安室丈&佐藤李が徳之島QS2000を制覇!パワフルな波のなかで繰り広げられた熱戦

2026.10.15
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Photo / @charfilm
text by 水野 亜彩子 / Asako Mizuno, Photo / @charfilm

2026年10月8日(木)から10日(土)までの3日間、世界自然遺産に登録されている鹿児島県徳之島の徳之島町花徳浜(けどくはま)で、World Surf League(WSL)Qualifying Series QS2000「TOKUNOSHIMA TOWN PRO 2026」が開催された。国内外から集まった選手たちが熱戦を繰り広げ、男子は安室丈、女子は佐藤李が優勝。3日間にわたる戦いが幕を閉じた。
今年で3回目の開催となる本大会は、日本国内では5月のHamamatsu Open以来となるQSイベント。今大会を皮切りに御前崎、宮崎へと続くQS アジアシリーズに向けて、選手たちにとって重要な一戦となった。
大会期間中は台風からのうねりが届き、花徳浜には連日サイズとパワーを兼ね備えた波が押し寄せた。海外のサーフポイントを思わせるコンディションのなか、選手によってはサイズのある波に対応するためのステップアップボードを使用するなど、それぞれが波に合わせた戦略でヒートに臨んだ。
迎えたファイナルデーは大会期間中で最も風が弱まり、夏の暑さを感じさせる陽気のなかで競技がスタート。波のサイズも前日からさらに上がり、頭半近いセットが入るコンディションとなった。
男女ともに30分ヒートのセミファイナルから競技が行われ、ファイナル進出をかけた熱戦が繰り広げられた。

Photo / @charfilm

女子セミファイナル|佐藤李とバッカー花が決勝へ

バッカー花 Photo / @charfilm

女子セミファイナル第1ヒートでは、ディフェンディングチャンピオンの川瀬心那とバッカー花が対戦した。
連覇を狙う川瀬はプライオリティを持たない状況でも積極的に波をつかみ、果敢にセクションへアプローチ。しかし、インサイドのハードなセクションやバックウォッシュに阻まれ思うようにスコアを伸ばすことができない。一方のバッカーは、じっくりと波を見極めながら確実にスコアを重ねる展開。2本のライディングをまとめてリードを守り切り、自身初となるQSファイナル進出を決めた。

川瀬心那 Photo / @charfilm

続く第2ヒートでは、松田詩野と佐藤李が対戦。
佐藤は序盤から積極的に仕掛け、2本目のライディングで5点台をマーク。さらに中盤にハードなセクションで力強いワンターンを決め、7.67のハイスコアを叩き出した。このライディングによって松田はコンビネーションスコアが必要な状況に追い込まれる。
その後も佐藤は攻撃の手を緩めず、5.67を追加。リードをさらに広げ、松田に逆転のチャンスを与えることなくファイナル進出を果たした。

佐藤李 Photo / @charfilm

松田詩野 Photo / @charfilm

男子セミファイナル|西優司が終盤に逆転、安室丈は接戦を制す

男子セミファイナル第1ヒートでは、足立海世と西優司が対戦した。
序盤から積極的に波へ乗った足立は、きれいなカービングターンからフィニッシュまで決め、5.67をスコア。一方の西もレイバックターンから掘れ上がったセクションでフローターを決め、6.67をマークしてトップへ浮上した。
しかし足立も4.50をスコアしバックアップスコアを揃え、トータル10.17として再びリードを奪い返す。
逆転に3.50が必要となった西は、プライオリティを活かしながら慎重に波を選ぶ展開。残り2分、形の良い波をつかむとカービングからオフザリップ、フィニッシュまでつなぎ、3.67をスコアし逆転に成功。
接戦を制した西がファイナル進出を決めた。

足立海世 Photo / @charfilm

続く第2ヒートでは、安室丈と鈴木仁が対戦。
先に動いた鈴木は、掘れたセクションで鋭いレイバックターンを決め、4.83をスコア。序盤から2本のスコアを揃え、リードを奪った。一方、じっくりと波を待っていた安室もカービングからフィニッシュまで決めて4.33をマーク。さらにバックサイドの波でソリッドな2発のターンを決め、5.67をスコアして逆転に成功した。終盤、鈴木もセットの波で大きなワンターンを決めたが、4.50と逆転には届かず。安室は残り時間でプライオリティを巧みに使いながらリードを守り切り、ファイナルへの切符をつかんだ。

