN’ 1ON1「SAMURAI」優勝者 SHOW-GO SHOW-GO ©︎SHIROFES.2025 / Jason Halayko ― 優勝した今の率直な気持ちを聞かせてください。もう楽しかったに尽きるのですが、ただ同時に課題も見えながら戦ったトーナメントという感じで、正直出しきれてはいないという感覚です。また対戦相手もみんなすごいリスペクトがあるダンサーたちだったので、彼らのおかげと、DJの選曲のおかげと、お客さんのおかげで今回の踊りを引き出してもらえたところがあって、自分の力で引き出せてないっていうのが今後の課題ですね。自分でも引き出せていたらもっともっといいムーブできたのにと思うので、本当今回周りに助けてもらっての優勝かなっていう印象です。 ― 今後の活動の展望について聞かせてください。もう死ぬまで自分磨きで、限界が来てもその限界を更新していって、もっとダンスと音楽の神髄のところを見たいという思いがあるので、そのためにもずっとこの旅を続けていきたいです。 ― SHIROFES.はあなたにとってどんなイベントですか?SHIROFES.には第1回目の時に、大阪のバトルで準優勝してワイルドカードを頂いて出場し初めて弘前城の前で踊らせていただいたんです。当時の僕は今と比べてもっと下手だったのですが、本当に海外のダンサーたちや先輩方も含めてすごく歓迎してくださって、自分の中でもこのような表舞台に立てる1つのきっかけになった大事なイベントです。そして今回この10回目のSHIROFES.でこうやって優勝できたことが僕自身ステージでうるっと来てしまった理由で、本当にもう僕は愛されていますし、それ以上に僕も先輩とか同世代、音楽、カルチャー、ダンスを本当に愛してるんでこういう結果になって本当に良かったです。この状況に自分がいられることが勝ち負けを置いといて、本当に一番良かったなって感じています。
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skate10歳のスケートボーダー・河上恵蒔、X Gamesで男子史上最年少で銅メダルを獲得!2025.06.2910歳のスケートボーダー・河上恵蒔(かわかみ・えま サカイサイクル所属)が、日本時間6月28日にアメリカのソルトレイクシティで開催された「X Games Salt Lake City 2025」で、男子史上最年少となる10歳9ヶ月でブロンズメダルを獲得した。河上は昨年米国で行われた「X Games Ventura 2024」に9歳9ヶ月で初出場し、男子最年少出場記録を更新。さらに3つのギネス世界記録を樹立し、一躍世界の注目を集めた。 Photo: ©︎X Games 今大会の決勝では、1本目で頭部に強い衝撃を受ける心配な場面もあったが、その後の演技に気合を注入。2本目では得意の“900”(2回転半)を含む複数の高難度トリックを成功させ、高得点をマークした。3本目には世界初の連続トリックとして、900を2度連続でメイクした直後に720(2回転)を成功させ、観客を沸かせた。表彰式後、河上は「X Gamesでメダルを獲ることがずっと夢だったので、本当にうれしいです」と満面の笑み。そして、「ギー・クーリ選手の最年少メダル獲得記録を更新できてとても嬉しいです!」と喜びを語った。 大会結果 Photo: ©︎X Games 1位 Gui Khury (ギー・クーリ)ブラジル2位 JD Sanchez(ジェイディー・サンチェス)アメリカ3位 河上 恵蒔(カワカミ・エマ)日本
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fmx関西初上陸のX Gamesを盛り上げたのは大迫力なパフォーマンスと様々なサイドコンテンツ【X Games Osaka 2025】Moto X & 豪華コンテンツまとめレポート2025.06.26関西初上陸となり2025年6月20日(金)~22日(日)に京セラドーム大阪で開催され、数日経った今もまだまだ大会の熱が冷めあらぬ、その余韻が残る世界最大のアクションスポーツの祭典「X Games Osaka 2025」。いまだにSNS上ではX Games Osakaの投稿が尽きず、いかに鮮明にこのイベントがアクションスポーツファンの目に映ったかが感じられている。 そしてBMXとスケートボードに並び、このX Gamesを盛り上げる立役者になっているのが「Moto X(フリースタイルモトクロス)」。大会初日には競技としてベストトリック種目が、最終日にはデモンストレーションとしてライダーたちの息をのむ豪快なライディングが披露されて「X Games Osaka 2025」を二日間にわたり大会を最高潮に盛り上げて締め括った。 また今回は各競技による世界最高峰の戦いはもちろんのこと、イベントをさらに盛り上げる様々な豪華音楽ライブやBMX・スケートボード体験会なども行われ、フードトラックやオフィシャルバーなども設置されては五感で来場者を楽しませた。 