いよいよ9月29日(日)、川崎ルフロンにて開催される『ITADAKI ダブルダッチ甲子園 2024』。
これまでFINEPLAYはメディアパートナーとして、大会当日の様子だけでなく、大会開催前にアンバサダー・REG☆STYLEと豪華なキャストたちとの対談をお届けしてきた。
今年からキービジュアルや審査員の顔ぶれも一新し、またゲストとして、出場する高校生=“ITADAKI世代”に近い世代のプレイヤーたちがこの日限りのショーケースを披露する企画も始動。
4年目を迎え、大会として成熟してきたITADAKIにまた新しい風が吹き荒れようとしている。
そんなITADAKI 2024に先駆け、今回はREG☆STYLEのKO-YA・YUIと、GUESTとして出演する「Virgin odd scrap」(ヴァージン・オッド・スクラップ)より、ikkyon・KOKOROの2名による鼎談(ていだん)をお届けする。
彼らが語るダブルダッチへの思いと未来とは。

かつて抱えていた“悩み”と“悔しさ”
──本日はよろしくお願いします。
今回は“若手2人”との鼎談ということで、まずはKO-YAさんからこの2人がどんなプレイヤーか紹介していただいてもよろしいでしょうか。
KO-YA
一言で言うなら、この2人は次世代のスターですよ。どちらも小学1年生からダブルダッチをプレーしているので、歴はもう15年くらい。僕ですら16年なので、もうベテランですよね(笑)。
同じくらいの年月ダブルダッチシーンを見てきているなかで、数々のタイトルも獲得してきて、今や大学生シーンではトップランカーの2人ですから、今回ゲストとして声をかけさせてもらいました。
そして、今このトップを走る2人の言葉は高校生世代にも響くんじゃないかなと思い、今回こういう形でのインタビューもお願いしたいなと。

──ありがとうございます。これを読んでくれた高校生たちにも響くようなものになることを期待したいですね。
それでは最初に、2人がどういう足跡をたどってきたのかなと。高校時代のことを振り返って、当時抱えていた悩みってどんなものがあったか教えてもらえますか。
ikkyon
今KO-YAさんから「小1からダブルダッチを始めた」という話があったと思うのですが、僕らは高校生のとき、自分たちだけでダブルダッチを続ける決断をしたんです。
ただどうやって続けていこうか、続けていけるのか…。当時似たような境遇のチームもいなかったので、初めはすごく戸惑いました。
KOKORO
私も似たような状況でした。中学生まで続けていたチームが解散し、それぞれ別の部活動や高校に進学して、高校生になって気がついたら私1人になっていて。やる場所や環境を入学してすぐに失ってしまったんです。
後に別のクラブに移籍することになりましたが、最初は大変でした。
YUI
高校生でその悩みに直面するのはなかなか大変だったと思うけど、どう乗り越えていったの?
ikkyon
僕は幸いにもチームメイトは残っていたのですが、今まで自分たちだけでパフォーマンス作りをやってきた経験がなかったんです。
なので「フリーロープ*に行かせてください」と連絡したり、出られるイベントを自分たちで探したり、自分から積極的に外のコミュニティに飛び込むようにしました。
*フリーロープ:音楽に合わせて自由にロープを跳ぶ練習のこと。パフォーマンスのように規定の音楽に合わせるものではなく、ランダムに流れる音楽に合わせて跳ぶことが多い。
KOKORO
しばらく1人の期間が続いて、結局自分で行動しないと何もできないなと気づいたんです。イツキくん(ikkyon)と一緒で、親に相談してついてきてもらって、イベントに行ったりしました。
あと、その頃ってワークショップやレッスンがいろんなところで開講されるようになってきて、勇気を振り絞って行きました(笑)。
1人で挑戦しに行くのは不安でしたが、教えてくれる先生だけではなく、(その当時)大学生の受講者も含め、上の方々は自分のことをすごく気遣ってくださるんですよね。
そこから人脈も増えていって、そのタイミングで別のクラブへの移籍とチームに所属することも決まって、また頑張ろう!となったことを覚えています。
KO-YA
やっぱり自分から行動しているし、自分からいろんな場所に出向いていますよね。だからみんなこの立ち位置なんですよ。

──そうですね。大学生になってから…とかではなく、今輝いている子たちはこの時点から行動していたという。
YUI
そもそも仲間が離れていったり、続けられる環境が不十分だったなかで、どうして2人はダブルダッチを続けたいと思うようになっていったの?
逆境のなかでも頑張りたいと思えた原動力を知りたくて。
ikkyon
僕は1on1のバトルですね。
ダブルダッチはショーケース中心の文化なので、「1on1バトル」というものの概念が自分の中には無かったのですが、レッスンに通って1on1のイベントを知ったり、動画を見るようになって。
これは自分でも頑張れるのではないか、自分一人でも続けていける足がかりになるんじゃないか、と思うようになりました。
KOKORO
私は中学生のとき、昔あった「WORLD JUMP ROPE CHAMPIONSHIP」という、スポーツ(競技)のジャンルの大会に出たときのことです。
その世界選手権大会のために国内の予選を通過しないといけないのですが、私たちは6人編成のチームで出場しました。ただ、その国内予選が5人しか出られないというルールで。
そこで1人落とされたのが私でした。めちゃくちゃ悔しい思いをして。
無事に世界選手権大会には進出して6人でプレーすることはできたのですが、「自分の力で世界に行けたわけではないな」という思いが心のどこかでずっとあったんです。その悔しさはいまだにずっと残っていますね。
あともう1つは、憧れや目標になる方を見つけるようになった頃だったんです。それこそREGSTYLEの皆さんとか。

YUI
2人ともいい話だな〜。それこそ、KOKOROの当時のコーチと私は仲が良いんだけど、KOKOROが今でもダブルダッチを続けているのがすごく嬉しいって言ってた。
KOKORO
今でもめちゃくちゃ連絡くれます。
KO-YA
やっぱり「悔しい」って大事だよね。俺もそう。悔しい思いがいっぱい積み重なって今がある。
むしろあの悔しさが無かったら、今辞めちゃってるんじゃないかなと思うことすらある。
もはや「悔しい」をひっくり返す快感を覚えてるよね(笑)。
──YUIさんはいかがでしょう。多方面に活躍されていますが、その原動力もダブルダッチで経験した「悔しさ」だったりするのでしょうか。
YUI
悔しい思いはたくさん経験してきているけど、私はどちらかというと、このダブルダッチの素晴らしさを強く感じていることが原動力だなって思っています。
REG☆STYLEの一員としてパフォーマーの活動はしているけど、今のikkyonやKOKOROの話もそうだし、「こうしてみんなが頑張っているものを広めたい!」という気持ちの方が強いです。
私がどうこうというより、自分の活動を通してダブルダッチと、そこで戦う人たちのことが広がっていったら良いなと思っています。役割分担じゃないですけど。
ikkyon
僕は「悔しさ」で言うと、高校時代になって、初めて自分たちだけでパフォーマンスを作るようになったんです。ただ今まで先生に作ってきてもらっていて、いきなり自分たちだけでやらなければいけなくなり、挑戦してみたら「こんなに難しいの?!」と(笑)。教えてくれる存在を失い初めて直面した挫折でした。
自分たちは今まで結構頑張ってきたつもりだったけど、まだまだ未熟だった悔しさ。そしてちゃんと作らなければタイトルは獲れないという焦り。
なんだこれは…という思いでした。
KOKORO
さっき高校で今まで所属していたクラブからブランクを経て移籍したという話をしたと思うのですが、移籍先の「日本橋ダブルダッチクラブ」は特に当時、所属する多くの子は、小学生のときからずっとそのクラブで育ってきているんですよ。
また、特に私の近い世代ってめちゃくちゃ実績を持っているメンバーで、そこで違う出自を持った私が1人入ることになって。みんな幼馴染で仲もいいし、技術もあるし。そこに入ったことで、よりレベルの差を感じるようになりましたね。
さっきのWORLD JUMP ROPE CHAMPIONSHIPのときの話もそうですが、たくさん挫折も経験しました。思うようにならない悔しさもたくさん味わってきたけど、その経験が強くしてくれました。

──なるほどね。それこそ悩みや悔しさという話をしてくれたと思うんだけど、KOKOROは2021年、開催初回のITADAKIで予選を勝ち抜き、1on1のファイナリストとしてステージに立っていました。
ikkyonも大会は違うけど、学生大会の「Double Dutch Delight」で優勝して国際大会に出場するなど、2人とも高校時代から相当活躍していたと思いますが、どのようにその壁を乗り越えてきたんでしょうか。
ikkyon
結局、数こなすというのが一番の近道だったなと思いますね(笑)。
とにかく練習もしたし、パフォーマンスもたくさん作るに越したことはない。最初は自分たちだけで作るのは相当大変で、納得いかない出来になることもありましたし、どうだ!と思っても微妙な反応ということはしばしばでした。
ただ、どこかから急に「いいね!」と言われる時期が増えてきたんですよね。もちろんアドバイスなどももらうようにはしていましたが。
とにかくやりまくる。まずは数で解決させてきたタイプです。

KOKORO
さっきイツキくんも話していましたけど、私も1on1に挑戦したことは大きかったです。
それこそ高3の夏くらいからKO-YAさんレッスンに通い始めて、そこから3ヶ月後くらいにITADAKIという状況で。仲間も増えていきましたし、自分のプレーの幅も広がっていくことを実感しました。
──「近道はない」ということですね。KO-YAさんは2人の話を聞いていていかがでしょうか。
KO-YA
そうですね。でも唯一俺が思う近道があるとするならば、「なりたいものがあるならば、そうなっている人に聞いた方がいい」ということかな。
アドバイスをもらうことは大切だし、いろんな人からもらうと良いと思います。でも、そうなっている人のアドバイスが“本物”ですよね。
特にそういう人に突っ込んでいくことは勇気がいると思うけど、得られるものも大きいと思う。そしてこの2人はそれをちゃんとやっていたと思います。

ダブルダッチシーンの魅力
──今2人は大学生シーンで活躍していると思うのですが、昔から続けてきて良かったなと思うことって何かありますか?
ikkyon
昔からの憧れだった人とご一緒させてもらう機会が多くて、そういう人たちを昔から見てきたことはめっちゃ良かったなと思います。
KOKORO
私も本当にそうです。それこそ今日のこういう企画もそうですし。
昔、こうやって活躍している上の方々って、自分にとっては芸能人やアイドルみたいな感じだったんですよ(笑)。毎週そういう人たちを見られて、教えてもらえる世界線ってあるんだ!という(笑)。今こうしてご一緒させていただける機会があるということは嬉しいですね。
あと、自分も憧れを持って育ってきたからこそ、憧れられる側にもなりたいですね。最近少しずつですが、そういう側にもなれるようになってきたのかなって。
YUI
うんうん、こうした言葉が本当に嬉しいですよね。
15年近く続けていたら辞めるとか諦めるようなタイミングもあったと思うし、継続していくことって本当に簡単じゃないと思うんですよ。
それでも続けてきてくれたからこそ、こうした言葉を聞くことができたのが本当に嬉しいです。
それで私から質問したいんだけど、2人が思う「ダブルダッチの魅力」ってなんでしょうか。
ikkyon
やっぱり“あったかいところ”ですかね。
もう辞めたいな、辛いなと思うときに、ダブルダッチって一人じゃないんですよ。先輩や周りの人が話しかけてくれたり、「良かったよ」って声をかけてもらったり。
一人じゃできない、チームメイトがいるから成り立っているということもそうですし、チームメイト以外の人も仲間のようにコミュニケーションを取ってくれることが魅力ですね。
KOKORO
“輝ける”ことだと思います。イツキくんも言ってくれましたが、本当にいろんな人が応援してくれるし、いろんな人がいないと成立しないんですよね。
そういう人たちのおかげで、一人じゃないから輝ける。幸せなことだし、そのために次も頑張ろうって思います。
KO-YA
いやでも、本当にそうだね。我らも輝けること、そのあたたかさがあって続けてこられている。
──ありがとうございます。逆にKO-YAさん・YUIさんは大学時代にダブルダッチと出会い、ここまで続けてこられているわけですが、そのお二人が思う「続けてきて良かった」と思うことって何がありますか?
YUI
ダブルダッチで出会う仲間はみんなそうですし、チームメイトは特にそうですけど、やっぱり共に過ごす時間が本当に多いんですよね。友人とも家族ともまた違う、濃い特別な関係性だなと思うんです。
一人ではできないこと、それと共に長い時間向き合ってきた仲間がいることは大きな財産だと感じています。

