2024年5月25日(土)〜26日(日)の2日間にわたり、静岡県牧之原市静波にある静波サーフスタジアムにて「第3回静波パラサーフィン JAPAN OPEN」が開催された。大会に先立ち、5月11日(土)には身体に障がいを持つサーフィン未経験者や地元小学生を対象にした初心者向けの体験会が行われ、本大会を含めた今年の『第3回静波パラサーフィンフェスタ』の幕が上がった。
JAPAN OPEN当日の25日と26日には、サーフスタジアム駐車場を使いパラサーフィンを応援するマルシェ『パラマル』も併催し、音楽やダンスの披露を始め、ハンドメイド雑貨やキッチンカーと多くのマーケットが出店され、来場者とパラアスリートが時間を共有し交流を深める機会となった。
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「静波パラサーフィン JAPAN OPEN」とは?
今年で3回目となるこの「静波パラサーフィン JAPAN OPEN」は、「ISA World Para Surfing Championship (以下:WPSC)」や「Association of Adaptive Surfing Professionals (以下:AASP)」のツアーには紐付けされていないものの、パラサーフィン日本代表選手を含む世界5か国から多くのパラサーファーがエントリーする国際大会である。今年は日本・アメリカ(ハワイ含む)・オーストラリア・カナダ・イギリスから約50名の世界トップパラアスリートがここ静波に集結。今年から女性アスリートもエントリー可能となり男女混合でアツい熱戦を繰り広げた。
生まれつきや事故などによって、身体に障がいを持っている方が行うパラサーフィンでは、さまざまな身体的個性を持ったサーファーが計9種類のクラスに分かれ、オリジナルのスタイルでサーフィンを演技し得点を競い合う。この9種類のクラス分けはISAでも採用されスタンダードになっており、予選はレフト・ライト3本づつ計6本・決勝では2本づつ計4本で争われ、採点基準はISAが定めた国際ルールであるスピード・パワー・フローに加え、各選手のスタイルも加点のポイントとなった。
クラス分類
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多くのパラアスリートが2日間の熱戦を繰り広げられた。
・Stand 1 (スタンド1)
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決勝の4名は世界で戦う選手が出揃い、ハンティントンで昨年行われたWPSCのStand1クラスで2位と世界でも結果を残すほどの実力者の加藤真吾がキレのあるリップアクションを重ね、エクセレントポイントをメイクし9.00ptと5.60ptでトータル14.60ptとし見事連覇達成した。
2位の近藤健太郎はレフト方向ではトップをキープしていたものの、3本目で加藤に逆転を許し、ニード6.77ptまで迫るもあと一歩及ばず。島川幹生は3本目に際どいターンをみせ7.90ptと高得点をマークするもバックアップスコアを伸ばせず3位となった。
5年前にサーフィンを本格始動したという池上凪は深いボトムターンからリップへと一気に駆け上がるアクションを得意とする選手。昨年のWPSCでは世界チャンピオンにも輝いたスーパールーキーだ。今回は4位に甘んじたものの、これからの国内外での活躍が期待される。
・Stand 2 (スタンド2)
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Stand2は健常者サーフィンと同様に自立して波に乗るクラス。このクラスではやはりボトムとリップアクションが評価のポイントとなる。ここでは経験豊富な伊藤建史郎がスピードとパワーで大きなマニューバーを描き、エクセレントポイントの9.50ptと7.67ptのトータル17.17ptと高ポイントでまとめ、2位以下の選手を大きく突き放し圧巻の演技で優勝を決めた。
・Stand 3 (スタンド3)
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勝倉直道は現在AASPツアーでオーストラリアの選手と同律首位をキープしており、両選手が次戦のコスタリカをスキップするため、グランドチャンピオンを賭けた戦いは9月のUSオープンでの決着となる。その為にもこのJAPAN OPENで優勝することで、グランドチャンピオンへと弾みをつけたいところだ。
その勝倉は良いポジションからテイクオフでスピードをつけ、エンドセクションまで乗り継ぎ4.33pt。最後4本目では片膝立ちからバレルを狙うもタイミング合わず惜しくもインコンプリートとなり2.33ptだったが、トータル6.66ptで見事優勝した。この調子でUSオープンに進みグランドチャンピオンの座を掴み取ることに期待したい。
JAPAN OPEN独自のカテゴリークラス
・OPEN(オープン)
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オープンクラスはパラサーフィン競技のクラス分け区分に属さない障がいを持った方がエントリー出来るJAPAN OPEN独自のクラス。決勝はCarter Parry (アメリカ – ハワイ)・高山剛・安田京弘・菊地翔万の4名の戦いとなり、地元牧之原市出身の高山が安定したKneelスタイルで13.27ptで初カテゴリーで優勝を飾った。
Monoが絶対王者の意地をみせ連覇
・Kneel (ニール)
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決勝には、5度のISAワールドチャンピオンに輝いたVictoria Feige (カナダ)・Kneel界の絶対王者Mark Mono Stewart (オーストラリア)・ハワイ代表の実力者のJosh Bogle (アメリカ – ハワイ)・日本パラサーフィン界のパイオニア的存在のMasafumi Masa Kobayashi (日本)の4名。
昨年のJAPAN OPENで前人未到の20ptというパーフェクトポイントを叩き出したMonoは25日の予選でも圧巻のライディングをみせるも、プルアウトした波にもまれて左膝を痛め、そのまま予選途中で会場を離れたが、決勝日の朝にはいつものMonoスマイルで会場入りしてくれた。
そのMonoは肩の力が抜けたリラックスライディングが特徴だが、1本目からアクセル全開でレールtoレールで加速し、深いボトムから際どいリッピングを連発し8.00pt・8.27ptのトータル16.27ptで連覇を達成した。
最後に「全てのスポンサー・企業それからボランティアスタッフ、そして支えてきてくれた皆さん本当にありがとう。そして世界中へ行き日本をアピールしてくれているマサ、本当にありがとう!是非また応援してください。」と感謝喜びを語った。
・Sit (ウェーブスキー)
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決勝は辰巳博實・Richard Julian (アメリカ – ハワイ)・Spike Kane (イギリス)の3名により競われた。Sitはパドルを持っての演技となるため、ライディングが他のカテゴリーよりも大きく迫力のある演技に期待が高まる。その反面、ボードに腹這いの状態からのテイクオフではないので、少し波とのタイミングが取りづらいらしく、どの選手も各方向1本目は苦戦している様子だった。しかし2本目にはレフト・ライトそれぞれの方向でしっかりリカバリーし、素晴らしいライディングをみせてポイントを更新した。
辰巳はレフト方向ではリードを許すもライト方向でスピードを保ちつつ、しっかりとしたターンにトップアクションで6.67pt・7.33ptのトータル14.00で優勝した。
・Prone (プローン1)
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プローン1はParker Olenick (アメリカ合衆国)が良いラインに良いマニューバーを描き、波全体をボトムtoトップでパワーゾーンをうまく使いながら、まるでエアーを決めてくるのではと思うようなスピードでトップターンをしっかり2本メイクし、7.67ptと6.67ptのトータル14.34ptで優勝を決めた。
最後に『本当にたくさんの支援をありがとうございました。素晴らしい波にも乗れ、この週末は本当に楽しかった。また来年会いましょう!ありがとう!』と感謝を示した。
・Prone Assisted (プローン2)
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プローンには簡単に言えば、自身によるテイクオフか介助者によりプッシュしてもらうかでクラスが異なり、このプローン2では、板が波に刺さりそうな所での細かな体重移動とボードコントロールで勝敗が分かれる。
ここでは日本代表として世界を転戦している藤原智貴がボトムからのトップへのアクションでマニューバーを描く。3本目には綺麗なテイクオフから1ターン・2ターンと繋ぎ、最後のエンドセクションでは大きくカットバックも入れてギリギリのところまで波に乗り、できる事全てを足し切ったライディングで9.00ptをマークし、8.17ptと合わせて優勝を決めた。2位の生方も細かなコントロールでマニューバーを描くも逆転はできず敗退となった。
・Visually Impaired 2 (視覚障害2)
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VI1の選手は全盲であり、こちらのVI2は薄っすら光が見える程度の視覚度数3%という選手が出場するクラス。ここではMatt Formston (オーストラリア)が圧巻のライディングを披露し優勝した。前回大会優勝の藤崎滋も負けじと健闘するも2位で大会を終えた。
