東京オリンピックから正式種目となったことを皮切りに注目を浴び、現在人気急上昇中である「BMXフリースタイル・パーク」。近年では性別や年齢問わず子どもから大人まで幅広い年代が楽しめるスポーツとしても人気があるこの種目だが、BMXも元々はカルチャーから生まれた遊びであり、このBMXが持つストリートカルチャーも魅力のひとつとして知られている。
今回はそんなBMXフリースタイル・パーク種目の日本最高峰で活躍する傍ら、BMXライダーとしての新たなスタイルを開拓し続け、他の日本人選手とは一線を画すオリジナリティに溢れたトップBMXライダーがいる。
それが神奈川県横須賀市出身の大和晴彦選手だ。BMXやスケートボードなどのストリートスポーツの聖地でもある横須賀市の「うみかぜ公園」をホームとする彼は、物心がついた頃からストリートカルチャーに触れる生活を送ってきたBMX界の申し子。現在はBMXエリートライダーとして世界一を目指し努力を続ける一方でモデルや映像クリエイターとしても活動している。
今回はそんな自分だけのオリジナリティを世の中に提示し続ける大和選手にインタビュー。彼自身が持つBMXスタイルを始め、多分野での活動を通じて追い求める彼のオリジナリティ、そしてその様々な活動がBMXキャリアに与える相乗効果についてを今後の目標も含めて語ってもらった。
大和晴彦(おわ・はるひこ) 以下: H
BMXで表現できるスタイルはライディングだけじゃない。ファッションやバイクデザイン、自分だけのこだわり全てを持ち込む。
特徴的なスタイルを持つ大和選手ですが、最初に自分の「BMXでのスタイル」とは何か聞かせてください。
H:BMXでのスタイルというのは自分の魅せ方だと思っています。僕のスタイルとしてはライディングだけではなく、その時着る洋服や使用するバイク等も全部ひっくるめて、自分のスタイルを持ち込むことをモットーにしています。
また大会によっても、毎回できるだけ違う色のバイクで出場することや、他のライダーが着ないようなファッションをしたり、まだ他のライダーがやっていないトリックをライディングに取り入れるなど、周りとは違うスタイルを魅せるところが自分のポイントなのかなと思います。
ファッションにもこだわりがあるとのことですが、BMXに乗るときの服装で意識していることはありますか?
H:周りがまだやっていないことを先にやるのが僕のスタイルだと思っています。服装に関しても今では迷彩パンツとかカラー系のパンツを穿いているライダーを大会で目にすることもあると思いますが、昔にこういったパンツを僕が穿き始めてからBMX界隈で広まったような印象があります。
服の機能性ももちろん大事ではあるんですが、僕は周りの人とは被らないスタイルで自分がカッコいいと思うファッションをライディングの時にも取り入れるようにしています。
確かに競技として発展する上で服装の機能性も求められていますが、大和選手は特にファッションに気を遣われているのを感じます。ちなみにバイクはどういう風に変えることが多いですか?
H:今回、僕の新しいスポンサーになって頂いた(デサント社の)「MOVESPORT」さんや「Monster Energy」さん等のブランドロゴをバイクに貼らせてもらう中で、そのロゴが映えるようにバイクを塗装したり細かいこだわりを持っています。
また以前はヘルメットに色々な絵を書いてみたり、普通の人があまりやらないことをやって、とにかく人の目に映る部分はカッコよくしようっていうスタンスでやっています。
そんな自分の魅せ方にこだわりを持つ大和選手ですが、ライディングで意識していることはありますか?
H:ライディング中、僕はコンボトリックを多く入れることを重視していますね。どのジャンプでも一つでも多くのコンボを入れられるようにトリックをチョイスしていますし、他のライダーと比べた時に自分の方が少しでも高く飛んでスタイルを出すことで、周りの人より目立てるようなライディングができるように意識しています。
大会では得点も重視されますが、技の難易度だけではなく魅せ方も意識されているということでしょうか?
H:はい。大会は競技の場である一方で、個人的には1分間のショーだと思っています。そのためその1分間の中で見せる自分の仕草だったり、トリック中にバイクを回す角度、人からのあらゆる視線を意識した上で「どれだけ観客を楽しませられるか」を重視したライディングをしています。
僕はいくら上手でメイクするトリックが凄くても、人目につかなかったりカッコよくなかったらダメだと思っているので、自分のスタイルとしては目立つこととカッコよさをずっと追求していきたいと思っています。
たとえ大技がすごくて技術が高くても、スタイルがカッコよくないライダーには絶対なりたくないので、どんなトリックでもメイクする時のスタイルは特にこだわりを持っています。
ストリートカルチャーが身近にある生活の中で、ある海外BMXライダーのライディングが彼のBMXライフに火を付けた。
改めて大和選手がBMXを始めたきっかけを聞かせてください。
H:僕はお父さんの影響でスケートボードを最初に始めました。お母さんもこういうストリートカルチャーが好きでしたし、特にお父さんが結構クレイジーな感じだったので、僕をベビーカーに乗せたままうみかぜ公園のパークに連れて行ったと聞いています(笑)
そんな感じの環境で育ったので1〜2歳頃にはもうスケートボードに乗っていました。子どもながらに覚えているのですが、スケートボードは自分にとっては当たり前にある遊びだったので何の抵抗もなく楽しんでいました。
BMXもスケートボードと同じストリートカルチャーの発祥で身近なものでした。小学校3年生くらいの時にたまたまお父さんとうみかぜ公園に行った時にプロBMXライダーのライディングを見てから、無性に自分のBMXが欲しくなって誕生日に買ってもらったんです。これが僕のBMXライフの始まりでした。
それからBMXに乗り始めて、遊びから競技へどのように本格的にシフトしていったのですか?
H:僕が最初に出場したのは「ペルージャカップ」という大きな大会だったのですが、その大会に知り合いみんなが出るというノリの中で僕も誘われました。本当は出たくなかったんですけど、みんなに「出たら絶対面白いよ」って言われてほぼ強制的に出ることになりました。
その後も当時の僕は本気で競技をやるつもりはなかったのですが、周りが僕のことを本気でプッシュしてくれたことで徐々に大会へ出ていくようになりました。今本格的に取り組んでいるパーク種目にガッツリハマったのは小学6年生〜中学1年生の頃だったと思います。
パークにハマり出したのも友達や周りのライダーが後押ししてくれたことがきっかけですか?
