かつてないほど注目を浴びるアクションスポーツシーン。その発展のために、FINEPLAYが送る多角的視点の連載「FINEPLAY INSIGHT」。
アクションスポーツやストリートカルチャーのために、ビジネス視点を交えて提言を行う本連載「FINEPLAY INSIGHT」。
前回からかなり時間が経ってしまいましたが、今回は前回の後半で少し触れたスポーツシーンにとっての新しい収益源の可能性を、テクノロジーの切り口から俯瞰してみたいと思います。僕はスポーツテックの専門家ではないのですが、逆に専門家ではないなりに、アクションスポーツとも結びつけて考え、FINEPLAYINSIGHTの読者のみなさんにとって有益なまとめとなれば嬉しいです。
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前回の連載の最後で、スポーツテックの領域は下記の6つに代表されるのではないかと述べました。
1.観戦
2.ファンエンゲージメントやコミュニティ
3.スポンサーシップ
4.ギャンブル
5.トレーニングやコンディショニング
6.チームマネジメント
今回は僕なりに国内外のソースを多数調べた上で、上記のそれぞれについて、ざっと俯瞰してみたいと思います。みなさんも今後のスポーツを取り巻くビジネスの環境、そしてアクションスポーツにそれらを活かすチャンスを是非考えながら読んでいただけるとありがたいです。
1. 観戦
テクノロジーによるスポーツの観戦や臨場体験の変革は、多くの人がもっとも想像しやすい進化の一つといえます。
前回も申し上げたとおり、観戦領域ではコロナウイルス以前から数多くのスポーツテックに注目が集まっています。5Gなど超高速通信が可能にする低遅延・超高画質のマルチアングル観戦や360度映像、よりチャンネルの多いクリアでリアルな音声、VR空間への没入観戦、AIによるパーソナライズされた即時的ダイジェストの生成など、多くの変革がすぐそこに待ち構え、いくつかの変革はすでに始まっています。
個人的にはマルチアングルで好きな場所から好きな選手だけを追いかけたり、超高精細映像で汗の一滴もリアルに感じ取れたりするような観戦体験は、とても楽しみな世界です。
また、VRでの没入的な観戦体験は、コロナウイルスを契機にさらに加速しているように思えます。世界で3.5億人もの(!)登録者数を抱えるゲーム『フォートナイト』内でラッパーのトラヴィス・スコットが『Astronomical』のライブを行ったのは記憶に新しいですが、このライブには全世界から1230万人(!)が参加したそうですが、スポーツ観戦にとってもVRはとても楽しみな領域です。2017年にはインテル社がIOCと7年間のパートナーシップ契約を結び、5G通信やVR、3D映像、360度映像などの分野で協力すると発表されています。残念ながら2020年の東京オリンピックは幻となりましたが、次の世界的なビッグイベントでは必ずや、全く進化した観戦体験が提供されるのではないでしょうか。
また、中華圏のポテンシャルもやはりすざまじく、中国のゲーム実況プラットフォーム『DOUYU』は2020年時点で11億ドル以上の出資を集めて急速に成長しており、2019年の売上は約10億ドルに達し、年率ほぼ200%の成長を続けているそうです。ゲームやeスポーツはファンエンゲージメントの観点からも大変注目出来る領域だと思います。
その他、チケット購買プラットフォームの『SeatGeek』も1.6億ドル以上の出資を集めており、需要や人気に合わせたAIによる動的な価格設定、適正な価格での個人間取引、チケットレスでの入退場管理、観戦履歴のデータ利用など、チケットの購買に関わる領域もテクノロジーによって大きく進化していくでしょう。
2. ファンエンゲージメントやコミュニティ
新日本プロレスがその収益の半分をマーチャンダイジング(物販)で上げていることは前回述べましたが、ファンとの絆:エンゲージメントを強固にすることは、とくにニッチスポーツであればあるほどカギになってくるでしょう。
ベンチャーキャピタル『Scrum Ventures』が2019年に行った調査によれば、スポーツテックの投資家やメンターたちの78%が、「今後1年で最もインパクトのあるテクノロジー」としてファンエンゲージメントを挙げたそうです。この中にはライブストリーミングなど1に挙げた観戦に関するものも含まれていますが、ファンが楽しむコンテンツプラットフォームが大きく注目されている領域であることは間違いありません。
動画やポッドキャスト、ブログなど様々なメディアのスポーツコンテンツプラットフォーム『Barstool Sports』は今年1月、カジノ経営を手掛けるペン・ナショナル・ゲーミング社から1.6億ドルの資金調達を行うなど、大変注目されています。同社のプラットフォームではプロアスリートからジャーナリスト、ブロガー、一般人までさまざまな人々が独自のコンテンツを配信し、少し古いですが2016年1月の時点ですでに月間800万人が訪れていたそうです。『Barstool Sports』に関しては、ギャンブルのパートでも再び触れます。
また、ファンとの重要な接点であるマーチャンダイジングにもテックの波は押し寄せてくるでしょう。東京オリンピックに向けて2019年に開催されたスポーツテックの国際カンファレンス『SPORTS TECH TOKYO』のファイナリスト『ventus』は、トレーディングカードをデジタル化するスタートアップです。デジタル化したトレーディングカードをファンはデジタルで保有し、デジタル上でトレードしたりオークションしたりすることが可能になるそうです。ブロックチェーン技術などを用いてこういったカードの真贋や希少性をデジタル上で担保し、安全に取引するサービスも出てきそうです。
マーチャンダイジングもこの領域で進化を続けるでしょう。グッズの真贋をトレース可能にしたり、ファン独自のオーダーに対して自動で受注生産を可能にするテクノロジーの発達によって、マーチャンダイジングのあり方もどんどんアップデートされていくのではないでしょうか。
3. スポンサーシップ
テクノロジーによっていかにメディア環境や観戦体験が変わろうとも、スポンサーシップはスポーツビジネスにとって重要な収益源であり続けるでしょう。むしろ仮想空間では物理的な施工費や土地代、広さの制限が排除されるため、無限の広告枠を作り出すことが可能になります。ある企業やブランドの世界観で完全にカスタマイズされたスタジアムやダンスフロアでの競技開催や観戦も、近い将来実現可能になると思います。
また、多様なデータを利用しながらスポンサーシップの価値算出やスポンサー成果のトラッキング、またアスリートのバリュエーション(価値算出)のロジックを進化させることに対しても、テクノロジーは一定の役割を果たしてくれると思います。
上述した『SPORTS TECH TOKYO』の別のファイナリスト『DataPowa』は、スポーツクラブのスポンサー価値を分析するスタートアップで、すでに電通と実証実験を行っているそうです。スポンサーからすれば、平等な価値算出基準で評価されたスポーツクラブやイベントの価値をスコア化して提示してくれるサービスはかなりニーズがあると思います。ちょうど企業の株価算定がそうであるように、同じイベントやコンテンツの価値算出額も広告代理店によってアウトプットはかなり異なりますし、スコアの基準となるロジックそのものを抑えるということは、視聴率調査におけるビデオリサーチ社のような業界スタンダードの支配を意味し、電通がここを抑えに行くことも納得度が高いといえます。
4. ギャンブル
倫理的観点からまともに議論されにくいのですが、スポーツビジネスの裏側には「賭け」の巨大なマーケットがあります。例にすると申し訳ないのですが、例えばヨーロッパサッカーはファンによる賭け文化と表裏一体の関係にありますし、一部のヨーロッパサッカーチームによる八百長のニュースも1つや2つではありません。
大部分がブラックマーケットであるスポーツギャンブルですが、その市場規模はどれくらいでしょうか。引用出来る数字として、2015年の国連会議においてオーストラリア政府が見積もった3兆ドル(!)があります。ものすごい規模感です。あるいはアメリカのゲーム業界団体の推定では、アメリカ国外サイトを通じた取引が少なくとも1500億ドルあるとみられています。いずれにしても相当巨大なマーケットであることは間違いない一方、その9割は違法ないしグレーな取引とみられています。
ギャンブルのマーケットでは法制度が密接に絡んできます。アメリカでは2018年に最高裁がネバダ州以外でのスポーツギャンブルを禁じた法律を却下し、スポーツギャンブルの足がかりとなりました。現在、スポーツギャンブルは14の州ですでに合法となっており、いくつかの州もこれに追随するとみられています。日本の政治家たちがボートレースや競輪などの公営競技を立ち上げ、利権にしてきたように、税収や利権の面からも行政に利するところは大きくあるのではないでしょうか。
