彼の勢い止まるところを知らず。BMXフラットランド界の神童、片桐悠が今シーズン3度目の優勝【FLATARK produced by ARK LEAGUE】in YUSF

2023.08.02
ガッツポーズを掲げる片桐悠
photograph by ©Yoshio Yoshida, Hikaru Funyu / YUSF

「YOKOHAMA URBAN SPORTS FESTIVAL’23(以後:YUSF)」が横浜赤レンガ倉庫内イベント広場・赤レンガパーク(神奈川県横浜市中区)にて2023年7月29日(土)~30日(日)の2日間に渡り開催され、本イベント内でBMXフリースタイル・フラットランド種目の大会として行われた【FLATARK produced by ARK LEAGUE】にて片桐悠選手が大会初優勝を収めた。

昨年に引き続きARK LEAGUEは、BMXフリースタイル・フラットランド種目の大会「FLATARK」およびスケートボード・ストリート種目の大会「SKATEARK」をYUSF内で開催。今回のFLATARKは昨年とは異なるカテゴリー設定により、性別及びレベル以外でのカテゴリー分けはせず、子どもから大人までミックスした実力勝負という珍しい競技スタイルとなった。なお出場者人数も日本最大規模であり全日本選手権に匹敵するレベルの中で、全国から集まったBMXライダーたちによる熱い戦いが繰り広げられた。

会場の様子
©Yoshio Yoshida / YUSF

なお今大会のステージも昨年とは異なり、本イベント会場である赤レンガパークの中央に設置され、ステージサイドには赤レンガ倉庫内の商業施設が位置することから、観客がアクセスしやすいこともあり2日間に渡って、終始たくさんの観客に囲まれ大盛り上がりの中で開催された。

以下は、今大会最注目となったMen’s Hiカテゴリーの決勝戦のリポート。

強さの秘訣はどんな状況でも決め切る力。世界チャンピオン経験者たちが凌ぎを削る戦いで、強さを示したのは片桐悠。

片桐悠の代名詞トリック「フルバイクフリップ」
©Hikaru Funyu / YUSF

灼熱の太陽に晒されて暑さが厳しい晴天の中、その暑さに負けないくらい熱い戦いが繰り広げられた今大会最高レベルのMen’s Hiカテゴリーには若手からベテランまで国内のトップライダー18名が参加。決勝では予選を勝ち上がった10名にて優勝争いが繰り広げられた。

なお今回のMen’s Hi決勝の競技フォーマットは、60秒間のソロラン1本+30秒間のベストコンボ6本の合計7本のうち、上位スコア3本の合計得点により順位を決める形で1本あたり最大10点の最高30点満点でジャッジされた。

昨年大会との大きな違いはベストトリックの本数が2本増える一方で制限時間が30秒へ短縮されたこと。ライディング中の転倒を含め足をつく動作や時間内にルーティンを終えないと0点になるシビアなルールから、高難度トリックを今までより短いルーティンの中で決め切ることが求められる、昨今の各大会とは大きく異なる難しさが選手たちを襲った。

実際、選手たちは攻めのライディングを余儀なくされる中、制限時間のプレッシャーもあるからかトリックを決めきれずミスを連発。最後の最後まで誰が優勝するのか分からない試合展開に選手と観客ともに目が離せない状態が続いた。

片桐悠のライディング
©Hikaru Funyu / YUSF

そんな緊張感のある戦いを見事制したのは片桐悠。60秒間のソロランではリアタイヤを軸にしたスピンを中心に、回りながら手足のポジションを入れ替えたり、バイクを回転させたりと目まぐるしく様々な高難度のリアトリックをルーティンに盛り込んだライディングを見せる。途中ミスしかけるもうまくリカバリーし最後はペダル軸でのスピンを決めて8.4ptでランを終える。

その後のベストトリックでは1本目、5本目でミスがあるも、2本目ではバイクをお腹側にしてペグ軸での加速からバイクを半回転させペダル軸にトランスファー。その体勢から再度バイクフリップで半回転させペグ軸に戻るルーティンで8.7ptをスコア。3本目では彼のオリジナルでもある「フルバイクフリップ」から2度の異なる高速スピンを加えたルーティンで8.9ptをマーク。そして最後の6本目では、4本目でもメイクしたリアトリックの姿勢から細かくバイクを横回転させる動きにスピンを取り入れ、最後にバイクをもう一度お腹側を通してペグでキャッチするルーティンで8.5ptをマーク。
見事3本ともに8点台後半でまとめて今大会一番のメイク率で合計26.1ptとし優勝を収めた。

佐々木元のライディング
©Hikaru Funyu / YUSF

準優勝は2022年UCI世界チャンピオンの佐々木元。ソロランではフロントトリックのルーティンの中に「フルバーフリップ」やツーフットの状態でのノーハンドフロントスピンで片桐悠と同じ8.4ptをマーク。

ベストトリックではなかなかメイクできない状態が続くも、3本目ではクロスフットのフロントスピンの形からランを始め、バイクを持ち替えてハンドルとサドルを掴んで片足だけクロスで離した状態でのペグ軸のフロントスピンを組み込んだコンボで8.5pt、また4本目ではフロントスピンをベースに繋げた難しい姿勢でのフロントトリックのルーティンで8.7ptを獲得。
何とか評価対象となる3本を8点中盤から後半でまとめるも合計得点を25.6ptとして、片桐悠には届かず準優勝となった。