H:実は違うんです。僕自身あまり人に憧れることはないのですが、初めて心からカッコいいなと思ったのがHarry Main(ハリー・メイン)という海外のBMXライダーでした。たまたま知り合いから彼の動画を見せられた時に凄く衝撃を受けて、「本当にパークでこんなトリックをするライダーがいるんだ!」って思いました。それまではストリートしか知らなかったんですけどそこで初めて「パーク種目」の存在を知りましたね。
それから四六時中、彼の動画を見るようになって「俺もパークで乗りたい!」って思い始めて色々なパークへ親に連れて行ってもらったり、友達にも「パーク行こうよ!」って言って一緒に各地のパークを回るようになりました。トリックも海外ライダーたちの動画を見て、見よう見まねでずっと独学でやってきました。
そういう意味では本当にハリー・メインの動画がターニングポイントです。その動画に出会ったのが小学校5年生くらいだったのですが、そのタイミングで今では親友になっているフクシマ シュンとコウスケの二人に出会ってさらに僕のBMXライフに火が付きましたね。
火付け役になった友達は大和選手のスタイルや感覚に似ていたんですか?
H:おもしろいことにそれが全然似てないんです!最初は自分とのモチベーションの違いに「なんだよこいつら」ってずっと思っていたんですけど、だんだんお互いを理解し合って受け入れることでその環境が今度は楽しくて仕方なくなっちゃって。
俺がこの技をメイクしたら誰かが喜ぶんじゃないかとか、あいつがこの技やるなら俺もやろうとか、そういった相乗効果が友達と一緒にいる中で生まれてきたんです。そのおかげで僕はドップリBMX沼にハマっていって今がある感じですね。
自分の原動力はどんなことでもオリジナルを追求し没頭すること
お話を聞いていると、大和選手の原動力は周りがまだやっていない新しいことを開拓することなんだろうと感じます。
H:そんな感じですね。周りを気にせずにとにかく自分のスタイルでずっと楽しんでいることが良かったのかなと思っています。
ちなみに大会で結果を残すために練習中に意識して取り組んでいることがあれば教えてください。
H:練習に行く時は必ず自分の中でその日の目標を決めるようにしています。例えば、大会でやりたい技やまだ完成度が低い技のメイク率を上げることを目標に入れて「このトリックを自分のものにするまで帰らない」と決めて練習したりしています。
その中でも「決めた回数をメイクするまで絶対に帰らないというルール」を自分に課して、毎回なんとか達成するということを繰り返して続けていたら、大会でも表彰台付近までは行けるようになっていました。
また僕は長時間練習することが苦手なのでパークに行ったら1~2時間だけ集中して、その自分ルールの中で同じトリックや大会をイメージしたルーティーンを練習しています。
自分に合ったやり方を見つけて突き詰めている大和選手ですが、自分の強みは何だと思いますか?
H:やっぱり僕は誰からも教わらずにここまで来たことが、自分の強みの一つなのかなと思っています。昔から他の人と違うことが好きで、むしろ同じことが嫌だったので、絶対周りと同じようなライダーにはならないと決めていましたし、これからも自分自身のオリジナルのスタイルを貫いていこうと強く思っています。
一方で、BMXから降りた私生活の中で趣味はありますか?
H:僕はBMXを降りても何か他に没頭できるものが欲しくなるタイプなので、その時ハマっているものが自分の支えになることが多いです。ファッションも好きなのですが、今は車をいじるのがすごく好きでハマっています。BMX以外でも常に何かに没頭していたいんです。
ちなみにその自分の愛車にはどんなこだわりを持っていますか?
H:男心をくすぐるような男の子なら絶対好きな車を作っています(笑)その中でも僕は絶対に車屋さんに出さないと決めていて、自分の理想の車を自分の手で作り上げるというこだわりをブレさせずにやっています。
洋服から車へと創作技術のレベルがどんどん進化していますね。やっぱり自分で作っていくうちに新しいアイデアが次々に湧いてくる感じでしょうか?
H:はい。やっぱり僕は自分で作ることが好きなんですね。創作活動を通じてどの業界にも魅力はあるんだなと感じる一方で、周りと一緒は絶対嫌なので他の人がしていないことを僕はすると決めています。「オリジナル」という言葉が自分に一番しっくりくるなと感じています。
BMX業界だけに止まらず、多分野でも発信し続ける自分のオリジナリティ
そのオリジナリティを発信する場としてSNSがあると思います。どのように活用されていますか?
H:常に自分が納得できるカッコいいものをインスタグラムに投稿するようにしています。それはライディング動画や自分の写真を含めてですが、ダサいものは絶対投稿したくないので素材選定は常に意識しています。個人的にはインスタグラムに投稿することは大きいイベントなので、そこで自分のカッコよさを引き出せるような写真選びと映像作りは常に大事にしています。
なぜならインスタグラムも自分を表現する一つの作品だと捉えているので、投稿一つ一つにエンターテイメントとスタイルを詰め込んで自分だけのカッコいいものを作り上げることを意識しています。
また大和選手はモデルや映像クリエイターとしても活動されていますが、モデルとしてはどんな魅せ方を意識していますか?
H:自分の一番カッコいい表情はもちろんですが、ありのままの自分をカメラマンさんに撮っていただけるように心がけています。たとえTシャツ一枚であっても自分が着ればこれだけカッコよくなれるんだよということを心から思うようにしています。またどんなに小さい仕事でもいかに自分をアピールできるのかを考えたり、常に頂いた仕事に対して全力で臨んでいます。
映像クリエイターとしてはどういったことを意識して活動していますか?
H:常に退屈しないような映像を作ることを意識しています。例えば1分間の映像であっても、そのうち3秒くらい無駄な映像が流れているだけでつまらないと思っちゃうんです。なので、たかが1分なんですけど「あ、もう1分たったの?」って思われるくらい視聴者を退屈させない映像編集をして一つの作品として作り上げるようにしています。
僕が作る映像はBMXはもちろんのこと、最近は車の映像も作りましたし、以前は一度洋服の映像を撮って外部提供した経験もあります。僕は何かの映像を専門で撮るっていうより、色々な映像を自分の色に作り上げることが得意ですね。今後は映像を通して自分をよりカッコよく見せることと、独創性にあふれた自分らしい映像を作っていきたいと思っています。
今後はモデルや映像クリエイターなど多分野でどんな活躍をしていきたいですか?
