200名超の激戦を制し、B-GIRL ShuとB-BOY GEN ROCがJapan Finalへの切符を掴む!「Red Bull BC One Tokyo Cypher」

2025.07.14
Jason Halayko / Red Bull Content Pool

7月12日(土)、Zouk TokyoにてRed Bull BC One Tokyo Cypherが開催された。本大会は8月に行われるRed Bull BC One Cypher Japan 2025への出場権を賭けたラストチャンス。東京予選ということもあり、総エントリー200名を超える過酷な予選大会となった。

また、今年はRed Bull BC One World Final 2025東京・両国国技館で開催される歴史的な年。すでに日本からはB-BOY Shigekix、B-GIRL AYUの参戦が決定している。実に9年振りとなる日本開催に向けて、B-BOY、B-GIRLによる激しい戦いが繰り広げられた。

全国から集まった猛者たちによる熱いバトル

約3時間に及ぶオーディション形式の予選を経て、B-GIRLは8名、B-BOYは16名がピックアップされた。全国各地から実力者がエントリーし、予選の段階で既にハイレベルな戦いが行われていた。

Jason Halayko / Red Bull Content Pool

Jason Halayko / Red Bull Content Pool

昨年オリンピックが開催されたこともあり、年々注目度が上がっているブレイキン。1on1バトルの最高峰と呼ばれる本大会は、特に「カルチャー」という側面が強く出ている大会でもある。大会形式や会場の雰囲気も含め、オリンピックのような競技性のあるものとはまた違った面白さを体感することができる。

また本大会はオリンピックのような明確なジャッジ基準が設けられていない。その中で、スキルやフローだけではない「自分らしさ」をどう表現できるかが勝負の分かれ目であった。

Jason Halayko / Red Bull Content Pool

B-BOY TOP16、B-GIRL TOP8バトルからさらにギアを上げた戦いが幕を開けた。

特にTOP8で大きな盛り上がりを見せたのはNakidd vs Aisatsu。先攻のNakiddは、ムーブのオリジナリティや難易度はもちろん、その完成度とビートに対するアプローチで会場をロック。彼のキャラクターも相まってこの日一番の盛り上がりを見せた。

対するAisatsuもトップロックからしっかり流れを作りつつ、持ち前のスキルフルかつ変則的なムーブを繰り出し、ここでも大きな歓声が上がった。2ムーブ目でも勢いを切らさず、多彩な音へのアプローチを見せたAisatsuが勝利。現場にいた全員の記憶に残るバトルとなった。

B-GIRL TOP4はNina vs YuikaAnnasty vs Shuのマッチアップ。

TOP4第一試合、先攻に出たのはNina。king of college優勝など、着実にステップアップしている注目の若手だ。2ムーブ通してキレを落とさず、内容の詰まった動きを披露。オリジナリティのあるフリーズもしっかり決め切り、完成度の高さを見せた。

Jason Halayko / Red Bull Content Pool

国際大会でも好成績を残すYuikaは、質の高いパワームーブと安定感のあるフローで攻める。両者ともリスキーなムーブを決め切るも、最後まで勢いを切らさなかったNinaに軍配が上がった。

一方、TOP4第2バトルではShuが躍動。音に合わせた遊びのあるフリーズやコンセプトのある動きで会場を沸かせた。Annastyは細部までこだわった動きとシルエットで確実に返していったが、会場の空気を掴んだShuがそのままストレート勝利で決勝に駒を進めた。

B-BOY TOP4も世界レベルのB-BOYが出揃った。

TOP4第1バトルは、SATORU vs SHOSEI。この日は両者隙のないムーブで勝ち上がっており、勝敗が読めない接戦となった。

Jason Halayko / Red Bull Content Pool

SATORUは、エアートラックスから難易度の高い繋ぎとフリーズで攻める。パワームーブが得意なSHOSEIとはまた違った視点から繰り出すムーブで違いを見せた。

対するSHOSEIも、質の高いパワームーブで返す。リスキーな繋ぎでも質が落ちないパワームーブで勢いづく。細かいフットワークで音を取りつつ締めのフリーズもしっかり決め切る完成度の高い踊りを見せる。