安室丈  Photo / @charfilm

鈴木仁  Photo / @charfilm

女子ファイナル|佐藤李が終始リードを守り優勝

佐藤李 Photo / @charfilm

女子ファイナルは、佐藤李と自身初となるQSファイナル進出を果たしたバッカー花が対戦。35分ヒートで優勝を争った。
先に仕掛けたのは佐藤。形の良い波をつかむと、最初のセクションで際どいポジションへ当て込み、続くフィニッシュへアプローチ。最後は波が重なり完全なメイクとはならなかったものの、3.67をスコアした。さらに佐藤は立て続けに波へ乗り、持ち味である大きなカービングターンからスプレーを上げるフィニッシュを決める。この2ターンのコンビネーションに5.33がスコアされ、序盤からリードを広げた。対するバッカーも反撃を試み、ライディングを重ねるなかで4.00と3.77をマーク。しかし、佐藤のリードを崩すまでには至らない。
残り5分を切ったところで、佐藤が再び動く。形の良い波を選び、3ターンのコンビネーションを決めて4.20をスコア。トータル9.53としてリードを広げ、そのまま逃げ切りに成功した。
終始落ち着いた試合運びを見せた佐藤李が、「TOKUNOSHIMA TOWN PRO 2026」女子優勝を飾った。サイズとパワーのある難しいコンディションのなかでも、自身のサーフィンを貫き、波のリズムをつかみ続けた佐藤。安定感のあるパフォーマンスで、QSタイトルを手にした。

佐藤李 Photo / @charfilm

バッカー花 Photo / @charfilm

男子ファイナル|安室丈が西優司を下し、優勝を飾る

安室丈 Photo / @charfilm

男子ファイナルは、安室丈と西優司の対戦となった。
西はセミファイナルで右膝を負傷。ファイナルまでの限られた時間のなか、メディカルスタッフによる対応やアイシングを受け、万全とはいえない状態で決勝の舞台に臨んだ。
ヒート序盤、積極的に仕掛けたのは安室。次々と波へ乗りスコアを重ねながら試合の主導権を握る。一方の西は焦ることなく波を見極める展開。開始から約10分が経過したところで形の良い波をつかみ、5.33をマーク。この時点でのヒートハイエストスコアを叩き出し逆転の可能性を広げた。しかし、安室も負けじと反撃。力強いライディングで6.33をスコアし再びリードを広げる。その後も安室は優位な状況を維持し、最後までリードを守り切って優勝を決めた。負傷を抱えながらも最後まで戦い抜いた西に対し、安室は波のコンディションを見極めながら着実にスコアを重ね、勝利をつかんだ。

西優司 Photo / @charfilm

徳之島から続くQSアジアシリーズ、次なる戦いへ

Photo / @charfilm

3日間を通して、サイズとパワーのある波に恵まれた「TOKUNOSHIMA TOWN PRO 2026」。波の選択やポジショニング、プライオリティの使い方など選手たちの技術だけでなく、試合運びや戦略も勝敗を分ける大会となった。日本国内では約5カ月ぶりの開催となったQSイベントを終え、選手たちの戦いは御前崎、宮崎、そして台湾へと続いていく。徳之島でつかんだ勢いを次戦につなげる選手もいれば、今大会で得た課題を次の成長へと変えていく選手もいるだろう。
来シーズンのChallenger Series(CS)出場権獲得を目指す選手たちにとって、一戦一戦が重要な意味を持つアジアQSシリーズ。ここからどのような戦いが繰り広げられるのか、引き続き注目していきたい。

Photo / @charfilm

TOKUNOSHIMA TOWN PRO 2026 大会結果

Men’s QS2000

Photo / @charfilm

優勝:安室丈
準優勝:西優司
3位:足立海世、鈴木仁

Women’s QS2000

Photo / @charfilm

優勝:佐藤李
準優勝:バッカー花
3位:川瀬心那、松田詩野

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