面白いのは、eスポーツではこうした賭け事が「自分自身」を対象として発展しそうな点です。ラッパーのドレイクが投資したアメリカのスタートアップ『Player’s Lounge』はeスポーツのギャンブルスタートアップですが、プレイヤー自身がゲームを選択し、自分の勝敗に賭けるというユニークな仕組みで注目を集めています。
また、実在の選手を組み合わせて仮想チームを運営するファンタジースポーツの大手プロバイダである『DraftKings』は、選手の実際のパフォーマンスに基づいた仮想チームの賞金付きコンテンストを実施し、実質的にギャンブル要素が強いサービスです。『DraftKings』は公式に全米の4大スポーツやゴルフのPGAなど数多くのメジャースポーツ団体とパートナーシップ契約を結んでおり、2020年に上場を果たして第1四半期だけでも1.1億ドルの収益を挙げて急速に成長しています。2017年7月時点で800万人のユーザーを抱えていたので、おそらく今では1000万人規模になっていると思われます。同じようなサービスに『FanDuel』もあります。
ちなみに、前述のコンテンツサービス『Barstool Sports』の大株主であるペン・ナショナル・ゲーミング社は大手のカジノ運営会社ですが、同社もまた『Barstool Sports』を通じたスポーツギャンブルのビジネスポテンシャルに当然着目しています。実際、『Barstool Sports』はギャンブルアプリを2020年中にリリースすることをすでに発表しています。
5. トレーニング&コンディショニング
心拍や活動量を測り続けてくれるスマートウォッチなどを思い起こしていただくとわかりやすいですが、テクノロジーが可能にするメンタルやフィジカルの管理も大変興味深い領域です。
トレーニングやコンディショニング領域ではAI(あまりAIというのもいやなのですが)などのテクノロジーを用いたサービスがすでにいくつも登場していますし、自分の体調とパフォーマンスのデータを分析し、適切な管理指示を出してくれるのはほとんどスマートデバイスだけでいい時代になりました。動いているときだけでなく、『Oura』のような睡眠時のコンディションをトラッキングしてくれるサービスやIoT化したスマートマットレスも、アスリートの常識アイテムとなりそうです。
コーチングもどんどん進化していくでしょう。『ClassPass』のようなアグリゲーターを利用すれば世界中から優秀なトレーナーやトレーニングコンテンツを探すことも簡単ですし、自宅でいつでもパーソナルトレーニングを受けることに、もはやハードルは何もありません。また、女性アスリートに特化したコーチングサービス『Wild.AI』は生理周期や骨密度など、女性アスリート特有の身体的特徴に特化したコーチングを行います。こういった着眼点のソリューションは、社会的な視点からも非常に価値のあるもののように思います。
6. チームマネジメント
チームマネジメントのプラットフォームは国内外で複数出ており、練習計画や履歴、チーム内の課題、チームメイトのメンタルの浮き沈み、怪我の状況把握などまで、こうしたプラットフォームを通じてすでに一目瞭然となっています。日々の練習やコンディションの情報について、監督やコーチがつぶさに聞かずともある程度まで把握出来る時代になりました。
また、そうした「人」の管理というマネジメント以外で大きなポテンシャルを持っているのが、スポーツデータの分野です。特にデータ分析ビジネスが伝統的に発達しているのが野球ですが、野球のデータを武器にマイナーリーグの選手に投資する『Big League Advance(BLA)』は2018年に1.5億ドルの資金調達を果たしました。BLAはデータを基にしてマイナーリーグの選手に「青田買い」投資し、彼らがメジャーリーグで活躍した暁にその収入のパーセンテージを受け取るというビジネスモデルです。いわば、スポーツ選手版ベンチャーキャピタルですが、メジャーを引退した元投手が設立した会社というのも大変おもしろいと思います。
チームマネジメントとファンコミュニティが融合したサービスも今後発展してくるでしょう。それはプロチームに限らず、アマチュアやマイナースポーツでもアスリートとファンが直接つながり、ファン限定のコンテンツに触れられ、投げ銭やサブスクリプションによる経済活動も可能になっていくでしょう。一つのサービスを核にしてチームとアスリート、そしてファンが有機的なエコシステムを構築する時代が、すぐそこまで来ています。
アクションスポーツの場合は数千万人のファンがいる必要もなく、数千人や数万人、あるいはチームやアスリートによっては数百人のファンとガッチリとエンゲージメントを結ぶことで、自立して活動するに十分な経済性を獲得出来得るのではと思います。そのタイニーな経済圏の確立に、テクノロジーは大きな役割を果たしていくのではないでしょうか。

アクションスポーツにスポーツテックが与えるチャンス
ここまで、素人なりに大きく6つの視点でスポーツテックの潮流を俯瞰してきましたが、アクションスポーツに携わるみなさんにとって、スポーツビジネスの大きな流れを把握する一助となれば幸いです。
個人的にアクションスポーツに限って言えば、コンディショニングにもっと取り組むべきだと思っています。ストリートやアクションスポーツのプレイヤーやアスリートは、いい意味でも悪い意味でも我流だったりストリートマインドが強く、身体のメンテナンスを怠ってしまっている人が多くいます。プレイヤー側も身体のことはきちんと勉強するべきですし、スポンサー側もアスリートの選手寿命(何なら引退後の生活)を考えてトレーナーをつけてあげるなど、もう少し本質的で長期的な視点での支援があっていいと思います。身体を使い果たして引退してさようなら、という状態は避けていかなくてはなりません。
メディアセールスやビジネスの観点からは、仮想空間やスポンサーシップに関するテクノロジーは大変興味深いものです。ギャンブルは大きなマーケットですが、ギャンブルでなくとも投げ銭など、よりダイレクトな経済の仕組みもどんどんスポーツに取り入れられていくでしょう。
また、上記の6つにはありませんでしたが、審査基準に関する問題をテクノロジーで解決していくことも、アクションスポーツにとっては課題かもしれません。ある意味での表現性や芸術性が問われるアクションスポーツにおいて、審査基準の公平性やわかりやすさはシーン発展の重要なカギだといえます。スポーツでもサービスでも、わかりにくいものは結局広まりません。フィギュアスケートの審査員構成は技術が3人、演技が9人です。技術はしっかり見つつ、多様な評価が求められる演技に対してより公平性をもたせる工夫がなされていますし、点数で定量的に評価されるわかりやすさも担保されています。アクションスポーツにおいてはなおさら、こうした公平性とわかりやすさへの努力が一層求められていくでしょう。
AUTHOR:阿部将顕/Masaaki Abe(@abe2funk)
大学時代からブレイキンを始め、国内外でプレイヤーとして活動しつつも2008年に株式会社博報堂入社。2011年退社後、海外放浪やNPO法人設立を経て独立。現在に至るまで、自動車、テクノロジー、スポーツ、音楽、ファッション、メディア、飲料、アルコール、化粧品等の企業やブランドに対して、経営戦略やマーケティング戦略の策定と実施を行う。
戦略ブティックBOX LLC共同創業者、NPO法人Street Culture Rights共同代表、(公財)日本ダンススポーツ連盟ブレイクダンス部広報委員長。建築学修士および経営管理学修士。
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FINEPLAYはアクションスポーツ・ストリートカルチャーに特化した総合ニュースメディアです。2013年9月より運営を開始し、世界中のサーフィン、ダンス、ウェイクボード、スケートボード、スノーボード、クライミング、パルクール、フリースタイルなどストリート・アクションスポーツを中心としたアスリート・プロダクト・イベント・カルチャー情報を提供しています。
アクションスポーツ・ストリートカルチャーの映像コンテンツやニュースを通して、ストリート・アクションスポーツの魅力を沢山の人へ伝えていきます。