H:もう何でもしますし、とにかく自分の生きているこの人生に後悔がないようにしたいです。今後も枠にはまらない活動をどんどんしていきたいですね。
このような多分野での活動は、自身のBMX活動にどう活かされていますか?
H:BMX活動だけではなく、僕の全ての活動が土台となって自分自身を支えているような感じがします。なぜなら必ずしも「BMXやりたい」という気持ちだけではライダーとして上手くなれないですし、趣味や友達の存在が「BMXもっと頑張ろう」という意味を与えてくれることもあるからです。
例えば、大会で優勝して友達が喜んでくれることが僕のBMXをやる意味にもなりますし、大会の優勝賞金が車を改造する資金となり自分の趣味が充実することでさらにBMXのやる気にも繋がります。もちろんBMX単体でもすごい技をメイクできた時に周りから「超カッコいいじゃん!」と言われることがモチベーションにもなります。
このように自分を取り巻く全てのものがお互いに支え合うことで大和晴彦が成り立ってるんだと思います。どれかが欠けてしまうだけで、もう僕ではなくなるので本当に一つ一つが僕にとって大切な存在です。
大和晴彦が目指す今後の目標と理想のBMXライダー像
BMXライダーとしての今後の目標を聞かせてください。
H:とりあえず大会で世界一になりたいです。世界一になれば「この時は自分が世界で一番上手かった!」と言えるのでその揺るがない称号が欲しいですね。この称号は僕がBMXを引退してからも話せることですし、周りからも認められる文句なしの成績なので引退後の話題作りとしても最高だと思います。
将来自分が父親になった時にお酒の席で、子どもとこの話ができたらお酒も進むんじゃないかなと思ったりもします(笑)
やっぱり僕の根本的な思いとして、自分が没頭して取り組んでいることでは何でも一番を取りたいですし、今一番その座に近いのはBMXだと思うので引き続き頑張っていきたいと思います。
大和選手にとってBMXはどんな存在ですか?
H:大和晴彦の人生を切り拓いてくれた存在ですかね。BMXがなければ僕が今こうやってインタビューを受けることもなかったですし、色々な人たちに知ってもらうこともなかったと思います。BMXがあって僕がいるっていうのは事実なので、BMXは僕を常に高みに引き上げてくれる大切な存在です。
最後に大和選手が目指している理想のBMXライダー像を教えてください。
H:いわゆるBMXライダーっぽくないBMXライダーになりたいですね。。僕が一番輝けるこのBMXというステージで「ストリート」「パーク」「フラットランド」「レース」といったジャンルに縛られず、全く別の自分だけのオリジナリティを作っていきます。今後も自分だけのスタイルを世間にぶつけていきたいと思います。
大和晴彦プロフィール
2002年7月26日生まれ。神奈川県横須賀市出身のBMXライダー。8歳の時に父の影響でBMXを始める。13歳で「ペルージャカップ」に最年少で出場し表彰台2位を獲得した。2020年東京オリンピック強化選手に選抜され、2021年にChimera a-sideで優勝を飾るなど数々の主要大会で頭角を現す。現在はファッションモデルや映像クリエイターとしても活躍しBMXライダーの新たな可能性を切り拓いているBMXフリースタイル界の若きパイオニア。スポンサーはMOVESPORT、Monster Energy、モトクロスインターナショナル、CounterAttractionなど。
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FINEPLAYはアクションスポーツ・ストリートカルチャーに特化した総合ニュースメディアです。2013年9月より運営を開始し、世界中のサーフィン、ダンス、ウェイクボード、スケートボード、スノーボード、クライミング、パルクール、フリースタイルなどストリート・アクションスポーツを中心としたアスリート・プロダクト・イベント・カルチャー情報を提供しています。
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surf日本のキッズたちにサーフィンを通じて自然を大切にすること、そして夢を与え続けたい「Reo Inaba Meet&Greet Supported By CARIUMA」2024.10.222024年10月18日(金)に大阪府大阪市の「心斎橋BIGSTEP内 特設ステージ&SPOTAKA」 にて、この夏パリオリンピックで日本人最高位の5位入賞を果たしたプロサーファーの稲葉玲王選手と触れ合える「Reo Inaba Meet&Greet Supported By CARIUMA」が開催された。 本イベントは、世界最高峰を舞台に活躍しているプロサーファーでありCARIUMAアスリートの稲葉玲王選手から自身の経験を元に、次世代の子供達へサーフィンやサステナブルに対する想いを伝えるミート&グリートとなった。 オリンピックまでの軌跡がまとめられた「Road To Olympic 2024」の上映 イベント当日は一般の方に無料開放される形で二部制での開催。第一部では心斎橋BIGSTEP内の特設ステージにて、稲葉玲王本人による挨拶とパリオリンピックに向けたドキュメンタリーを含めて撮影した「Road To Olympic 2024」の映像前半を会場内ビックスクリーンで放映。稲葉選手に会うために会場に訪れたキッズサーファーや親子連れはもちろんのこと、会場周辺に買い物や観光で訪れた海外観光客や学生たちなど多くの人々が立ち寄った。 第二部の「SPOPAR」会場でのトークセッションの様子 第二部では場所を同じ建物内に店舗を構えるスポーツショップのSPOTAKAのスケートパーク「SPOPAR」に会場を移して、CARIUMA JAPAN(丸紅コンシューマーブランズ株式会社)の滝本氏とのトークセッション、「Road To Olympic 2024」の上映、さらには来場者とのQ&A、サイン会、写真撮影など、ここでは至近距離で実際に稲葉選手と交流できる場が設けられた。 イベントに駆けつけてくれたCole Yamane(一番右) また当日は「Road To Olympic 2024」の映像制作に携わった映像クリエイターのCole Yamane(コール・ヤマネ)も来場。偶然にも日本で旅行中の彼がイベントに駆けつけてくれた。 Q&Aではキッズサーファーを中心に多くの来場者からたわいもない質問からテクニカルなサーフィン関連の質問まで、気になることを稲葉へストレートにぶつけられ、稲葉本人も質問によっては困惑するも終始笑顔で楽しく質問に答えていた。 