最終決戦の結末、S.LEAGUEグランドファイナル

2026.05.01
text by 水野 亜彩子 / Asako Mizuno, 写真提供: S.LEAGUE

2026年4月21日(火)から25日(土)までの5日間、千葉県一宮町・一宮海水浴場を舞台にシーズンのすべてが決着する最終戦「S.LEAGUE 25-26 GRAND FINALS」が開催された。
今大会では、これまで決まっていなかったショートボード男子、ロングボード女子、マスターズクラスのグランドチャンピオンが誕生し、すべてのカテゴリーでシーズンの結末が描かれた。
さらに、ショートボード、ロングボード、マスターズクラスに加え、特別戦「さわかみチームチャレンジ一宮」も実施。競技の枠を超えた新たな見どころも生まれた。

大会初日は台風のうねりが残り頭オーバーのサイズに加え、風の影響も受けるハードなコンディションに。期間を通しても常に胸以上の波があり、難しい時間帯はあったものの十分なサイズの中で戦いが繰り広げられた。

また会場では、BMWによる車両展示や試乗会が実施され、多くの来場者で賑わいを見せた。

©︎S.LEAGUE

あわせて、本大会期間中には特別イベント「S.LEAGUE BEACH COMMONS」も開催。4月23日から25日までグランドファイナルと同じ一宮海岸エリア内で展開され、ブランドやメーカーによるブース出展を通じてサーフィンを軸としたライフスタイルやカルチャーを体感できる空間が広がった。
競技観戦とともに楽しめる、新たな取り組みとして注目を集めた。

野中美波、逆転で今季2勝目

野中美波 ©︎S.LEAGUE

ショートボード女子のファイナルは、野中美波川瀬心那の対戦。
このマッチアップは、昨年11月にフィリピンで開催された「WSL QS4000 Baler International Pro 2025」以来の顔合わせとなった。
ヒート序盤は川瀬が主導権を握る展開に。1本目に6.00ポイント、続く2本目でも4.25ポイントをスコアし早い段階で2本を揃える。コンディションを見極めながら的確に波をつかみ、安定したヒート運びを見せた。
一方の野中は、3本目で5.00ポイントをスコアするも、逆転には5.26ポイントが必要な状況に追い込まれる。しかし後半、野中がセットをつかむと掘れたセクションへ鋭い縦のアプローチ。ワンマニューバーながらクリティカルなセクションでキレのあるライディングを見せ、6.75ポイントをマーク。一気に逆転に成功した。川瀬もバックアップを4.65ポイントまで伸ばして応戦するが、再逆転には届かず。
野中がそのままリードを守り切り、第3戦・鴨川大会に続く今季2勝目を手にした。

野中美波 ©︎S.LEAGUE

試合終了後の川瀬心那と野中美波 ©︎S.LEAGUE

地元で圧巻のライディング、大原洋人が優勝

大原洋人 ©︎S.LEAGUE

ショートボード男子のファイナルは、大原洋人安室丈の対戦。
序盤は安室が4.75ポイント、4.25ポイントと2本をまとめリードする展開に。
一方の大原は、3本目に6.00ポイントをスコアするも、その後は波を待つ時間が続く。
しかし後半、大原が6.75ポイントをマークし逆転に成功。さらにヒート終了まで残り2分を切った場面で事前のインタビューでも「エアーを見せたい」と語っていた通り、エアーリバースを組み込んだライディングを披露し、8.25ポイントのエクセレントスコアを叩き出した。
安室はコンビネーションシチュエーションまで追い込まれ、そのままヒート終了。
地元・一宮海岸を「庭」と語っていた大原が、見事優勝を決めた。

大原洋人 ©︎S.LEAGUE

西優司、初のS.LEAGUEチャンピオン獲得

西優司S.LEAGGUEが決定した瞬間 ©︎S.LEAGUE

ショートボード男子のグランドチャンピオン争いは、西優司西慶司郎の兄弟対決に絞られていた。
西家の次男・慶司郎と三男・優司によるタイトル争いは、今大会を象徴する大きな注目ポイントのひとつとなった。
西優司はファイナル進出で自力チャンピオンが確定する状況。一方で、西優司がセミファイナル以前で敗退した場合、西慶司郎の結果次第で逆転の可能性が残されていた。 
先にヒートを迎えたのは弟・西優司。今シーズンは怪我の影響で思うように試合に出場できず、復帰戦となる塚本勇太との対戦となった。ヒートは塚本がリードする展開に。西優司も応戦するが逆転には至らず、ここで敗退。
チャンピオンの行方は、兄・西慶司郎の結果に委ねられることとなった。 