Mattはその視覚度にも関わらず、研ぎ澄まされた感覚で健常者同様の動きを披露。ボトムtoトップと素晴らしいライディングで14.00ptと高得点で優勝した。試合後、表彰式では『皆さんのお陰でここに立つことができました。マサをはじめ日本チームの皆さんありがとうございました。』と喜びの声を伝えてくれた。
今大会のベストライド
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今回のベストライドはオープンクラスにエントリーした菊地翔万のライディング。予選はレフト・ライト両方向の波を3本づつの計6本で争われたのたが、そんな中で1本・2本・3本と本数を重ねるたびに大きくなる声援が彼の力となり、ついに4本目にして人生初のロングライドをメイク。今大会最高得点のパーフェクト10ptをマークした。
会場が一体となり菊池自身はもちろんオーディエンスもストーク!サーフィンは波に乗りライディングするいわば個人競技なのだが、声援が選手にどれだけの力を与えるかを教えてくれたのではないだろうか。そしていま彼は自身と同じDS(ダウン症候群)サーファーを増やすべく活動もしており、来年はDSサーファーの仲間を引き連れて体験会へ参加することを楽しみにしている。昨年は体験会そして今年はJAPAN OPENの選手として出場。来年、再来年と今後の成長が楽しみな選手のひとりだ。
第3回静波パラサーフィンフェスタ閉幕の挨拶
一般社団法人 静波パラサーフィンフェスタ実行委員会 代表理事 松下貢汰氏
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「この第3回パラサーフィンフェスタは5月11日の体験会からスタートしました。ここではサーフィンであったり、このウェーブプールに初めて入る人のきっかけ作りの日になりました。
そして昨日と本日にわたり、第3回パラサーフィンJAPAN OPENを開催しました。ここではおそらく5月11日にきっかけを作った方々も来場していたと思いますが、選手たちのライディングを間近にみて夢を見られたのではと感じています。
また昨年から地元の小学校の生徒たちとも授業をしてきました。その生徒たちと応援うちわを作り、応援し合うこの空間が僕にとっても忘れられません。
今回もご協賛頂きました方々を含め約80社の協力団体が集まりました。この素晴らしいイベントを来年も再来年も続けていくために、是非引き続きご協力頂き、来年もまたここ静波でお待ちしております。本当に皆さま3日間ありがとうございました!」
大会結果
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・Stand 1 (スタンド1)
1位 Shingo Kato (Japan) 14.60pt
2位 Kentaro Kondo (Japan) 14.06pt
3位 Mikio Shimakawa (Japan) 13.40pt
4位 Nagisa Ikegami (Japan) 12.77pt
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・Stand 2 (スタンド2)
1位 Kenjiro Ito (Japan) 17.17pt
2位 Takaaki Koiso (Japan) 3.00pt
3位 Seiichi Yamamoto (Japan) 1.56pt
4位 Masatsugu Nishida (Japan) No Ride
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・Stand 3 (スタンド3)
1位 Naomichi Katsukura (Japan) 6.66pt
2位 Tetsuya Kaizuka (Japan) No Ride
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・OPEN (オープン)
1位 Go Takayama (Japan) 13.27pt
2位 Carter Parry (United States) 10.50pt
3位 Kyohiro Yasuda (Japan) 10.17pt
4位 Shoma Kikuchi (Japan) 6.66pt
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・Kneel (ニール)
1位 Mark Mono Stewart (Australia) 16.27pt
2位 Victoria Feige (Canada) 16.20pt
3位 Masafumi(Masa)Kobayashi (Japan) 15.64pt
4位 Josh Bogle (United States -Hawaii) 13.94pt
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・Sit (ウェーブスキー)
1位 Hiromi Tatsumi (Japan) 14.00pt
2位 Richard Julian (United States -Hawaii) 8.50pt
3位 Spike Kane (United Kingdom) 6.00pt
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・Prone (プローン1)
1位 Parker Olenick (United States) 15.84pt
2位 Daisuke Sakamoto (Japan) 7.43pt
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・Prone Assisted (プローン2)
1位 Tomoki Fujiwara (Japan) 17.17pt
2位 Ryoma Ubukata (Japan) 11.50pt
3位 Hiroyuki Horikawa (Japan) 3.20pt
4位 Akihiro Nakao (Japan) 2.07pt
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・Visually Impaired 2 (視覚障害2)
1位 Matt Formston (Australia) 14.00pt
2位 Shigeru Fujisaki (JAPAN) 1.17pt
イベント概要
イベント名称:第3回 ジャパンオープン
開催日程:5月25日(土)〜26日(日)
大会スケジュール:
5月25日 (土) JAPAN OPEN 3rd 予選
5月26日 (日) JAPAN OPEN 3rd 決勝
会場:静波サーフスタジアムPerfect SwellⓇ
(〒421-0422 静岡県牧之原市静波2220)
主催:一般社団法人静波パラサーフィンフェスタ実行委員会
協催:静岡県牧之原市、Nami-nications、サーフスタジアムジャパン(株)
参加団体:一般社団法人静波パラサーフィンフェスタ実行委員会・牧之原市・JAST (Japan Adaptive Surf Team)・ NSA (Nippon Surfing Association)・Onestep・スイングビーチホテル・榛原総合病院
後援:ふじのくにパラスポーツ推進コンソーシアム、一般社団法人ユニバ、NSA
SPECIAL EDITION
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FINEPLAYはアクションスポーツ・ストリートカルチャーに特化した総合ニュースメディアです。2013年9月より運営を開始し、世界中のサーフィン、ダンス、ウェイクボード、スケートボード、スノーボード、クライミング、パルクール、フリースタイルなどストリート・アクションスポーツを中心としたアスリート・プロダクト・イベント・カルチャー情報を提供しています。
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skate最終トライまで大混戦と逆転に次ぐ逆転劇でパリオリンピック日本代表が決定「オリンピック予選シリーズ(OQS)」ブダペスト大会 女子スケートボードストリート種目2024.06.26パリオリンピック予選大会最終戦となる「オリンピック予選シリーズ(OQS)」2戦目のブダペスト大会のスケートボード・ストリート種目の女子決勝が、大会最終日となる6月23日(日)にハンガリー・ブダペストにて開催された。女子決勝はチェンシー・チー (中国)、中山楓奈、 ペイジ・ハイン (アメリカ合衆国)、吉沢恋、赤間凛音、伊藤美優、織田夢海、クロエ・コベル (オーストラリア)という顔ぶれに。そして何より今大会の注目は大混戦となっている日本代表選手によるパリオリンピック出場権争いだ。今大会で決勝進出したことにより赤間がパリオリンピック出場内定を決めたことから、残り2枠を5名で争うこととなった。吉沢が一歩有利な状況だが決勝の順位次第では入れ替わる可能性はまだ十分にある。そんな決勝は最後のトライまで順位とオリンピック出場権が入れ替わる歴史的な大混戦となった。 大会レポート 【ラン1本目】 現時点で、代表権争いにて日本人3番手につける中山楓奈は「フロントサイドクルックドグラインド」をビッグハバレッジで決めてランをスタート。「ヒールフリップフロントサイドボードスライド」、「バックサイドテールスライド」と繋いでいき「バンクトゥレールバックサイドリップスライド」のフルメイクで83.56ptのハイスコアをマークし後続にプレッシャーをかけた。 中山楓奈のライディング Photo: OIS/Kieran Cleeves. Handout image supplied by OIS/IOC 続く吉沢恋も「バックサイドスミスグラインド」、「ビッグスピンフロントサイドボードスライド」など自身が得意とするトリックをしっかり繋ぎ、フルメイクで73.25ptをマーク。