本記事では今大会の花形種目として会場を盛り上げたMoto Xのメダリストのライディングと、連日イベントを盛り上げた豪華コンテンツをまとめて紹介。 X Games Osaka 2025にて初の屋内開催となった「Moto X・ベストトリック」はロブ・アデルバーグが2大会連続の金メダルを獲得! ロブ・アデルバーグ ©︎Hikaru Funyu/X Games 前回の「X Games Chiba 2024」とは異なり、屋内での競技開催となった今回の「Moto X・ベストトリック」は天候の影響を受けない上にドームという会場ということもあり、バイクのエンジン音と豪快なジャンプが会場に映えて、より観客のボルテージを最高潮に引き上げた。 今大会の競技フォーマットは2本のトライのうちのベストスコア採用方式で争われ、5名の招待選手が出場。そのスタートリストはベニー・リチャーズ(オーストラリア)、渡辺元樹、東野貴行、ロブ・アデルバーグ(オーストラリア)、ジャクソン・ストロング(オーストラリア)となり、今回はどんな世界最高峰のトリックが飛び出してくるのかが注目の一戦となった。 以下は入賞者3名が魅せたベストトリックを紹介。 View this post on Instagram A post shared by X Games (@xgames) まずは今回金メダルを獲得した本種目X Games最多メダリストのロブ・アデルバーグ(オーストラリア)の「ロウドヴァ・フロントフリップ」を紹介。このトリックはトリックを前方に1回転する「フロントフリップ」をしながら、サドルを掴みながら足をハンドルに引っ掛けて仰け反る「ロウドヴァ」で行うという超大技。もちろん前回転するため、前方に投げ出されるような遠心力に耐えながらもバイク上で仰け反るという超高難度のこのトリックを大会初メイクし、92.66ptをマークすると自身9個目のX Games金メダルを獲得して通算19個目のメダルを記録した。 View this post on Instagram A post shared by X Games (@xgames) 本種目で銀メダルを獲得したのはベニー・リチャーズ(オーストラリア)。彼がメイクしたのは「スペシャルフリップ」というバイク上で「ボディバリアル」をするトリック。バイクの上で自分自身が後方一回転して戻るというこの高難度トリックを決めたFMX界では24歳という若手の彼が見せたパワフルでクリーンなライディングに会場は大盛り上がりだった。 View this post on Instagram A post shared by X Games (@xgames) そして今回X Games銅メダルを獲得したのは、長年FMX業界を牽引するレジェンドライダーであるジャクソン・ストロング(オーストラリア)。彼がメイクしたのは「フロントフリップ・シートグラブインディエアー」という前方に1回転する「フロントフリップ」の中で両手を離してサドルを掴み、足をクロスして投げ出す「シートグラブインディエアー」のコンボトリック。ストロングのスタイルが溢れた豪快なトリックに会場は歓声と共に盛り上がっていた。 大会結果 左からリチャーズ、アデルバーグ、ストロングの順©︎Jason Halayko / X Games 優勝 ロブ・アデルバーグ(オーストラリア)/ 92.66pt準優勝 ベニー・リチャーズ(オーストラリア)/ 91.00pt3位 ジャクソン・ストロング(オーストラリア)/ 90.00pt4位 東野 貴行(日本)/ 86.66pt5位 渡辺 元樹(日本)/ 83.66pt 関西初開催となったX Games Osaka 2025のボルテージを最高潮に引き上げたのは豪華サイドコンテンツの数々。 「X Games Osaka 2025」では豪華なサイドコンテンツの数々が会場をさらに盛り上げた。その中でも今回はショーケース「豪華音楽ライブ」、そして「スケートボード・BMX無料体験会」そして連日来場者のお腹を満たし喉を潤した「フードトラック」や「オフィシャルバー」の様子を紹介。 人気アイドルグループ「IMP.」や「DXTEEN」、そしてビートボックスグループ「SARUKANI」による豪華音楽ライブ SARUKANI ©︎X Games Japan 「X Games Osaka 2025」の会場をさらにヒートアップさせたのは、競技だけじゃない。スケートやBMXの熱戦が繰り広げられる傍ら、特設ステージでは人気アイドルグループ「IMP.」や「DXTEEN」、そして世界を舞台に活躍するビートボックスグループ「SARUKANI」によるスペシャルライブが行われ、観客を熱狂の渦に包み込んだ。 初日にパフォーマンスを行ったIMP.は、キレのあるダンスと力強い歌声で一気に会場のボルテージを上昇させ、人気曲を含むセットリストでファンのみならず、会場のアクションスポーツ好きな観客も魅了。 最終日に現れたのは世界レベルのビートボックスグループSARUKANI。4人の声だけで繰り広げられる圧巻のサウンドとパフォーマンスに、観客からは歓声が止まらなかった。複雑なビートとダイナミックな展開で、スポーツ観戦とはまた違った種類の“アドレナリン”を届けてくれた。 