KO-YA
本当にそうだね。俺も一緒。仲間です。仲間が好きだから続けて来られているし、こうしてikkyonやKOKOROのように、次世代の仲間が次々できてきたことも嬉しい。
KOKORO
それこそさっきITADAKIに出場したという話があったと思いますが、予選は通過できたけど、1回戦でNAO*に負けてしまって。
そしたら終わって、すごくいろんな人に声をかけてもらったんですよ。それこそKO-YAさんもすぐ私のところに駆け寄ってきてくれて。
「良かったよ」「かっこよかったよ」ってたくさん励ましてもらいました。結果的には悔しかったけど、こんな私のことを見ている人がいてくれるんだ、あったかいな。そういう人たちのためにも、私、まだまだ頑張らないとなって思いました。
*NAO AKAGAMI:初年度のITADAKIでは「Crumb Company」としてショーケース部門を優勝、また1on1バトルでも優勝するなど、キッズ時代から頭角を表してきた若手トッププレイヤーの一人。
大学生になった今もなお活躍し、今回はikkyon・KOKOROとともに「Virgin odd scrap」でゲストショーを披露。
KO-YA
めっちゃ覚えてるな。ここからKOKOROの快進撃が始まっていくなという予感もしましたし、“名場面”の1つになるだろうなという感覚がありました。
KOKOROもikkyonも、2人ともすごいことになるだろうなとは昔から思っていましたね。

──逆にikkyonは、ITADAKIが始まった2021年が大学1年生にあたる年ということで、ikkyonから見たITADAKIってどうですか。
ikkyon
いやもう、めっっっちゃくちゃ羨ましいですよ(笑)。
高校生のときは「DOUBLE DUTCH ONE’S*」に挑戦してもとても勝ち上がることはできなかったんで、当時はバトルをしたい気持ちがあっても、モチベーションを保てたり、目指せる場所は少なかったんですよ。
*DOUBLE DUTCH ONE’S:ダブルダッチシーン“最高峰”と謳われる1on1バトルイベント。2022年にはKO-YAが決勝大会優勝に輝いた。
ikkyon
それで高3のとき、「跳龍門」という1on1のビギナーズラックイベントの高校生版を開催させてもらったこともありました。バトル人口も増えてきて、だけどなかなか目指す場所が少ない。そこをITADAKIという大会が風穴を開けたことで、一気に高校生シーンが盛り上がった気がします。
それこそ初回とかは本当に羨ましいな、もう一度高校生やりたいな、と思いながらスタッフをやっていました(笑)。

©︎DOUBLE DUTCH ONE’S / ISF KAWASAKI, SUPER BREAK
“未来”をつくる
──さて今年で4回目を迎えるITADAKIですが、今回から新たな試みとして、ダブルダッチ部のない高校でチームを作り、ITADAKIに出場してもらうという取り組みが動いているんですよね。
KO-YA
そうなんです。ITADAKIという大会を作っていくなかで、一つは高校生が本気で目指せる、輝ける舞台を作りたいという思いがあります。ただそれだけでなく、ITADAKIが掲げるもう一つの願いは「ダブルダッチの普及」。
さっきもikkyonとKOKOROが言ってくれていましたが、まだ高校生世代がダブルダッチを始められたり、続けられる環境が十分に整っているわけではないと思います。
もっと活躍できる場面や所属団体を増やしていきたいという思いがあり、ITADAKIでは、その普及に取り組もうという動きを少しずつ進めています。
その中の動きで、まずはワークショップに行ったことがあったりと繋がりがある高校に「良かったらチャレンジしませんか」と働きかけてみて、興味がある子たちでチームを結成し、ITADAKIに出場してもらうという。
ITADAKIには昨年から「STEP UP 部門」という競技歴1年未満の子たち限定*の部門ができたので、そこに出場してカマしてもらえるよう、定期的に足を運んで指導などをしています。
*正確には「メンバーの過半数が、ITADAKI開催日時点でダブルダッチを始めてから1年以内の選手で構成されているチーム」。詳細はオフィシャルサイトを参照のこと。
KOKORO
その一つに、私とREG☆STYLEのKEITAさんの母校である都立雪谷高校での活動もあります。みんなすごくフレッシュで、素直に楽しんでくれている姿に刺激をもらっています。

KOKORO
私が雪谷高校に入学した当時、KEITAさんをはじめ何人かのダブルダッチの先輩の出身校であることを知って、部活動を立ち上げられたらいいな〜と思ったこともあったのですが、なかなか難しくて。
まさか思い入れのある母校からチームが生まれることは嬉しいですし、母校の中庭で練習している光景がどこか不思議だし、エモーショナルな気持ちにもなります。
ここでロープが回っているのが嬉しいな、と思いましたね。
──素敵だ。そして、今ってこうした大学生世代もスクールやワークショップなどで指導をしたりということが増えてきましたね。
ikkyonは所属している「COMRADE」(コムレード)というサークルから、今回ITADAKIに「N006」(ヌーブ)というチームが出場しますよね。心境はどうですか?
ikkyon
COMRADEはシーンでは珍しく、高校生と大学生が年次を跨いで所属している団体なんですよね。N006とはあくまで同じサークルなので、担当しているスクールのレッスンの感覚とも違うし、コーチや教え子という関係ではなく、同じ仲間で先輩後輩という感じです。
ただ面倒を見たり教えたりはしているので、もう…ドキドキですよね(笑)。
自分のサークルの子たちだからやっぱり思いも一際ありますし。逆にその子たちの前で下手なゲストショーなんか見せられないなと(笑)。彼らのおかげで、こちらも気合いが入ってますね。
ゲストとして、若手世代がITADAKIのステージへ!
──さて、ikkyonとKOKOROは今回、ITADAKIのゲストショーケースを担当してくれるんですよね。「Virgin odd scrap」(ヴァージン・オッド・スクラップ)という、今回限りの特別チームということで。
今まではシーンを牽引してきた上の世代のプレイヤーをお願いしていたことも多かったと思うんですが、今年は心機一転、“ITADAKI世代”の高校生たちに比較的年齢の近いプレイヤーで構成されています。
まずKO-YAさんに訊きたいのですが、実行委員会としては、どういった経緯で若手世代にゲストを頼むことになったのでしょうか。
KO-YA
いろいろ経緯はありますが、1つはITADAKIが、こうした次世代のスターたちがたくさん生まれる場所になってほしいという思いがあるから。
高校生世代から輝いてきた奴らが、大学生になっても輝き続けているということはシーンにとっても重要な意味を持つと思うんです。そして、それを近いところで高校生たちに感じてもらいたい。
そういうスターの原石みたいな子が現れてくれたらなとか、夢見て目指してくれたらなと。
あともう1つは、ゲストの彼らに近い大学生たちがITADAKIを見に行ったときに、「あの子やばくない?」とか「ちょっとうちの団体に誘ってみようよ」って思ってくれたら、もっとシーンは面白くなるんじゃないかなって思うんです。そういうムーブメントが起こってほしいという願いもあります。

上の世代のプレイヤーに憧れることも大切ですが、自分と近い世代でも「かっけえ」と憧れに思える存在がいることもすごく大事だと思うんです。
このシーンを牽引しているのは、俺らのようなプロチームだけじゃない。もっと自分たちと近い世代のトップを走っている子たちを見てほしい。それによって高校生たちのモチベーションは上がると思うし、大学生たちもそれに共鳴して上がると思うんです。
つまり、全ての世代のマインドやスキルアップのために、この世代のゲストがベストなんじゃないかなと思って、実行委員会として声をかけさせてもらいました。
──熱いですね。ありがとうございます! 2人はオファーをもらったとき、どうでしたか?
ikkyon
いやもう驚きですよ(笑)。マジかと。そしてめちゃくちゃ嬉しかったですね。
さっきも言いましたが、年齢的に僕はITADAKIのステージに立つことはできなかったけど、こうして頑張っていたら立てるんだという。なんかここまで頑張ってきて良かったなって思います。
KOKORO
今回のメンバーがこれまたエモいですよね(笑)。それこそイツキくんもそうですけど、キッズの時からライバルとして切磋琢磨してきたメンバーで、ただ一緒にパフォーマンスをする機会はあまりない。
昔は会釈するくらいでちょっと怖いなって思っていたメンツでしたが(笑)、こうしてITADAKIのステージで、時を経て一緒にパフォーマンスができることが嬉しいですね。
──ちなみにショーのコンセプトや内容は決まっているんでしょうか?
ikkyon
まだ練習をできていないので(※取材当時)具体的なことは言えませんが、ひとまず僕の中では、“誰にでも刺さるショー”を目指したいなと。特定のスタイルに寄せることは考えていません。
みんな何かしら自分のスタイルを持っているしキャラ立ちしているから、高校生の時に奴らを見たら全員喰らっちゃうだろうなって(笑)。そういうメンバーが集まっているじゃないですか。
まあそれで特定の形に寄っちゃったら、それはそれで面白いですが(笑)。
KO-YA
実はここで2人にも初めて言うのですが、今回ゲストのみんなの衣装を、大会のオフィシャルパートナーとして開催初年度からサポートしてくれている「Champion」さまから提供いただけることになりました!
ikkyon
おお!ありがとうございます!
KO-YA
ダブルダッチだけでなくストリートに根付いたChampionさんからの提供ということで、長年我々REG☆STYLEにもサポートをしてもらっていて、いつも衣装として使わせていただいているのですが、僕らだけじゃなくダブルダッチのことも全体的に応援してくれているんですよ。
Championさんって今年で100周年ということで、ストリートに根付き続けているChampionさんの衣装を身に纏えることって、僕らにとっても本当に大きいことなんです。
そして今回、それをゲストのみんなにも着てもらおうということになりました。

YUI
衣装提供って貴重な機会だよね。
KO-YA
2人にとって、Championのウェアってどういうイメージなの?
KOKORO
私たちダブルダッチャーからするとREG☆STYLEのイメージが強いですね。
ikkyon
名前の通り“王者”が着ているイメージっていうのは自分もあって、他のカルチャーでも優勝している人ってChampionを着ていることが多いですよね。
KO-YA
そうなんだよ。実は日本の大御所ラップグループの「スチャダラパー」さんが、Championの100周年にあたってChampionのことを歌った楽曲をリリースしたんだけど、めちゃくちゃかっこ良いし、どういうブランドかを知れるからぜひ聞いてほしいんだよね。
「Sports」「College」「Military」「The King of Sweat」という4つのキーワードからも、色んな角度からシーンに根付いた背景が分かると思うよ。
──確かにブランドの持つ“思い”や“思想”みたいなものを知って身に纏うことで、スイッチが入る感じや、パワーを得られる感覚はありますよね。
このChampionさんのウェアをまとった皆さんのゲストショー、楽しみにしています!

「絶対に大丈夫」
──さて色々とお話を聞かせていただきましたが、最後に皆さんのお話を改めて伺えたらと思っています。
まずYUIさんは、今年もREG☆STYLEの一員で大会アンバサダーとして、そしてMCとして大会を盛り上げていただくことになると思います。意気込みのほう、いかがでしょうか。
YUI
いろんな思いはありますが、まず川崎市でやらせていただいていることが大きいですよね。
ダブルダッチに限らずブレイキンなど、ストリートカルチャーを広く応援してくれて寄り添ってくれる。こんな街があるということが嬉しいです。
そして会場の川崎ルフロンは吹き抜けになっていて、フラっと立ち寄った人でもダブルダッチに触れることができる環境なのが、唯一無二のITADAKIらしさであり良い機会ですよね。
私はアンバサダー、そしてMCとしてここで輝く皆さんにスポットライトを当てることができたらと思っています。いろんな方に「ダブルダッチって楽しい」「面白い」と思ってもらえるように頑張ります!
──ありがとうございます! KO-YAさんも大会アンバサダーの一員ですが、実行委員長として、“裏側”からも大会作りに取り組んでいる真っ最中ですよね。
KO-YA
そうですね。でも、僕はとにかくみんなでワクワクしたいということに尽きますね。
出場選手のみんなも、仲間と一緒に本気で目指すことにワクワクしてほしいし、俺らとしてもアンバサダー・オーガナイザーの両側から、この大会に出演する、作り上げていくことでワクワクを感じたい。
そしてこの場所に関わることで、ダブルダッチが発展していく未来を感じることもできるようになりました。ただ、もっとワクワクする場を、シーンが発展していく瞬間を作りたい。その意気込みを強く感じています!