逆転出場には優勝することが必要な伊藤美優もアールでの「フロントサイドテールスライド」、「バックサイドテールスライド」、高さのある「キックフリップ」や「バックサイドリップスライド」など力強いライディングでフルメイクして75.08ptとした。また中山を追う織田夢海も「キックフリップフロントサイドボードスライド」といきなり高難易度トリックでスタートすると「バックサイドクルックドグラインド」、「バックサイドテールスライド」と繋ぎ、ラストトリックの「バックサイド5-0グラインド」までフルメイクすると中山を上回る85.43ptをマークし暫定首位に立った。 織田夢海のライディングPhoto: OIS/Kieran Cleeves. Handout image supplied by OIS/IOC 【ラン2本目】 スケートボード歴わずか約3年で世界トップ争いの一員となっている中国のチェンシーは「バックサイド5-0」、「フロントサイドフィーブルグラインド」、ダイナミックな「キックフリップメロングラブ」などを決めて、1本目のミスをリカバリーし72.50ptをマーク。一方で、なんとか織田を上回ってトリックスセクションに臨みたい中山は「ヒールフリップバックサイドテールスライド」にアップデートを試みるも決めきれずスコアを伸ばせないでいた。また有利とはいえ後続の猛追を振り切りたい吉沢はラストトリックを「バックサイドノーズスライドビッグスピンアウト」にアップデートすることに成功しスコアを大きく伸ばし84.42ptと暫定2位につけた。 吉沢恋のライディング ランセクションを終えて、暫定首位は織田、吉沢、中山と続く形でトリックスセクションへ。なお、現状の順位だと織田と吉沢が出場権獲得できる状態だ。 【トリックス1本目】 中山は自身の代名詞的トリックである「フロントサイドクルックドグラインド」をビッグハンドレールで決め83.22ptとハイスコアをマーク。続くアメリカのペイジ・ハインは得意の逆スタンス「スイッチフロントサイドボードスライド」をビッグハンドレールで決め87.39ptをマークした。2本目のランで流れに乗った吉沢は「キックフリップフロントサイドボードスライド」をビッグハンドレールで成功し88.16ptと非常に有利なポジションを押さえると、その後の伊藤は準決勝の時にハンドレールで決めた「フロントサイドブラントスライド」をハバレッジで決め87.19ptをマークした。中山のプレッシャーを跳ね除けたい織田は「バックサイドオーバークルックドグラインド」をビッグハンドレールで挑むもミスしてしまいスコアを残せず苦しい状況に。世界女王経験者でオーストラリアのクロエ・コベルは得意の「フロントサイド50-50グラインドキックフリップアウト」をハンドレールにて一発成功し88.06ptのハイスコアをマークした。この時点ではまだフルマークではないが、この時点では吉沢と中山が出場圏内に入れ替わる。 クロエ・コベルPhoto: OIS/Kieran Cleeves. Handout image supplied by OIS/IOC 【トリックス2本目】 トップバッターのチェンシーはビッグステアで「キックフリップメロングラブ」に成功し86.28ptのハイスコアをマーク。 一方で早い段階でスコアをフルメイクし、精神的にも有利に運びたい中山だったが「ヒールフリップバックサイドリップスライド」をビッグハンドレールで狙うも痛恨のミス。一気に勝負を決めたい吉沢は「フロントサイドハリケーングラインド」をビッグハンドレールで成功させると、89.75ptとスコアを合計得点を伸ばし一歩リード。すでにパリオリンピック出場を決めている赤間は「フロントサイドフィーブルグラインドフロントサイド180アウト」の高難易度トリックで92.10ptとこの時点でのハイエストスコアをマーク。1本目を早い段階でカバーしたい織田は「バックサイドオーバークルックドグラインド」をビッグハンドレールで見事メイクしリカバリー。87.28ptとこの時点では中山を上回ることに成功し代表権争い状況としてはイーブンに戻した。 【トリックス3本目】 勝負所の3本目は全ライダーがミスしスコアマークはならず、状況はキープしたままいよいよ終盤戦へ。 【トリックス4本目】 中山は2本目からトライしている「ヒールフリップバックサイドリップスライド」に果敢に挑戦するも決められずにいる中、赤間がここで「フロントサイド270フロントサイドボードスライドリバース」をビッグハンドレールで決め93.48ptのハイスコアをマーク。ここで勝負を動かしたのは中山や吉沢を追う立場になっている織田だ。SLSでも世界最高得点をマークした「キックフリップフロントサイドフィーブルグラインド」をビッグハンドレールで決め95.81ptと一気に状況をひっくり返した。これにより4本目を終えた時点では吉沢と織田に出場権がある状況となった。 【トリックス5本目】 もう後がない中山はビッグハンドレールで「ヒールフリップバックサイドリップスライド」をラストにして決め切ると、96.62ptとこの日のハイエストスコアをマーク。前回オリンピック経験者として土壇場での勝負強さと意地を見せた。 ベストトリックの成功に喜ぶ中山楓奈Photo: OIS/Kieran Cleeves. Handout image supplied by OIS/IOC しかし、織田を上回ることはできずこの時点で織田が暫定首位、中山が2位という状況。ブダペスト大会前のポイント差が44,446ポイントで中山がリードしていたが、今大会の1位と2位では獲得ポイント差が52,000ポイントあるため、ポイントランキングでは織田が逆転する状況である。そんな状況を一変させるライディングを見せたのが吉沢。「ビッグスピンキックフリップフロントサイドボードスライド」をビッグハンドレールを決め96.12ptを叩き出した。これにより吉沢が暫定首位となり、2位織田、3位中山という順に。なお2位と3位のポイント差は31,200ポイントとなるのでこの時点でポイントランキングでは再び中山が織田を上回る展開となった。目まぐるしく順位が入れ替わる状況の中、織田は89.06ptを出せば逆転優勝となり、優勝すれば文句なしでパリオリンピック出場内定を獲得できる状況となった。この極限状態の中で一度は滑り出した織田だったがタイミングが合わず、セクション前でストップして仕切り直しをする。そんな状況から見ている人達全員にひしひしと伝わるような緊張感が会場を包む。ただその状況すらを楽しんでいるようにも見えた織田は観客からの声援を要求し、自らを奮い立たせているように思えた。そこで彼女が最後に選んだトリックはビッグハンドレールでの「キックフリップバックサイドスミスグランド」。無情にもトラックはレールに掛からず逆転優勝、逆転でのオリンピック出場は叶わなかった。この瞬間、今大会の結果で吉沢と中山のパリオリンピック内定が決まった。 大会結果 Photo: OIS/Kieran Cleeves. Handout image supplied by OIS/IOC 優勝 : 吉沢 恋 (日本) 270.29pt2位 : 織田 夢海 (日本) 268.52pt3位 : 中山 楓奈 (日本) 263.02pt4位 : 赤間 凛音 (日本) 266.09pt5位 : クロエ・コベル (オーストラリア) 262.50pt6位 : 伊藤 美優 (日本) 250.73pt7位 : チェンシー・チー (中国) 239.91pt8位 : ペイジ・ヘイン (アメリカ合衆国) 221.15pt 最後に この結果から、パリオリンピックスケートボードストリート女子出場ライダーの22名が決定した。 最終予選の最終トライまで混戦だったパリオリンピック日本代表争いは、逆転に次ぐ逆転劇だった。内定ライダーは赤間凛音、吉沢恋が共にオリンピック初出場、前回オリンピック銅メダリストの中山楓奈が2大会連続出場となった。前回オリンピック女王の西矢椛が準決勝敗退しパリオリンピック出場を逃す中で、初出場が2名、前回メダリストが3枠目に滑り込むなど日本が世界でのレベルの高さが証明された。男子同様、世界一過酷な代表争いと言っても過言ではないだろう。東京オリンピック予選でも最後の最後で涙をのんだ織田夢海はまたしても最終戦で悲願のオリンピック初出場の夢は叶わなかった。過酷な出場権争いは幕を閉じたが、次はパリオリンピックでのメダル争いがすぐに始まる。今大会に出場しなかった金メダル候補筆頭のブラジルのライッサ・レアウ。そして世界女王経験者で同じく優勝候補であるオーストラリアのクロエ・コベル。ここに日本人ライダーたちがどうメダル争いを繰り広げるか。また新興勢力がこの世界の牙城を崩せるか。この約2年という長い戦いの終わりは、本当の戦いの始まりの合図でもある。パリオリンピックでのスケートボードストリート女子種目はこれまでにない歴史的なハイレベルが予想される。 上海大会に続き、各競技が協力してTEAM JAPANのサポートを実施 【ビクトリープロジェクトが選手サポートの一環として『パワーボール』を提供】 オリンピック予選シリーズ (OQS) ブダペスト大会では日本人選手たちが最高のコンディションで試合に臨めるように、「ビクトリープロジェクト」が帯同・サポートしている。 特に大会期間中は、「補食」を通じて選手のコンディショニングをサポート。サポート活動である「ビクトリープロジェクト」から生まれた栄養プログラムが「勝ち飯」だ。 「勝ち飯」は目的をかなえるカラダづくりに役立つ栄養プログラムで、そこで考え出された「パワーボール」には選手にとって嬉しい2つの特徴がある。 「ほんだし」入りでだしのうま味が効いている為、食欲がアップし、サイズが普通のおにぎりの約半分 で食べやすいというものだ。これによって、食欲がない状況でもエネルギーを確保することが出来る。 【ビクトリープロジェクト サポートディレクター上野祐輝氏のコメント】 パワーボールを摂る目的は、エネルギー補給です。特に試合当日はエネルギーを使う前に溜めておく、使ったらすぐ取り返してエネルギーを切らさないことが重要です。 『パワーボール』は食べやすいので、エネルギーをこまめに補給する「ちょこちょこ食べ」には最適なんです。そんな中で、「いつ、どのくらい」摂るべきかということは、選手と予め試合当日のスケジュールをイメージしながら決めていきます。 栄養補給の大切さはアスリートの方にも伝えたいですし、そのアスリートの姿を通じて一般生活者の方にも良いサイクルを生み出せればと考えています。 「勝ち飯」の栄養摂取の考え方やテクニックなどは、とても簡単で実践しやすいとのばかりです。それをより多くの人に知ってもらい、世の中みんなが健康になる。そんなサイクルが理想ですね。
