日本勢、ワールドカップ・ボルダリング年間王者なるか

2018.08.13
shuhei kaneko

世界王者は、野口啓代か、野中生萌か。イェルネイ・クルーダーか、楢崎智亜か

2018年8月17日、18日の2日間、ドイツ・ミュンヘンで「IFSC クライミング・ワールドカップ ボルダリング ミュンヘン2018」第7戦(以下「ボルダリングW杯ミュンヘン大会」)が行われる。

IFSC クライミング・ワールドカップ ボルダリング」(以下「ボルダリング・W杯」)はIFSC(国際スポーツクライミング連盟)が主催する国際大会。毎年行われるボルダリングの年間を通じたシリーズ戦で、「ボルダリングW杯ミュンヘン大会」は2018年シーズンの最終戦であり、その成績によって今年の年間王者が決定される。

ボルダリングはスポーツクライミング競技の1種目で、高さ5m以下の壁を制限時間内に登り切った数を競い合うが、それぞれの選手たちが難易度の高い崖を模した壁を、己の肉体のみを用いていかに攻略するかが最大の観戦ポイントであり魅力でもある。

例年熾烈な戦いが展開される「ボルダリングW杯」。2018年の今季もこれまでに激しい首位争いが展開されてきたが、最終戦「ボルダリングW杯ミュンヘン大会」での結果次第では順位が入れ替わる可能性も大いにあり、予断を許さない状況だ。

直近の大会の第6戦、2018年6月8日、9日にアメリカ・ベイルで行われた「IFSC クライミング・ワールドカップ ボルダリング ベイル2018」(以下「ボルダリングW杯ベイル大会」においても、日本勢が男女合わせて4名入賞を果たし、ボルダリング大国としての層の厚さを見せつけた。

杉本怜が初優勝!IFSCボルダリングワールドカップ「ベイル大会」

写真:(公社)日本山岳・スポーツクライミング協会

女子では2人の日本人選手による激しい争いが展開された。その2人とは、2017年シーズン女子年間ランキング3位、そして今シーズンは3大会連続優勝を成し遂げており、4大会連続優勝を狙うクライミング界の女王・野口啓代(TEAM au)。

そして、2017年シーズンは野口に次ぐ年間ランキング4位に入り、今シーズンにおいてはそれまで4戦連続表彰台に登っており、乗りに乗っている野中生萌(TEAM au)の2人である。

しかし残念ながら両名は最終課題においてともに完登(課題を登りきること)することが叶わず、惜しくも大会決勝での順位を落とすこととなった。優勝の座には4課題中3完登をしたアレックス・プッチョ(アメリカ)が輝き、残念ながら野中生萌は2位、野口啓代は3位という結果に終わった。

IFSCボルダリングワールドカップ「ベイル大会」

写真:(公社)日本山岳・スポーツクライミング協会

男子では、第5戦「IFSC クライミング・ワールドカップ ボルダリング 八王子2018」でも3位に入賞を果たした杉本怜(北海道山岳連盟)が2013年の「ミュンヘン大会」(ドイツ)以来5年ぶり自身2度目の優勝に輝いた。2位はショーン・ベイリー(アメリカ)。そして2016年のシーズン年間ランキング1位、2017年は年間ランキング2位のフィジカルモンスターと呼ばれる楢崎智亜(TEAM au)は今回3位に留まった。

そんな混戦を極めた第6戦「ベイル大会」の結果を受けて、世界王者を争うワールドカップ・ランキングも大きく変動した。

ワールドカップ・ランキングは大会の順位ごとに得点が加算されていく計算方法だが、女子では、「ベイル大会」で2位に入ったことにより500.00ポイントの野中生萌がそれまで首位であった野口啓代を抜かし1位に躍り出ることとなる。

しかし、2位となった野口啓代も495.00ポイントと、その差は5ポイントの僅差であり、次の最終戦「ミュンヘン大会」の結果次第ではどちらが優勝する可能性もありうる状況だ。