──ikkyonとKOKOROにも一言もらいたいと思うのですが、さっきゲストの話の流れで意気込みは語ってくれたと思うので、ちょっと趣向を変えて「高校時代の自分」に向けて、何か伝えたいメッセージがあれば訊かせてもらいたいなと。
ikkyon
んー、そうですね…。もっと怖がらず、色んな人、色んな場に突っ込んでいって良いんだよ、って言いたいです。
自分も人見知りの性格で声をかけることも得意ではなかったんですが、いろんな人たちのおかげで支えてもらいました。自分からも話しかけられるようになってきましたし。
だから絶対大丈夫。いけるところまでいってみて、って。
KOKORO
負けず嫌いな気持ちと、やってやる、カマしてやるっていう気持ちを信じて進んでいってねって思います。
今ふと振り返ると、高校時代に抱えていた夢が実現しつつあるなと思うんです。自分の知らないところで自分が思っている以上に応援してくれている人、支えてくれる人はたくさんいる。
自分が感じた思いを信じてやり続けていたら絶対に大丈夫だよ、って伝えたいです。

──ありがとうございます。過去の自分に向けて語ってくれた言葉ですが、高校生たちにも刺さるメッセージだったようにも思います。
二人の背中を追いかけた高校生たちが、またシーンの未来を作っていくことを願うばかりですね。
いよいよ今月末にせまった『ITADAKI ダブルダッチ甲子園 2024』。ダブルダッチシーンの未来を作り出す一日が始まろうとしている!
開催概要