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others日本最大級“入場無料”のアーバンスポーツの祭典 「YOKOHAMA URBAN SPORTS FESTIVAL ’25」が今年も開催決定!2025.09.03今年も、2022年から開催されている 「YOKOHAMA URBAN SPORTS FESTIVAL」を来たる2025年11月15日(土)・16日(日)の2日間にて横浜赤レンガ倉庫で開催することが決定した! 本イベントは、アーバンスポーツ競技と、そのスポーツの原点とも言えるストリートカルチャーが一堂に会し、「観る・体験する・楽しむ」要素が満載のスポーツフェスティバルで、昨年度は6.5万人が来場数を記録。 4回目の開催となる今年は、2023年開催時に登場したフリースタイルフットボールが再び加わり、スケートボード、ブレイキン、BMXフラットランド、ダブルダッチ、パルクール、パルオニ、3X3とあわせた全8種目に、国内外で活躍する選手の登場が予定されている。その他、大人から子どもまでアーバンスポーツを気軽にチャレンジできる体験会や、ファッションやアイテムが勢揃いのストリートカルチャーマーケット、そして同時開催される横浜赤レンガ倉庫初のアメリカンフードフェス「ALL AMERICAN FOOD FESTIVAL ’25」など、2日間に収まりきらない盛りだくさんの企画が用意されており過去最大の盛り上がりが見込まれている。 コンテンツラインアップ 【アーバンスポーツ】 スケートボードパークやバーチカルなど様々なスタイルがあるスケートボード。その中でも日本人選手が世界のトップレベルで活躍している、街中にあるような階段やレールなど障害物のあるコースで競うストリート種目を実施。 © Yoshio Yoshida/YUSF ブレイキンダイナミックでアクロバティックなストリート発祥のダンスで「ブレイクダンス」とも呼ばれる。1970年代にアメリカのニューヨークで生まれたヒップホップカルチャーの一つで、80年代にヨーロッパや日本にも広がり世界中へ広まった。ストリートから始まったブレイキンは近年若年層に人気のアーバンスポーツとしても注目を集めている。 © Ayato Nishimura/YUSF BMXフラットランドランプやレールなどの構造物を使用せずに平らなステージでBMXを操る競技で「自転車でまるでダンスをしているかのように巧みに乗りこなす競技」とも言われる。 © Jason Halayko/YUSF ダブルダッチ2本の縄を操り、アクロバットやダンスなどで跳び越え魅せるストリートスポーツ。NYからその文化は拡まり、現在では、世界各地でトップクラスのコンテストが行われており、幅広い年代がプレイしている。高速ステップや、ダイナミックなアクロバット、一糸乱れぬ阿吽の呼吸が見どころ。 © Ayato Nishimura/YUSF パルクール走る・跳ぶ・登るの基本動作に加えて、壁など構造物を活かして飛び移る・飛び降りる・回転して受け身をとるなどダイナミックなアクションが魅力のスポーツ。 © Ayato Nishimura/YUSF パルオニパルオニとは「パルクール鬼ごっこ」のことで、競技の専門性によらない、誰でも行う「あそび」を競技化した究極の鬼ごっこスポーツ。 © Kazuki Murata/YUSF フリースタイルフットボールサッカーのリフティングやドリブルなどの技術を、魅せるパフォーマンスとして昇華させたフリースタイルフットボール。世界で活躍する日本人選手が多く、激アツな対戦に期待大。 © Hikaru Funyu/YUSF 3x3「3x3」とは、国際基準のルールに基づいて行われる、攻守の切り替えの速さ、1対1の駆け引きが魅力の3人制バスケットボール競技。10分1本勝負、または21点先取のKO方式で、ひとときも目が離せないスピード感に要注目。 © Kazuki Murata/YUSF アーバンスポーツ体験会知らないスポーツだからこそ、この機会に「アーバンスポーツ」にチャレンジしてみよう。もしかしたら、楽しすぎてハマっちゃうかも。やって楽しめるのもYUSF ’25ならでは。※実施予定種目は調整中です。 © Yoshio Yoshida/YUSF 【カルチャーマーケット】 アーバンスポーツを「観る・体験する」はもちろん、ファッションやカルチャーを体験できるショップやブースなど、盛りだくさんのラインアップを取り揃える。 © Hikaru Funyu/YUSF© Jason Halayko/YUSF 同時開催イベント 【 ALL AMERICAN FOOD FESTIVAL 】 「ALL AMERICAN FOOD FESTIVAL ’25」は、アメリカを代表するフードが味わえる横浜赤レンガ倉庫の新たなフードイベント。スケートボードやBMX、ブレイキンなど多くのアーバンスポーツの発祥となっているアメリカならではのフード&ドリンクを楽しめるキッチンカーが出店し、迫力満点のアーバンスポーツ観戦とともに、食を通じてこれまで以上にストリートカルチャーを体感できる。 アメリカンカルチャーに染まる2日間、横浜赤レンガ倉庫で、ご家族や友人と“食×スポーツの秋”をお楽しみあれ。 【名 称】 ALL AMERICAN FOOD FESTIVAL ’25(略称 AAFF ’25)【会 期】 2025年11月15日(土)・16日(日) ※雨天決行、荒天時は中止いたします【営業時間】11:00 ~ 20:00(ラストオーダー 19:30)【入場料】無料 ※飲食代は別途【会 場】 横浜赤レンガ倉庫 イベント広場(神奈川県横浜市中区新港1-1)【主 催】 YOKOHAMA URBAN SPORTS FESTIVAL ’25 実行委員会【特設サイト】記事最下部の関連リンクから※全飲食店舗・フードメニューの詳細は後日公開予定です 開催概要 © Ayato Nishimura/YUSF©Yoshio Yoshida/YUSF 開催名称:YOKOHAMA URBAN SPORTS FESTIVAL ’25(略称 YUSF ’25)会場:横浜赤レンガ倉庫イベント広場・赤レンガパーク(神奈川県横浜市中区新港1-1)日程・時間:2025年11月15日(土)・11月16日(日)両日ともに11:00〜20:00(予定)※雨天中止。競技の開始・終了時間は各競技によって異なります。詳細は後日公開いたします。入場料:無料 ※飲食や物販代金は別途必要。一部、有料の体験コンテンツあり。主催:YOKOHAMA URBAN SPORTS FESTIVAL ’25 実行委員会(株式会社横浜赤レンガ / 明治商工株式会社 / 株式会社ローソンエンタテインメント / 株式会社ゼータ)共催:横浜市にぎわいスポーツ文化局協力:一般社団法人ARK LEAGUE / 有限会社OVER THUMPZ / 株式会社IAM / 株式会社トリデンテ /株式会社HANDOFF
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danceFULLCAST RAISERZ|D.LEAGUE 24-25シーズン最下位転落と上昇の決意2025.08.18D.LEAGUE(※)のチームであるFULLCAST RAISERZ(フルキャストレイザーズ)は、これまでD.LEAGUEのチャンピオンシップ出場の常連チームと言われていた。なかでも2021-22シーズンではレギュラーシーズンで総合首位となり、チャンピオンシップでは準優勝を獲得するなど、初期から強豪チームとして存在感を示していた。しかし、D.LEAGUE 24-25シーズンはチームの歯車が狂い最下位に転落するという前代未聞の結果となった。シーズンを終えて率直な感想と今後の決意についてディレクターのKTRに話を訊いた。 過去最低順位を記録した24-25シーズン - 24-25シーズンもお疲れ様でした。初めて成績が振るわないシーズンを迎えたことになりましたが、率直な感想をお聞かせください。 KTR:一言で言えば「悔しい」シーズンでした。過去最低の14位という結果で、今までチャンピオンシップ常連だったレイザーズとしては、勝利した試合が1勝のみという結果は本当に悔しかったです。シーズン中は練習の雰囲気も苦しい時期があり、「なぜ勝てないんだろう」という迷いもありました。新ルールへの対応がうまくできなかったことがひとつの要因にありますが、その他のことについても、今振り返るともっと改善できたことがあったと感じています。その一方で、この悔しさや苦しさがあったからこそ、支えてくれる人たちの存在の大きさにより気付けたシーズンでもありました。ファンミーティングやイベントでファンの方々と会う機会が多く、彼らが常に「レイザーズが勝っているよ!」と信じ、声をかけ続けてくれたことは、決して当たり前ではないと改めて感じました。スポンサー様やスタッフの方々の支えも含め、「経験は宝」という言葉を強く実感したシーズンになりました。 D.LEAGUE 24-25 最終ラウンド ディレクターとしての2年間と覚醒 - ディレクターに就任されて2年が経ちました。以前、前ディレクターのJUNさん以上の成績を残したいとおっしゃっていましたが、ディレクターとしての葛藤はどのようなものがありましたか? KTR:正直なところ、就任当初の1年目はプレッシャーを感じる余裕すらなかったです。何がディレクターの仕事なのかも分からず、とにかく目の前のことを日々乗り越えることに精一杯でした。2年目でようやく仕事の内容や役割が分かり始めましたが、今振り返ると、当時の僕の意識は未熟だったと感じます。今の方がはるかに責任感を強く感じています。この責任感が生まれ始めたのは、24-25シーズンの後半戦でした。