なお本イベントの第二部の様子はFINEPLAYの公式インスタグラムでライブ配信を行い、アーカイブ映像も残っているため具体的な内容が気になる方は是非チェックしてみてほしい。 稲葉玲王選手にイベント前に特別インタビューをさせていただいた。 そして今回のイベント開催にあたってFINEPLAY編集部では稲葉玲王選手本人に特別インタビューを敢行。この夏のパリオリンピックの話はもちろんのこと、環境保護やサステナブルな活動を推進するブランド「CARIUMA」との関係、自身の活動を通して次世代の若手に伝えたいこと、最後に今後の活動とこれからの抱負についても聞いた。 稲葉玲王特別インタビュー インタビューに答える稲葉選手と、本人が愛用する「UBA PRO」 日本人選手最高位5位となったパリオリンピックを終えて - 率直に今回初めてオリンピックに出場してみてどうでしたか? 実際に今回オリンピックに出場して、いまだにオリンピックに出たという感覚があまりないのですが、でもやっぱりオリンピックは皆さんにも知られているようなとても大きな舞台で、自分としても今までで1番大きな舞台だったので、本当にすごい良い経験になりましたね。 - 会場がタヒチでフランスから離れていたこともあったからですかね。 そうですね(笑)パリにも行っていないですし、会場にはサーフィンの選手しかいないのでオリンピック感はあまりなかったのですが、逆に日本に帰ってきてから取材やテレビ出演などで他競技のオリンピアンの人たちと会うような機会があって「あ、俺本当にオリンピック出たのか」みたいな感覚ですね。 -日本人選手最高位5位という結果でしたが、パフォーマンスを振り返っていかがですか? やっぱりあと1歩のところでメダルを取れなかったことがとても悔しいですし、もったいなかったなという気持ちです。でもパフォーマンスとしては結構良い演技ができましたし、3回戦目でワールドチャンピオンのフェリペ・トレド(ブラジル)を倒すことができたのでそういう面では良い結果だったかなと思います。 「Road To Olympic 2024」上映会ではタヒチでのライディングの様子も見られた。 - ちなみにそのパリオリンピック出場に至るまでに注力して取り組んだことはありますか? タヒチのチョープーは、世界中どこに行っても同じような場所が見当たらないくらい波がすごい特殊な場所なので、危険で怖いですしその波に慣れることが1番大事だったので、1年半ぐらい何度も現地通って、色々なコンディションの波に合わせて練習してきました。その中でもチューブがメインの大会になるのが分かっていたのでチューブを特に練習しました。 - そのパリオリンピックを終えて競技への取り組み方に変化はありましたか? メダルにあと1歩のところまで行けたことで、世界のトップレベルで戦えるという自信になったのでもう1回やっぱりあのレベルで戦いたいですし、次のロサンゼルスオリンピックも目指していきたいと思っています。 サステナブルスニーカーブランド「CARIUMA(カリウマ)」とアスリート契約を結んだ経緯 「CARIUMA(カリウマ)」の持つビジョンに共感し契約を決めた稲葉選手 - どのような経緯で「CARIUMA(カリウマ)」との契約に至ったのでしょうか? ハワイの友人であるセス・モニーツがスポンサーを受けていたこともあり、元々「CARIUMA(カリウマ)」のことは知っていました。靴のデザインもかっこよくて自分好みだったので買ったこともあり、お気に入りで普段からよく履いていた中、カリウマジャパンが始まったタイミングでありがたくアスリート契約のお話を頂いたので契約を決めました。 靴のデザインが好みと語る稲葉選手 - ちなみにアスリート契約を結んだ決め手を詳しく聞かせてもらえますか? やっぱり靴がスタイリッシュでかっこいいところが1番です。あとは環境保護やサステナビリティのこともすごい考えているブランドで、特に環境保護はサーファーがとても大事にしていることなので一緒に世界に向けて発信していけたらなと思っています。 - 稲葉選手がお気に入りの「CARIUMA(カリウマ)」アイテムの特徴があれば聞かせてください。 ちょうど今も履いている「UBA PRO」というモデルは、見た目もかっこいいんですけどすごい履き心地が良くて、昨日も1日中USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)内を歩き回ったんですが、足が疲れることもなく大丈夫でした(笑) サーファー稲葉玲王として大事にしている環境保護やサステナビリティへの想い トークセッションではサステナビリティと環境保護の大切さも語られた。 -サーフィンシーンではサステナビリティや環境保護はどのように捉えられていますか? 海を必要とするサーフィンシーンにとって温暖化は深刻な問題になっていて、やっぱりサーフスポットがどんどん少なくなっていたりと本当に深刻で、そういった状況の中で自分1人でできることはとても少ないですけど、地元のビーチで毎月ビーチクリーンをしたり今できることを取り組んでいます。 今後は、サーフィンを通じて自分のこの自然を大事にしたいという思いを色んな人に広めていくためにも、「CARIUMA(カリウマ)」がやっているような活動や今回のようなイベントを一緒にやっていきながら世の中に広めていければと思っています。 - 稲葉選手はサステナブルな活動にはどんな想いを持たれていますか? 自分にとっては海が1番大事なので、その海を含めこの自然を守っていく活動を進めながら、この自然環境に感謝して大切にしたいという想いが強いです。 自分の活動を通して次世代の若手たちに伝えたいこと 稲葉選手へキッズサーファーたちから色々な質問が投げかけられた。 -競技者稲葉玲王として次世代の若手たちに伝えていきたいことを聞かせてください。 しっかり自分の持つ夢や目標を大事にして、 それに向かって諦めないことが1番大事なことだなと感じています。あとはその目標とかに向かう過程で、人と違うことをやってみたりとかどんどん色々なことにチャレンジするのも大事だと思うので、キッズサーファーや若手の子たちにはこういったことを意識して頑張って欲しいなと思います。 - またキッズサーファーたちにサステナビリティや環境保護の観点からも知っといて欲しいことがあれば聞かせてもらえますか? そうですね。サーフィンなので当然なことでもあるんですけど、とはいえいつも好きな時に海で練習できる環境が実は当たり前ではないので、そういうことも頭に入れながら海に感謝して、今後環境保護に対してももっと意識していってほしいです。 