「ITADAKI ダブルダッチ甲子園 2024」
日時 : 2024年9月29日(日)
時間 : 12:00 会場 / 12:30 開演予定
会場 : 川崎ルフロン
主催 : ITADAKI 実行委員会
主管 : 有限会社OVER THUMPZ
協賛 : ポカリスエット / ヘインズブランズ ジャパン株式会社
協力 : スキルハック
メディアパートナー : FINEPLAY
SPECIAL EDITION
FINEPLAYはアクションスポーツ・ストリートカルチャーに特化した総合ニュースメディアです。2013年9月より運営を開始し、世界中のサーフィン、ダンス、ウェイクボード、スケートボード、スノーボード、クライミング、パルクール、フリースタイルなどストリート・アクションスポーツを中心としたアスリート・プロダクト・イベント・カルチャー情報を提供しています。
アクションスポーツ・ストリートカルチャーの映像コンテンツやニュースを通して、ストリート・アクションスポーツの魅力を沢山の人へ伝えていきます。
●今日 ○イベント開催日
-
others日本最大級のドローンショーやアーバンスポーツコンテンツが渋谷・代々木公園に新たな風を吹き込んだ「DG New Context Festival 2026」イベントレポート2026.02.182026年2月14日、バレンタインデーの日に渋谷・代々木公園にて“技術×文化×都市”を一体化した社会実装フェス「DG New Context Festival 2026」が開催された。本イベントでは渋谷・代々木公園上空のドローンショー「DIG SHIBUYA 2026 / Digital Garage DRONE SHOW “Earthshot”」をはじめ、デジタルガレージによる新音楽レーベル「Studio Garage」ローンチイベントとした音楽ライブ、そしてアーバンスポーツイベントなど、都市・企業・個人・カルチャーが混じり合うコンテンツを展開。一日を通して多くの観客が会場に足を運び、様々なコンテンツを五感で楽しんだ。下記はイベント当日の各コンテンツのハイライトレポートである。 アーバンスポーツと和の表現が融合したスペシャルショーケースが見せたカルチャーの新たな可能性 YOKOHAMA MONKEYSのパルクールショーケース 本イベントの「CROSSING FORCES=交差する瞬間を可視化し、都市から社会へのムーブメントを創造する」というコンセプトの元、グローバルなストリートカルチャーと日本の伝統文化が融合したこれまでにない新たな文化体験を創出したアーバンスポーツコンテンツ。今回はストリートダンス、BMX、パルクールといった世界的に広がるアーバンスポーツを和楽器など「和」の表現と掛け合わせて、ここ渋谷の代々木公園から世界に発信し、アーバンスポーツが文化と技術、人と人をつなぎ、境界を越えて社会へ広がる”力”へと変わっていく第一歩を踏み出す一日となった。 Valuence INFINITIES Valuence INFINITIES BREAKIN'、HIPHOP、そしてHOUSEなど各ジャンルの精鋭を集め、その融合を得意とする唯一無二のD.LEAGUEチームであるValuence INFINITIES。チーム活動以外でも国内外問わずダンス主要大会での入賞・タイトル取得の実績を持つ彼ら。今回はチームからSEIYA、MAKO、RYOGA、HARUYA、REN、TATSUKIの6名が参加。代々木公園の野外ステージで行われた今回のショーケースでは、阿波おどり振興協会の「匠」という曲に合わせた和のテイストを融合したストリートダンスで登場すると自己紹介の後には、2024-2025シーズンのRound8で披露したパフォーマンスなどを披露。BREAKIN'、HIPHOP、HOUSEといったダンサー各々が得意とするジャンルを見せるソロパフォーマンスと、全員が息を合わせて行うシンクロパフォーマンスなどプロリーグのダンスを披露し観客を魅了。本イベントのオープニングアクトして会場を盛り上げた。 Valuence INFINITIES Nao Yoshida & KAMiHiTOE Nao Yoshida & 柴田雅人(KAMiHiTOE) アーバンスポーツと伝統文化を融合させたスペシャルパフォーマンスとして次に登場したのは、BMX FLATLANDを「アート」へと昇華させ、シルク・ドゥ・ソレイユなど世界を舞台に活躍する吉田尚生(NAO)と、津軽三味線とヒューマンビートボックスの「日本一」が融合したユニットKAMiHiTOE(TATSUYA & 柴田雅人)によるコラボレーション。津軽三味線とヒューマンビートボックスが作り出す聴覚を揺さぶる和のビートと、視覚を刺激するBMXのパフォーマンスが前例の無い未体験のエンターテインメントとして観客の目を奪った。今回、一際観客を注目を浴びたのは坂本龍一の名曲「戦場のメリークリスマス」に合わせたパフォーマンス。TATSUYAと柴田雅人の二人による津軽三味線とヒューマンビートボックスという新感覚の音色で奏でられる名曲と、そこに合わせたプロBMXライダーNAOのライディングがマッチして会場のボルテージを更に引き上げた。 吉田尚生 TATSUYA(KAMiHiTOE) YOKOHAMA MONKEYS YOKOHAMA MONKEYS そしてステージを変えて、最後に登場したのはYOKOHAMA MONKEYS。10年以上カルチャーに寄り添い、パルクール×ブレイクダンスという新たなスタイルを追求する日本パルクールシーンのオピニオンリーダーであるTAISHIが率い、横浜から新しいアーバンカルチャーを発信しているチームが代々木公園の並木通りの真ん中に現れた。今回は和太鼓による生演奏に加えて、メンバーたちが背中にMonkeyを意味する「猿」の文字を入れた作務衣風のユニフォームに身を包むなど、和のテイストをふんだんに盛り込みパフォーマンスを披露。和太鼓の音色に合わせて披露されるオブスタクルややぐらを使った豪快なアクロバットの数々に観客たちは目を奪われ、代々木公園に偶然訪れた観光客や通行人も足を止めるなど多くの人々が日本最高峰のパフォーマンスに息を呑んで見届けた。 和太鼓のパフォーマンス 様々なジャンルの音楽が代々木公園を包み込み、観客を楽しませた贅沢なひと時 MIYACHIのパフォーマンス 本イベントにてローンチされた新たな音楽レーベル「Studio Garage」。本レーベルはDG New Context Festivalのテーマである「From Context to Impact ― 文脈をつなぎ、社会を動かす」を音楽領域で具体化するプロジェクトとして設立された。なお今回のローンチイベントでは代々木公園の野外ステージでアーバンスポーツショーケースと交互に披露され、ジャンルやバックグラウンドを越えて活躍するアーティストによるライブパフォーマンスが会場内を音楽の力で包み込んだ。 Ryu Matsuyama Ryu Matsuyama Ryu(Vocal, Piano)とJackson(Drum)からなる、豊かな表現力と卓越した演奏力でさまざまな方面から支持を集める二人が送る唯一無二の音楽世界が特徴的なバンド。FUJI ROCK FESTIVALをはじめ、タイや台湾などの音楽フェスにも出演し、ドラマの主題歌やテーマ曲なども手掛けるなどコンポーザーとしても活動の場を拡げている彼らが登場。Ryuの透き通る歌声とJacksonのドラムビートのハーモニーにより生み出される音楽に観客たちがしんみり聴き入る姿が印象的で、あっという間に時間が過ぎ去るくらい彼らの音楽世界に引き込まれた。 jan and naomi jan and naomi Ryu Matsuyamaの次に登場したのはjanとnaomiによるデュオであるjan and naomi。洗練されたメロディと繊細で耽美的な世界観が特徴的で、FUJI ROCK FESTIVAL出演やアジアツアーの開催、映画『Amy said』やCM音楽も手掛け幅広く活動する彼ら。彼らの持つ〈狂気的に静かな音楽〉という独自のスタイルによる儚く切ないメロディが今回も観客を魅了。静かで心地良くも、どこか心の深いところを触られるような彼らの演奏に観客は没入感を感じているように聴き入っていた。 MIYACHI MIYACHI 野外ステージの大トリとして登場したのは、SNSでもその楽曲が多く拡散され、若者を中心に幅広い世代に人気のある日本のヒップホップアーティストMIYACHI。誰でも一度でも耳にしたことがあると言っても過言では無い、人気ラッパーである彼の登場に会場には日本人だけではなく海外の観光客など多くの観客が詰めかけた。今回は人気曲である「MAINICHI」を皮切りに「MESSIN」や「CHU HI」などを披露。観客への掛け合いも行い人々を巻き込みながら会場に一体感を生み出すと、最後は彼の代表曲でもある「WAKARIMASEN」を披露し会場のボルテージを一気に引き上げた。まさに野外ステージの大トリにふさわしいパフォーマンスに、今回のコンセプトである「From Context to Impact ― 文脈をつなぎ、社会を動かす」を感じさせる時間となった。 MIYACHI DJ Time DJ TARO そして各ショーケースの間も会場を盛り上げ続けたのがDJタイム。DJタイムの前半を務めたのはDJ TARO。ローファイ/チルビートを軸に活動する新進ビートメーカーで、Spotify総再生数は600万回を突破するほど安定したストリームが特徴的な彼。TAROの楽曲はChillhop Musicの複数公式プレイリストに選出されており、それぞれのプレイリストが数百万回規模の再生数を誇る巨大チャンネルで紹介されていることもあって、今回も耳馴染みのある心地良い音楽を終始提供し続けた。 DJ FUMIELU そしてDJタイムの後半を務め、野外ステージとドローンショーの特設ステージで聴き馴染みの良いセクシーなテクノを届けたのがDJ FUMIELU。DJ FUMIELUは音楽家の池場文紀のDJ名義。『宇宙っぽいテクノ』をコンセプトとするダンスミュージックで、オリジナルミックスを中心に最新の選曲を交えたセットをプレイする彼が、ドローンショーの前に夕方と夜空に合ったテクノミュージックで会場を盛り上げた。 計3,030機のドローンが渋谷・代々木公園上空を舞った「DIG SHIBUYA 2026 / Digital Garage DRONE SHOW “Earthshot”」 DIG SHIBUYA 2026 / Digital Garage DRONE SHOW “Earthshot” そして一日を締め括ったのは本イベントのメインコンテンツでもあり、渋谷区共催のアートとテクノロジーの祭典「DIG SHIBUYA 2026」のオフィシャルパートナープログラムとして開催された「DIG SHIBUYA 2026 / Digital Garage DRONE SHOW “Earthshot”」。今回のコンセプトである「EARTHSHOT – “Moonshot” から “Earthshot” へ」は、60年前に当時のアメリカ合衆国大統領ジョン・F・ケネディがアポロ計画のスピーチの中で宣言した、人類を月へ運ぶ “Moonshot” という言葉を反転させた造語 であり、遠く(=月)へ飛ぶための構想ではなく、ここ(=地球)に立ち続けるための態度を示していて、改めて自分たちの暮らす地球に目を向けて生態系を考えるひと時にしたいというデジタルガレージの想いが含まれている。実際に“Earthshot” の思想を言葉ではなく、光と音、空間の体験として描き出した今回のドローンショーでは、計3,030機のドローンが代々木公園上空に舞い、地球やロケットまた本イベントのメインキャラクターであるDiGi8(デジハチ)など様々な絵を表現した。 DIG SHIBUYA 2026 / Digital Garage DRONE SHOW “Earthshot” Daisuke Hinata with encounter そして、そのドローンショーを音楽で盛り上げたのがDaisuke Hinata with encounter。このグループはプラチナ・ゴールドレコードホルダーでもある「Daisuke Hinata(日向大介)」が2013年に発足させたRockバンドで、アメリカ・ロサンゼルスで日向と出会ったリードボーカルのCarrie Suzukiと、本日Ryu Matsuyamaとしても参加したドラマー Jackson Suyamaにより編成されており、今回は夜空に舞うドローンと一緒にエモーショナルな気持ちにさせる見事なパフォーマンスで会場を包み込んだ。なお本ドローンショーには今回の情報を聞きつけてか、この日一番の観客が代々木公園に集まり人で溢れかえる中で、15分ほどのドローンショーをそれぞれが仲間やパートナー、家族などと色々な思いで非日常的なひと時を共有し楽しんでいた。 オフィシャルグッズや協賛ブースもイベントを彩るコンテンツとして大盛況 オフィシャルグッズのラインナップ さらに会場内では本イベントで観客がよりインタラクティブな経験をして、思い出作りができるように各ブースが一役買っている様子も見受けられた。今回のイベント限定で制作されたのがトートバックやキーホルダーといったオフィシャルグッズの数々。特にトートバックが女性の間で大人気で、3色展開の小物を入れるのにピッタリなこのバックを肩にかけて会場を周る観客も多く見られ、キュートなデザインのキーホルダーや缶バッチも身につけながら過ごす方もよく見られた。 Tikis TOKYOのキッチンカー そしてキッチンカーとして出店し、代々木公園BE STAGEに店舗を構えるハワイアンレストランのTikis TOKYOではマサラダといった軽食やドリンクなどを販売。各ステージの近くにあることからドリンクや軽食片手に各コンテンツに訪れる観客も多く見られた。 本イベントスポンサーである東急不動産のブースでは商品券が当たる大抽選会が開催され、参加賞としてミニチョコやホッカイロがもらえるハズレなしのコンテンツであったことから、多くの方が運試しに挑戦する様子も見られた。 Red Bullによるサンプリングの様子 そして会場内ではアーバンスポーツや音楽の場では欠かせないRed Bullのサンプリングも行われ、日中は太陽が出ると少し汗ばむくらいの気温だったこともあり多くの観客がRed Bullで喉を潤し、コンテンツを楽しむ様子も印象的だった。 最後に ドローンショーの前に挨拶をする、長谷部健渋谷区長とデジタルガレージ代表取締役の林郁氏 本イベントでは、都市・企業・個人・カルチャーが混じり合う「文脈の実験場」をつくるため、 “技術×文化×都市”を一体化した社会実装フェスとして実証都市・渋谷から発信する趣旨の元で、アーバンスポーツ、音楽、ドローンショーといったコンテンツが一堂に会し開催された。その中でアーバンスポーツでは和の表現を取り入れた新たな形のショーケース、そして今回のドローンショーでは昨年の大阪万博でのショーで使用されたドローン数を超える日本最大のドローンショーとして新たな記録を生み出すこととなった。