チームの雰囲気が悪く、メンバー間で衝突があった時、「この環境を作っているのは自分だ」と強く感じたんです。メンバーの衝突すらディレクターの責任だと。その時、「俺は何をやっているんだろう」と自問自答し、メンバーに心を開いて自分の想いを伝えました。「優しく接することが、もしかしたら皆にとっては甘えになって、仕事ではなく仲間内の感覚になっていたかもしれない。本来のDリーガーとしての練習の質や環境はこれで良いのか?」と。その辺りから練習内容を細かく変え、メンバーもより一層前向きに取り組んでくれるようになりました。その時に初めて、ディレクターの重要性を痛感しましたね。 JUNさんが築き上げてきたレイザーズの凄さを、より深く理解できるようにもなりました。JUNさんのチーム作りや、先頭に立ってチームを引っ張る強い意思は、今の自分に足りないものだと感じました。レイザーズのブランディングにおいても、JUNさんのやり方は間違っていなかった。JUNさんのやり方やチームブランディングを、僕なりにシフトしていこうと考えましたが、今は自分の軸はブレずに、改めてJUNさんが築き上げてきたスタイルの強みを活かし超えていく事が重要と考えています。ディレクターの仕事は、チームプロデュースも担当します。メンバーを頼る部分もあれば、スタッフとの話を全てメンバーに伝えるわけでもない。メンバーの意見を聞きすぎると迷いが生じることもあり、一人で抱え込むことが多かったです。プレイヤーとしても活動しているので、思考が追いつかない時もあり、正直投げ出したくなることも多々ありました。ただ、そんな中でディレクターとしてどう進むべきか、新たな気づきを得られたことは間違いありません。 課題と改善点|次シーズンへのコミット ― D.LEAGUE25-26シーズンに向けて具体的な課題感や改善点についてはいかがでしょうか? KTR:一番の課題は、チーム全員が「一つのことに意思を向ける」ということです。これはディレクターが背中で示していかなければならない部分であり、勝利だけでなく、D.LEAGUE全体を盛り上げるという意識も重要です。24-25シーズンは勝てなかった理由としてルール変更に僕たちが最後まで対応できなかったと感じていますが、最も大きな理由はD.LEAGUEにコミットしきれていなかったことだと考えます。KRUMPという自分たちの表現したいものを追求しすぎて、D.LEAGUEのルールや駆け引きに対応しきれていなかったと感じました。例えば、KRUMPの比率を80%ではなく60%に抑え、新たな要素を取り入れてバランスを取るべきでした。試合ごとの作品テーマや戦略も、今思えばもっと工夫できたはずです。 僕たちが表現したいものはステージ上でお見せできたと思いますが、それが“勝つため”に120%活かされていたかと言われると、そうではありませんでした。「自分たちがKRUMPを通じて認められたい」という意地やプライド、迷いがあったように感じています。メンバーのマインドについては、勝ちへの貪欲さは皆持っていたと思いますが、D.LEAGUEにかける熱量のバランスが異なっていたメンバーもいたと感じています。全員が最高の熱量を持っていれば相乗効果が生まれ、「あいつが頑張っているから俺も負けてられない」という意識が生まれます。チーム結成から5年が経ち、その意識がなあなあになってしまっていた部分もあったと感じています。ただその原因は、ディレクターである僕がしっかり示せていなかったことにあると猛省しています。例えば、レイザーズのYouTubeチャンネルでは現在新メンバーオーディションの様子を配信しているのですが、元メンバーであり、オーディションに参加しているTAICHI(Tiny Twiggz)から「正直生ぬるいメンバーもいるように思う。俺は全員本気のメンバーとやりたい。」という言葉を言われて自分の中でも深く考えたんですよね。練習の質や時間の使い方にも問題があったし、今後の具体的な改善点は明確にわかっています。 オーディションの様子 Dリーガーとしての5年間|困難を乗り越える原動力 ― ご自身はDリーガー以外にもアーティスト活動など様々な領域で活動をされ、ダンサーとしてのライフワークバランスも難しいと感じますがDリーガーを続けていられる理由は何だと思いますか? KTR:難しい質問ですね‥。なぜ続けられるかというと、シンプルに「ダンスが好きだから」だと思います。もちろん辛いと思うことはありますが、本当に辞めたいと思ったことは一度もありません。正直、休みたいと思うことはあっても“この環境が当たり前ではない”と常に感じているから、Dリーガーを辞めるという選択肢はこの5年間僕の中では生まれませんでした。とはいえ、自分の人生の5年間をD.LEAGUEに捧げ、24時間をコミットするというのは、簡単なことではありません。それでも僕が続けてこれたのは、まず「TWIGGZ FAM」という昔からの仲間がいる母体があり、KRUMPというジャンルに根ざしているからだと思います。JUNさんに誘われてD.LEAGUEに入ってからも、ずっと一緒に切磋琢磨してきたメンバーがいるからこそ、環境的に居心地が良いというのはあります。 D.LEAGUE開幕当初は勢いしかなかったように感じます。「何だか凄いことが始まった」「このまま D.LEAGUEは盛り上がる」と、シーンのことや自分がダンスで表現することに必死で、スポンサー様からの支援の重要性をあまり考えて来れなかったように思います。しかし、5年が経ち、その「当たり前ではない」という感覚は常に僕の頭にあります。僕自身も活動を通じて、影響が広がっていることを実感することもあります。昨日も僕の地元の愛媛で「KTRさん!」と声をかけてくれる子どもたちがいました。「Dリーガーになりたい」という声を聞くと、それが大きな原動力になります。だからこそ、メンバーの年俸も上げたいし、僕たちが輝いている姿を見せたい。子どもたちがDリーガーになりたいと言ってくれることが、僕の1番のモチベーションです。今は自分たちの意地やプライドを捨てて、“D.LEAGUEで勝つ”ということを最大の優先度にしコミットする決意があります。 初単独パフォーマンスイベント「REAWAKE」に込められた想い ― レイザーズとして初単独パフォーマンスライブが8/27に控えていると思いますが、開催目的について教えていただけますか? KTR:今回のイベントのテーマが「REAWAKE」なのですが、これは「目覚める」「再生する」「覚醒する」という意味合いが込められています。この苦しいシーズンを経て、僕たちが新たな形で目覚めるという思いもありますし、正直「14位は夢だった」という気持ちも乗っています。「俺らがそんなはずないだろう」という良い意味での強気な面も表現していきたいと思っています。 ― 今回のワンマンライブは、次のシーズンに向けて覚醒していくレイザーズの姿を見ることができるということですね。 KTR:そうですね。また、D.LEAGUEのステージではお見せ出来ないパフォーマンスも多く出していきたいと考えています。これまでレイザーズはD.LEAGUEのステージのみでパフォーマンスをし世界観を表現してきました。ファンミーティングを実施したことはありますが、それはどちらかと言うとダンスよりもトークがメインのファンとのコミュニケーションの場でした。今月に開催する初開催のワンマンイベントでは、D.LEAGUEのルール内では表現できなかったレイザーズの魅力を全力で出せる場所を作りたいし、それをファンの方を中心に届けたいという想いから企画した背景があります。また、これまでD.LEAGUEの会場には来たことがないけど、ダンスカルチャーが好きな方にも気軽に遊びに来れる場所も作りたかったです。僕たちは主にKRUMPにリスペクトをしているチームなのですが、その本来のKRUMPカルチャーの魅力も伝えられるイベントにもしたいと思っています。 ― 今回のイベントではD.LEAGUEで披露されたネタがベースになるとのことですが、具体的にどのような見どころがありますか? KTR:新たなKRUMPの魅せ方にもチャレンジしたショーケースを準備しています。これは僕たちにとってとても意義深い挑戦なのですが、それも全て僕たちの表現の幅を広げて、より多くの方々に届いて欲しいという想いから生まれました。それに加えて、僕たちがD.LEAGUEで闘い抜いてきたパフォーマンスを身近で体感いただけることや、レイザーズにゆかりのあるゲストパフォーマーの方々の出演も予定しています。あとは、普段見ることのできないメンバーそれぞれのソロパフォーマンスやコラボレーションや、現在行われている新メンバーオーディションの最終結果発表もイベントの中で行われます。レイザーズのファンの方はもちろん、そうではない方もきっと楽しんでいただけると思います。 -「KRUMP」と聞くと攻撃的な激しいイメージが先行しますが、今回のライブではまた違った側面のKRUMPを見ることができるのでしょうか? KTR:はい、そうですね。レイザーズは、KRUMPをいかに現代に消化するかを常に追求しています。