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skate最後の最後までもつれ込んだパリオリンピック代表権争い「オリンピック予選シリーズ(OQS)」ブダペスト大会 男子スケートボードパーク種目パリオリンピック予選大会最終シリーズとなる「オリンピック予選シリーズ(OQS)」の2戦目であるブダペスト大会のスケートボード・パーク種目が、ハンガリー・ブダペストにて開催され、競技最終日の6月23日(日)に男子決勝が行われた。 本当の意味で最後となる、オリンピック予選大会最終戦となった今回は上海大会と同様にパリオリンピック予選大会全体の得点の3割以上のポイントが与えられる。このことから上海大会で結果を残した選手にとっても、結果次第で逆転されて暫定的に保持していたオリンピック出場権をも失う可能性があるため、どの選手たちにとっても油断の許されない戦いとなった。 そして実際に上海大会で結果を残していた決勝進出を逃したり、今大会を通じてオリンピック代表争いに関しても大逆転が起きたこともあり、改めてOQS大会が持つポイント配点と一戦一戦の重みがひしひしと伝わる苦しい戦いとなった。その中でも上海大会で3位入賞を果たし、ストリート種目での二刀流の実現を期待されているアメリカのジャガー・イートンが準決勝で姿を消したことにも観客に衝撃が走ったことだろう。 そんな予選と準決勝を勝ち抜いた合計8名で競われる決勝のスタートリストはヴィンセント・マテロン (フランス)、キーラン・ウーリー (オーストラリア)、ギャビン・ボットガー (アメリカ合衆国)、アウグスト・アキオ (ブラジル)、ヴィクター・ソルムンド (デンマーク)、テイト・カリュー (アメリカ合衆国)、トム・シャー (アメリカ合衆国)、キーガン・パルマー (オーストラリア) の順となった。なお今回唯一日本代表選手として出場した永原悠路はラン1本目でのミスが影響し予選敗退となり決勝進出とはならなかった。 大会レポート 【ラン1本目】 オリンピックルールにて決勝は45秒のラン3本目のうち1本のベストスコアが採用される一方で、一度トリックを失敗した時点でランを続行できなくなるフォーマット。後半でのスコアアップのために、1本目では手堅く安定したスコアを残すのが定番だがオリンピック予選大会最終戦では違った。そんな中で半分の選手が90点台の超高得点を叩き出す展開となり、最初からバチバチの戦いが火蓋を切った。 まずはオーストラリアのキーラン・ウーリーがまず自身の得意とするコーナーのコーピングでの長いグラインドトリックを元に組まれたルーティンの中に「キックフリップインディグラブ」や「フロントサイド540ノーズグラブ」を取り入れてフルメイクするランで90点台に迫ると89.16ptをマーク。 ギャビン・ボットガーのライディングPhoto: OIS/Jonathan Nackstrand. Handout image supplied by OIS/IOC そのキーランに続き、1本目での自身最高スコアであり90点超えの高得点を残したのはギャビン・ボットガー。彼は回転技とフリップトリックをふんだんに詰め込んだルーティンでランを展開。「バックサイド540メロングラブ」をはじめ、「バリアルフリップインディグラブ」や「キックフリップインディグラブ」、「バックサイドボーンレス to リバート」そして最後は「キャバレリアルキックフリップインディグラブ」など高難度トリックを様々なセクションで決めてフルメイクでランを終えると92.10ptを叩き出した。 そんなギャビンに負けじと90点台を残すランを見せたのは上海大会優勝者のテイト・カリュー。多いトリックバリエーションとコースを大きく使うランを展開すると、「バックサイド540テールグラブ」を手はじめに、ヒップ越えの「ハードフリップインディグラブ」、「バックサイドブラントスライド」や「フロントサイドロックンロールスライド」をメイクして90.93ptをマークした。 トム・シャーのライディングPhoto: OIS/Kieran Cleeves. Handout image supplied by OIS/IOC ただ今大会のアメリカの主役はギャビンでもテイトでもなかった。バーチカルを主戦場に持つトム・シャーが強さを見せた。フェーズ1や上海大会ではいまひとつ満足いく結果を出せていなかった彼が今回見事なライディングで他選手を翻弄。ハイスピードかつハイエアーの中に「フロントサイド360ステールフィッシュグラブ」をはじめ、「ヒールフリップインディグラブ」や「バックサイド540テールグラブ」そして「キックフリップインディグラブ to フェイキー」など高難度トリックを取り入れたランをメイク。用意していたラストトリックはタイムアウト後になり加算されなかったが93.48ptを叩き出し暫定1位に躍り出た。 そのトムを追いかける形で90点超えのスコアをマークしたのは、東京オリンピック金メダリストのキーガン・パルマー。ハイエアーの「バックサイドアーリーウープノーズボーンミュートグラブ」をエクステンションで決めると、「フロントサイドトゥウィーク・リーンエアーメロングラブ」をメイクして92.58ptをマークし、暫定2位でアメリカ人選手勢のトップ争いに食い込んだ。 【ラン2本目】 ラン2本目は1本目と異なり、ミスが続くライディングでスコアを思うように伸ばせない選手もいる中、優勝争いを繰り広げているトムとキーガンはさらに最高得点を引き上げるなど熾烈な戦いが繰り広げられた。 ヴィクター・ソルムンドのライディングPhoto: OIS/Kieran Cleeves. Handout image supplied by OIS/IOC 2本目でまず自身最高得点を残したのは、16歳のニューフェイスで「WST Dubai」では3位入賞を収めたデンマークのヴィクター・ソルムンド。人一倍速いスピードでトリックを繰り出すライディングが特徴の彼は「バックサイド540テールグラブ」を皮切りに「バックサイド540メロングラブ」や「ヒールフリップインディグラブ」などグラブ系を中心したライディングを見せて87.76ptをマークした。 ヴィクターに続いて自身のスコアを上げてきたのはテイト。2本目では少しトリック構成をアップデートし、ディープエンドでの「バックサイド540ボディバリアル」そして最後は「ノーグラブバックサイド540」を決めるなどレベルを上げたランをフルメイクでまとめ91.90ptをマークしスコアを上げていく。 しかしテイトの追い上げをものともせず、さらにスコアを上げてきたのはトム。基本的には1本目と同じトリック構成で2本目もランを進めていく。ただ今回違ったのはその完成度。そして中盤で「アーリーウープキックフリップインディグラブ」にアップデートすると、1本目ではメイクしきれなかったラストトリック「ノーグラブバックサイド360」を見事メイクし、スコアを94.46ptまで引き上げてリードを広げた。 キーガン・パルマーのライディングPhoto: OIS/Jonathan Nackstrand. Handout image supplied by OIS/IOC トムの優勝が現実味を帯び始める中で、彼をさらに上回ったのはキーガン。彼もトムと同様に1本目の同じトリック構成をベースに完成度を上げながら「バックサイド540ステールフィッシュグラブ」やヒップ越えの「アーリーウープバックサイド540インディグラブ」をメイクしてトムのスコアを僅かに上回る94.94ptをマークした。 【ラン3本目】 優勝するには95点台が必須になるという今シーズン最もレベルの高い決勝となった今大会。最終ランでは各選手がトムとキーガンを追う展開となったことで苦戦を強いられた。 まずこのランで決勝一番のスコアを残したのはフランスのヴィンセント・マテロン。スライドやグラインド系を多く使う彼は、2本目で失敗したラストトリックの「バックサイドノーズグラインド to ショービットアウト」を決め切ることはできなかったものの、彼のエクセキューションポイントにジャッジは評価し、今回自身最高得点の82.02ptというスコアとなった。 アウグスト・アキオPhoto: OIS/Jonathan Nackstrand. Handout image supplied by OIS/IOC そして3本目でベストスコアを更新してきたのはアウグスト・アキオ。1本目・2本目とミスが続き一度もフルメイクができていない中で迎えた3本目。ライディング前に緊張を鎮めるため行ったジャグリングがプラスに働いたのか、ランでは「キックフリップインディグラブ」を皮切りに「アーリーウープヒールフリップインディグラブ」や「ハーフキャブブラントスライドフェイキー」。最後に「バックサイド540メロングラブ」をメイクするなどバラエティ豊富なトリックをメイクし90.48ptまでスコアを伸ばした。 テイト・カリューのライディングPhoto: OIS/Jonathan Nackstrand. Handout image supplied by OIS/IOC そんなアウグストに続いて安定してスコアアップをしてきたのがテイト。暫定4位と表彰台獲得まであと一歩のところで迎えた3本目では「バックサイド540ボディバリアル」、「アーリーウープリーンエアー」そして「ノーグラブバックサイド540」をメイクするランでベストスコアを92.65ptとし、3位までスコアを伸ばしたが暫定2位のトムを超えることはできなかった。そしてこの瞬間トムの2位以上が確定したことでパリオリンピック出場権獲得が決まった。 そして最後に注目となったのはトムとキーガンの戦い。