今が人生で一番幸せ。佐々木元が悲願の世界選手権初優勝「2022UCIアーバンサイクリング世界選手権」BMXフラットランド種目

2022.11.14
日本代表選手が表彰台独占
photograph by UCI, JFBF, whynit.picture

「2022 UCIアーバンサイクリング世界選手権」BMXフラットランド種目がアブダビ(アラブ首長国連邦)にて、2022年11月9日(水)~11日(金)の3日間に渡り開催され、男子エリートでは佐々木元選手が自身初の世界チャンピオンの座を獲得。また女子エリートでは世界選手権初出場の中川きらら選手が3位入賞を果たした。

2019年11月の中国・成都大会から世界選手権に採用されたこのBMXフラットランド種目。新型コロナウィルスの影響により全ての大会が中止となってしまった2020年を経て、新型コロナウィルスの余波を受けながらも2021年6月に無観客の中で開催されたフランス・モンペリエ大会、そして3回目の開催となったのがこのアラブ首長国連邦・アブダビ大会だ。

今回、日本代表選手として派遣された男子エリートの佐々木元、伊藤真人、早川起生は世界でも皆が認めるトップライダー、また女子エリートには全日本チャンピオン経験もあるルーキー中川きららと今大会でも大活躍が期待された。

以下は、日本人選手たちが大活躍した男女エリートクラス決勝の大会リポート。

男子エリートは佐々木元の優勝を筆頭に日本人勢が表彰台を独占。女子エリートでは世界選手権初出場の中川きららが見事3位入賞。

BMX競技ではフリースタイル・パークとフラットランドの2種目の世界選手権が行われた「2022 UCIアーバンサイクリング世界選手権」の大会折返し日となった11月11日(金)にBMXフラットランド男女決勝が行われた。

佐々木元のライディング
photograph by whynit.picture

2022年5月ワールドカップ(モンペリエ)でも表彰台を独占し世界を驚かせたばかりのBMXフラットランド日本男子。その際3位入賞したベテラン選手の佐々木元は、世界選手権も表彰台常連でありながら2019年3位、2021年2位と、もう一歩のところで優勝を逃してきた。

今大会では公式練習からアブダビの気候も相まってステージを「得意な路面」と手応えを感じていた佐々木は、予選・準決勝共に繊細な高難度トリックで魅せ1位通過。決勝でも勢いそのままに自身のオリジナルトリックも組み込んだ高難度のルーティンをフルメイクし悲願の世界選手権初優勝を果たした。 

伊藤真人のライディング
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また世界選手権初出場2名も大活躍。伊藤真人は会場を大きく使う得意のスタイルで観客の心を掴み、 様々な種類の「ディケイド」を用いたダイナミックな技で構成されたルーティンを無駄の無いスムーズなライディングで見事フルメイクして堂々の2位に。解説も伊藤の走りの正確さに「マシン」と呼ぶほどだった。

早川起生のライディング
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早川起生は予選から少しミスが出て順位を伸ばしきれず苦戦するも、決勝では高難度のトリック「タイムマシーン」を始めバイクを前後に切り替え回転させながら、得意の高難度スピン系トリックを決める攻めのライディングでいくつかのミスもカバーし得点を伸ばして見事3位に。その結果、世界選手権にて男子エリートの表彰台を日本代表選手が独占するという偉業を達成した。 

中川きららのライディング
photograph by UCI

女子代表の中川きららは、初の海外派遣を感じさせない好調を見せ予選を1位通過するも、決勝では力を出しきれず優勝を逃した。それでも3位と大健闘し、2019年の成都大会で準優勝した石崎光紗季に続く2人目の世界選手権入賞者となった。

日本人選手コメント

photograph by JFBF

佐々木 元 選手 / 所属 鎌ケ谷巧業 (男子エリートクラス)
今、この瞬間が生まれてきて一番幸せです。プレッシャーも大きかったですが、観客やライダーの仲間からの応援がとても力になりました。自分が今までやってきた繊細な技が評価されたこと、メイク率を重視した構成が勝因だったと感じています。自分が勝ったことで、今一緒にいる日本代表チームや日本のみんなが盛り上がってくれたら嬉しいです。」

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伊藤 真人 選手 / 所属 GETIT BMX スクール  (男子エリートクラス)
「テーマパークのパフォーマーとして2015年から2年間アブダビに住んでいたこともあり、この世界選手権に出られて本当に嬉しかったですし、たくさんの人にこのレベルを目指したいと思ってほしいと感じています。
もちろんBMXは大会だけが全てではないですが「BMXが好きで乗り続けていたら世界選手権で勝てるようになった」という僕のような人を育てるべく、育成にも力を入れ日本のシーンに貢献していきたいです。」

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早川 起生 選手 / 所属 Red Bull (男子エリートクラス)
「日本代表として参戦できたことをとても嬉しく感じています。ただ自分の求めるライディングができなかったことは悔しく、結果には納得していません。まだまだ多くの人に自分のライディングで驚いてほしいし、自分をきっかけにBMXフラットランドを知ってほしいので、この結果をバネにまた頑張ります。」

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中川 きらら 選手 / 所属 佐賀東高校 (女子エリートクラス)
「BMXを始めた小6の時に夢だった「BMX で世界一」を叶える舞台に立てたことはとても嬉しかったです。ただ決めたかった技が決めきれなかったのでこの3位という結果は悔しいです。みんなに憧れられるライダーになることを目指し今後はライディングと共にメンタルも鍛えていきたいです。」

大会結果

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<男子エリート>
優勝: 佐々木 元 (ササキ・モト) / 日本 93.83pt
準優勝: 伊藤 真人 (イトウ・マサト) / 日本 90.50pt
第3位: 早川 起生 (ハヤカワ・キオ) / 日本 86.67pt

photograph by JFBF

<女子エリート>
優勝:  Aude Cassagne / フランス 87.00pt
準優勝: Julia Preuss / ドイツ 74.50pt
第3位: 中川 きらら (ナカガワ・キララ) / 日本 74.33pt

大会概要

大会名称 : 「2022 UCI アーバンサイクリング世界選手権大会 」
開催期間 : 2022年11月9日(水)~13日(日) – 5日間 –
開催都市:アブダビ(アラブ首⻑国連邦) 
出場選手:BMX フラットランド種目
男子エリート9カ国21名(決勝8名)、女子エリート4カ国6名(決勝4名) 

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