本来KRUMPはバトル文化でありショーケースという文化はあまり浸透していませんでした。それをいかに一般の方にも伝えるかを積み重ねて、今の群舞でのD.LEAGUEのショーになっていると思います。僕たちは、KRUMPというものを現代の方々にどれだけ伝えられるかを深く考えています。KRUMPの可能性を今まで示してきたからこそ、今のショーの質が上がっていると思うんです。そういった一作品一作品が見られるところが見どころだと思いますし、レイザーズの魅力はそこにあります。自分たちが信じてきたKRUMPというものを消化し続け、ひとつ一つ最高の作品を作っているという自信があります。 ― 確かにそうですね。KRUMPで10人以上の群舞かつシンクロを交えたショーが見られるのはかなり珍しいのではないでしょうか? KTR:そうですね。レイザーズのような規模とスキルでパフォーマンスできるチームは、世界初なのではないかと思います。海外でも同じようなパフォーマンスはありますが、ショーの質が違うと思います。KRUMPのショーは日本が最強だと自負しています。そもそも日本人は群舞でのショーケースが強いことで知られていますよね。それはスキルも当然ですが、日本人としての繊細で真面目かつ協調性のある気質が大きく影響していると思います。そう言った意味でも僕たちならではのオリジナリティのあるショーケースをぜひ観にきて欲しいですね。 ― 最後に、読者の方やファンの皆様へメッセージをお願いします。 KTR:24-25シーズンは、レイザーズにとって過去最低の順位となり、悔しい結果に終わりました。ただ、この苦しい経験があったからこそ、僕たちは多くのことに気がつき、成長することができました。特に、ファンの皆様、スポンサーの皆様、そしてスタッフの皆様の支えがどれほど大きいものか、改めて痛感したシーズンでもあります。こんなに負けが続いても、僕たち以上に熱心な言葉をかけ続けてくれました。皆様の応援が、決して当たり前ではないことを胸に刻んでいます。初の単独イベント「REAWAKE」は、このライブを通じて、僕たちがこの苦しいシーズンを乗り越え、D.LEAGUEで「こんなもんじゃないぞ!」という姿を見せるための覚醒の瞬間を、ぜひ観にきていただきたいです。D.LEAGUEの舞台ではもちろん、レイザーズの単独イベントでも、KRUMPの新たな可能性を追求し、最高のパフォーマンスをお届けできるよう、チーム一丸となってこれからも邁進していきます。今後も、子どもたちがDリーガーになりたいと夢を抱いてくれるような、輝く存在であり続けるために、僕たちはD.LEAGUEに全力でコミットしていきます。レイザーズの挑戦はまだまだ続きますので、ここから更にギアを入れて加速する僕たちに期待をして欲しいです。それと、新たな挑戦でもあるワンマンで、気軽に声をかけていただけると嬉しいですね。レイザーズ全員で心よりお待ちしています! ※1)D.LEAGUE(ディーリーグ)株式会社Dリーグが運営する、日本発・世界初のプロダンスリーグ。2020年に設立され翌2021年に第1シーズンを開幕。ダンスをスポーツ競技とエンターテインメントとして融合させ、有名企業がスポンサーとなるチームが全12ラウンドのレギュラーシーズンを戦い、上位6チームがチャンピオンシップ(決勝トーナメント)へ進出して日本一を決定する。ファンによる投票も勝敗に影響する、新しい観戦体験を持ち味としている。 ◼︎KTRプロフィール日本の伝説的KRUMP CREWを継承すべく再始動した新生「RAG POUND」に所属し、Dリーガーとアーティスト活動を兼任する。また、世界最大級のKRUMP FAMILY「Twiggz Fam」の一員でもあり、日本KRUMP界を牽引する次世代の先駆者として、KRUMP界だけではなく多方面から支持を集めている。細やかでクリアな動きとキレのあるスキルフルなパフォーマンスを武器に、様々なコンテストやバトルに出場しては好成績を残し、国内に留まらず海外からの評価も高い。止めどなく繰り広げられる正確で丁寧なコンボやマテリアルに加え、抜群なリズミカリティーと無駄のない動きは圧巻で、見る者を釘づけにする世界レベルのパフォーマンスから、日本No.1 KRUMPERとの呼び声も高い。また、ダンスのみならず、その引き締まった体格とビジュアルを活かし、モデルや舞台役者としても活躍中で、東方神起などを筆頭にアーティストの振付なども担当する。FULLCAST RAISERZのディレクターとして、チームを勝利へ導く。 ◼︎1ST PERFORMANCE LIVE 開催概要開催日時:2025.08.27.Wed OPEN 18:00 / START 19:00会場:WWW X (東京都渋谷区宇田川町13−17 シネマライズビル B1F)チケット情報:*ページ下部の関連リンクよりご確認ください
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danceHarutoとCocoaが初優勝「Red Bull BC One Cypher Japan 2025」日本開催のWorld Final出場を懸けた戦いへ2025.08.17世界への切符を懸けた、日本最高峰の1on1ブレイキンバトル 2025年8月16日(土)、横浜・大さん橋ホールで、日本一を決める1on1ブレイキンバトル「Red Bull BC One Cypher Japan 2025」が開催された。 優勝したB-Boy、B-Girl各1名は、11月7日(金)に東京・両国国技館で行われる「Red Bull BC One Last Chance Cypher 2025」に出場。ここで勝ち上がった者だけが、世界中から選ばれたわずか16人の舞台「Red Bull BC One World Final Tokyo 2025」への切符を手にすることができる。 「Red Bull BC One」は、今年で22回目を迎える世界最高峰の1on1ブレイキンバトル。20年以上の歴史と伝統を誇り、世界30カ国以上で予選やプログラムが行われ、数多くの才能あるダンサーを輩出してきた。毎年、何千人もの挑戦者の中から、選ばれしB-Boy・B-Girl各16名のみがWorld Finalのステージに立つことを許される。 今年はその世界決戦の地が日本。今回の日本最終予選も、例年以上に国内外から注目が集まり、史上最高レベルの戦いとなった。 Takayoshi Shimoda / Red Bull Content Pool 歴代王者と若手精鋭が集結、豪華すぎるラインナップ 3月から行われた地方予選・学生予選には約990名がエントリー。勝ち抜いたB-Boy7名、B-Girl7名に加え、日本と世界のブレイキンシーンを代表する招待ダンサーが集結した。 B-Boy Taisukeは、世界的クルー「Red Bull BC One All Stars」の初代メンバーとして長年世界の最前線を牽引してきた存在。B-Boy TSUKKIは、国内外の大会で活躍する次世代のホープとして注目を集める。B-Boy NORIは、「Red Bull BC One Cypher Japan」で通算6回の優勝を誇るベテランであり、その実力は折り紙付きだ。 B-Girl YASMINは、2023年日本予選を制し、昨年のWorld Finalでは日本勢トップのベスト8入りを果たした。B-Boy NICOLASも同じく2023年日本予選優勝者、B-Boy Harutoは昨年準優勝の実力者だ。さらに、B-Boy AisatsuとB-Boy Steezyskeeは、独自のスタイルで観客を魅了する若手ダンサーとして存在感を放つ。 ジャッジには、韓国のレジェンドB-Boy Hong10、米国のB-Girl BETA、タイのB-Boy CHENOといった世界的ダンサーが名を連ねる。さらにゲストライブには、日本を代表するヒップホップグループRHYMESTERが登場し、会場の熱気を最高潮に引き上げた。 B-Boy Hong10のジャッジムーブ Jason Halayko / Red Bull Content Pool 新時代の幕開け。王者を倒し、ニューフェイスが切符を掴む 今回のB-Boyサイドは、ただ勝敗を決めるだけでなく、世代や関係性が交錯するストーリー性に満ちたバトルが続いた。 レジェンド・Taisukeは、自身のレッスンにも通った経験を持つ教え子のGEN ROCと対戦。約9年ぶりにCypher Japanへ復活を遂げた偉大な存在に対し、GEN ROCは完璧なムーブを披露し、3-0の完全勝利。敗れたTaisukeにも、会場からは割れんばかりの拍手と声援が送られた。 同じ九州をレペゼンする若手、SO-TAとAisatsuはTOP8で激突。近年、日本ブレイキンシーンで存在感を増している九州勢同士の注目カードは、Aisatsuが制し、次世代の台頭を印象づけた。 決勝カードは、奇しくも昨年と同じ顔合わせ。日本最終予選で通算6回の優勝を誇るNORIと、昨年決勝で敗れ涙を呑んだHarutoのリマッチとなった。