ただどちらもランをフルメイクできずスコアアップしなかったため順位は変わらず、キーガンが優勝しトムが2位という結果となった。このことから東京オリンピック金メダリストのキーガンがパリオリンピックでの2連覇に向けて弾みをつける大会となった一方で、トムがパリオリンピック出場権を獲得したことでジャガー・イートンはアメリカの3枠に残ることができず本戦での二刀流実現とはならなかった。 大会結果 Photo: OIS/Kieran Cleeves. Handout image supplied by OIS/IOC 優勝 キーガン・パルマー (オーストラリア) / 94.94pt2位 トム・シャー (アメリカ合衆国) / 94.46pt3位 テイト・カリュー (アメリカ合衆国) / 92.65pt4位 ギャビン・ボットガー (アメリカ合衆国) / 92.10pt5位 アウグスト・アキオ (ブラジル) / 90.48pt6位 キーラン・ウーリー (オーストラリア) / 89.16pt7位 ヴィクター・ソルムンド (デンマーク) / 87.76pt8位 ヴィンセント・マテロン (フランス) / 82.02pt 最後に 今大会での結果により、パリオリンピックへ出場する全22名が出揃った。出場権争いが激化していたアメリカは、今回トム・シャーが準優勝を果たしたことでジャガー・イートンを最後に追い抜き代表権を獲得する形となり、今大会3位のテイト・カリューと4位のギャビン・ボットガーが続いてパリオリンピック出場権を獲得。 もう一方で最後までどうなるか分からない出場権争いを繰り広げていたブラジル。今回決勝に進出したアウグスト・アキオが確実としていた中で、国内2番手につけるも今回予選敗退を喫したペドロ・バロスと、そして準決勝敗退した国内3番手のルイージ・チーニが大きくリードを保ち逃げ切ったことでこの3名がパリオリンピック出場権を獲得した。 そしてもちろん忘れてはいけないのは日本人唯一の出場選手である永原悠路。今大会では予選敗退したため不安もよぎる展開だったが、繰り上げで全体16位となりオリンピック出場権を獲得した。それ以外にはオーストラリアの強豪キーガン・パルマーとキーラン・ウーリーをはじめ、「WST Dubai」の王者であるスペインのダニー・レオン、今大会の決勝進出者を筆頭にパリオリンピック代表選手に名を連ねた。 さて長かった2年間のオリンピック予選大会が終わり、ついにパリオリンピック出場選手の面々が整った。いよいよ1ヶ月後に迎えるパリオリンピック本戦ではどんな戦いが繰り広げられるのだろうか。前回のオリンピック王者のキーガン・パルマーが2連覇なるか。一方でアメリカ代表選手たちも金メダル獲得の可能性も大いにある。ただ我々としては永原悠路がその王者の牙城に風穴を空けてくれることに大きな期待を持ちながら、夏の本戦を楽しみにしたい。 上海大会に続き、各競技が協力してTEAM JAPANのサポートを実施 【ビクトリープロジェクトが選手サポートの一環として『パワーボール』を提供】 オリンピック予選シリーズ (OQS) ブダペスト大会では日本人選手たちが最高のコンディションで試合に臨めるように、「ビクトリープロジェクト」が帯同・サポートしている。 特に大会期間中は、「補食」を通じて選手のコンディショニングをサポート。サポート活動である「ビクトリープロジェクト」から生まれた栄養プログラムが「勝ち飯」だ。 「勝ち飯」は目的をかなえるカラダづくりに役立つ栄養プログラムで、そこで考え出された「パワーボール」には選手にとって嬉しい2つの特徴がある。 「ほんだし」入りでだしのうま味が効いている為、食欲がアップし、サイズが普通のおにぎりの約半分 で食べやすいというものだ。これによって、食欲がない状況でもエネルギーを確保することが出来る。 【ビクトリープロジェクト サポートディレクター上野祐輝氏のコメント】 パワーボールを摂る目的は、エネルギー補給です。特に試合当日はエネルギーを使う前に溜めておく、使ったらすぐ取り返してエネルギーを切らさないことが重要です。 『パワーボール』は食べやすいので、エネルギーをこまめに補給する「ちょこちょこ食べ」には最適なんです。そんな中で、「いつ、どのくらい」摂るべきかということは、選手と予め試合当日のスケジュールをイメージしながら決めていきます。 栄養補給の大切さはアスリートの方にも伝えたいですし、そのアスリートの姿を通じて一般生活者の方にも良いサイクルを生み出せればと考えています。 「勝ち飯」の栄養摂取の考え方やテクニックなどは、とても簡単で実践しやすいとのばかりです。それをより多くの人に知ってもらい、世の中みんなが健康になる。そんなサイクルが理想ですね。
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climb野中生萌が準優勝でパリオリンピック内定!「オリンピック予選シリーズ ブダペスト大会」スポーツクライミング2024.06.252024年6月20日(木)~6月23日(日)の期間で「オリンピック予選シリーズ」第2戦がハンガリーのブダペストにて開催され、現地時間22日(土)にスポーツクライミング スピード種目、現地時間23日(日)にボルダー&リード複合種目の決勝が行われた。 ボルダー&リード女子複合種目の野中生萌はOQSブダペスト大会を準優勝で終え、2大会連続のオリンピック代表に内定した。 今回160人以上のクライマーが、「オリンピック予選シリーズ(OQS)」でパリオリンピック出場に向け競い合った。国際スポーツクライミング連盟(IFSC)によると、ボルダー&リードの複合種目で男女各10名、スピード種目で男女各5名が出場枠を獲得可能となっていた。 本シリーズが始まるまでに、ボルダー&リード複合種目では日本人から3名、女子の森秋彩と男子の楢崎智亜、安楽宙斗が内定。すでに女子1枠、男子2枠が埋まっていたため、残り女子最大1枠の獲得を目指し争われた。一方、スピード種目では日本人の出場枠が決まっていなかったため、男女ともに最大2枠を懸けて戦いが行われた。 1枠の出場権争いが懸かったボルダー&リード複合 女子 左から野中(日本)、ブルック(アメリカ)、エリン(英国) ボルダー&リード女子複合の準決勝では伊藤ふたばが得意のボルダーでポイントを伸ばすことができず10位(83.4点)で準決勝敗退、前回東京オリンピックの銀メダリストである野中生萌は3位(129.6点)となり2大会連続のオリンピック出場を確実とした。 決勝では野中は得意のボルダーで、決勝に進出した8名の中で唯一、4課題全ての完登を成功させた。しかしリードでは途中で手を滑らせてしまい落下。このリードでの得点が勝敗を分け、野中はOQSブダペスト大会を準優勝で終え、優勝は、アメリカのブルック・ラバトゥとなった。 左からイ(韓国)、サム(フランス)、アダム(チェコ) ボルダー&リード複合種目 決勝結果 女子決勝 ブルック・ラバトゥー(アメリカ合衆国)合計159.8(B83.8/L76.0)野中生萌(日本)合計156.0(B98.9/L57.1)エリン・マクニース(英国)合計137.5(B69.4/L68.1)Luo ZHILU(中華人民共和国)合計122.5(B68.5/L54.0)ソ・チェヒョン(大韓民国)合計104.9(B32.8/L72.1)ラウラ・ロゴラ(イタリア)合計90.5(B14.5/L76.0)ミア・クランプル(スロべニア)合計81.6(B24.5/L57.1)イェウヘニア・カズベコワ(ウクライナ)合計75.5(B39.5/L36.0) 男子決勝 1.サム・アベズー(フランス)105.6pt(B 54.5pt/L 51.1pt)2.イ・ドヒョン(韓国)98.6pt(B 44.5pt/L 54.1pt)3.アダム・オンドラ(チェコ)92.4pt(B 44.3pt/L 48.1pt)4.ハネス・ハン・デュイセン(ベルギー)86.1pt(B 50pt/L 36.1pt)5.アルベルト・ヒネス・ロペス(スペイン)83.6pt(B 29.6pt/L 54pt)6.メジディ・シャールック(フランス)68.8pt(B 29.7pt/L 39.1pt)7.アレクサンダー・メゴス(ドイツ)67pt(B 24.9pt/L 42.1pt)8.ヤニック・フローエ(ドイツ)52.4pt(B 24.4pt/L 28pt) ※B=ボルダー、L=リード スピード種目 男子の安川潤は予選11位で日本勢で唯一1/8ファイナルへ進出するも、リシャット・カイブリン(カザフスタン)との対戦で手を滑らせ1.5秒ほどの差が付いてしまい敗れ、OQSブダペスト大会を終えた。 左からYafei(中国)、アレクサンドラ(ポーランド)、ラジア(インドネシア) また、大政涼、林かりん、竹内亜衣、河上史佳、林奈津美は予選で敗退となった。今大会の優勝を果たしたのは女子のアレクサンドラ・カウツカ(ポーランド)と男子のPeng WU(中国)となった。 左からアミール(カザフスタン)、Peng(中国)、ベドドリック(インドネシア) スピード種目 決勝結果 女子決勝 1位 アレクサンドラ・カウツカ(ポーランド)6.50 ー ビッグファイナル2位 Yafei ZHOU(中国)6.52 ー ビッグファイナル3位 ラジア・サルサビラ(インドネシア)6.64 ー スモールファイナル4位 Di・NIU(中国)6.71 ー スモールファイナル 男子決勝 1位 Peng WU(中国)4.90 ー ビッグファイナル2位 アミール・マイムラトフ(カザフスタン)Fall ー ビッグファイナル3位 ベドドリック・レオナルド(インドネシア)5.05 ー スモールファイナル4位 アスパー・アスパー(インドネシア)5.61 ー スモールファイナル スピード種目では日本からのオリンピック出場が叶わなかったが、ボルダー&リード複合種目では、すでにオリンピック内定が決まっていた女子の森秋彩と男子の楢崎智亜、安楽宙斗に加え、野中生萌が今大会を終えて追加でオリンピック内定を果たした。 パリオリンピックでのスポーツクライミング日本チームの活躍に期待したい。 