稲葉玲王の今後の活動とこれからの抱負について 終始大盛況で終わったミート&グリートイベント - 今後の競技での目標や、競技外でも取り組む活動があれば聞かせてください。 競技者としては、もう1回オリンピックのような世界のトップレベルで戦いたいという気持ちがある中で、世界ツアーをもう1回周ろうと思っていますし、もちろんその中で次のロサンゼルスオリンピックもちゃんと頭には入れながら競技をやっていきたいと思います。 競技外だと今回のイベントもその第一歩かもしれないですが、 次世代の日本人サーファーたちの底上げに貢献していきたいです。自分も今までずっと「日本人も世界で戦えるぞ!」ということを証明したいと思ってやってきたので、自分が培ってきたものを次世代に繋げていきたいです。 CARIUMAのシューズを手にするキッズサーファー - 最後にサーファー稲葉玲王として今後目指していきたいことを聞かせてください。 日本のキッズに夢を与えていきたいです。それはサーファーに限らず何かで高みを目指している日本のキッズたちの夢に僕がなれたらかっこいいなと思っているので、これからも彼らに夢を与え続けられるように頑張ります! イベント概要 名称:Reo Inaba Meet&Greet Supported By CARIUMA 日程:10月18日(金) 18:00~20:00 場所:心斎橋BIGSTEP 特設ステージ&SPOTAKA (大阪府大阪市中央区西心斎橋1-6-14) CARIUMAについて CARIUMA(カリウマ)は、2018年にフェルナンド・ポルトとデヴィッド・パイソンによって設立されたB-Corp認定のコンシャス・スニーカー・カンパニー。現在ではオスカー受賞者、グラミー賞受賞者、オリンピック選手にも愛用されており、人と環境を第一に考える、時代を超越したクラシックスニーカー。またCARIUMのスニーカーはそのクラシックなスタイルに高級素材を使用しており、ほぼすべての服装に合わせることが可能。更に使用素材はすべて最高品質で耐久性もテスト済み。CARIUMAは長持ちする製品を作ることを信条としているため、マスプロダクション削減にも貢献している。 CARIUMAが行う「森林再生」について カリウマは靴1足が売れるごとに2本の木を植えます。このプログラムは完全に私たちのチームによって運営されており、単に木を植えるだけでなく、ブラジルの熱帯雨林の全体的な再生に焦点を当てています。私たちは、植樹の一部を先住民の土地に植え、先住民の文化や知識を高めることに取り組み、現在約70人の先住民(グアラニー族とトゥピニキム族)が私たちのプログラムに関わっています。これまでに250万本以上の植樹を行っており、今後もさらに多くの植樹を行う予定です。カリウマはあなたのために、そして地球に優しいシューズを作ります。 SPOTAKA(スポタカ)とは 従来のスポーツショップとは違う角度から「スポタカ」という新たなスタイルで発信している大阪ミナミのリアルスポーツショップ。2022年に創業100周年を迎えた当店は、日本のサーフィンシーンに関しても創成期から支えており、シーンの発展に貢献してきた立役者としても知られている。
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danceブレイキン日本代表が上海で躍進!FISE上海大会 Shigekix 金メダル、 Ayumi 銅メダル獲得!2024.10.202024年 10 月 19 日と 20 日に、中国 上海市(シャンハイ)にて、WDSF Breaking for Gold World Series が開催された。本大会では 16 ヵ国から 72 名の選手が参加し、日本からは 6 名(男女各)の日本代表選手が出場。 6 名の代表選手は危なげなく DAY2 である TOP16 へ進出し、男子決勝はパリ五輪のグループリーグでも対戦相手であった、Lithe-ing(中国)に見事勝利し、Shigekixが金メダルを獲得。また女子の Ayumi は TOP4 で Royal(中国)に敗戦したものの、3 位決定戦にて 2:1 で勝利を納め、銅メダルを獲得した。 SHIGEKIX AYUMI Shigekixコメント 今日は優勝という形で終えることができて本当に嬉しい気持ちです。これまで用意してきたものがちゃんと発揮できたその喜びに胸がいっぱいです。そし て、これがパリオリンピックの後の大きな大会になったので、一歩踏み出す勇気を出せたと思います。応援ありがとうございました。 Ayumiコメント 無事に FISE 上海が終わりました。自分自身ダメだったところもたくさんあったんですが、次に向けてそれらを課題に頑張っていきたいと思います。応援ありがとうございました。
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bmx度重なる怪我や困難を乗り越え、男子エリートは中井飛馬が悲願の優勝「第41回全日本自転車競技選手権 – BMXレーシング」2024.10.14「第41回全日本自転車競技選手権 - BMXレーシング」が2024年10月12日(土)~10月13日(日)に2日間にわたり、大阪府堺市の大泉緑地サイクルどろんこ広場にて開催された。男子エリートでは中井飛馬選手、女子エリートでは藪田寿衣選手が今年度の全日本チャンピオンの座を獲得した。 今年のBMXレーシング種目の全日本選手権は昨年とは異なり連日天候に恵まれ、大会当日も雲ひとつない晴天の空の下、10月とは思えない暑さの中でプログラムは進行していった。 今回の会場となった「大阪府堺市大泉緑地サイクルどろんこ広場」では昨年、一昨年に引き続き3年連続の全日本選手権開催となり、チャンピオンシップ(エリート・U23・ジュニアを含む)とチャレンジカテゴリーを合わせて全34クラスにて老若男女のBMXライダーたちが全国から集まり日本一の座を争った。 また全日本選手権と言えば、「観るスポーツ」としても会場を盛り上げる演出の数々も欠かせない。今回も目を惹く大型バナーやスクリーンの装飾と観客エリアの設置や、チャンピオンシップカテゴリー決勝の選手呼び込み時にはスモークを使用するなど特殊効果演出が、観客や選手たちのボルテージを最高潮に引き上げていた。 以下は、今大会大注目のチャンピオンシップカテゴリーの決勝レースのレポートである。なお今回、チャンピオンシップカテゴリーは人数の関係から各種目にて予選決勝を含む3ヒート合計の順位で争われたため、本記事では表彰台を確定させた最終レースのみをピックアップして紹介する。 