世代が交差する対決は、1ムーブ目からNORIが会場を大きく沸かせ、空気を掌握したかに見えた。しかしHarutoは最後まで揺るがぬパフォーマンスを続け、最年長ながら一切衰えを見せないNORIを撃破。幾度となく挑み続けてきた舞台で、ついに悲願の初優勝を飾った。 FinalでのHaruto Jason Halayko / Red Bull Content Pool 一方のB-Girlサイドは、まさに世代交代を象徴するようなトーナメントとなった。YuikaがベテランのERi FeNeSiSを初戦で破り、さらにSHIE-CHANも2回戦でHIYOに敗れるなど、長らくシーンをけん引してきた実力者たちが次々と姿を消した。フレッシュな勢いがトーナメントを席巻した。 決勝は、Cypher Japan優勝やWorld Final出場経験を持つ実績十分のYASMINと、この数年で日本選手権やアジア選手権を経て頭角を現したCocoaが対戦。貫禄あるYASMINに真っ向から挑んだCocoaが勝ち切り、初優勝を果たした。 B-Boy、B-Girlともに、過去に優勝や世界挑戦を経験した実力者が次々と敗れ、新たな挑戦者が切符を手にした今年のCypher Japan。Red Bull BC One Japanの歴史に、新たなページが刻まれた瞬間だった。世界を相手に挑むニューフェイスたちが、どんな戦いを見せるのか。期待は高まるばかりだ。 Jason Halayko / Red Bull Content Pool Harutoコメント「思い入れのある相手とのバトルが多かったです」 Jason Halayko / Red Bull Content Pool 今日の感想を教えてください決勝の相手が去年と同じNORIさんで、去年は負けて本当に悔しくて、そこからめちゃくちゃ練習してきました。ただ今日の決勝では、正直自分を出し切りきれなかった部分もあって、最後の詰めの甘さが課題だと気づけたのは良かったです。 勝てた要因はなんだと思いますか?今日は僕にとって思い入れのある相手とのバトルが多かったです。NICOLASさんは初めてBC Oneに出た時に負けた相手で、TSUKKIは昔からライバルとして戦ってきた存在。思い入れのある相手が多かったからこそ感情が入って、それがうまくダンスにつながったのが勝因だと思います。 ラストチャンスサイファーの意気込みは?個人的な弱点で、決勝になると出し切れなかったり、尻下がりになってしまうことが多いので、ムーブの追い込み練習をして、最後まで諦めずに詰め切れるようにしたいです。ワールドファイナルは、ダンスを始めてからずっと目指してきた「夢の舞台」。師匠のKAZUKIさん、同じチームメイトのISSIN、同じ地元のHIRO10などが先に経験していて、自分もいつか立ちたいと思っていた場所です。今回挑戦するチャンスが巡ってきたので、日本代表として胸を張って戦い抜けるように、さらに準備を重ねていきます。 Cocoaコメント「日本代表として胸を張って、精一杯戦いたい」 Jason Halayko / Red Bull Content Pool 今日の感想を教えてください今日までサポートしてくださった方々のおかげで、最後までベストコンディションで踊ることができました。嬉しい気持ちもありますが、それ以上に感謝の気持ちが強いです。 勝てた要因はなんだと思いますか?日本最終予選という大きな舞台で、正直かなり緊張しました。ですが、落ち着いてこれまでのことや応援してくれた人たちの言葉を思い出し、目の前のバトルに集中できたことが勝因だと思います。 ラストチャンスサイファーの意気込みは?これまで先輩方が築いてきた「日本は強い」という評判を崩さないよう、日本を背負う気持ちで挑戦したいです。ワールドファイナルは、ブレイキンを始めた頃は夢のまた夢でしたが、今日その舞台に挑戦するチャンスを得られました。日本代表として胸を張って、自分をもっと表現し、精一杯戦いたいです。 両国国技館へ、世界の舞台への挑戦 国内予選を勝ち抜いた代表は、11月7日のLast Chance Cypher(世界最終予選)に挑む。ここを突破すれば、同9日、両国国技館でのWorld Finalで世界16人の舞台に立つことになる。今年のWorld Finalには、B-Girl AYUのほか、Red BullダンサーのShigekixとIssinが招待ダンサーとして出場を決めており、日本勢の活躍に期待が高まっている。Cypher Japanで生まれた新たな挑戦者たちが、磨き上げたスタイルで世界にどう挑むのか。その瞬間は、まもなく訪れる。 The Moments Of「Red Bull BC One Cypher Japan 2025」 Takayoshi Shimoda / Red Bull Content Pool Takayoshi Shimoda / Red Bull Content Pool Jason Halayko / Red Bull Content Pool Jason Halayko / Red Bull Content Pool Jason Halayko / Red Bull Content Pool Jason Halayko / Red Bull Content Pool Jason Halayko / Red Bull Content Pool
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danceRed Bull BC Oneとともに歩んだダンサー人生。初代王者 B-Boy Taisuke が九州を背負い、9年ぶりに挑む舞台。2025.08.142025年、日本のブレイキンシーンにとって特別な夏がやってくる。世界最高峰の1on1ブレイキンバトル「Red Bull BC One World Final」が、11月9日(日)に東京・両国国技館で開催される。その舞台の最終予選「Red Bull BC One Last Chance Cypher」への挑戦権を懸け、日本代表を決定する「Red Bull BC One Cypher Japan 2025」が、8月16日(土)、横浜・大さん橋ホールで行われる。3月から行われた地方予選・学生予選には約990名がエントリー。勝ち抜いたB-Boy 7名/B-Girl 7名に加え、招待選手たちが日本代表の座を懸けて激突する。ジャッジには韓国のレジェンドB-Boy Hong10、米国のB-Girl BETA、タイのB-Boy CHENOが名を連ね、ゲストライブにはRHYMESTERが登場し、会場の熱気を一層高める。その舞台に、2007年の初代ジャパンサイファー王者であり、日本ブレイキンシーンのパイオニアのひとり、B-Boy Taisukeが約9年ぶりに立つ。彼にとってBC Oneとは何なのか。なぜ今、このタイミングで挑戦するのか。そして、拠点を九州に移した彼が見据える未来とは。 「九州をレペゼンしてもう一度。自分が動くことで道を拓きたい」 Little Shao / Red Bull Content Pool 最近の活動について教えてください。 Taisuke(以下 T):活動自体は大きく変わっていません。地方や海外でのイベントオーガナイズやワークショップを続けています。ただ、国内のワークショップは減らしました。若い子たちがしっかりやってくれているので、自分は別の役割を果たすべきだと感じています。 その“別の役割”とは? T:九州のダンスシーンを再構築することです。九州は、その土地に根ざしていないと本当の意味でシーンを動かせない場所。これまでシーンを支えてきたレジェンドたちが少しずつ表舞台から離れていく中、「Taisuke、九州をもう一度盛り上げてくれ」という声も届いていました。だからこそ、かつての勢いを取り戻すために戻ってきたんです。以前は、多くの才能が地元を離れて東京や大阪へ向かっていましたが、最近は「九州にいながら世界を目指す」という意識を持つ若手も増えてきた。そんな彼らを支え、後押しする存在になりたいと思っています。 九州のダンスシーンの特徴は? T:「踊れるB-Boy」文化ですね。簡単に言えば、オールドスクール全般、どのジャンルでも踊れなければならないという考え方。ブレイキンだけでなく、ロックやハウス、ソウルなどもできて当たり前という価値観が根付いています。自分も若い頃にロックをやっていましたし、先輩たちからも「技だけじゃなく踊れなければ意味がない」と言われてきました。曲がかかれば、そのジャンルに合わせて自然に踊る。それが当たり前の環境で育まれたのが、九州ならではのスタイルです。 なぜそこまで九州にこだわるのですか? T:昔の九州は、完全に“殴り込み”文化でした。東京や大阪に乗り込むと、向こうも構えて迎え撃ってくる。九州の名前を背負って遠征し、勝てばその名を刻んで帰ってくる。そんな熱気と誇りがありました。九州から来るB-Boyは強い、と誰もが思っていた時代です。ところが今は、多くの実力者が地元を離れ、東京や大阪に拠点を移してしまった。