そしてラストを飾ったのはDXTEEN。韓国を拠点に活動する彼らはスタイリッシュかつ見事な歌声で多くの観客の心を掴み、彼らならではの爽やかで多彩な魅力を存分に発揮した。X Gamesならではの“スポーツ×音楽”のクロスカルチャー。世界トップレベルのライディングと同じ空間で、今をときめくアーティストたちがエネルギーをぶつけ合った、まさに特別な夜だった。 誰でも参加OK!未来のスターが集う、スケートボード・BMX無料体験会 ©︎Miku Sakamoto / X Games Japan 「X Games Osaka 2025」の熱狂が渦巻く京セラドーム大阪のコースサイドに用意された特設エリアでは、スケートボードとBMXの無料体験会が開催され、多くの親子連れや初心者でにぎわいを見せた。 特設のフラットスペースでは、インストラクターによるレクチャーのもと、初めてボードやBMXに乗る子どもたちが楽しそうに挑戦。ヘルメットやプロテクターも無料で貸し出され、安全面にも配慮された内容となっており、誰でも安心してアクションスポーツの世界に触れられる機会となった。 会場ではミニゲームやオーリーコンテストも随時実施され、みんなで楽しめる場面も。体験することで競技への理解が深まり、観戦の楽しみ方も一層広がるイベントとなった。競技観戦だけではない、触れて、感じて、楽しめる。X Gamesならではのアクションスポーツカルチャーの裾野を広げるこの試みは、未来のスターたちの第一歩をそっと後押ししていた。 ©︎Miku Sakamoto / X Games Japan 観戦の合間にひと息。多彩なフードコーナーでお腹も心も満たされる! ©︎X Games Japan 京セラドーム大阪のアリーナ内に設けられたフードコーナーは、世界トップレベルのライディングに負けないほどの熱気と行列でにぎわっていた。 会場には、モスバーガーをはじめとしたストリートフードをはじめ、大阪名物のたこ焼きやラーメンなどの地元グルメも勢揃い。国際色とローカル感が融合したX Games流の屋台村が出現したかのような雰囲気となった。 ©︎Miku Sakamoto / X Games Japan また暑い日にピッタリなキンキンに冷えたビールやハイボールなどのお酒をはじめ、コーラやスポーツドリンクなど喉を潤すドリンクを提供する「オフィシャルバー」も用意。 競技観戦の合間に、気軽に立ち寄ってエネルギーをチャージ。お腹を満たすだけでなく、フードやドリンクからもX Gamesのカルチャーを味わえる。そんな空間が広がっていた。 最後に ©︎Miku Sakamoto / X Games Japan 歓声、拍手、そして笑顔。京セラドームを舞台に繰り広げられた「X Games Osaka 2025」は、アクションスポーツの熱狂と、カルチャーの豊かさが溶け合う特別な3日間となった。 世界トップレベルのライダーたちが見せた技の数々は、観る者に勇気と驚きを与えてくれた。スケートボード、BMX、Moto X、どの競技にも、それぞれのドラマと感動があった。 さらに、豪華アーティストによるライブパフォーマンス、地元の味を楽しめるフードエリア、子どもたちが初めてスケートに挑戦する体験会など、会場全体がひとつの大きなフェスティバルとして調和していた。 スポーツと音楽、食、体験がつながり、生まれたたくさんの感動。このイベントがきっかけとなり、新たな夢を抱いた誰かが、きっと未来のX Gamesの舞台に立つ日が来ることを期待したい。今後もX Games Japanの動向に目が離せない。 大会概要 ⼤会名称 : X Games Osaka 2025開催期間 : 2025年6月20日(金)~22日(日) – 3日間 (一般開場は21~22日の2日間)-※詳細は公式HPをご覧ください。※金曜は公式練習日のため関係者・招待客・取材媒体のみ。一般入場は土曜と日曜の2日間です。 会場:京セラドーム大阪(KYOCERA DOME OSAKA) 主催: X Games Osaka 2025 組織委員会、株式会社 XGJ、日本テレビ放送網株式会社、株式会社ライブエグザム、株式会社イープラス、株式会社CB、株式会社グッドスマイルカンパニー、読売テレビ放送株式会社 主管: 大阪府、大阪市 後援: 一般社団法人ワールドスケートジャパン、一般社団法人日本スケートボーディング連盟、一般社団法人全日本フリースタイルBMX連盟、一般財団法人日本モーターサイクルスポーツ協会、一般社団法人TEAM JAPAN MX PROJECT、FM802 / FM COCOLO、読売新聞社 協賛: Monster Energy、INSTYLE GROUP、ムラサキスポーツ、モスフードサービス、日本郵政、SANDISK、バンテリン、Mizkan NEW酢SHOT 協力: 公益財団法人JKA、モトクロスインターナショナル、株式会社JTB、シミズオクト、Skatelite by 井上スダレ株式会社、Yogibo、TOYO TIRE株式会社、TryHard JAPAN、くれおーる、ラーメンまこと屋