男子エリートは中井が2019年ぶり自身2度目のタイトル、女子エリートは藪田がエリート初タイトルを獲得 男子チャンピオンシップカテゴリーでは目を引く空中戦が繰り広げられた。photograph by Japan Cycling Federation / Satoshi Oda 男子チャンピオンシップカテゴリー チャンピオンシップカテゴリーは3ヒート合計という難しい戦いに。photograph by Japan Cycling Federation / Satoshi Oda 男子エリートクラスは総勢8名のエントリーとなった中で日本一の座を争う形となった。今回は3ヒート合計というフォーマットも相まって、1レースでも失敗するとダイレクトに最終結果に響いてくることから、拮抗したレース展開を見せていた。なお今回最終レースでのポイントとしては、1本目と2本目を1位通過して日本一に大手をかける中井飛馬を、暫定2位の一昨年の全日本チャンピオンの島田遼と、暫定3位の昨年の全日本チャンピオンの増田優一が抑えることができるかに勝敗が分かれる戦いに思えた。しかし、そんな周りの予想をよそに今回も見事なスタートダッシュを決めたのは、世界最高峰で活躍し日本のBMXレーシングシーンを牽引している中井飛馬。 終始強さを見せた中井飛馬(#71)photograph by Japan Cycling Federation / Satoshi Oda 最終レースは6コースということもあり、一番インコースからのスタートとなった増田の猛追も懸念されたが第1コーナーで前へ出ると、その後のプロセクションや第3ストレートもそのリードを保ったまま最終コーナーへ。2位につけた増田が猛チャージで距離を縮めるもわずかに届かず、中井が最後まで逃げ切り2019年から5年ぶりとなる自身2度目のエリートクラスでのタイトルを獲得した。そのまま2位には増田、3位には島田という着順になったが、1本目と2本目の合計でリードした島田が最終的に2位、増田が3位で今大会を終えた。 ここ数年、パリオリンピック予選大会もある中で何度も大怪我に見舞われ自分の思うようなレースができておらず悔しい思いをしてきた中井。そんな彼が今回5年ぶりの全日本タイトルを見事獲得した。ロサンゼルスオリンピックに向けて新たな4年が始まろうとしている中で、幸先良いスタートを切った彼が今後国内外のレースでどんな走りを見せてくれるのかにも注目だ。 男子アンダー23タイトルを獲得した北川晃久(#53)photograph by Japan Cycling Federation / Satoshi Oda 男子アンダー23クラスには計7名が集まり日本一の座が争われたが、一本一本が重要であるためか、2本目ではプロセクションで選手2名が接触して転倒したり途中棄権となるなど、まさに「自転車の格闘技」といった内容で最後の最後まで結果がどうなるかが分からない波乱の展開が繰り広げられた。 そんな中、5名の選手で迎えた最終レースは、優勝候補の一角であった中林凌大が1本目と2本目を上回るべく1位でゴール。しかし1本目と2本目を1位を収めて3位で最終レースを終えて、終始安定した強さを見せた地元大阪の北川晃久が優勝し初タイトルを獲得。同じく安定して2位ポジションを守った島田壮が2位、その後に中林凌大が3位と続く形となった。 ジュニアタイトルを獲得した狩峰颯太郎(#65)photograph by Japan Cycling Federation / Satoshi Oda 男子ジュニアクラスは6名の選手がエントリー。途中で1名の棄権もあり5名の選手で迎えた最終レースは、1本目で1位、2本目で2位と安定してトップ位置を守った地元大阪の狩峰颯太郎がここも1位で収めて初タイトルを獲得。その後に続き野村羽玖が2位、岸龍之介が3位と続く形となった。 女子チャンピオンシップカテゴリー 統合クラスとなった女子チャンピオンシップカテゴリーphotograph by Japan Cycling Federation / Satoshi Oda 女子のチャンピオンシップカテゴリーに関しては、今回も出場者数の関係からエリート・U23の2クラスが統合での開催となった。6名の選手が集まった今大会は統合クラスでの戦いになったものの、今回の出場メンバーは東京オリンピックとパリオリンピックの2大会連続日本代表の畠山紗英をはじめ、各クラスの前年度のアジアチャンピオンである藪田寿衣や西村寧々花など世界を股にかけて活躍する日本代表選手たちが勢揃いした。 レースの展開としては、各レースで接触や転倒があり最後まで結果がわからない展開に。最終レースではスタート後に畠山と丹野が接触し丹野が転倒。その転倒には巻き込まれず見事に逃げ切り、3本共に安定した順位を残した藪田寿衣が全日本チャンピオンタイトルをエリートカテゴリーで勝ち取った。その後に続いたのは前年度のタイトルホルダーでオリンピアンの畠山、そしてベテランの瀬古という順になった。 U23カテゴリーのタイトル争いを制した西村photograph by Japan Cycling Federation / Satoshi Oda U23カテゴリーのタイトル争いは野村と西村による一騎打ちとなったが、昨年タイトルを逃して悔しい思いをした西村が3本とも強さを見せるライディングで野村を上回りが見事タイトルを獲得した。 大会結果 左から島田、中井、増田の順photograph by Japan Cycling Federation / Kenichi Inomata <男子エリート>優勝: 中井 飛馬 (ナカイ・アスマ) / MONGOOSE・ XLARGE準優勝: 島田 遼 (シマダ・リョウ) / GAN TRIGGER3位: 増田 優一 (マスダ・ユウイチ) / 大阪体育大学 左から畠山、藪田、瀬古の順photograph by Japan Cycling Federation / Kenichi Inomata <女子エリート>優勝: 籔田 寿衣 (ヤブタ・ジュイ)準優勝: 畠山 紗英 (ハタケヤマ・サエ)3位: 瀬古 遥加 (セコ・ハルカ)/ iRC Tire 左から島田、北川、中林の順photograph by Japan Cycling Federation / Kenichi Inomata <男子Under23>優勝: 北川 晃久 (キタガワ・アキヒサ) / Deux Roues Elite Team 準優勝: 島田 壮 (シマダ・ソウ) / S-PRO BMX CLUB 