クライミングW杯・ボルダリング八王子2018

野中生萌/photo:masahiro mizuguchi

クライミングW杯・ボルダリング八王子2018

野口啓代/photo:masahiro mizuguchi

また男子においても、2017年シーズンはランキング9位であったイェルネイ・クルーダー(スロベニア)は400.00ポイントで1位を守り抜いているものの、楢崎智亜が396.00ポイントと僅か4ポイント差で2位につけており、首位の座を虎視眈々とうかがっている。3位には322.00ポイントの杉本怜、そして4位には296.00ポイントでアレクセイ・ルブツォフ(ロシア)がつけており、こちらもまだまだ安心とは言えない。

クライミングW杯・ボルダリング八王子2018

楢崎智亜/photo:masahiro mizuguchi

男子・女子ともに最終戦「ミュンヘン大会」ですべてが決まる。

世界王者は、野口啓代か、野中生萌か。イェルネイ・クルーダーか、楢崎智亜か。

男子女子ともに最後まで予想できない峻烈な争いが繰り広げられる「IFSCクライミングワールドカップ2018」、その最後の闘いを制し、世界王者の座につくのはいったい誰なのか。

次回の最終第7戦「IFSC クライミングワールドカップ ボルダリング ミュンヘン2018」に全世界の注目が集まっている。

IFSC クライミングワールドカップ ボルダリング 2018年間成績及び日本人成績

<男子>

1位 イェルネイ・クルーダー(SLO) 400.00

2位 楢崎智亜(TEAM au) 396.00

3位 杉本怜(北海道山岳連盟) 322.00

4位 アレクセイ・ルブツォフ(RUS) 296.00

5位 チョン・ジョンウン(KOR) 247.00

―――――――――――――――――――――――――――――

6位 藤井快(TMEA au) 233.00

7位 高田知尭(鳥取県山岳・スポーツクライミング協会) 205.00

11位 藤脇祐二(福井県山岳連盟) 159.00

14位 原田海(神奈川大学) 129.00

15位 緒方良行(神奈川大学)122.00

19位 村井隆一(千葉県山岳連盟) 99.00

20位 渡部桂太(住友電装) 97.00

21位 石松大晟(Base Camp) 88.00

32位 楢崎明智(栃木県山岳連盟) 34.00

33位 波田悠貴(日本体育大学) 28.00

41位 渡邉海人(平成国際大学) 14.00

54位 北江優弥(大阪府連盟) 3.00

<女子>

1位 野中生萌(TEAM au) 500.00

2位 野口啓代(TEAM au) 495.00

3位 ファニー・ジベール(FRA)305.00

4位 スターシャ・ゲージョ(SRB)222.00

5位 カーチャ・カディッチ(SLO)202.00

――――――――――――――――――――――――――――――

12位 伊藤ふたば(TEAM au) 136.00

22位 加島智子(埼玉県山岳連盟) 66.00

23位 中村真緒(青山学院大学) 60.00

27位 小武芽生(エスエスケイフーズ) 54.00

28位 尾上彩(福井県連盟) 52.00

36位 菊池咲希(世田谷総合高等学校) 40.00

38位 倉菜々子(安城高等学校) 37.00

43位 杉村紗恵子(兵庫県山岳連盟) 22.00

今後の予定

8月17-18日 IFSC クライミングワールドカップ(B)ミュンヘン2018(ドイツ)

*予告なしにスケジュールや開催地が変更されることがございます。

ご注意ください。

執筆者について
shuhei kaneko
愛知県出身。学生時代、ハードコアパンクにのめり込み、ストリートカルチャーやアクションスポーツに興味を持つ。自動車ディーラー勤務を経て、現在は福祉系の会社に勤務しつつ執筆、編集を行う。全ての人の心を揺さぶる、ストリート・アクションスポーツの素晴らしさやアスリートの魅力を伝えていくために日々研鑽中。
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