片桐亮のライディング
©Hikaru Funyu / YUSF

3位は今回優勝した片桐悠の兄で同じく世界王者の経験を持つ片桐亮。ソロランでは自分の持ち味であるリアタイヤを軸にしたロングコンボを中心にランを展開。バイクを背面に持つ難しい姿勢から加速していきスピン中にバイクを持ち替える高難度ルーティンで8.3ptをマーク。

ベストトリックでは1本目ではリアトリックでのフロントスピン中に体勢を入れ替えていき、最後は背面に持っていたバイクを自分の身体だけを回転させることで正姿勢に戻す高いバランス力が垣間見えるルーティンで7.6ptをマーク。
そしてもう1本は3本目でバイクを背面に捉えながらツーフットの姿勢で加速するリアトリックからワンフットでバックスピン。スピン中にバイクを跨ぎ一周させてまたツーフットの姿勢に戻り最後はバイクをスピンさせてペグキャッチ。
このルーティンが8.5ptの評価を受けて3本の合計点を24.4ptとして3位入賞を決めた。

内野洋平のライディング
©Hikaru Funyu / YUSF

また表彰台は逃したものの、今大会で唯一9点台を叩き出した内野洋平にも触れておきたい。BMXフラットランド界を新たなステージに引き上げ続ける彼は、ARK LEAGUEのオーガナイザーとして長年大会を支える一方で、このFLATARKを含め数えきれないほど様々な大会での優勝経験を持つ現役プロライダー。

そして今回9.0ptの評価を受けたバックワーズマニュアル to バイクフリップからのもう一度バイクフリップで締めるルーティンは彼のオリジナルトリック。
結果としては惜しくも他のベストトリックでミスが続き点数を重ねることができなかったが、そのオリジナルトリックをメイクした瞬間に選手たちが駆け寄って、同時に会場全体も大きな歓声をあげたのがとても印象的だった。それは常に彼が最前線でネクストレベルへ挑戦しているからこそ成し得る評価で、今もなおその挑戦が進行形であることを示した瞬間だった。

内野らとハイタッチをする片桐
©Hikaru Funyu / YUSF

そしてそんな内野を師匠としているのが片桐悠。確実に内野の教えやスキルを自分のものとして落とし込み、その上でオリジナリティを極めている弟子の片桐は「X Games Chiba 2023」で金メダルを獲得するなど強さを見せている。彼の活躍を含め今後のBMXフラットランド界がどのように進化していくのか目が離せない。

優勝者コメント

優勝した片桐とYUSF実行委員長の五十嵐光晴氏
©Hikaru Funyu / YUSF

片桐 悠 選手
「FLATARKには他の大会にないベストトリックがあるのでそこが一番楽しかったですし、昨年決められなかったフルバイクフリップをしっかり決めることができて、その結果優勝できてよかったです。次回は9点台を出したいと思います。皆さん応援ありがとうございました。」

大会結果

<MEN’S HI >

©Hikaru Funyu / YUSF

優勝: カタギリ ユウ
準優勝: ササキ モト
第3位: カタギリ リョウ
4位: イソガイ タクミ
5位: ウチノ ヨウヘイ
6位: タマル ナオト
7位: ショウジ ユウ
8位: モリヤ タカト
9位: エノキ タカヒロ
10位: マツバラ リョウガ

<WOMEN’S>

©Hikaru Funyu / YUSF

優勝: スズキ ニナ
準優勝: ホンムラ カリン
第3位: ナカガワ リョウカ

<MEN’S LOW>

©Hikaru Funyu / YUSF

優勝: ヒシカワ タカトラ
準優勝: オガワ ソウスケ
第3位: ワタナベ ソウタ

大会概要

⼤会名称 : 【FLATARK produced by ARK LEAGUE】
イベント名称:YOKOHAMA URBAN SPORTS FESTIVAL’23 (略称:YUSF)開催期間 : 2022年7月29日(土)~30日(日)- 2日間 –
※詳細は公式HPをご覧ください。
大会会場:横浜赤レンガ倉庫 イベント広場・赤レンガパーク(神奈川県横浜市中区新港1-1)
主催:YOKOHAMA URBAN SPORTS FESTIVAL’23 実行委員会協賛:株式会社乃村工藝社 / フォルクスワーゲン グループ ジャパン 株式会社 / 株式会社J&J事業創造 / GoPro合同会社 / 株式会社イプサ / 株式会社プレミアムウォーター / 株式会社三養ジャパン / 学校法人岩崎学園 / 株式会社ビーズインターナショナル / キリンビバレッジ株式会社 / ピュア・ストレージ・ジャパン株式会社 / ホンチョ
パーク協賛:株式会社ムラサキスポーツ / 六甲バター株式会社 / 株式会社バルクオム / 株式会社ユニオンゲートグループ / カシオ計算機株式会社
協力:一般社団法人ARK LEAGUE / 有限会社 OVER THUMPZ / 株式会社IAM / 株式会社トリデンテ / 一般社団法人パルクール鬼ごっこ協会 / レッドブル・ジャパン株式会社 / FINEPLAY / 公益財団法人日本バスケットボール協会 / 一般社団法人神奈川県バスケットボール協会 / 日本チアダンス協会
後援:横浜市にぎわいスポーツ文化局
企画制作:株式会社横浜赤レンガ / 明治商工株式会社 / 株式会社ローソンエンタテインメント / 株式会社テレビ東京 / 株式会社グリーンルーム / 株式会社ゼータ

執筆者について
FINEPLAY編集部
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