一方、西慶司郎稲葉玲王と対戦。
サーフボードを変えて臨んだ西慶司郎は、序盤からスピードとキレのあるライディングでリードを広げ、稲葉をコンビネーションに追い込み勝利は目前かと思われた。 しかし終盤、試合が大きく動く。稲葉がレフトの波で大きなスプレーを上げるリエントリーを2発決め、7.35ポイントをスコア。コンビネーションを脱し、ニードは6.15ポイントへと縮まる。 さらに残り1分を切った場面で、稲葉が再びレフトをつかむ。パワフルかつスピード感のある2ターンコンボでフィニッシュし、6.55ポイントをマーク。劇的な逆転で勝利を手にした。
この結果、西慶司郎はここで敗退。
西優司の初となるグランドチャンピオンが確定した。

西優司 ©︎S.LEAGUE

吉川広夏、接戦制し優勝 S.LEAGUEチャンピオン獲得

吉川広夏 ©︎S.LEAGUE

ロングボード女子のファイナルは、吉川広夏田岡なつみの対戦。
海外ツアーでも結果を残す2名によるハイレベルな一戦となった。
オンショアの影響で海面が乱れロングボードには難しいハードなコンディションの中、先に仕掛けたのは田岡。ハングファイブからマニューバーへと繋ぎ、見事インサイドまでつなげたライディングに7.00ポイントをスコアし、リードを奪う。一方の吉川もすぐに2本を揃えて応戦し、主導権を握り返す。その後、田岡も6.00ポイントをマークして再逆転し、吉川に必要なスコアを7.83ポイントまで追い込んだ。しかし中盤、吉川が試合を動かす。完成度の高いライディングで8.50ポイントを叩き出し、再びトップに立つ。
ヒート終了間際、田岡にも逆転のチャンスが訪れる。必要なスコアが6.68ポイントの中ラストウェーブに乗るが、スコアは両者が浜に戻った後に発表される緊張の展開に。結果は6.23ポイントにとどまり、逆転には届かず。
吉川が見事優勝を飾った。

なお吉川は、本大会でラウンド1を勝ち上がった時点でS.LEAGUEチャンピオンを確定。JPSAグランドチャンピオンとあわせ、通算7度目のタイトル獲得となった。

吉川広夏 ©︎S.LEAGUE

浜瀬海、全戦優勝で完全制覇

浜瀬海 ©︎S.LEAGUE

男子ロングボードのファイナルは、すでに最終戦を待たずしてS.LEAGUEチャンピオンを確定させている浜瀬海秋本祥坪の対戦。
今大会の注目は、浜瀬が全戦優勝となる“完全優勝”を達成するかに集まった。
ヒートは開始直後から浜瀬が主導権を握る。1本目から8.67ポイントをスコアし、圧倒的なスタートを切った。
一方の秋本も、1本目に4.00ポイント、続く2本目で4.50ポイントをスコアし応戦するが、その後はスコアを伸ばすことができず、流れを引き寄せることができない。
後半、浜瀬はさらにギアを上げる。9.20ポイントのハイスコアをマークし、自身のリードを大きく広げると、秋本をコンビネーションに追い込み、そのままヒート終了。
浜瀬が優勝を果たし、これで今シーズン全5戦すべてを制する完全優勝という快挙を達成した。

浜瀬海 ©︎S.LEAGUE

優勝必須の中で頂点へ、牛越峰統がS.LEAGUEチャンピオン獲得

牛越峰統 ©︎S.LEAGUE

マスターズ男子のグランドチャンピオン争いは、山田桂司舟橋大吾牛越峰統の3名に絞られていた。
山田は2位以内で自力チャンピオンが確定する状況。一方で、舟橋と牛越は優勝が絶対条件と厳しい条件の中で最終戦を迎えた。
大会が進む中、まず舟橋がラウンド3で敗退。さらに山田も準決勝で敗れ、最終順位は7位に。この時点で、牛越が優勝すればグランドチャンピオン獲得という構図となった。