これらを踏まえた上で特に印象的だったのが、渋谷区長の長谷部健氏が述べた「渋谷は違いを力に変える街」という言葉と、デジタルガレージ代表取締役兼社長執行役員グループCEOの林郁氏が述べた「ドローンショーを新たな冬の風物詩としたい」という言葉だった。今回のコンテンツや彼らの思いを含めて、まさにDG New Context Festivalという名前通りの「Contextが経済と文化を動かす時代」の象徴となることの第一歩を踏み出したイベントとなったと感じた。来年以降もこのイベントがどう進化を遂げていくのかを楽しみに待ちたいと思う。 「DG New Context Festival」とは “From Context to Impact ―文脈をつなぎ、社会を動かす―”本プロジェクトは、デジタルガレージがこれまで培ってきた多層的なリソース / ソリューション / ネットワークを、「社会に開かれたコンテクストプラットフォーム」として統合する試みです。当社グループの各事業、パートナー、カルチャーをつなぎ合わせ、都市・企業・個人・カルチャーが混じり合う「文脈の実験場」をつくり、 “技術×文化×都市”を一体化した社会実装フェスとして実証都市・渋谷から発信します。そして、「Contextが経済と文化を動かす時代」の象徴となることを目指します。 ドローンショー開催概要 イベント名:「DIG SHIBUYA 2026 / Digital Garage DRONE SHOW “Earthshot” 」「DIG SHIBUYA 2026」オフィシャルパートナープログラムとして開催開催場所:代々木公園上空(東京都渋谷区)開催日時:2026年2月14日(土)日没後15〜20分間 (1回)主催:SHIBUYA CREATIVE TECH実行委員会、株式会社デジタルガレージ共催:渋谷区、株式会社レッドクリフ 「DIG SHIBUYA 2026」とはSHIBUYA CREATIVE TECH実行委員会(所在:東京都渋谷区、実行委員長:大西賢治)が、渋谷区とともに2026年2月13日(金)〜15日(日)の3日間開催する最新カルチャーを体験できるイベント。本年は30以上のプログラムを展開し、渋谷の街を歩くだけでテクノロジーとアート、そして最新カルチャーに触れていただけます。 正式名称:DIG SHIBUYA 2026 (ディグシブヤ)開催日程:2026年2月13日(金)から2月15日(日)の3日間開催場所:渋谷公園通り周辺エリア 他参加費用:無料(ただし、一部のプログラムは有料)主催:SHIBUYA CREATIVE TECH実行委員会・独立行政法人日本芸術文化振興会・文化庁共催:渋谷区後援:一般財団法人渋谷区観光協会、一般社団法人渋谷未来デザイン委託:2025年度(令和7年度)日本博2.0事業(委託型) MUSIC / URBAN SPORTSイベント開催概要 開催日時:2026年2月14日(土)12:00〜19:00(予定)開催場所:代々木公園イベント広場 野外ステージ、音楽ステージチケット料金:無料主催:株式会社デジタルガレージ
-
dance次世代の若手ダンサーたちが自分のスタイルで躍動!X-girlとMAiKAが切り拓いたストリートダンスバトルの新時代「X-girl STREET DANCE BATTLE Produced by MAiKA」2026.02.10日本が世界に誇るトップヒップホップダンサーMAiKA(池田舞風)と、レディースストリートファッションシーンを牽引し続けるX-girlがタッグを組んだダンスバトルイベント「X-girl STREET DANCE BATTLE」Produced by MAiKAが、2026年2月1日(日)に大阪・梅田のHEP HALLにて初めて開催された。 次世代を担う若きダンサーたちをフックアップできる「熱いダンスイベントを創りたい」そして「彼らが輝ける活動の場を創りたい」というX-girlとMAiKAの双方が持つ情熱から生まれた本大会は、ストリートダンスシーンでの新たな旋風を巻き起こすうねりを作り出すべく、MAiKAが厳選した豪華ジャッジ陣、MC、DJを招致して開催され、まさに「X-girl STREET DANCE BATTLE」の第1回にふさわしいイベントとなった。 会場の様子 そのような豪華なイベントになったことから大会当日は出場ダンサーたちではなく、多くの観客がHEP HALLに集結。会場はダンサーたちと観客のファッションスタイルも相まってX-girlが目指したファッショナブルな空間となり、1日を通してダンサーと観客が一緒になって会場内の同じ熱を共有。ダンサーだけではなく会場にいた全員が本大会のコンセプトである「EXPRESS WITH STYLE」を体現し、終日大盛況の中でイベントを終えた。 ストリートダンスバトルを牽引する豪華メンバーと次世代の若手ダンサーたちが共に盛り上げた新たなALL STYLEダンスバトルの形 バトルの様子 本大会には大阪を中心に全国から約50名の16歳〜25歳のダンサーたちがエントリー。大会当日はオーディション形式の予選とTOP16からの決勝トーナメントにて優勝者が決定した。今大会には男女問わず自分のスタイルに自信のあるダンサーたちが集まり、参加賞として手渡されたX-girlオリジナルバンダナを身に纏うと、予選から熱いバトルが繰り広げられ、まさに次世代を担うダンサーたちが十二分に自己表現を発揮した大会となった。 そんな次世代を担う才能たちをジャッジしたのはMAiKAが直々に選んだ豪華トップダンサーの面々。一人目は世界大会での優勝経験も持ち、個性的なファッションの感性と独特なダンススタイルが見る者を魅了する次世代の最注目トップB-Boy RA1ON。二人目はD.LEAGUEで今シーズン既になんと3度のエースパフォーマンスを担当している「Medical Concierge I’moon」で要となるワッキングダンサーMEME。そしてシークレットゲストジャッジとしてダンスクルー「RushBall」としてMAiKAのパートナーであり世界大会での数々の優勝経験と国内外で大人気の名実ともにトップであるヒップホップダンサーのKyokaの3名が、世界を経験したその間違いない目で公正にジャッジを行った。またこのメンバーに加えて大阪を拠点に音楽やダンスのイベントで活躍するMC AMIとDJの世界選手権で2度の優勝を収めたDJ Rionが会場のボルテージを引き上げて盛り上げ続けた。 左からMC AMI、RA1ON、MAiKA、Kyoka、MEME、DJ Rionの順 特にTOP16の前に行われたジャッジムーブに会場は大盛り上がり。RA1ONとMEMEのパフォーマンスでは観客もダンサーも声を上げた一方で、そのスキルの高さに息を飲む瞬間もあったりと大きく感情が揺さぶられる展開に。またその後に登場したKyokaのパフォーマンスでは世界を魅了し続けている彼女のダンスに会場が釘付けになった。ただそのジャッジムーブの空気をさらに一段階引き上げたのがMAiKA。元々MAiKAのムーブはスケジュール上予定されていなかったがその場の雰囲気からKyokaのジャッジムーブに飛び込みで参加すると、まるで事前に擦り合わせていたかのような息ぴったりのムーブをKyokaと見せ、即興でRushBallの豪華ショーケースを披露した。その後は、決勝戦の前にスペシャルコンテンツとして京都を拠点に活動するプロダブルダッチチームのNEWTRADがショーケースを披露するなど、大会の主役である出場ダンサーたちのバトルをさらに盛り上げるコンテンツが満載で終始大盛り上がりのままあっという間に時間が過ぎていった。 ここからは次世代を担うダンサーたちの個性と個性がぶつかり合い、熾烈なバトルを繰り広げたTOP4の戦いを振り返る。 ハイレベルなダンスの中から垣間見られた「自分だけのムーブ」。熾烈なバトルの数々を制し、見事優勝を果たしたのはMii 優勝したMii (左) 今大会の決勝トーナメントではブレイキンのユース全日本王者であるB-Girl Mireiや、マイナビDANCE ALIVEのKIDSカテゴリーで何度も優勝を果たした実力者であるワッキングダンサーYou-kiなどをはじめ、優勝候補といってもおかしくないダンサーたちが惜しくも敗れるといった個性とスキルがぶつかり合ったハイレベルな戦いに。 KONOKAのムーブ MOKAのムーブ そんな戦いを勝ち上がったTOP4の1戦目はMOKA vs KONOKA。最初は音楽を聴きながらお互いが出るタイミングをうかがう展開。均衡を破ったMOKAが先攻でPOPPINを軸とした緩急を付けながら音楽にハメるダンスでKONOKAに仕掛けていく。一方、後攻となったKONOKAはそのMOKAに返すかのように音楽に合わせながらHIPHOPダンスでシームレスなフローでバトルを展開。時折見せる完璧な音ハメのムーブに会場を沸かせ、ジャッジの心も掴んでMOKAを破り決勝に進出した。 Miiのムーブ NENEのムーブ トーナメントの反対の山のTOP4の2戦目はNENE vs Mii。こちらも1戦目と同様に最初は音楽を聴きながらお互いがタイミングをうかがう展開となった。その口火を切ったのはMiiで、流れるようなHIPHOPダンスを音楽に合わせて見せ、自分のダンスと会場の雰囲気をチューニングしていくような動きを見せる。後攻となったNENEも昨年のRedBull Dance Your Style Finalで強さを見せた高い実力を持つワッキングダンサー。彼女も音楽に合わせた見事なワッキングで応戦するも、1本目と2本目共に音楽に合わせバリエーションを多く見せて圧倒したMiiが決勝へ駒を進めた。 決勝のMiiのムーブ 決勝はKONOKAとMiiのHIPHOPダンサー同士のマッチアップ。お互いにバチバチのバトル感を最初のムーブに入る前から見せる中、ここでも先攻を取ったのはMii。音楽に合わせながら相手を時折煽るようなムーブを見せて1ターン目から攻めのダンスでKONOKAに迫る。一方KONOKAもその熱を受けて巻き返すかのように力強いムーブを終始見せつけて、どちらが勝つか分からない展開の中で2ターン目に突入。 決勝のKONOKAのムーブ 先攻のMiiはバトル曲のディスティニーチャイルドの「Say My Name」の曲に合わせて、HIPHOPの動きの中にPOPPINの弾きやHOUSEのステップなど様々なバリエーションでムーブを見せた。対して、パワフルかつキレのある緩急のあるHIPHOPで応戦していったKONOKA。お互い戦い方が違うものの自分たちの個性をぶつけ合う、手に汗握る戦いとなったがMiiが2:1で勝ち切り優勝。X-girl STREET DANCE BATTLEの第1回大会の王者となった。 「X-girl STREET DANCE BATTLE」優勝者 Mii のコメント 優勝したMii ― 今回初開催の「X-girl STREET DANCE BATTLE」で優勝した今の率直な気持ちを聞かせてください。 Mii:とっても嬉しいです!私自身久しぶりのバトルで結構不安だったんですけど、今回のバトルは自分の師匠であるMAiKAさんが主催してくれた大会だったので、出るからには絶対優勝してやるっていう気持ちでした。なので実際に優勝できてめっちゃ嬉しいですし、また色々な人たちと出会える機会になったので、この大会で得た繋がりを大事にしていきながらもっと頑張っていきたいと思っています。 ― 今大会はMAiKAさんが高校生や大学生世代のために開催したイベントですが、このイベントが開催されることを知った時どう思いましたか? Mii:基本的に高校を卒業した年齢からは、もう大人の部門に分類されることが多いんですけど、今回のバトルが開催されることを聞いて「これは絶対盛り上がるイベントになる!」と確信しましたし、同年代のレベルの高い子たちが来るんやろうなと思ったので、自分自身も他のダンサーから刺激を受けたかったですし、このバトルイベントを通してもっともっと活躍していきたいと思い「もう出るしかない!」の一択でした。 ― 今回久しぶりのバトル出場ということでしたが、今まではどうして出ていなかったのでしょうか? Mii:「出るからには勝ちたい」という思いがあった中で、今までは自分のレベルに自信がなかったんです。でも強くなるために挑戦が必要だし、勝つにはまず練習するべきやなって思って、しばらくバトルには出ず、練習に時間を費やすことにしました。今回のイベントを知ってからも練習期間があったので、満を持してここで一発行ってみようみたいな感じで出場を決めました。 ― 今大会の自分のダンスバトルを振り返ってみていかがですか? Mii:今回対戦したダンサーのみんなは普段からバトルで活躍している子たちだったので実は結構恐怖でした。特に最後決勝で当たったKONOKAは私がとてもリスペクトしているダンサーだったこともあって私自身燃えましたし、相手も「ガン!」って来てくれたので私はその勢いを越えないといけないという思いにもなって、お互いに高め合いながら戦えたので自分自身を出せた良いバトルだったと思います。 ― 最後に今後の目標を聞かせてください。 Mii:今後はもっと全国で活躍して、自分のMiiっていう名前と、このMiiのスタイルをもっともっと世に出していって、師匠のMAiKAさんを超えられるレベルまで持っていきたいです! イベントプロデューサーMAiKAのコメント イベントプロデューサーのMAiKA ― MAiKAさんプロデュースの「X-girl STREET DANCE BATTLE」第一回を終えた率直な感想を聞かせてください。 MAiKA:今回、準備期間も短かった中で正直不安が大きかったのですが、イベントを終えて振り返ってみると全体を通してすごい良い空気感を作れたという実感がありますし、何よりたくさんのダンサーが出場してくれて、またたくさんのお客さんが観に来てくれたことですごい盛り上がって終われたので良かったです。 ― 今回のイベントを通して印象に残っていることはありますか? MAiKA:私的にはこのようにイベントをオーガナイズして、参加者一人一人のダンスをゆっくり観られる機会がなかなか無いので、ダンサーみんなの一回一回の踊りをじっくり見ることができたこと自体がとても印象的な経験でしたし、「若い世代に良いダンサーさんたちがいっぱいいるな!」って再認識させていただきました。 ― 一日を振り返ってみて今回はMAiKAさんの思い描いていた通りのイベントになりましたか? MAiKA:はい!私が思い描いていたようなイベントになったと思います。ただ今回が初開催ということもあり、既にもう一段階さらに大きくしていけるビジョンも見えましたし、もっともっと面白いことができるなと思っているので今後が楽しみです。 ― イベントパートナーであるX-girlさんとの開催だからこそ生まれた化学反応はありましたか? MAiKA:やっぱりX-girlさん主催ということもあってダンサーたちのファッショナブルさが強調されていましたし、あとダンサーたちにとって参加費無料はでかいです。