だからこそ、もう一度「九州にいても戦える」環境を整えたい。そして、外に出た人も戻って来られる場所を作りたいんです。 注目しているクルーやダンサーは? T:nine states b-boyz です。地元・長崎の後輩もいて、ブレイキンも踊りもできる若手が揃っています。昔の九州らしさを持っているチームです。 Red Bull BC One Kick off Jam Tokyo 2025 Little Shao / Red Bull Content Pool 「BC Oneは、俺自身」―Red Bull BC One All Stars初期メンバーが見てきた“技の時代”から“アイデアの時代”への変化 TaisukeさんにとってBC Oneとは? T:自分自身です。2007年に東京へ拠点を移し、まさに“第二の人生”がスタートしました。その年に初めて開催されたBC One Cypher Japanで初代王者となり、そこからワールドファイナルにも出場。南アフリカや翌年のフランス大会で準優勝を経験し、その後もBC Oneとともに世界を回るようになりました。海外で戦うようになった今の自分を形づくったのは、間違いなくBC Oneの存在です。 Red Bull BC One 2014 World Final - Paris, France Nika Kramer / Red Bull Content Pool BC Oneはどう変わったと思いますか? T:昔はブレイキンを知らない人には届かないイベントでした。でも今は違います。著作権フリー音源の採用、メディアデー(メディア向けの取材日)の導入、ライブ配信の強化などで、ブレイキンを知らない層にも届く大会になりました。世の中の人がBC Oneを知り、ダンサーの背景まで触れられるようになった。ダンサー選考も大きく変わりました。昔は「予選では勝てないけど、この人が出たら面白い」というキャラクター枠もあった。でも今は“勝てるやつしか出られない”厳しい基準になっていると思います。全員が優勝候補であり、特に若い世代を積極的に出す流れが強まっている傾向があります。 Red Bull BC One All Starsの立ち位置は? T:初期メンバーは今年で15周年。それぞれ自分の立場でできることを続けてますね。今は正直、レジェンドが本気で戦う場って減ってきてるんですけど、2024年にやった「Red Bull Lords Of The Floor」は本当に大事な場だったと思います。普段はジャッジとして動いてる世代が、現役のときみたいにフロアに立ってバトルする。その姿って、やっぱりすごく価値があると思うんですよ。レジェンドが勝ち上がるのはもちろんすごいけど、逆に若手がそこで倒して「次の世代は俺たちだ」って証明するのもめちゃくちゃ意味がある。同じフロアでそういう世代が交差するのは、俺的にはすごく面白いし、いいなあって思いましたね。 Red Bull BC One All Stars 2010 Salzburg, Austria Martin Nink / Red Bull Content Pool 求められるスキルも変わりましたか? T:2000年代後半〜2010年代初頭は、基礎能力とオリジナリティが評価される時代でした。その後、構成力・発想力・体力を総合的に備えた者が勝つ時代へ。今は「オリジナリティの時代」から「アイデアの時代」に移ったと感じます。昔は一つ一つの技のクオリティまで厳しく見られていましたが、今はある程度長い構成(ロングムーブ)を踊り切ることが必須。その中で体力、パワー、発想力が問われます。典型的なアスリート型の強さに、芸術家的な(アーティストのような)表現力が加わった者、その両方を兼ね備えていないと勝てない時代です。もはや“一発の大技”だけで勝負できる時代ではありません。 そうなった背景は? T:2010年代までに、ほぼすべての技が出尽くしたからだと思います。オンリーワンだった動きが、今では世界中で何十人もできる。だからこそ、今は発想力で差をつけるしかない。オリジナリティの時代からアイデアの時代への転換ですね。 これからのBC Oneはどうなっていくと思いますか? T:どうなるんでしょうね。将来どうなるかは分からないけれど、自分としてはクオリティはやはり不可欠だと思っています。もっと見せ方のバリエーションが増え、個性と完成度の両方を持つダンサーが評価される流れがまた来てほしいですね。 Red Bull BC One Camp India 2019 Little Shao / Red Bull Content Pool 「Cypher Japanで勝った者こそ、本当の日本代表」 今回の出場の経緯は? T:2月か3月頃にワイルドカード(招待枠)で出てほしいと声をかけられました。九州を変えたいと言っている以上、自分が結果を残さないと説得力がない。だから九州を背負って戦おうと決めました。最初は、いきなりワールドファイナル(の招待枠)を狙うつもりでしたが、年齢的にも無理だよなあと思っていて(笑)、まずはジャパンファイナルからとなりました。今年はワールドファイナルが日本開催という特別な年でもあり、「出るべきタイミングだ」と背中を押された部分もあります。このタイミングでBC Oneにプレイヤーとして戻ることで、また何か“置いてこれるもの”があると思っています。 今回の日本予選の難易度は? T:正直、ワールドファイナルやラストチャンスサイファーよりも、サイファージャパンを勝ち抜く方が難しいと思っています。B-BoyもB-Girlも全員が強く、誰が勝ってもおかしくない。ワイルドカードで選ばれるよりも、この舞台を制する方がはるかに厳しい。本当の意味での日本代表は、このサイファージャパンを勝ち抜いた人間だと思います。そして、ジャッジや解説として関わってきた中でも、年々レベルが上がっているのを肌で感じています。B-BoyだけでなくB-Girlの層も厚く、トップ16に残ること自体が至難の業。逆に言えば、日本予選を通らずにワールドへ行けるのは「本当にラッキーなこと」だと思うくらいです。それだけ注目度も高く、今のサイファージャパンは、日本中が“この人こそ日本代表だ”と思える選手を決める舞台になっています。 戦いたい相手は? T:正直特にないですけど、強いて言うならNicolasですね。The Floorriorzの2代目リーダーでもあり、1on1で当たったことがないので、実際に対峙してどうなるのか見てみたい。逆にNoriは…当たりたくないですね(笑)。“鉄人”と言われるような存在ですから。こうやって言っておいて一回戦で当たる可能性もありますけど、その時はその時かなと思います(笑)。 過去にNoriと対戦したRed Bull BC One 2013 Asia Pacific Final Nika Kramer / Red Bull Content Pool 当日に向けた心構えは? T:構えすぎず、楽しむこと。自分らしい踊りが出せるのは、心から楽しんでいるときです。結果はその先についてくる。勝ちにいくことはもちろん大事ですが、「勝たなきゃ」と気負いすぎると自分の持ち味が消えてしまう。根っからのカルチャー気質なので、構えてしまうと合わないんです。だからこそ、まずはこの特別な舞台を全力で楽しみたいと思っています。 日本ブレイキン史に刻まれる夏 8月16日の「Red Bull BC One Cypher Japan 2025」で優勝したB-Boy/B-Girl各1名は、11月7日(金)に日本で開催される「Red Bull BC One Last Chance Cypher 2025」への出場権を得る。そこで勝ち上がれば、世界中から選ばれたわずか16名だけが立てる「Red Bull BC One World Final」への切符を手にする。今年のWorld Finalには、B-Girl AYUのほか、Red BullダンサーのShigekixとIssinが招待ダンサーとして出場を決めており、日本勢の活躍に期待が高まっている。 世界30カ国以上で予選やプログラムが行われ、20年以上の歴史と伝統を誇るこの世界最高峰の1on1ブレイキンバトル。毎年何千人もの挑戦者の中から選ばれた者だけが、あの舞台に立つことができる。 そして今回、その長い歴史の中でも特別な存在であり、日本のブレイキンシーンを切り開いてきたレジェンド・Taisukeが、約9年ぶりにCypher Japanへ戻ってくる。九州を背負い、再び世界への扉を叩くその姿は、多くのダンサーやファンにとって、大会の行方以上に強く記憶に残る瞬間となるはずだ。彼がこの夏、どんな踊りで何を残すのか。日本中の視線が横浜・大さん橋ホールに注がれる。 