日本人の結果 【スピード種目】 <男子日本選手結果> 12位:安川 潤(早稲田大学) 17位:大政 涼(松山大学) <女子日本選手結果> 21位:林 かりん(鳥取県山岳・スポーツクライミング協会) 23位︰竹内 亜衣(筑波大学) 28位:河上 史佳(鳥取県山岳・スポーツクライミング協会) 29位:林 奈津美(奈良県山岳連盟) 【ボルダー&リード複合種目】 <日本選手結果> 2位:野中 生萌(無所属)※パリ2024大会内定 10位:伊藤 ふたば(デンソー岩手) 44位:中川 瑠(日本大学) ※久米 乃ノ華(TOKIOインカラミ)は欠場 「ビクトリープロジェクト」がTEAM JAPANのサポートを実施 【ビクトリープロジェクトが選手サポートの一環として『パワーボール』を提供】 オリンピック予選シリーズ (OQS) ブダペスト大会では日本人選手たちが最高のコンディションで試合に臨めるように、「ビクトリープロジェクト」が帯同・サポートしている。 特に大会期間中は、「補食」を通じて選手のコンディショニングをサポート。サポート活動である「ビクトリープロジェクト」から生まれた栄養プログラムが「勝ち飯」だ。 「勝ち飯」は目的をかなえるカラダづくりに役立つ栄養プログラムで、そこで考え出された「パワーボール」には選手にとって嬉しい2つの特徴がある。 「ほんだし」入りでだしのうま味が効いている為、食欲がアップし、サイズが普通のおにぎりの約半分 で食べやすいというものだ。これによって、食欲がない状況でもエネルギーを確保することが出来る。 【ビクトリープロジェクト サポートディレクター上野祐輝氏のコメント】 パワーボールを摂る目的は、エネルギー補給です。特に試合当日はエネルギーを使う前に溜めておく、使ったらすぐ取り返してエネルギーを切らさないことが重要です。 『パワーボール』は食べやすいので、エネルギーをこまめに補給する「ちょこちょこ食べ」には最適なんです。そんな中で、「いつ、どのくらい」摂るべきかということは、選手と予め試合当日のスケジュールをイメージしながら決めていきます。 栄養補給の大切さはアスリートの方にも伝えたいですし、そのアスリートの姿を通じて一般生活者の方にも良いサイクルを生み出せればと考えています。 「勝ち飯」の栄養摂取の考え方やテクニックなどは、とても簡単で実践しやすいとのばかりです。それをより多くの人に知ってもらい、世の中みんなが健康になる。そんなサイクルが理想ですね。
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skate最後の最後まで混戦だった日本代表争いは「1つのトリック」が明暗を分けた。「オリンピック予選シリーズ(OQS)」ブダペスト大会 男子スケートボードストリート種目パリオリンピック予選大会最終戦となる「オリンピック予選シリーズ(OQS)」2戦目のブダペスト大会のスケートボード・ストリート種目の男子決勝が、大会最終日となる6月23日(日)にハンガリー・ブダペストにて開催された。今大会の決勝にはマティアス・デルオリオ(アルゼンチン)、リヒャルド・トゥリー(スロバキア)、ケルビン・ホフラー(ブラジル)、根附海龍、白井空良、ブレイデン・ホーバン(アメリカ合衆国)、小野寺吟雲、堀米雄斗という顔ぶれとなった。やはり今回の注目は日本人選手たちによる代表権争い。なお決勝前の時点で、小野寺がオリンピック出場が確定したため、残り2枠を3人のライダーで争うことになった。その上で前回オリンピック王者の堀米雄斗はこのラストチャンスを掴めるかどうか、また白井と根附は猛追を振り切れるかが最大の焦点だ。一方で出場権争いをしていた佐々木音憧、久しぶりのオリンピック予選出場となった金メダル候補のオーレリアン・ジロー(フランス)にも注目が集まったが準決勝でいずれも姿を消した。そしてオリンピック予選で久しぶりの決勝進出となり、出場権獲得には2位以上が必須という条件の堀米雄斗。同様にアメリカ国内での熾烈な出場権争いをクリス・ジョスリンと繰り広げており、ブレイデン・ホーバンはクリスが準決勝で敗退したため順位次第ではポイントを逆転するチャンスを得た。 大会レポート 【ラン1本目】 トップバッターのマティアス・デルオリオ(アルゼンチン)は「スイッチバックテールハンドレール」、「トレフリップノーズスライド」など長身から繰り出させるテクニカルなライディングでフルメイクし、86.10ptのハイスコアでオープニングを飾った。そして注目の代表争いをしている日本人選手からまずは根附海龍。ここでハイスコアを残し、他にプレッシャーを与え有利に立ちたいところだが、そのプレッシャーは自身にもあったか、中盤の「バックサイドクルックドグラインドノーリーキックフリップアウト」でミスし、ハイスコアはマークできなかった。背水の陣で臨む前回オリンピック王者である堀米雄斗はこのチャンスを逃さなかった。「スイッチバックサイドリップスライド」でランをスタートしていくと「スイッチフロントサイドブラントスライド」などランセクションでの高難易度トリックをしっかり繋いでいき、ラストトリックの「ノーリーハーフキャブスイッチ5-0グラインドフロントサイド180アウト」まで完璧にフルメイクし、いきなり90.26ptをマーク。 堀米雄斗のライディング プレッシャーのかかる立場から一転、ライバルにプレッシャーを与えることに成功し流れも引き寄せる立ち上がりを見せた。 【ラン2本目】 1本目のフルメイクで勢いに乗ったマティアスが、ラストトリックを「ビッグスピンキックフリップフロントサイドボードスライド」にアップデートするなど、さらにスコアを伸ばして91.92ptと暫定首位に浮上。堀米が優勝しても自身の順位次第では、パリオリンピック出場権を獲得できる根附は「ヒールフリップバックサイドテールスライド」、「バックサイド180レイトショービット」、「キャバレリアルヒールフリップ」、1本目でミスした「バックサイドクルックドグラインド」もしっかり決めてリカバリーし、完全に立て直したかに見えた。しかしラストトリックの「ヒールフリップバックサイドリップスライド」でまさかの着地ミス。69.31ptと大きく出遅れてしまう。同じく1本目でスコアメイクをできなかった白井空良は「シュガーケーン」からスタートしていき、「アーリーウープフロントサイド270フロントサイドボードスライド」、「フロントサイド180スイッチクルックドグラインド」など得意なトリックをしっかり繋ぎ、ラストの「キャバレリアルバックサイドテールスライド」まで完璧に決め切りリカバリー、スコアも87.11ptと好位置につけた。 白井空良のライディングPhoto: OIS/Jonathan Nackstrand. Handout image supplied by OIS/IOC アメリカ内でのパリオリンピック出場権争いを繰り広げているブレイデン・ホーバンはラストトリックの「インポッシブル」で痛恨のミス。フルメイクとはならず。すでにオリンピック出場を決めている小野寺吟雲は「キックフリップバックサイドテールスライド」、「ビッグスピンボードスライドショービットアウト」、「スイッチフロントサイド180バーレーグラインド」、「ノーリービッグスピンヒールフリップビッグスピンキックフリップボードスライド」など持ち味の難易度の高いテクニカルなトリックをフルメイクし90.08ptをマーク。堀米はさらなるスコアアップのため、中盤のトリックで「ノーリーフロントサイド270ノーズスライド」にアップデートを狙うもミスしてしまう。暫定首位マティアス、2位堀米、3位が小野寺と続き、トリックスセクションへ。 【トリックス1本目】 まずスロバキアのベテラン、リヒャルド・トゥリーが「スイッチヒールフリップバクサイド5-0グラインド」を決めて92.29ptとハイスコアを叩き出す。続くランの遅れを早い段階で取り戻したい根附は「ノーリーインワードヒールフリップフロントサイドボードスライド」をミス。一方でトリックスセクションに強い白井は「キャバレリアルバックサイドテールスライドビッグスピンアウト」と世界最高峰の難易度を誇るトリックを一発で仕留め、92.51ptをマーク。その後、ブレイデンも「バンクトゥキックフリップフロントサイドノーズグラインド」をスタイリッシュにパーフェクトメイクして91.17ptをマーク。そして絶好調の小野寺も「フロントサイドブラントスライドビッグスピンキックフリップアウト」をしっかり決め94.89ptと続いた。 堀米雄斗のライディング さらに流れを掴むべくトリックへ挑む堀米。「ノーリーフロントサイド180スイッチ5-0グラインド」をキンクオーバーのハンドレールで見事一発メイクし、95.65ptとこの時点でのハイエストスコアをマーク。暫定首位に浮上した中で、残り4トライのうち1つのベストスコアメイクで優勝を勝ち取れるという非常に有利な展開に持ち込んだ。 【トリックス2本目】 なんとかスコアメイクしたい根附は「ノーリーインワードヒールフロントボードスライド」を成功、93.12ptと巻き返しの口火を切った。 根附海龍のライディング 白井は「ノーリービッグスピンバックサイドテールスライド」をしっかり決め、90.40ptと90点台に揃えた。続くブレイデンもバンクトゥレッジで「インポッシブル50-50グラインド」で89.90ptとトリックスセクションでフルマークに成功しアメリカ代表争いに望みを繋いだ。ここで一気に勝負を決めたい堀米はなんととんでもないトリックに挑戦。「ノーリーフロントサイド270ノーズブラントスライド」をいう背中側に270度回りながらハンドレールにノーズをピンポイントで掛けてスライドさせるとてつもない高難易度でリスクのある新技を出してきた。惜しくも成功しなかったが、これを見せたことにライバル達によりプレッシャーを与えることになる。 【トリックス3本目】 2本目で勢いを取り戻した根附は「ヒールフリップフロントサイドブランドスライド」をハンドレールで決め92.29ptとトリックセクションでのフルマークに成功この時点で暫定4位に浮上した。