そしてX-girlさんとの熱い思いのおかげで、今までピックされなかった若手がこうやってフックアップされる機会を作れたことがすごいでかいことだなって改めて思います。 バトルを会場袖から見つめるMAiKA ― 最後に、今後「X-girl STREET DANCE BATTLE」をどのようなイベントにしていきたいか聞かせてください。 MAiKA:X-girlさんの意向と私の思うストリートダンスをどのようにミックスさせるかがすごく大事だと思っているので、今後もお互いがWin-Winな形で毎回終わりたいですし、その上で私も参加者もX-girlさんも全員が納得できるような部分を考えて追求していくしかないと思っています。ダンサーと観客の皆さんにも満足してもらえて、かつ次世代の若手たちをどんどんフックアップできるようなダンスバトルイベントを目指して、X-girlさんといっぱい話し合って改善してもっともっと良くしていきたいと思っているので今後も是非楽しみに待っていてください。 これからも本イベントを通して挑戦し続けていく中で、成功だけではなくもちろん失敗もあると思いますが、長く続けることに意味があると思うので折れずに次世代のためそしてストリートダンスシーンの未来のために頑張っていきたいと思います。 最後に 今回、大阪・梅田の地で誕生した「X-girl STREET DANCE BATTLE」は、単なる勝敗を競うバトルの枠を超え、次世代の才能が「自分自身のスタイル」を世界へ証明するための第一歩となる記念すべきダンスバトルイベントとして歴史にその名が刻まれた。 MAiKAとBEST STYLE賞を受賞したNoa 実際に今大会では「自分自身のスタイル」という点からX-girlが選ぶ特別賞として、BEST STYLE賞にはNoaが選ばれるなど、バトルの部分だけではなく各ダンサーたちが持つ自分だけの個性をしっかり表現することに重きを置いている新たなダンスバトルであることも印象的だった。 MAiKAと優勝したMii そして、師匠であるMAiKAの背中を追いかけ、バトルへの不安を乗り越えて頂点に立った初代王者Miiの姿は、まさに本大会が掲げる「EXPRESS WITH STYLE(自らのスタイルを表現せよ)」という信念が結実した瞬間だったと言える。MAiKAが語った「続けることに意味がある」という言葉通り、この日会場に渦巻いた熱狂と、若きダンサーたちが放った個性の輝きは、ここで終わることなく更に未来へと紡がれていく。ファッションとダンスが融合し、借り物ではない「好きの塊」としての自分を表現する場所。この新たなスタートラインから踏み出された一歩は、必ずやストリートダンスシーンに新たなうねりを生み出し、まだ見ぬ次のステージへと続いていき、次世代の若手ダンサーを導いていくレガシーとなるダンスバトルイベントとなっていくはずだ。今後の「X-girl STREET DANCE BATTLE」の展望と進化に目が離せない。 "X-girl STREET DANCE BATTLE″ Produced by MAiKA 開催概要 ◼︎開催日時:2026年2月1日 (日)◼︎会場:HEP HALL(〒530-0017 大阪府大阪市北区角田町5-15 HEP FIVE 8F)◼︎参加条件:・16歳~25歳・X-girlオフィシャルオンラインストアcalifへの会員登録 ◼︎参加費:無料 【エントリー特典】◼︎参加特典1X-girl店舗(大阪・梅田エスト・なんばCITY・神戸)で使える1,000円オフクーポンをプレゼント。※5,500円(税込)以上でご利用可能。◼︎参加特典2オリジナルバンダナをプレゼント。当日はスタイリングの一部としてバンダナを身に着けてください。 ◼︎参加特典3イベント終了後に開催される、招待制のアフターパーティーにご招待。◼︎CHAMPION 賞・X-girl商品券10万円分・MAiKAとの共演ムービー撮影◼︎X-girl BEST STYLE賞当日X-girlアイテムでベストなコーディネートを披露してくれた方に特別賞を贈呈。・X-girl商品券5万円分・MAiKAとの共演ムービー撮影
-
dance子どもたちの身近なヒーローとして、夢や目標へ挑戦する背中を後押ししたい「MIZUHO BLUE DREAM BREAKING LIMITS Workshop Tour 2025」イベントレポート2026.02.09昨年から大好評で今年も開催された、公益社団法人日本ダンススポーツ連盟(以下:JDSF)が行っているブレイキンの魅力とスポーツとしての価値を広めるため国内の小中学校向けに行っているブレイキンワークショップツアー「MIZUHO BLUE DREAM BREAKING LIMITS Workshop Tour」。2年目となった2025年度のワークショップツアーでは全6校を巡り、各校から大反響を受けた中で先日幕を閉じた。本ワークショップツアーは、今年も特別協賛として「ともに挑む。ともに実る。」をパーパスに掲げている株式会社みずほフィナンシャルグループと共に開催。同社はブレイキンの常に挑戦を続ける精神や、お互いの個性を認め合いながら新しい自分を探求し自己表現をする姿に共感してJDSFにも協賛している。 また今年もみずほフィナンシャルグループのサポートアスリートでもあるB-Boy Shigekix(半井重幸)を特別講師として迎え、彼が抱く「ブレイキンを通じて子どもたちが夢や目標に向かって挑戦する姿勢を応援したい」という思いを伝えながら、子どもたちにブレイキンを通じて身体を動かす楽しさと創造性を体験してもらい、またトップアスリートとの交流を通じて夢や目標に向かって努力することの大切さを学ぶ機会を提供する取り組みが本ワークショップツアーである。なお本ツアーでは2025年11月から2026年1月の3ヶ月間にわたって、全国の計6ヶ所の小学校を訪問。Shigekixがトークショーとブレイキン体験会を行い子どもたちの夢や目標に向かって挑戦する背中の後押しした。本記事ではワークショップツアーの各校のハイライト、またFINEPLAY編集部で取材を行った第3校目の日本女子大学附属豊明小学校のワークショップの様子と、2年目のツアーを終えたShigekixのコメントをまとめて特集する。 ワークショップツアーハイライト 第1校目:福岡県久留米市立江上小学校 第2校目:長野県長野市立緑ヶ丘小学校 第4校目:石川県輪島市6小学校 第5校目:兵庫県尼崎市立園田小学校 第6校目:和歌山県和歌山大学教育学部附属小学校 第3校目:日本女子大学附属豊明小学校のワークショップの様子 本ワークショップツアーの第3校目に選ばれたのは、唯一の女子小学校となった日本女子大学附属豊明小学校。先生の誘導で体育館に連れられた小学4年生から小学6年生の生徒たちは、今回Shigekixが来ることが事前に知らされていたこともあり、自分たちのポジションで整列するとShigekixの登場とワークショップの開始を今か今かと待っているような様子だった。 オープニングが終わりMCの合図でShigekixが子どもたちに呼び込まれると、会場に現れた彼は生徒たちの中心のスペースでワンムーブを披露。世界選手権優勝後、間もないタイミングでのワークショップだったこともあり、いつも以上にキレのあるムーブを披露した。生徒たちはShigekixのパフォーマンスを拍手で見届けながらも人間離れしたパフォーマンスに目が釘付け。時折拍手を忘れるほど見入っていた。また会場にはみずほフィナンシャルグループのイメージキャラクター「あおまる」くんも登場し生徒たちの注目も奪うと、その人気っぷりにShigekixも若干動揺していたが、非常に和やかな雰囲気の中でプログラムはスタートした。 1限目のトークセッションでは「夢や目標の目指し方」というトークテーマで講演が行われた。Shigekixは小学生である生徒たちに向けて、自身の小学生時代のエピソードにも触れながらどのように勉強とブレイキンの両立してきたのか、また夢や目標を達成するためにShigekixが生徒たちにオススメしたい方法をシェア。その方法として「なりたい自分をイメージしてやりたいことを決める→目標から逆算して計画を立て、今の自分に何ができるかまで明確にする→計画したプランと目標を周りの人に話す」という流れを伝えた。 またセッション内で設けられた質問コーナーでは、ブレイキン関連の質問はもちろんのこと、大きな夢に対して諦めたくなる気持ちとの向き合い方など世界最高峰で戦うトップアスリートに聞いてみたい質問が生徒たちから投げかけられた。Shigekixは「大きな夢に対して諦めたくなる気持ちとの向き合い方」について、その気持ちの壁を乗り越えた後に待っている自分がレベルアップした姿を見るワクワク感で常にそういう思いと向き合い戦っていると語った。合わせてShigekixが特に伝えたかったこととして、新しいことへ挑戦することの大切さを話した。 2025年の世界選手権を制したことから今年の9月から10月にかけて行われる「アジア競技大会」への出場も決まっているShigekix。この大会でしっかり結果に繋げて頑張っている姿を見せて、挑戦することに対してみんなとの約束を果たしたいと強く語りトークセッションを締め括った。 トークセッションの後に行われたのはブレイキン体験会。ここでは実際にブレイキンを構成する4つの動きのうち、3つの「トップロック」「フットワーク」「フリーズ」を、Shigekixの実姉であり今回サポート講師として参加したB-Girl AYANE(半井彩弥)とShigekixがレクチャー。 ステップバイステップで挑戦する中、最初は生徒たちも恥ずかしがる様子を見せていたのものの慣れてくると終始楽しみながら体験。時にはShigekixがわざとスピードを早めてチャレンジを与える瞬間もあったが、生徒たちは笑いながらも一生懸命そのスピードに食らいついていた。 その後は生徒たちみんなでサークルを作るとサイファーにも挑戦。周りの同級生たちに見られながら踊る環境ではあったものの、多くの有志の生徒が前に出てきてこの体験会で学んだムーブを披露した。終盤にはShigekixとAYANEによるデモパフォーマンスも披露されると、まるでブレイキンの大会かのような盛り上がりの中で体験会は幕を閉じた。 最後には生徒代表から花束と感謝の言葉が贈られ、みんなで集合写真を撮り全行程を締め括った。Shigekixも最後に今回真剣に話を聞き、良い反応をしてくれたみんなへの感謝の気持ちと夢や目標を持つことの素晴らしさを伝えると、生徒たちが教室に戻るのを体育館出口でAYANEと共にハイタッチで見送り、賑やかな雰囲気の中で全プログラムが終了した。 なお下記は全6回のワークショップツアーを終えたShigekixのコメントである。 2年目の本ワークショップツアーを終えたB-Boy Shigekixのコメント ― 2年目を迎えた全6回のMIZUHO BLUE DREAM BREAKING LIMITS Workshop Tour 2025を終えた今の率直な気持ちを聞かせてください。 1年目から引き続き、僕自身やみずほフィナンシャルグループさんを含めてブレイキン業界として「ブレイキンの力を使って子どもたちに伝えたいこと」は最初から定まっていたので2年目も引き続き大事にして伝えたいと思っていました。特に1年目に周らせていただいた学校とは違った新規の学校を周っていくので、 我々にとっては同じプロジェクトの繰り返しでも、子どもたちにとっては人生で最初で最後の機会になる可能性もあったので、毎回が彼らにとっての「第1回目」であるという気持ちを常に大事にして挑ませていただきました。でも1年目の経験を経て、自分たちの夢や目標への向き合い方に困っている子どもたちが多いことにも気づいたので、単にブレイキンを広めること以上に、彼らが持っている夢や目標の実現のためにどう背中を押すかという点にフォーカスを当てて2年目は取り組みました。 ― 子どもたちの夢や目標の目指し方を気付かさせるために意識して伝えたことはありましたか? 僕のことをテレビで見たことがある「すごい人」という距離感で知ってくれた子どもたちにとっては、自分たちの世界も世代も全く異なる人がいきなり目の前に来て、色々語りかけられても親近感が沸かず言葉が響かないんだろうと感じたので、2年目はより子どもたちとできるだけ対等な目線で言葉をかけて、親近感を持ってもらうことを意識しました。 同じ言葉を伝えるにしても誰が言っているのかは彼らにとってすごい重要だと思うので、「自分もみんなと同じ2年生の時にブレイキンに出会ったことや「ブレイキンの練習と勉強の両立に悩んだ」といった子どもたちも共感できるような経験談を話すことで、2時間という限られた時間の中でもできるだけ彼らの心に寄り添えるように心がけました。 ― 今年のワークショップツアーを通して印象的だったことを聞かせてください。 いつも授業の最後に、体験会で学んだブレイキンのムーブをみんなの前で発表する時間を設けているのですが、想像以上に多くの子どもたちが名乗り出てくれたことが印象的でした。最近はブレイキンをはじめ普段からダンスを習っているこどもたちが増えているのですが、そういう子だけが手を挙げるわけではなく、その日初めてブレイキンを体験した子が、周りにダンスが上手い子もいたりする中で一歩踏み出してみんなの前でムーブを発表してくれたことがすごく良い光景だなと思いましたし、もしかしたら僕の話を聞いてモチベーションを高く持ってくれたのかなとも感じ取れたのでとても印象に残っています。 ― 今年のワークショップツアーを通して得た刺激や、Shigekix選手の今後の活動に活かされるような気づきはありましたか? 個人としては、自分がブレイキンを始めた頃と同じ年齢の子どもたちと触れ合うことで「初心」を思い返すきっかけになり、当時の自分と彼らを照らし合わせて感慨深い気持ちになりましたし、子どもたちに授業する立場でありながらも彼らからたくさんエネルギーをもらっています。ブレイキン全体としては、これまでカルチャーに生きていたダンサーたちの究極の自己満足であったブレイキンの表現を世間が良いと思ってくれて広がっていった「認知拡大」のフェーズを超えて、「社会貢献」がこの業界が目指す次のテーマになると僕は考えています。自分自身も「ブレイキンで伝えられることは何だろう?」と自問自答して模索しているところではありますが、まずは今取り組ませてもらっている教育現場での活動をはじめとして、ブレイキンの技術ではない部分で何かメッセージや価値観を伝えることで、何かを感じ取り学んでもらえるものになれば今後も社会貢献としてブレイキンが存在していけると思います。今後は教育現場だけではなく色々な場所や様々な形で、ブレイキンの発展を大事にしながら活動していきたいと思っています。 ― 最後にShigekix選手のこれからの挑戦や、今後具体的にやっていきたいことがあれば聞かせてください。 今後もみずほフィナンシャルグループさんとやらせて頂いているこのワークショップツアーはもちろんのこと、大会に出て結果を残すという僕の主軸以外の活動も変わらず大事にしていきたいです。その中で僕が特に重要だと思っているのは、世界大会のようなバトルの第一線を退いてからこれらの活動を行うのではなく、23歳というまだまだプレイヤーとしてこれから伸び代がある現役選手として戦っている今、同時進行で行うことに意味があると感じています。僕は次世代の子たちに対してプレイヤーの新たな可能性を提示しながら、「僕もみんなと同じように目標に向かって頑張っているよ。一緒に頑張ろう!」と言える「身近なヒーロー」のような存在になりたいですし、そういうプレイヤーでいることがまた何か面白いことを起こす可能性を秘めていると思うので、そのワクワク感を持ちながら現役活動真っ只中でも色々な活動に注力して頑張っていきたいと思っています。 開催概要 名称:MIZUHO BLUE DREAM BREAKING LIMITS Workshop Tour 2025開催期間:2025年11月~2026年1月の期間で計6校主催:公益社団法人日本ダンススポーツ連盟ブレイクダンス本部(JDSF)特別協賛:株式会社みずほフィナンシャルグループ対象:全国の小学校・中学校授業内容:合計2コマ分の授業時間を使って実施します。・1コマ目:トークセッション(人数制限なし) Shigekix選手のキャリア、夢への挑戦についてのトーク、生徒の皆さまからの質疑応答・2コマ目:ブレイキン体験会(体育館の規模によっては参加可能人数の制限あり)実際に日本代表選手のパフォーマンスを見て、ブレイキンを体験。