The Moments of 「Taisuke × Red Bull BC One」 Red Bull BC One Continent Battle Switzerland 2018 Dean Treml / Red Bull Content Pool Red Bull BC One Cypher in Osaka 2021 Jason Halayko / Red Bull Content Pool Workshop of Taisuke at Sakuragaoka high school in Nagoya 2019 Little Shao / Red Bull Content Pool South Korea 2017 Little Shao / Red Bull Content Pool Red Bull BC One 2016 World Final - Nagoya, Japan Jason Halayko / Red Bull Content Pool Red Bull BC One Cypher France 2025 Little Shao / Red Bull Content Pool Red Bull BC One 2016 World Final - Nagoya, Japan Dean Treml / Red Bull Content Pool Red Bull BC One 2014 World Final - Paris, France Romina Amato / Red Bull Content Pool Mont Saint-Michel France 2017 Little Shao / Red Bull Content Pool
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skate“アーバンスポーツの聖地”福岡県北九州市で、世界最高峰のスケートボードの大会「ワールドスケートボードストリート2025 北九州」がこの秋開催!2025.08.05今年、2025年11月23日(日)〜11月30日(日)の7日間にわたり、福岡県北九州市にて開催される世界最高峰のスケートボード・ストリート種目の大会「ワールドスケートボードストリート2025 北九州」の開催発表会見が、2025年8月5日(火)に北九州市・小倉で開かれ、北九州市長の武内和久氏、大会事務局長の河野眞二氏、そして今大会出場予定選手である2023年度世界チャンピオンの白井空良選手とパリオリンピック金メダリストの吉沢恋選手の4名が登壇した。 今大会が含まれる「ワールドスケートボードツアー」はオリンピック選考大会として認められている唯一のワールドツアー。そのため今大会で良い成績を残しランキング上位にランクインしてシード権を獲得していくことが、3年後のロサンゼルスオリンピックに向けた今後の選考大会に関しても重要となってくる。このことから世界中のトップコンペティターたちが今年重要視しているのがこの北九州大会なのだ。そのような大会ということもあり、世界中45の国と地域から計約200名が出場予定である。 そして今大会の舞台となる福岡県北九州市は過去にブレイキンやパルクールの世界大会を開催しており"アーバンスポーツの聖地"として近年認知を広げている街。大会を各方面から街ぐるみで盛り上げ、アーバンスポーツを「街の日常」として浸透させて、スポーツやカルチャーと融合し「街で未来を作る」ことを目標としている。この秋、そんな"アーバンスポーツの聖地"でロサンゼルスオリンピック選考へ向けたキックオフとなる大会が開催される。是非スケートボードファンの皆さんは会場でその熱い戦いの様子を現地で観戦して欲しい。なおチケット情報に関しては 8月下旬に詳細発表予定だ。 下記は今回の記者会見で語られた各登壇者のコメントをまとめたものである。 北九州市が世界最高峰のスケートボード大会を誘致し目指すのは、アーバンスポーツが日常にある環境 今大会開催における思いを話す武内市長 ©︎WST Japan 北九州市長 武内和久氏のコメント スケートボードをはじめとするアーバンスポーツは、競技の枠を超え、自己表現や創造性、挑戦する心、そして仲間とのつながりを大切にするカルチャーです。これらの価値観はまさにこれからの都市が大切にすべきものであると考えています。 北九州市ではこれまで「日本一、若者を応援する街」を掲げ、ブレイキンの国際大会やパルクールの世界選手権の開催など、若者に人気のあるアーバンスポーツの推進を通じて、まちの魅力と活力を高める取り組みを続けてきました。さらに私たちはアーバンスポーツを限られた施設内だけでなく街の日常に根付かせていくための挑戦も行っています。 そのコンセプトが「パークからストリートへ」で、北九州市が今まさに目指している方向性です。アーバンスポーツを専用施設だけでなく、街中でも楽しめるような環境を整えることで、多くのアーバンスポーツが街中に自然とあふれ、動きのある風景が日常の一部となる。そんな若者や幅広い世代にとっても魅力ある街をつくっていきたいと考えています。 この度、北九州市で開催されるこの大会は、単なる国際大会ではありません。世界最高峰の大会であると同時に、「都市」と「スポーツ」や「カルチャー」とが融合し「まち」で未来を創る。そうした“都市型スポーツイベント”の新たなモデルとなる大会にしたいと考えています。 選手が最高のパフォーマンスを発揮できるよう、会場や環境の整備には市をあげて取り組んでいきます。そして、観客の皆さまにもこれまでにない体験を提供し、心を込めた「おもてなし」でお迎えいたします。 スケートボードは都市の風景とカルチャーが混ざり合う中で発展してきたスポーツです。そのスケートボードと個性ある北九州市の街並みを融合させて、世界に一つだけの大会観戦体験を創出いたします。 白井空良・吉沢恋の両名が語る、世界最高峰の戦いが日本で開催される意味と今大会への意気込み 開催発表会見に参加した白井(左)と吉沢(右)©︎WST Japan 白井空良選手のコメント 白井空良のライディングワールドスケートボードストリート世界選手権2023東京©︎WST Japan ワールドスケートの大会は本当に自分たちが一番大事にしている大会というか、やっぱりオリンピックはみんなの夢で、でもオリンピックに出るためには、この「ワールドスケート」が開催している大会で勝つしか方法がないんです。だからこそ自分たちにとってすごく大事にしている大会です。 そしてその大会が、日本の北九州で開催されるというのは本当に嬉しいことで、「どこで優勝するか」と言われたら、自分はやっぱりここで優勝したいって思っています。 また東京オリンピック・パリオリンピックを経て、スケートボードの存在を知ってくれた人は増えましたが、一方で「どう始めればいいかわからない」とか、「実際の競技を見たことがない」という人もまだ多いと思うので、この大会でスケートボードを始めるきっかけになったり、競技に興味を持ってもらえる機会になってくれたら嬉しいです。 吉沢恋選手のコメント 吉沢恋のライディングワールドスケートボードストリート世界選手権2023東京©︎WST Japan 私にとってもこのワールドスケートの大会は、オリンピック2連覇を目指す上ですごく大事な大会だと思います。それがこの秋に北九州で開催されるというのはとても特別なことですし、それに加えて海外の大会と比べても、日本国内でスケートボードをまだあまり知らない方々にとっても注目してもらえる大会になると思います。そういった意味でも、自分の名前をもっと多くの人に知ってもらう良い機会になると思っています。 一方でたくさんの方が観てくれる大会だと思うので、少し緊張している部分もありますが、何よりも楽しんでオリンピック出場に向けて良い結果が出せるように、自分の持てる力をすべて出し切って頑張りたいと思います。 またスケートボードの良さとして、一人一人がライバルでありながらも、みんなすごい仲が良くて、本番の滑走中でも笑い合ったり、お互いに励まし合ったりするところはスケートボードならでは良いところだと思います。今大会ではそういうところも含めて、スケートボードの良さを知ってもらえたら嬉しいなと思っています。 大会情報 【大会名称】 英 語:World Skateboarding Tour Street 2025 KITAKYUSHU 日本語:ワールドスケートボードストリート 2025 北九州 【開催概要】開催期間:2025 年 11 月 23 日(日)~11 月 30 日(日)観戦可能日程は、28日(金)準々決勝、29日(土)準決勝、30日(日)決勝の3日間を予定会場:西日本総合展示場新館(北九州市小倉北区浅野 3-8-1) 【競技概要】 出場国 : 45の国と地域 参加数 : 約200名 競技フォーマット ・予選 45秒のランを2本実施し、ベストラン(最高得点)のみを採用。 ・準々決勝(シード選手含む40名) 45秒のランを2本実施し、ベストラン(最高得点)のみを採用。 ・準決勝(16名) 45秒のランを2本とベストトリックを3本実施。 ベストラン1本とベストトリック1本の合計スコアで競います。 ・決勝(8名) 45秒のランを3本とベストトリックを3本実施。 ベストラン1本とベストトリック1本の合計スコアで競います。 【チケット販売】 8月下旬に詳細発表。