3位: 中林 凌大 (ナカバヤシ・リョウタ) / 弱虫ペダルサイクリングチーム 左から野村、西村の順photograph by Japan Cycling Federation / Kenichi Inomata <女子Under23>優勝: 西村 寧々花 (ニシムラ・ネネカ) / 大阪体育大学・GAN TRIGGER準優勝: 野村 凪沙 (ノムラ・ナギサ) / Ace Race Australia Factory Team 左から野村、狩峰、岸の順photograph by Japan Cycling Federation / Kenichi Inomata <男子ジュニア>優勝: 狩峰 颯太郎 (カリミネ・ソウタロウ) / STAYSTRONG JAPAN・Deux Roues Elite Team準優勝: 野村 羽玖 (ノムラ・ハク) / NoLogo Racing Japan3位: 岸 龍之介 (キシ・リュウノスケ) / モトクロスインターナショナル 大会概要 ⼤会名称 : 第41回全日本自転車競技選手権 - BMXレーシング開催期間 : 2024年10月12日(土)~10月13日(日) -2日間-大会会場:大阪府堺市 大泉緑地サイクルどろんこ広場(大阪府堺市北区金岡町128)主 催 : 公益財団法人日本自転車競技連盟主 管 : 一般社団法人全日本フリースタイルBMX連盟後 援 : 大阪府、堺市、堺市教育委員会、公益財団法人JKA協 力 : 大阪府自転車競技連盟、特定非営利活動法人ドゥールース(サイクルピア岸和田) 特別協賛:TOYO TIRE
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doubledutch日本のダブルダッチがパリ五輪 2024の“エキシビジョンアクト”に!2024.10.11世界を熱狂の渦に巻き込んだパリオリンピック。4年に一度催される“平和の祭典”だが、今回はストリートカルチャーの関係者から一際注目を浴びた回だったように思う。2021年の東京オリンピックで開催されたスケートボード・BMXに加え、ブレイキン(ブレイクダンス)が種目として採用。数々の名勝負が生まれ、そして日本のストリートカルチャーの強さと勢いを世界へと知らしめた。 さて、その傍らで、2本のロープを用いたジャンプロープ(なわとび)である「ダブルダッチ」もパリ五輪と関わりがあったことをご存知だろうか?正式種目としての採択はされていないものの、パリ五輪の様々な会場でパフォーマンスと体験会が行われたのだという。 その取り組みに、日本からは世界三連覇のプロチーム・REG☆STYLEよりKO-YAとKEITA、そして将来を嘱望されているMillennium CollectionよりASUKIの3名が参加。彼らがパリで見た景色とは。そしてダブルダッチ・ジャンプロープがオリンピックの正式種目入りを目指し、世界的に活動を広げている中で、この取り組みは“希望の光”となり得るのだろうか? 現地パリにて、左からKEITA・ASUKI・KO-YA どんなことをしてきたの? まずは、今回の取り組みについて解説しよう。国際オリンピック委員会(IOC)からの依頼を受け、国際ジャンプロープ連合(IJRU)に所属する選手のうち、日本・アメリカ・フランス・香港から4カ国のジャンプローププレイヤーが招聘。ブレイキンやBMX、スケートボードなど、アーバンスポーツ系の会場を中心に取り組みを行ったという。 メンバーのKO-YAはこの取り組みについて、後にこう振り返っている。 「全てのエキシビションコンテンツを見れているわけではないですが、オリンピックの正式種目になっているジャンル以外で、これだけいろんなところで会場を盛り上げられていたのはジャンプロープしかなかっただろう、という印象と手応えはありました」 現地ではショーやバトルなど、さまざまなコンテンツが催されたという。 各国のジャンプローププレイヤーたちと 世界からの思いと“日本流”を背負って 今回、KO-YA・KEITA・ASUKIの3名がパフォーマーとして参加したパリ五輪。国内外のジャンプロープカルチャーにとって重要な影響を与えることになる役割だが、最初にKO-YAがこの話を受けたときの印象について、振り返ってこう語った。 「めちゃくちゃ覚えています。とにかくワクワクしたし、やっぱり『オリンピック』ってものをみんなで目指そうとしている僕らにとって、確実に大きな経験値になるだろうなと。それを直に肌で感じられる場所に行けることは、経験もフィーリングも確実に大きいものを得られるなと思いました」 パフォーマー3名と、JJRU(日本ジャンプロープ連合)事務局長である原竹 純氏 「また先輩たちが築き上げてきてくれたおかげで、僕たちが歴史的通過点に立てるわけで、そこへの感謝と同時に強く責任も感じました。このカルチャーを世界のみんなでオリンピックに、という気持ちはあるけど、日本が育ててきたダブルダッチのカッコよさや面白さ、そして人間的にも成長させてくれるような競技としての奥深い部分、そういったことをシェアできる喜びと、しなければならないという責任感。ジャンプロープ、ダブルダッチ、日本の代表として、しっかり存在感を見せつけないといけないと強く感じました」 実際のジャンプの映像は、ぜひKO-YAのインスタグラムをご覧いただきたい ところで、日本はジャンプロープ強豪国と言われているのをご存知だろうか。KO-YA率いるREG☆STYLEも、世界大会において前人未到の3連覇を果たすほか、ソロバトルやスポーツジャンルにおいてもさまざまなタイトルを獲得。その強さの秘訣について、KO-YAはこう分析している。 「ジャンプロープにも色々なジャンルがありますが、僕らがやっているダブルダッチのフュージョン*に絞って話をすると、音楽と合わせたエンターテイメント性はかなり強みだと認識しています。ショーとしてしっかり成立していて、お客さんを沸かせる技術に特化しているなと。他の国のショーと比べても、日本は緻密に音にハマっているし、もちろんスキルもある。見ている人たちの心を掴む、“会話”する感じのパフォーマンスなんですよね」 *フュージョンダブルダッチのジャンルの一つ。単純に技を点数化するスポーツジャンルとは異なり、音と動きを“融合”(フュージョン)するスタイルのことを指す。 2019年、REG☆STYLEとして世界三連覇を果たした世界大会にて中央がKO-YA、一番右がKEITA 「実は日本でダブルダッチを最初に始めたのはダンサーなんです。でも、それが大きかったのではないかなとも。