トリックスセクションで勢いに乗るブレイデンはバンクトゥビッグレッジで「キックフリップバックサイドノーズブラントスライド」をパーフェクトメイク、96.00ptと現時点でのハイエストスコアをマークした。小野寺は「バックサイドテールスライドキックフリップアウト」をバンクトゥレールで決め、91.49ptと90点台を連発する好調ぶりを発揮。 小野寺吟雲 Photo: OIS/Jonathan Nackstrand. Handout image supplied by OIS/IOC View this post on Instagram A post shared by FINEPLAY (OFFICIAL) (@fineplay.me) そして堀米は2本目で失敗した「ノーリー270ノーズブラントスライド」を2回目で見事に決めた。これには普段冷静な堀米も吠えた。スコアは97.10ptとこの日の最高得点を記録し、トータルスコアも283.01ptと唯一の280点台に乗せ暫定首位に浮上した。 【トリックス4本目】 現状ではパリオリンピック出場には3位以上になる必要のある暫定7位の根附は逆転を狙い「ヒールフリップバックサイドテールスライドビッグスピンアウト」をハバレッジでトライするもミス。ラストトライに全てをかける。 根附海龍 Photo: OIS/Jonathan Nackstrand. Handout image supplied by OIS/IOC 【トリックス5本目】 ここまでスコアをマークできていなかった前回オリンピック銀メダリスト、ブラジルのケルビン・ホフラーが「ハーフキャブバックサイドノーズスライドトゥバックサイドテールスライド」をハバレッジで決め90.07ptと最後に意地をみせた。 逆転を狙う根附は「ヒールフリップバックサイドテールスライドビッグスピンアウト」を決めるもスコアは伸ばせず7位となった。根附がパリオリンピックに出場する条件としては堀米が3位以下となる必要があるが、白井が満点となる100点をマークするトリックを決めても堀米には届かないため、この時点で堀米雄斗のパリオリンピック出場が決定した。逆転優勝には98.05ptが必要な小野寺はビッグステアでの「バックサイドダブルキックフリップ」に挑むもミスし、2位で今大会を終えた。ウイニングトライとなった堀米は「ノーリーレイトキックフリップボードスライド」をビッグハンドレールでトライするも決めきれなかったが、見事にオリンピック予選最終戦を優勝で飾り、大逆転でのパリオリンピック出場を掴み取った。 大会結果 Photo: OIS/Jonathan Nackstrand. Handout image supplied by OIS/IOC 優勝 : 堀米 雄斗 (日本) 283.01pt2位 : 小野寺 吟雲 (日本) 276.46pt3位 : 白井 空良 (日本) 270.02pt4位 : リヒャルド・トゥリー (スロバキア) 266.09pt5位 : マティアス・デルオリオ (アルゼンチン) 265.57pt6位 : ブレイデン・ホーバン (アメリカ合衆国) 255.02pt7位 : 根附 海龍 (日本) 254.72pt8位 : ケルビン・ホフラー(ブラジル) 178.62pt 最後に 見事な劇的逆転優勝、大逆転でのパリオリンピック出場を決めた堀米雄斗。前人未到のスケートボードオリンピック連覇に期待がかかる結果となった。今大会の結果により、日本代表として小野寺吟雲、白井空良、堀米雄斗がパリオリンピックに出場内定。堀米はこれまでのオリンピック予選では思うような結果が出せず、非常に苦しい約2年間だったが最後の最後でしっかり結果を出すのは流石という言葉以外が見当たらない。一方ここまで好調だった根附海龍は最終戦で逆転されてしまい、あと一歩のところで悲願だったパリオリンピック出場を逃してしまった。このことから約2年間の戦いが、1つのトリックで明暗を分ける厳しい勝負の世界だということを改めて痛感させられたOQSブダペスト大会。今大会でも表彰台を独占するなど「お家芸」と言われるほど、日本のスケートボードストリートが世界トップレベルであることを完全に証明している。その中で国内代表争いを強いられる世界一過酷なオリンピック出場権争いだと言っても過言ではない。これらを見事勝ち抜いた、小野寺、白井、堀米はパリオリンピックでもメダルに期待したい。もう一つ熾烈な代表争いを繰り広げていたアメリカのパリオリンピック出場権争いはナイジャ・ヒューストンとジャガー・イートンが出場ほぼ確定する位置につけており、残りの1枠をクリス・ジョスリンとブレイデン・ホーバンが争った。クリスがセミファイナルで敗退したため、ブレイデンは3位以上で逆転でのパリオリンピック出場権獲得だったが6位だったため、クリス・ジョスリンのパリオリンピック出場が確定した。なおブレイデンのトリックセクションでのスコアが今大会3位の白井よりも上回っていたため、日本の根附同様ランセクションでのラストトリックのミスが大きく明暗を分けた可能性が高い結果となった。このように、長期間に渡る各国代表争いが1つのトリックで全てを変えてしまうのがスケートボードである。そして、パリオリンピックスケートボードストリート男子は全22ライダーが確定となった。 パリオリンピックでもこの「1つのトリック」で明暗を分けることが起こる可能性がある。前回オリンピック王者、堀米雄斗の連覇か。あるいは新たなオリンピック王者の誕生か。全ての可能性があるパリオリンピックスケートボード男子は、いずれにせよ世界最高峰のクオリティの大会になることは間違いないだろう。 上海大会に続き、各競技が協力してTEAM JAPANのサポートを実施 【ビクトリープロジェクトが選手サポートの一環として『パワーボール』を提供】 オリンピック予選シリーズ (OQS) ブダペスト大会では日本人選手たちが最高のコンディションで試合に臨めるように、「ビクトリープロジェクト」が帯同・サポートしている。 特に大会期間中は、「補食」を通じて選手のコンディショニングをサポート。サポート活動である「ビクトリープロジェクト」から生まれた栄養プログラムが「勝ち飯」だ。 「勝ち飯」は目的をかなえるカラダづくりに役立つ栄養プログラムで、そこで考え出された「パワーボール」には選手にとって嬉しい2つの特徴がある。 「ほんだし」入りでだしのうま味が効いている為、食欲がアップし、サイズが普通のおにぎりの約半分 で食べやすいというものだ。これによって、食欲がない状況でもエネルギーを確保することが出来る。 【ビクトリープロジェクト サポートディレクター上野祐輝氏のコメント】 パワーボールを摂る目的は、エネルギー補給です。特に試合当日はエネルギーを使う前に溜めておく、使ったらすぐ取り返してエネルギーを切らさないことが重要です。 『パワーボール』は食べやすいので、エネルギーをこまめに補給する「ちょこちょこ食べ」には最適なんです。そんな中で、「いつ、どのくらい」摂るべきかということは、選手と予め試合当日のスケジュールをイメージしながら決めていきます。 栄養補給の大切さはアスリートの方にも伝えたいですし、そのアスリートの姿を通じて一般生活者の方にも良いサイクルを生み出せればと考えています。 「勝ち飯」の栄養摂取の考え方やテクニックなどは、とても簡単で実践しやすいとのばかりです。それをより多くの人に知ってもらい、世の中みんなが健康になる。そんなサイクルが理想ですね。
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skate日本人選手たちの壮絶な代表権争いの行方は。「オリンピック予選シリーズ(OQS)」ブダペスト大会 女子スケートボードパーク種目パリオリンピック予選大会最終シリーズとなる「オリンピック予選シリーズ(OQS)」の2戦目であるブダペスト大会のスケートボード・パーク種目が、ハンガリー・ブダペストにて開催され、競技最終日の6月23日(日)に女子決勝が行われた。 今大会はパリオリンピック予選大会の最終戦であり、全体の得点の3割以上のポイントが与えられることで、結果次第ではこの一大会でフェーズ1及び上海大会でのビハインドをひっくり返す逆転が可能になる大きなチャンスであり、現在オリンピック代表枠を獲得している選手たちにとってはミスが許されないシビアな戦いとなった。 そして日本からは、上海大会同様に東京オリンピック銀メダリストである開心那、アジアチャンピオンの草木ひなの、そして東京オリンピック金メダリストである四十住さくらをはじめ、「X Games California 2023」の銀メダリストで「WST Dubai」で3位となった期待の新星長谷川瑞穂、そしてアジア大会5位の菅原芽依、国際大会での経験が豊富な中村貴咲の6名が出場した。 海外からは世界ランキングの上位勢が出場者として名を連ね、怪我から復帰した東京オリンピック銅メダリストのスカイ・ブラウン (イギリス)や、上海大会で圧倒的な強さを見せたアリサ・テルー (オーストラリア)などパリオリンピックの本戦でもメダル争いに食い込む選手が決勝へ進出する一方で、前大会の決勝進出者たちや、現在オリンピック代表争いの渦中にいる四十住さくらも準決勝9位であと一歩決勝進出に届かないなど、オリンピック出場権争いを揺るがす波乱の展開に。 決勝進出者たち Photo: OIS/Kieran Cleeves. Handout image supplied by OIS/IOC そんな本決勝は全43名の出場者の中、予選・準決勝を勝ち上がった合計8名で競われ、スタートリストはルビー・リリー (アメリカ合衆国)、ヘイリ・シルヴィオ (フィンランド)、草木ひなの、長谷川瑞穂、スカイ・ブラウン (イギリス)、開心那、ライカ・ベンチュラ (ブラジル)、 アリサ・テルー (オーストラリア)の順となった。 大会レポート 【ラン1本目】 おさらいするが、オリンピックルールにて決勝は45秒のラン3本目のうち1本のベストスコアが採用される一方で、一度トリックを失敗した時点でランを続行できなくなる。そのため1本目では後半でより攻めるライディングをするためにもある程度のスコアを残しておくことが定石。