迎えたファイナルは、脇田貴之河野正和東川泰明牛越峰統の4名による戦い。
ヒート開始直後、河野がライトの波をつかみ、7.33ポイントをマークし先行する。一方で脇田と東川も5点台をスコアし拮抗した展開に。
その中で、タイトル獲得には優勝が絶対条件の牛越が6.33ポイントをスコアし、トップに浮上した。
ヒート終盤、残り時間が少なくなる中、牛越は残り2分を切った場面で再び波をつかみ6.87ポイントをマーク。トップスコアを塗り替えリードを広げ、そのままヒート終了。
牛越が優勝を手にするとともに、年間チャンピオンも確定。
JPSA時代に1度、さらにS.LEAGUEでも2度目となるタイトル獲得という偉業を達成した。
また昨年に続き、優勝が絶対条件という状況の中でタイトルを手にしたことも、その強さを印象づける結果となった。

牛越峰統 ©︎S.LEAGUE

チームワークで頂点へ、Channel Islands Surfboardsが優勝

Team Channel Islands Surfboards Supported by Maneuverline ©︎S.LEAGUE

大会4日目に実施され、ファイナルのみ最終日に行われた特別戦「さわかみ チームチャレンジ 一宮」。最終日のラストを飾る一戦として開催された。
本イベントはS.LEAGUEのレギュレーションに基づき、選手4名コーチ1名で構成されるチーム対抗形式で行われる。
オフィシャルブランドチームに加え、NSA・NSSA、開催地シードチームを含む全9チームが出場。個人戦とは異なる戦略性とチームワークが求められるフォーマットも、大きな見どころとなった。

ファイナルは「The RLM rubber」と「Channel Islands Surfboards Supported by Maneuverline」の対戦。
Channel Islands Surfboardsからは村上舜石田海夏、The RLM rubberは森大斗森舞果の兄妹が出場した。
決勝はチームで最大9本まで波に乗ることができ、プライオリティもチームで共有。ベスト2ウェーブの合計で勝敗が決まるフォーマットで争われた。
ヒート開始直後、Channel Islands Surfboardsの石田がレフトの波をキャッチ。カービングから鋭いリエントリーで7.00ポイントをマークし流れを引き寄せる。続いて村上もアウトからインサイドまでつなぐライディングで6.17ポイントをスコア。さらに7.50ポイントもスコアしトップスコアを塗り替え、一気にリードを広げた。
これに対しThe RLM rubberは厳しい展開を強いられる中、森大斗がライトの波で5.70ポイントをスコアし、コンビネーションは脱するものの、ニードは8.73ポイントと依然として高い壁が立ちはだかる。
終盤、逆転のチャンスとなる波は入らず、そのままタイムアップ。
Channel Islands Surfboards Supported by Maneuverlineが勝利を収めた。

石田海夏 ©︎S.LEAGUE

村上舜 ©︎S.LEAGUE

次なるシーズンへ、26-27ツアーは7月開幕

©︎S.LEAGUE

このグランドファイナルをもって、S.LEAGUE 25-26シーズンはすべての日程を終了した。
次なる26-27シーズンは、7月からスタートする。
S.TWOショートボード開幕戦「大洗プロアマオープン」が、7月2日から4日(予備日5日)にかけて茨城県大洗町・磯場ポイントで開催予定。
続くS.ONEツアー開幕戦は、7月8日から12日(予備日13日)「第30回茨城サーフィンクラシック 河原子プロ」として、茨城県日立市・河原子海水浴場で実施される。
またS.TWOロングボードは、7月25日から26日(予備日27日) 茨城県鉾田市・とっぷさんて下での開催が予定されている。
新たなシーズンの幕開けとともに、次なる戦いが始まる。

さわかみ S.LEAGUE 25-26 GRAND FINALS 一宮 結果

《ショートボード男子》
優勝:大原洋人
2位:安室丈
3位:塚本勇太、金沢呂偉

《ショートボード女子》
優勝:野中美波
2位:川瀬心那
3位:石田海夏、馬場心

《ロングボード男子》
優勝:浜瀬海
2位:秋本祥坪
3位:塚本将也、小熊海ノ介

《ロングボード女子》
優勝:吉川広夏
2位:田岡なつみ
3位:市川梨花、榊原頼子

《マスターズ》
優勝:牛越峰統
2位:河野正和
3位:脇田貴之
4位:東川泰明

特別戦さわかみチームチャレンジ一宮

優勝:Team Channel Islands Surfboards supported by Maneuverline
2位:Team The RLM rubber
3位:Team ICHINOMIYA

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