-
dance世界王者の座は挑戦者に。B-Boy ShigekixとB-Girl Royalが世界選手権初優勝「東急不動産ホールディングスWDSF世界ブレイキン選手権2025久留米」2025.12.152025年を締め括る、世界一を決める世界最高峰の1on1ブレイキンバトル 2025年12月12日(金)〜13日(土)の2日間に渡り、福岡県久留米市にて「東急不動産ホールディングスWDSF世界ブレイキン選手権2025久留米」が開催された。本大会は、WDSF(世界ダンススポーツ連盟)公認の世界選手権として日本国内で初めて開催されたこともあり、ブレイキンの強豪国であるこの日本でのタイトル獲得に燃えたトップブレイカーたちが世界中約40カ国から集結。2025年を締め括る世界最高峰のブレイキンの熱いバトルが繰り広げられた。 決勝日には観客が会場一杯に 本大会コンセプトは “ONE STEP CAN MOVE THE WORLD”。老若男女経験問わず大会観戦を通して『自分も何か始めてみたい』と思ってもらえるように、会場では観客も一体となって盛り上がるライブ感あふれる演出も用意されるなど、観客の手拍子や歓声から生まれる熱量が、選手たちのパフォーマンスをさらに加速させていた。 また日本初開催である本大会では、世界中から来日した選手たちが万全な状態で試合に挑めるように手厚いサポートが与えられた。その中でも大会スポンサーであり長年日本代表選手たちのサポートを行う、味の素株式会社様からは選手たちの補給食が用意された。 味の素株式会社提供の補給食の数々 そしてさらに本大会を盛り上げるべく、久留米市内では大会キービジュアルの屋外広告を周辺駅構内などの人の目に付くエリアへ掲載。街全体で大会をサポートしている様子が見られ、その甲斐もあってか決勝日のチケットは全てソールドアウト。来場者数は3,500名に達し、会場は最大級の熱気に包まれていた。 アーバンスポーツ体験エリア また会場入口付近ではサイドコンテンツとして、全国の若手ダンサーが躍動するダンスステージや、BMX、パルクール、ジャンプロープ、フリースタイルバスケットボールを含めたアーバンスポーツ体験エリアを展開。日が落ちると光と音の演出で盛り上げるNEON STREET PARKが同時開催され、未だかつて見たことないアーバンスポーツと光と音のコラボレーションに観客は終始目を奪われていた。 ブレイキンを通して「新しいことに挑戦したい!」という思いを後押し「MIZUHO BLUE DREAM BREAKING LIMITS WorkShop」特別編 ワークショップの様子 昨年2024年からスタートし、全国の小中学校で大好評のB-Boy Shigekixとみずほフィナンシャルグループによるブレイキンワークショップツアー「MIZUHO BLUE DREAM BREAKING LIMITS WorkShop Tour」のスピンオフ企画としてスペシャルワークショップが大会2日間にわたり開催された。 今回設けられたブースでは初心者から経験者まで多くの子どもたちや親子連れが参加。実際にShigekix監修のレッスン映像を視聴した上で、インストラクターと共に各ムーブにトライした。本ワークショップではトップロック(ツーステップ)、フットワーク(CC)、フリーズ (チェア)の3つのムーブを学んだ。映像ではムーブをステップバイステップでレクチャー。正面や背面、側面など様々な角度からムーブを見せたり、かっこよく踊るための注目ポイントも教えるなど充実したプログラムとなった。 ワークショップの様子 ムーブの細かい点に関してはインストラクターがその場でサポート。終始参加者の列は途切れず、子どもたちだけのグループはもちろん、親子でトライする回もあり、中にはインストラクターをも唸らせるムーブを見せるキッズB-Boyもいたりと、お互いのスキルを見せ合いながら交流する子どもたちの姿も垣間見れた。 ワークショップ後にはShigekixサイン入りパネルのあるフォトブースで集合写真を撮るなど、和気藹々と時間を過ごしていた。記念品としてワークショップやSNSキャンペーンで参加した方にはオリジナルキーホルダー、フォトブースで写真を撮った方はクリアファイルが手渡され、思い出を一緒に持ち帰られる施策に参加者はみんな満足した様子だったのも印象的だった。 本ワークショップでは、レッスン映像内でShigekixが話していた通り、「ブレイキンを通して新しいことへ挑戦する」大切さを伝えることを目的にしており、実際に多くのキッズが各々ブレイキンに挑戦する機会となった、まさに大会コンセプトである“ONE STEP CAN MOVE THE WORLD”にぴったりなワークショップだった。 世界トップランカーや若手精鋭が揃い踏み。豪華すぎる選手ラインナップ 選手宣誓をするB-Boy Jeffro 本大会には世界約40カ国から約180名のB-Boy・B-Girlがエントリー。決勝日当日は前日の予選、TOP64、TOP32、TOP16までの4試合を勝ち抜いたB-Boy 8名、B-Girl 8名が登場。世界の強豪選手がひしめく中、日本からは男女ともに5名が進出し母国開催で強さをアピールする大会初日となった。 B-Boy ISSIN なお男子のTOP8には、パリオリンピック日本人最高位の4位であり、昨年の世界選手権準優勝のワールドランキング1位のB-Boy Shigekixを筆頭に、昨年の世界選手権で優勝し今年の「Red Bull BC One World Final Tokyo 2025」の優勝者であるB-Boy ISSIN、パリオリンピックの日本代表でパワームーブが世界から高い評価を受けるB-Boy Hiro10、国内外の大会で活躍する次世代のホープであり世界トップクラスの回転技を持つことで注目を集めるB-Boy Tsukki。そして同じく若手の注目株であり自身の独特な世界観をダンスに落とし込み他を圧倒するB-Boy RA1ONが進出。彼らに相対するのは、2023年度の世界選手権優勝者であり、パリオリンピック銅メダリストであるアメリカ合衆国代表のB-Boy Victor、同じくアメリカ代表選手でパリオリンピック5位の実力者B-Boy Jeffro、そしてフットワークのスキルの高さと独特なダンススタイルが特徴的なB-Boy Dias (カザフスタン)という面々となった。 B-Girl RIKO 一方、女子のTOP8には、パリオリンピック日本人最高位の5位であり日本の女子ブレイキンシーンを牽引するB-Girl Ayumiをはじめ、B-Boy Shigekixの姉で今年の全日本選手権の王者であるB-Girl AYANE、今年の「Red Bull BC One World Final Tokyo 2025」の優勝者であり国内外の大会で活躍するB-Girl RIKO。そして今年国内予選から勝ち上がり「Red Bull BC One Last Chance Cypher」まで進出した若手B-Girl Cocoa。さらに同じく若手でスタイリッシュなフットワークとパワームーブが特徴的なB-Girl HIYOが日本から勝ち上がった。 そんな彼女たちとマッチアップを繰り広げるのは、今年の「Red Bull BC One World Final Tokyo 2025」の準優勝者でパリオリンピック銀メダリストであるB-Girl Nicka(リトアニア)、パリオリンピック7位で様々な世界大会で頭角を表すB-Girl Syssy(フランス)、そして昨年の世界選手権では7位になるも、今年のユース世界選手権では優勝を果たし、勢いのある中で今大会に挑んだB-Girl Royal(中国)。 パリ2024オリンピックのトップ選手から今年の「Red Bull BC One World Final Tokyo」の入賞者まで最近話題のB-Boy・B-Girlが勢揃いしたことで、国内外から注目が集まり、まさに2025年を締め括るのに相応しい大会となった。下記はその今年の世界一を決める大会のTOP8以降のバトルレポートである。 世界の舞台でも見られた新時代の幕開けの瞬間。並いる強豪を倒し、ニューフェイスのB-Girl Royalが優勝 決勝でのB-Girl Royalのムーブ B-Girlサイドは、TOP8でパリオリンピック7位のSyssy、現全日本王者であるAYANE、「Red Bull BC One World Final Tokyo 2025」の優勝者のRIKO、「Red Bull BC One Cypher Japan 2025」の優勝者Cocoaなど、優勝候補といってもおかしくない実力者たちが次々と姿を消す波乱のトーナメントに。 そんな戦いを勝ち上がったTOP4は日本人選手vs海外選手という構図。1戦目はRoyal vs HIYO。お互いに緩急を付けた上下のオリジナルな動きとフローで争うも、RoyalがHIYOをストレートで破る。トーナメント反対の山の2戦目ではAyumi vs Nickaという世界トップクラスで様々な好成績を残している二人のカード。Nickaが高度なテクニックを有したムーブでAyumiに襲いかかるも、ここはよりクリエイティブかつミュージカリティを掴んだフローを見せたAyumiが決勝へ駒を進めた。 3位決定戦でのB-Girl Nickaのムーブ 3位決定戦は、TOP4で惜しくも決勝を逃したHIYO vs Nicka。ハイレベルかつよどみないフットワークからのパワームーブのフローで攻めるNickaと、音を上手く取るトップロックからパワームーブとフリーズに持ち込むHIYO。どちらもハイレベルなルーティンを見せつけたが、今回はパワームーブからフリーズなど様々なバリエーションの高難度ムーブを上手く盛り込んだNickaに軍配が上がった。 決勝でのB-Girl Ayumiのムーブ 決勝は、昨今のブレイキンシーンで見られることが多くなった若手対ベテランの戦い。今年のユース世界選手権で優勝しノリに乗る若手Royalと、長年ブレイキンシーンを牽引し世界大会で多くのタイトルを勝ち取ってきた日本を代表するトップブレイカーのAyumiが対戦。テクニカルで唯一無二のオリジナリティをフロアムーブで見せるAyumiに対して、パワフルかつキレのあるハイレベルなパワームーブを中心に勢いのあるルーティンを見せるRoyal。スタイルの違う二人がぶつかり合い、手に汗握る戦いとなったが、今回は若手の注目株であるRoyalが見事初優勝を果たした。 B-Boy Shigekixが自分の魂を乗せたパフォーマンスで自身初の世界選手権の頂点へ 決勝でのB-Boy Shigekixのムーブ 一方、今回のB-Boyサイドは日本人選手たちが強さを見せる中、日本人同士のマッチアップだからこそ見られたストーリー性に満ちたバトルが続いた。その中でもTOP8で特に会場を沸かす戦いを見せたのはISSIN vs Tsukkiのバトル。お互いが豪快なパワームーブを強みとする中、先攻で出てきたISSINの2000にTsukkiが1990を合わせるなどラウンド1から盛り上がる展開に。Tsukkiは超ハイレベルなスピンや難しい軸でのパワームーブで攻めて会場を終始沸かせるも、今回はトータルパッケージで勝ったISSINに軍配。ただこのバトルも今後ストーリーが紡がれていくような一戦となった。 TOP8でのB-Boy ISSINのムーブ またTOP4で印象的だった戦いは、XII After Oursという同じクルーで活動しているShigekixとRA1ONのバトル。お互い得意とするスタイルが違う一方で、普段から一緒に練習することも多い二人。どんなムーブをしてくるのかも想像できるからこそ、双方の気持ちの強さが激突したバトルとなった。結果は2:1でShigekixが決勝に駒を進めた。 TOP4でのB-Boy RA1ONのムーブ 3位決定戦はHiro10とRA1ONの対戦。先攻で飛び出したのはRA1ON。DJの流す音に上手くはめながらミュージカリティとスタイルの溢れるムーブで緩急を付けたパフォーマンスを展開。一方、Hiro10はキレのあるパワームーブとフリーズでルーティンを見せていく。その中でもHiro10が最終ラウンドで見せたウィンドミルからの2000では、フロアの中心から端まで移動し落ちるかどうかのギリギリのところで止まるというハイレベルなムーブを見せ、対戦相手のRA1ONを含めて会場全体を大きく沸かした。そんなムーブも相まってか今回の3位決定戦はHiro10が制し、銅メダルを勝ち取った。 3位決定戦でのB-Boy Hiro10のムーブ そして今回の決勝カードは、昨年の世界選手権決勝と同じ顔合わせ。昨年の世界選手権優勝者のISSINと、準優勝者のShigekixのリマッチとなった。先攻でバトルの口火を切ったのはShigekixで1ムーブ目から魂を乗せたキレのある音にしっかりはめたパワームーブやフリーズを見せて大きく会場を沸かせる。対抗するISSINもスタイリッシュかつ豪快なアクロバットも含めたオリジナルムーブで応戦。しかしShigekixは勢いそのまま最終ラウンドまでパワフルでバリエーションに富んだパフォーマンスを続け2:1でISSINを撃破。数々の世界大会でタイトルを獲得してきたShigekixがまだ手にできていなかったこの世界選手権の舞台で悲願の初優勝を飾った。 Shigekixコメント「今回優勝できたのは挑戦者として挑めたから」 B-Boy Shigekix 今日の感想を教えてください。