そんな中でまず80点台後半の高得点を残したのは草木ひなのだ。 草木ひなののライディング Photo: OIS/Kieran Cleeves. Handout image supplied by OIS/IOC 前回の上海大会で決勝進出を逃し悔しい思いをした草木はパリオリンピック出場枠を確保するために見事なライディングを見せる。「バックサイド360」をボックスジャンプでメイクしたことを皮切りにディープエンドでの「バックサイドスミスグラインド」や「バックサイド540」、最後には「バックサイドロックンロールスライド」をメイクしてパーフェクトランを終えると87.53ptをマークし、笑顔で2本目に繋げた。 そんな草木の後に滑走し、今大会の自身ベストスコアを残したのはブラジルのライカ・ベンチュラ。準決勝を2位で通過する見事なパフォーマンスを見せた彼女は、高いエアーで豪快な「フロントサイドノーズボーンミュートグラブ」をメイクすると、「キックフリップインディーグラブ」やボックスジャンプでの「バックサイド360」など高難度トリックを取り入れたスタイルのあるライディングで85.93ptをマークして幸先良いスタートを切った。この後のランではなかなかトリックを決めきれずスコアを伸ばせなかったが、パリオリンピック代表権を獲得する上では十分な成績だった。 【ラン2本目】 1本目では全体的にランを80点台にまとめてきた選手が多く、各々のベーススコアを確立した中で2本目では勝ちにいくために攻めのライディングをするも、やはりプレッシャーとトリックの難易度からミスをする選手が増えた1本となった。 スカイ・ブラウンのライディング Photo: OIS/Kieran Cleeves. Handout image supplied by OIS/IOC 多くの選手がミスするランを横目に、1本目の失敗を覆すべく2本目でしっかり決めきったのはスカイ・ブラウンだ。ラン1本目ではボックスジャンプでの「バックフリップ」でミスし得点を伸ばせないでいたが、2本目では同トリックを見事修正しただけではなく、「マドンナエアー」や「アーリーウープバックサイド360」などを決め切りフルメイクで終えるとベストスコアを86.02ptへ引き上げた。 アリサ・テルーのライディング Photo: OIS/Kieran Cleeves. Handout image supplied by OIS/IOC そしてそんなスカイを超える勢いでベストスコアを伸ばしてきたのはアリサ・テルー。ラン1本目では細かなミスもあり82.60ptを残した彼女は、さらに1本目のトリックの完成度を上げたライディングを2本目で見せる。「バックサイド540」や「マックツイスト」など豪快な高難度トリックをクリーンに決めるのはもちろんのこと、「スイッチバックサイドメロングラブ」や「スイッチフロントサイドエアー」など女子選手ではあまり取り入れられていないスイッチトリックをメイク。そんな高度な技術が詰め込まれたランは93.38ptという今大会最高得点の評価を受け、暫定1位と優勝の大手をかけた。 【ラン3本目】 パリオリンピック行きの切符を決めるラスト1本はドラマチックな展開に。ベストラン採用のためここで決めれば十分巻き返すチャンスがある中、ほとんどの選手が自身のベストスコアを更新し、そのうち3名は90点台を叩き出す最後まで順位が分からない展開にもつれ込んだ。 まず今回このハイレベルな順位争いの中で、難しい戦いを強いられたのはアメリカのルビー・テルーとフィンランドのヘイリ・シルヴィオ。ルビーは1本目で82.00ptと悪くないスコアを残したものその後はミスが続き得点を伸ばせず大会を終えた。またヘイリもスピード感のあるライディングにハイエアーを見せながら、コーナーでの「バックサイドフィーブルグラインド」や「バックサイド540」をメイクするもラストトリックは入れきれず3本目をベストスコアとするも82.68ptと伸び悩んだ。 一方でここから熱いスコアアップ合戦が始まる。まずは草木がディープエンドでの「バックサイド540」「フロントサイドフィンガーフリップ・リーントゥテールノーズグラブ」そして最後の「バックサイドロックンロールスライド」をしっかりメイクするとスコアを89.60ptまで伸ばし暫定2位へ。 長谷川瑞穂のライディング Photo: OIS/Kieran Cleeves. Handout image supplied by OIS/IOC そんな草木を超えた上でパリオリンピック出場権を獲得するにはここでどうしても2位までに入っておきたい長谷川瑞穂は3本目で今大会で一番のパフォーマンスを見せる。「バックサイド360」を皮切りに「キックフリップインディグラブ」「バックサイド540メロングラブ」「フロントサイドリーンエアー to ディザスター」などを決め切り強さを見せると91.58ptと草木を超えて暫定2位に返り咲く。このまま順位を守り切れるのか。 しかしそんなに甘くないのがオリンピック予選大会最終戦。長谷川やアリサのスコアを超えて優勝の座を勝ち取るべくラストランに臨んだのはスカイと開。まずスカイは3本目の最初のトランスファーに「キックフリップインディーグラブ」を取り入れてランをアップデートすると、その後も「アーリーウープバックサイド360」、「バックフリップ」などを2本目で取り入れたトリックの完成度をあげたランを見せ、91.93ptとスコアを伸ばして僅か長谷川のスコアを上回り暫定2位に。 開心那のライディングPhoto: OIS/Kieran Cleeves. Handout image supplied by OIS/IOC そして同じくさらなるスコアアップを目指してラストランに挑んだ開は、「キックフリップインディーグラブ」やディープエンドでの「バックサイドノーズグラインド」、「フロントサイドスミスストール」など得意のグラインド系を中心に次々トリックをメイクするとこれもまたスカイに僅か届かない91.83ptをマークして暫定3位に。 この後に出走したライカもアリサもさらにスコアアップはしなかったことから、表彰台はアリサ、スカイ、開の順となった。上海大会同様に今大会でも優勝したアリサの強さを感じる一方で、ラストランは失敗したものの2本目を上回るような勢いのランを見せていたことから、彼女の底知れぬ力を感じた。きっとパリオリンピック本戦でも金メダル争いを見せる中心人物になることは間違いないだろう。 大会結果 Photo: OIS/Kieran Cleeves. Handout image supplied by OIS/IOC 優勝 アリサ・テルー (オーストラリア) / 93.38pt2位 スカイ・ ブラウン (イギリス) / 91.93pt3位 開 心那 (日本) / 91.83pt4位 長谷川 瑞穂 (日本) / 91.58pt5位 草木 ひなの (日本) / 89.60pt6位 ライカ・ベンチュラ (ブラジル) / 85.93pt7位 ヘイリ・シルヴィオ (フィンランド) / 82.68pt8位 ルビー・リリー (アメリカ合衆国) / 82.00pt 最後に 今大会でオリンピック予選大会が全て終了し、パリオリンピックへ出場する全22名が出揃った。まず日本人選手からは開心那、草木ひなの、四十住さくらのパリオリンピック出場が決まった。 一方で今回惜しくも一歩届かず出場枠を逃したが今大会で大健闘を見せた長谷川瑞穂にも拍手を送りたい。まだまだ弱冠13歳と今回の代表権争いでも最年少だった彼女。次のロスオリンピックでは日本を率いる選手になる可能性を見せるランだった。 そして海外選手においても、上海大会とブダペスト大会の決勝メンバーを中心に代表権を獲得している。その中にはメダル争いにおいて日本人選手たちの最大のライバルとなりうるアリサ・テルーやスカイ・ ブラウン、そして怪我の影響からあまり目立った成績を残せていないナイア・ラソ(スペイン)もしっかり出場権を獲得している。 長かった2年間のオリンピック予選大会が終わり、出場選手たちを含め全てが整った中でいよいよ約1ヶ月後に迎えるパリオリンピック本戦。さて今年はどんなドラマが待っているのだろうか。前回のオリンピック王者の四十住さくらが2連覇なるか。もしくは他の日本人選手が金メダル獲得するのか。大きな期待を持ちながら夏の本戦を待ちたい。 上海大会に続き、各競技が協力してTEAM JAPANのサポートを実施 【ビクトリープロジェクトが選手サポートの一環として『パワーボール』を提供】 オリンピック予選シリーズ (OQS) ブダペスト大会では日本人選手たちが最高のコンディションで試合に臨めるように、「ビクトリープロジェクト」が帯同・サポートしている。 特に大会期間中は、「補食」を通じて選手のコンディショニングをサポート。サポート活動である「ビクトリープロジェクト」から生まれた栄養プログラムが「勝ち飯」だ。 「勝ち飯」は目的をかなえるカラダづくりに役立つ栄養プログラムで、そこで考え出された「パワーボール」には選手にとって嬉しい2つの特徴がある。 「ほんだし」入りでだしのうま味が効いている為、食欲がアップし、サイズが普通のおにぎりの約半分 で食べやすいというものだ。これによって、食欲がない状況でもエネルギーを確保することが出来る。 【ビクトリープロジェクト サポートディレクター上野祐輝氏のコメント】 パワーボールを摂る目的は、エネルギー補給です。特に試合当日はエネルギーを使う前に溜めておく、使ったらすぐ取り返してエネルギーを切らさないことが重要です。 『パワーボール』は食べやすいので、エネルギーをこまめに補給する「ちょこちょこ食べ」には最適なんです。そんな中で、「いつ、どのくらい」摂るべきかということは、選手と予め試合当日のスケジュールをイメージしながら決めていきます。 栄養補給の大切さはアスリートの方にも伝えたいですし、そのアスリートの姿を通じて一般生活者の方にも良いサイクルを生み出せればと考えています。 「勝ち飯」の栄養摂取の考え方やテクニックなどは、とても簡単で実践しやすいとのばかりです。それをより多くの人に知ってもらい、世の中みんなが健康になる。そんなサイクルが理想ですね。