バブル期からオリンピックまで、腰添 健×岡田 修平が語るサーフィン界の変遷

2026.10.05
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サーフカルチャー誌『ザ・サーファーズ・ジャーナル・ジャパン』Vol.16 No.3に掲載のインタビュー「Ken Koshizoe and Shuhei Okada」が、YouTubeでも公開された。大阪でサーフショップを営む腰添 健と、千葉・和田でジェイズサーフショップを営む岡田 修平が、バブル期から現在までの日本サーフィン界の変遷を語り合う。

笑いと本音で語る、サーフィン今昔話

1978年と’82年、ふたりのショップ開業

対談は、1970年代後期から80年代初頭のサーフィンブームを背景に始まる。当時はウエストコーストや海といった記号が若者に広がり、日本のサーフィン業界は好景気に沸いていた。

腰添は1978年に大阪で「ナチュラルアート」(のちに「ザ・ブルー」に改称)を開業した。長年ジャッジを務め、ハワイのパイプマスターズに日本人として初めてジャッジ参加した人物で、JPSAの理事長も務めた。今は経営を2代目に任せ、創業者という立場にある。

岡田は、東京で会社員をしたのち、生まれ育った和田に戻った。最初は駅前にある祖母のたばこ屋の半分を借りて、サーフショップを始めた。ショップは今では南房総のランドマーク的な存在で、ほぼ毎日更新するブログ『波声人語』でも知られる。

年商1億円超の店もあったバブル期

話題は当時の景気の良さに及ぶ。腰添によれば、年商数千万円の店はそこそこあり、1億円を超える店もあった。岡田も、ブランドの営業マンが段ボール3箱分の商品を送ってくると、ひと夏でほとんど売れたと振り返る。

映画『ビッグ・ウェンズデー』や雑誌の創刊、音楽やファッションを通じて、サーフィンをしない人までが西海岸を向いていた時代だった。「陸サーファー」という言葉が生まれ、プロサーファーも高い人気と収入を得ていたという。

波情報とライブカメラが変えたもの

波情報の黎明期の裏話も語られる。ダイヤルQ2の波情報は、NTTの前身である電電公社の社員の企画から始まったという。岡田が当時の経緯を明かし、情報提供者とのやりとりを笑いを交えて語った。

波情報の登場で、サーフショップに電話や来店で波を尋ねる習慣はなくなった。現在はライブカメラが主役になり、ふたりは便利になった一方で、天気図を見て「とりあえず行ってみよう」としていた情緒が薄れたことにも触れている。

オリンピックとサーフィンの二極化

サーフィンがオリンピック競技になったことについて、岡田は世間に認知されたことを喜びつつ、サーフィンが誤解されていないか議論が必要だと述べる。子どもの上達だけを見守る親が増えると、サーフィンの楽しさが置き去りになりかねないという懸念も示した。

腰添は、近年のサーファーを、トレーニングやコーチを重視する「アスリートサーファー」と、スタイルを重視する「スタイルサーファー」に分けて見ている。松岡慧斗のショートムービー『852 DOWN THE LINE – JAPAN -』に触れ、両者のバランスが業界を盛り上げると語った。

サーフショップの未来とこれから

最後は、次世代へ何をつなぐかがテーマになる。大型商業施設ができて寂れた駅前通りでも、細々と続くラーメン屋や蕎麦屋のように、サーフショップも地域で続いていけるはずだと、ふたりは語る。

腰添は「サーフショップ、しぶとく残らなアカン!」と呼びかけ、岡田は「サーフショップオーナーを目指そうとしているあなたもがんばりましょう!」と締めくくった。

掲載誌・インタビュアー情報

『ザ・サーファーズ・ジャーナル・ジャパン』Vol.16 No.3
掲載ページ:インタビュー「Ken Koshizoe and Shuhei Okada」(誌面22〜25ページ)
インタビュー:腰添 健/岡田 修平
インタビュアー:井澤 聡朗

Illustration by Atsuo Higuchi

腰添 健(こしぞえ けん)
1978年に大阪でナチュラルアート(のちにザ・ブルーに改称)を開業。大会でのジャッジやJPSA理事長を歴任し、現在も業界のご意見番として知られる。

岡田 修平(おかだ しゅうへい)
1980年代初頭に千葉・和田でジェイズサーフショップを開業。ブログ『波声人語』を発信している。

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