世界選手権ではまだタイトルを取れていなかったので「初優勝を掴み取りに行く」という意気込みで挑んだ中、自分のやってきたことをしっかり発揮できるパフォーマンス力や勝負強さに対して自分自身掲げていたテーマがあったので、今回のタイトル獲得はすごく嬉しいです。ただ来年の同大会を迎える頃に自分がどうなっているのかまで目を向けると、今回のパフォーマンスも自分自身100点満点ではなかったなと良い意味で感じています。その伸び代も含めて、今回一番良かったのはとにかく「チャレンジャー」という気持ちを持って各バトルに挑めたことだと思います。 来年はアジア大会がありますが、今回出場権を獲得できたので今後もしっかりと挑戦者として挑めるよう、自分を心から奮い立たせるものを大切にしていきたいと思っています。 今大会で勝てた要因はなんだと思いますか?現在、ブレイキンの技術が世界的に日々レベルアップしている中で、アイデンティティやスタイルをしっかり構築してきたダンサーと対峙した時に、自分が相手を凌駕できるのか。そのような「オンリーワン同士のナンバーワン決定戦」がこのブレイキンのバトルトーナメントだと思います。 そのバトルの中で大事になってくるのは最後まで戦い抜く「粘り強さ」だと思います。スタイルが最大限発揮できている瞬間っていうのは、技術や戦術はもちろんですが、身体がしっかり準備できていることがすごく大事で、本当に1ミリの勝ち負けに作用しているのが、その力強さや粘り強さだと感じています。今回は自分自身すごく強い気持ちを持って挑めたので、その強さがメンタル面にも出ていたと思いますし、「自分の魂に自分の踊りがついてくる感覚」もあり、フィジカルの部分も含めて「3ラウンドどころか5ラウンドぐらいいけるんじゃないか」と思えるような気持ちで挑めたところが良かったと思います。 仲間と優勝を喜び合うB-Boy Shigekix 現在はクルー活動やD.LEAGUE参戦、日本全国でのワークショップなどブレイキンを通じて様々な活動をしていますが、この世界選手権優勝は今後の活動にどう活かされると思いますか?現在ブレイキンを通して色々な活動をさせていただく中で、スケジュール的に忙しくなってしまっても、プレイヤーとしては変わらず今まで通り練習もハードにやる必要はあります。でもそのモチベーションになっているのが他の様々な活動です。全国の学校訪問ではブレイキンワークショップを通して「夢や目標に向かって全力で挑むこと自体がかっこいい」「一緒に頑張ろう」ということを大きなテーマにして授業させていただいています。 そのテーマを伝える上で、僕自身すごく大事にしていることが「自分もそれを体現する」こと。 やっぱり彼らに「頑張ろうね」と言っている分、自分が頑張っている姿を見せたいですし、「あの時に授業に来てくれたお兄ちゃんが頑張ってるなら、私も/僕も頑張らないと」と思わせられる、そんな存在であり続けたいと強く思っています。僕自身、現役選手だからこそ伝えられるものがあると思いますし、今大会にも実際に現地へ足を運んでくれた子たちも多かったので、彼らにとって親近感のある「身近なヒーロー」として、その背中を見せたいという気持ちがすごく強かったので優勝できて良かったです。今後も挑戦し続ける姿を見せられるように頑張ります。 Royalコメント「今後も自分自身と向き合い続けて成長していきたい」 B-Girl Royal 今日の感想を教えてください。つい2週間前に中国国内で大会があったこともあり、今大会への準備はあまりできていなかったので、大会初日の昨日は少し緊張しすぎているなと感じていましたが、今日はこの環境にも慣れて、自分の実力を発揮することができました。 今大会で勝てた要因はなんだと思いますか?自分のダンススタイルと音楽を上手くマッチすることができたのはひとつ勝てた要因だと思いますが、今大会で意識していたことは自分のスタイルを表現することでした。決勝では自分のオリジナルのスタイルをしっかり発揮できたと思います。 今後の目標を聞かせてください。昨年の世界選手権から、自分自身この1年間でどれだけ成長できたのか気づけていませんでしたが、1年間を通して海外の様々な試合に参加して経験をたくさん積めたことで自信を持って今大会に臨むことができました。今後も他の選手に勝つことではなく自分自身と向き合いながらもっと成長していきたいと思っています。 大会リザルト 左からAyumi、Royal、Nickaの順 B-GirlGold:Royal(郭 朴) / CHN(中国)Silver:Ayumi(福島 あゆみ)/ JPN(日本)Bronze:Nicka(Dominika Banevi)/ LTU(リトアニア) 左からISSIN、Shigekix、Hiro10の順 B-BoyGold:Shigekix(半井 重幸)/ JPN(日本)Silver:ISSIN(菱川 一心)/ JPN(日本)Bronze:Hiro10(大能 寛飛)/ JPN(日本) 日本初開催の世界選手権を経て、日本人選手たちが向かうのは名古屋の地で行われるアジア大会 日本国内では初開催となった世界ダンススポーツ連盟(WDSF)公認の世界選手権。まさに世界最高峰の戦いが繰り広げられ2025年が締め括られた。そして日本人選手にとっては、本大会でTOP3に入り、かつ最上位となったB-Boy・B-Girl各1名が2026年9月に愛知県名古屋市で開催の第20回アジア競技大会への出場資格を獲得できることから、今大会で優勝したB-Boy ShigekixとB-Girl Ayumiが出場権を獲得。来年もここ日本で大きな国際大会が開催されるこのブレイキン。今後も日本人選手たちの活躍はもちろんのことブレイキンシーンのさらなる発展に目が離せない。
-
skate涙の女子決勝と讃えあう男子決勝「ワールドスケートボードストリート2025北九州 – グランドファイナル – 」大会レポート2025.12.06福岡県北九州市小倉の北九州メッセにて2025年11月26〜30日に開催された「ワールドスケートボード ストリート 2025 北九州」。本記事では最終日に行われた女子決勝と男子決勝についてレポートしていきたい。 女子決勝レポート 準決勝から勝ち上がった日本勢は赤間凛音、松本雪聖、織田夢海、大西七海。 中国からツゥイ・チェンシーとジュー・ユアンリン。韓国からはシン・ジユル。 オーストラリアのクロエ・コベルの8名。 今大会で目を引くのはアジア圏の圧倒的強さである。中国には現在、成都という街がスケートパークやイベントに力を入れ、韓国でもストリート文化の急速な発展、オーストラリアのゴールドコーストにはクロエ・コベルのためを思って作られたPizzey Park Skateparkがあるという国それぞれの背景を持つのも興味深い。 表彰台に上がった3名と筆者が気になったスケーターの計4名について紹介していく。 松本雪聖 ©︎Kenji Haruta / World Skate 8名の入場時、会場からの声援が一番大きかった彼女。 ベストトリックでは唯一バンクからの飛び出しセクションにて「キックフリップフロントサイドノーズグラインド」をラストにメイクし地元九州での逆転優勝を飾った。 地元九州での開催に多くの友人が駆けつけた今大会。プレッシャーを感じていたか優勝が決まった瞬間には涙するシーンに会場からは温かい声援に包まれた。 得意とするキックフリップと超越する跳躍力はロサンゼルスの地でも羽ばたくに間違いない。来年の彼女の滑りにさらに注目したいと思わせる今大会であった。 織田夢海 ©︎Kenji Haruta / World Skate 1本目のランを完遂した彼女はラン2本目でラストトリックを「キックフリップ50-50グラインド」に変えてさらなる高得点を獲得。ラン中には女子ではあまり見られないレールでの「バックサイドノーズグラインド」もメイクした。 ベストトリックでは彼女の代名詞「キックフリップフロントサイドフィーブルグラインド」をメイクし松本との優勝争いを繰り広げた。 逆転優勝を狙うためにトライした「キックフリップバックサイドスミスグラインド」は惜しくも決まらなかったがチャレンジしにいく姿、挑戦という過程において次回以降の大会での披露に期待したいと思わせてくれる一場面であった。 クロエ・コベル ©︎Kenji Haruta / World Skate 優勝した松本と対照的な涙を流していたのはクロエ・コベル。自身のラン3本のうち最初2本では思いもよらぬ場面でのミスの悔しさからか他のスケーターのランでの待機の間に涙している姿があった。しかし3本目のランで立て直し、ベストトリックでは「フロントサイドブラントスライドビックスピンアウト」をメイクし表彰台の3位へと登った。リカバリー能力はまさに多くの大会実績を残してきた彼女の特徴とも言える。 早くから北九州の地で調整を行ってきた彼女は今週末に行われるブラジル・サンパウロの「SLS SUPER CROWN 2025」でも表彰台へと期待がかかる。 大西七海 ©︎Kenji Haruta / World Skate ベストトリック練習時にひたすらレールに「50-50グラインド」をかけていたのが彼女。50-50グラインドはスケートボードトリックでは基本的なトリックなのだが彼女が行っていたのは丸いレールにグラインドを掛け、さらにはしっかりオーリーをしてレールアウトを行っていたのだ。丸い不安定なレールから安定した形でテールを弾き距離を出してのオーリーアウト。 本番では「50-50グラインドキックフリップアウト」をメイクした。練習で手の内を明かさず本番で度肝を抜くトリックの披露にまさにマジシャンのように見えたのであった。 女子決勝まとめ 事前練習やベストトリック前の練習を見る限り、誰がどんなトリックを繰り出そうとしているのかスケーター間でも分からないようにする心理戦も含まれているのではと思わせる戦いであった。初出場や初の決勝進出のスケーターと世界ランキングに関係なく、その日の調子やコンディション。ランでミスがあれば早めに手を上げて切り上げて体力温存するなどトリック以外の部分でも戦いに大きく関わってくるのがこのワールドスケートの大会の醍醐味であると感じた。 男子決勝レポート 日本からは白井空良、根附海龍、青木勇貴斗が決勝へと進出。韓国からはジュニ・カン。南米のブラジルからジオバンニ・ヴィアナとワラス・ガブリエウ。アルゼンチンのマティアス・デルオリオ。ペルーのデイビット・トゥエスタの8名にて決勝が行われた。 表彰台に登った3名のスケーターと筆者が気になったスケーターの計4名のトリックに注目して紹介していく。 白井空良 ©︎Jason Halayko / World Skate 誰も真似できない「バックサイド180スイッチノーズグラインド」 ベストトリック2回目にて、このトリックをアプローチしたのだがトラック部分を乗り上げてしまい腰から地面に強打したのだが、ラストにて完璧なメイクを決めたのであった。スケートボードのトリックは流行りや誰かからインスパイアを受けて新しいトリックへとアップデートされる形が多いのだが白井のこのトリックは、ここ数年を見ても誰もが真似できないほどの難しいトリックだ。近年ではNike SB | Yuto Horigome in Tokyo(2023)のラストトリックを今回の決勝進出した韓国のジュニ・カンがTampa Am 2024のウイニングランのラストトリックに取り入れたりしたのが印象にはあるが、白井のこのトリックを誰かが取り入れた前例は未だかつてない。 個人の名前がつく「ソラグラインド」他のスケーターがメイクする日はまだまだ先の未来であるかのように感じたのだった。 根附海龍 ©︎Kenji Haruta / World Skate ラン中に見せた「レイトショービットインフロントサイドボードスライド」 スケートボードは主に滞空時間の間に板を回すのだがレイトトリックとは一度空中に飛んだ状態から板を操る動きを指す。代表的なレイトトリックからのスライドとグラインドはYuto Horigome’s “April” Part(2023)のラストトリック「ノーリーレイトフリップノーズスライド」やPaul Rodriguez “Me, Myself & I “(2010)のラストトリック「ノーリーレイトフリップバックサイドクルックドグラインド」といったエンダーを飾るトリックなのだ。ビデオパートとは違いコンテストのラン45秒に他のトリックを繰り出し体力を消耗している中での1発メイク。 本人も満足のいくランに驚きを隠せない様子であった。レイトトリックの可能性を引き出す、そんなランを見せつけたのであった。 青木勇貴斗 ©︎Kenji Haruta / World Skate スラムからの気合いで乗った「ノーリービックスピンヒールフリップバックサイドリップスライド」 ベストトリック1回目に同じトリックでエントリーするもレールにデッキがうまく掛からず少しダメージがあるような転け方に見えたがベストトリック2回目で完璧なメイクを見せた。ランでも見せたクルックドグラインドバリアルヒールフリップアウトとともにビックスピンヒールフリップ回転も得意とするのが際立った今大会の青木。初のワールドスケート表彰台へと登った勢いは次回以降の大会の表彰台にも多いに期待したい。 ジュニ・カン ©︎Kenji Haruta / World Skate オリジナルへと導けるか「ノーリーバックサイド270ノーズスライド」 スケートボードではNBD(Never Been Done)と言われる誰もやってないトリックに賞賛が集まる。先述したように誰かのオリジナルトリックには個人の名前が付くのもその1つだ。ジュニが見せたこのトリックでは堀米雄斗を思い浮かべる人が多いと思われる。 スイッチフロントサイドの回転を得意とする彼が今後NBDと言われるトリックを見つけ、メイクを量産していくとなれば常に表彰台へと登る姿が想像できる。 ジュニのまだ見ぬとトリックに期待と彼のポテンシャルではなし得ることができるように感じたのだった。 男子決勝まとめ 前回のローマ大会同様コンテスト形式が変わり世界ランキングの上位のスケーターが決勝へと確実に上がるとは限らなくなってきている傾向がある。ベストトリックが3回しかないのは特典の積み重ねができるかできないか大きく鍵を握るポイントだ。そんな中、自国開催で表彰台を独占したのは誇らしい結果となった。 最後に 初めての北九州で行われた4日間の「ワールドスケートボード ストリート2025」。最終日の決勝には約2500名もの観客が訪れた。会場を一歩外に出てもスケートボードに乗って移動ができ、滑走エリアでは朝早くから滑る子供達の姿が印象的であった。会場外では日々場所を変えてのイベントが開催されるなどスケートボードの地となった北九州。多くの参加スケーターがインタビュー時には「この街が好きになった」「もつ鍋や料理が美味しく、また北九州に来たい」と語っていた。ぜひ来年もこの北九州で世界大会が行われることを期待するとともに世界の第一線で活躍するスケーターを編集部から読者へ伝えていきたい。Text by Aoi Tsuzuki