ロープの中でのグルーヴ感やリズム、そういったダンサブルな動きは日本ならではですね。あと、日本は“カルチャー”として動いている。他の国はスポーツ的なんですよね。良し悪しあると思いますし、それが各国大切にしているスタイルですから否定したい意図はないのですが、ファッションへのこだわりや音楽性に紐づいた演技、歴史的なところを熟知している部分とか、そこは日本流の強みだと思っています」 目の前に広がる“世界の熱気” 話をパリに戻そう。世界のプレイヤーたちが願ってやまないオリンピックの正式種目化。形は違うものの、今回そのステージに立ったKO-YAはどんな景色を見てきたのか。当日を振り返り、“世界的な祭典”の勢いと熱気を、興奮混じりに語ってくれた。 「やっぱり世界的なお祭りだった。うん、やっぱりなんか、みんなの熱気が凄いんですよね。街どころか国ぐるみのイベントだし、ただいろんな人種の人もいて、そのたくさんの人が一体になって作り出している熱気の感覚というのが、本当に凄まじかったです」 ブレイキンの会場にて、日の丸をまとった外国人と 「あと、みんな“お祭り”にきている感覚ということもあるんでしょうか、みんながポジティブな印象も受けました。これがオリンピックの作るPEACEな空気感なんだと。ブレイキンで日本のB-GIRL AMIちゃんが金メダルを獲ったときも、日本人だけじゃなく世界中の人が一緒に沸いてくれて、他の国を称え合うようなムーブメントに肌で触れて、『オリンピックってマジで素敵だな』って、心の底から感じましたね」 その一方で、感じていた“責任感”の部分についても語ってくれた。 「これまで経験してきたステージと比べても、やっぱり文字通り『全世界』が注目している場面だな、凄いなっていう感覚がありました。どうやらオリンピックチャンネル*に自分が映ったみたいなんですけど、それも何カ国の何人が見てるんだろうなっていう。地球丸ごと見られてるんだろうなっていう感覚があって(笑)。もう鳥肌もんでした」 *オリンピックチャンネル国際オリンピック委員会(IOC)が運営するインターネットテレビ局。日本語をはじめとした11ヶ国語に対応し、世界中に配信されている。 KO-YAたちの現地パリでのようすは、KO-YAのインスタグラムにも投稿されている。リールは現時点(2024年10月時点)で多いものだと約70万再生、また数多くのシェア(拡散)もあった。なかには「これを次の種目に入れてくれ」という趣旨のコメントも多々あったといい、未来への手応えや正式種目化への自信も感じたという。 「あくまで通過点」 日本のジャンプロープシーンを牽引し続け、今もなお現役として数々のチャレンジに挑む。長年にわたって現場で戦い続けているKO-YAへ思うところを訊くと、こんな言葉が返ってきた。 「オリンピックにはなってほしい。けど、あくまで通過点に過ぎないとも思っています」 「一番は、このジャンプロープというカルチャーが世界に広がってほしいということ。僕らが『カッコいい』と思って積み重ねてきたものが、より広がってほしいなと思うんです。でも、だからこそオリンピックは重要な通過点になると思うから、絶対になってほしい。それが広がって、いつかジャンプロープのワールドカップが生まれたり、あとは普段から切磋琢磨して高め合っている他のストリートカルチャーと一緒にワールドカップが出来たりしたら、めちゃくちゃ面白いなって」 シーンを“自分ごと”として語る彼の言葉には、決してただの“夢物語”ではない力強さがあった。そんなKO-YAにだからこそ、最後に敢えて彼自身のこと、これからへの思いについて訊いてみた。 「僕個人としては、まずダブルダッチ・ジャンプロープをもっと広めるキッカケになりたいと思っています。そのために、1つは今ジャンプロープをやっている世界の人たちとコミュニケーションを取って、素敵だと思ったものをみんなでシェアしていきたい。もちろん次世代の子たちのことも考えて。そしてもう1つ、ダブルダッチを知らない、やっていない人たちへ『こんなヤベえもんがあるんだ!』ってことを伝えたい。イベントに脚を運んだり、出たりということも大切ですが、今はSNSの時代なので、いわゆる“空中戦”での身捌きも大切だなと思っています」 「自分自身、もしオリンピックになった時にどのような関わり方をするか、出来るかは分かりませんが、きっと正式種目化のキッカケを作る側の立場にはいるだろうと、責任感は感じています。でも欲を言えば……パリ五輪を見て、やっぱりオリンピック出てぇ〜、自分が選手として金メダル獲ってみたいなって思いましたね(笑)。次に可能性があるのが8年後のオーストラリアのブリスベン五輪とのことで、8年後だと自分は42歳。出れるのか、そもそもプレイヤーとしてやっているかすら分かりませんが。ただ、B-GIRL AYUMIさんも40歳でオリンピックのステージに立っているから、別に全く無い話ではないなとも思っています。希望は捨てずに」 KO-YAの言葉がますます熱を帯びる。シーン全体を支える自負と、いちプレイヤーとしてのあくなき探究心が、今日まで彼がトップランカーとして輝き続けてきた理由なのかもしれない。今後の思いを語るなかで、再びKO-YAの言葉がシーン全体の話へと戻っていく。 「あと、さっきジャンプロープの仲間にシェアしていきたいという話もしましたが、むしろ“刺激を与えたい”とか“刺したい”という感覚に近いかもしれませんね。世界一丸となってムーブメントを起こしていく上で、ジャンプロープ全体の持つスポーティーな感覚と、僕ら日本のダブルダッチカルチャーが培ってきたカルチャー的感覚、そこを織り交ぜた唯一無二のものを目指していきたい。輸入したり、逆輸入してもらったり。そのためにも、自分が説得力を持った存在でなければならないなと思っています」 2022年、“個人戦”でチャンピオンに輝いた瞬間 日本のジャンプロープを支えるKO-YAの存在は、表からも裏からもシーンに強い影響を与え続ける、唯一無二のトッププレイヤー。彼が随所に口にした先達への感謝と、未来への希望。インタビュー中盤でも語ってくれた、ダブルダッチというスポーツの〈人間的にも成長させてくれる〉という魅力を体現するような生き様は、まさに彼がダブルダッチそのものであることを証明するようなものだった。 この先のことは分からない。しかし思えば、日本にダブルダッチが“輸入”された1992年から、暗中模索の状態でカルチャーを築き上げてきた。そこから30年余りが経過し、確実にシーンは前進している。まだ見ぬ未来と、感じた手応え。道なき道をジャンプで進む旅人たちの足音が、今日も響き続けている。