SATORUも最後までバトル感のある踊りを見せたが、結果は3-0でSHOSEIが勝利。

TOP4第2バトルはGEN ROC vs Aisatsu。互いにミュージカリティーに長けており、ビートの雰囲気に合わせた独特のグルーヴが特徴的だ。

先攻を取ったのはGEN ROC。曲のテンポに合わせたトップロック、フットワークで自分の空気を作る。その中で難易度の高いパワームーブやオリジナリティの溢れる動きで説得力のある踊りを見せた。

Jason Halayko / Red Bull Content Pool

Aisatsuも独特なフリーズやスクラッチに合わせた即興性の高い音ハメで会場をロック。甲乙つけがたい名バトルであったが、2-1でGEN ROCが決勝へ駒を進めた。

B-GIRL決勝はNina vs Shu。どちらも勝てば初の優勝が懸かった負けられない一戦だ。

Jason Halayko / Red Bull Content Pool

Shuは勢いを切らすことなく、 細かい手の使い方や独特なアイデアから生まれるフレッシュなムーブを披露。洗練された動きで各ラウンドでまとまったムーブを見せた。Ninaは、終盤でも質の落ちないパワームーブで攻める。またShuよりも比較的に長めに踊り、自分のスタイルを余すことなく見せ切った。

対照的な踊りを見せた両者だったが、結果は3ラウンド通して高いクオリティを見せたShuが優勝。

B-BOYサイドはSHOSEI vs GEN ROCのチームメイト対決。日本を代表するクルーである「GOOD FOOT CREW」に所属する彼らのマッチアップに会場の熱気もさらにヒートアップ。

Jason Halayko / Red Bull Content Pool

GEN ROCは確かなスキルとミュージカリティーを武器に、毎ラウンド会場をロック。対するSHOSEIもワンハンドエアーなど世界レベルのパワームーブを繰り出し、白熱したバトルとなった。

両者譲らない接戦となったが、引き出しの多さと印象的な音ハメを決めたGEN ROCが優勝。

Jason Halayko / Red Bull Content Pool

毎年多くのB-BOY・B-GIRLがエントリーし、過酷な戦いとなるTokyo Cypher。今年も多くの名シーンが生まれた。残すはJapan FinalとWorld Final。日本でさらにブレイキンシーンが盛り上がっていくこと間違いなし。このシーンの熱をぜひ現場で体感していただきたい。

優勝者コメント

B-GIRL 優勝 Shu

Jason Halayko / Red Bull Content Pool

今回優勝した感想をお願いします

B-GIRLで全てのCity Cypherを回ってきたのは自分だけではないかと思っていて、 最後の東京大会で優勝できたことにほっとしています。不器用な自分ですが、休学などを挟みながら一生懸命ダンスに向き合ってきました。そして、毎日一緒に練習してくれる仲間と、両親に感謝の気持ちでいっぱいです。

8月に行われるRed Bull BC One Cypher Japan 2025への意気込みを聞かせてください。

いつも一緒に練習しているHONOKA、NORIさん、NICOLASさんとか、そういう方々と一緒に戦えるということがすごく嬉しいです。以前は遠い存在だと思っていた方々と一緒に戦えるということで、遠い存在だと思わずに張り合っていけるように頑張りたいです。

B-BOY 優勝 GEN ROC

Jason Halayko / Red Bull Content Pool

今回優勝した感想をお願いします

今回は楽しんで出ようという感じだったのであまり何も決めていませんでした。だから楽しんで勝てて良かったかなという感じです。

8月に行われるRed Bull BC One Cypher Japan 2025への意気込みを聞かせてください。

楽しんで勝ちます!

開催概要

Red Bull BC One Tokyo Cypher(東京予選)
日時:7月12日(土)12:30~(開場11:30)
会場:Zouk Tokyo(東京都中央区銀座7丁目2−18)

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FINEPLAY編集部
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