野村訓市さんによる、VANS「コンフィクッシュ」のスニーカー革命論

2021.01.15
FINEPLAY編集2部

40歳を超えたら……カッコいいだけの靴はもういらない!?
狙うべきは、“カッコ良くて足腰に優しい靴”の一択だ。そんな都合のいい靴があるかって? ソール技術が格段に進化した今、探せばいろいろあるんだこれが!

これぞ“履き心地革命”!大定番の超進化 〜野村訓市・文〜

古い伝統や歴史のあるシンプルなプロダクトを愛する者というのは、爽やかな顔をしてその魅力を語りたがる癖がある。キャンバス製スニーカーの素晴らしさやそれを洗ったりする行為が素晴らしいのだとか、コードバンでできた革靴を1時間かけて磨くことこそが瞑想の時間なんだとか、古いコーヒーメーカーで順序正しく作ったコーヒーこそこの世でいちばんうまいコーヒーだとか。

そしてたいていの場合、そういう人は、現代の新しいプロダクトを激しく口撃することが多い。余計な機能のせいでデザインが損なわれているとか、便利さを追求するだけが進化じゃないとか、たとえ普段アイフォーンを使い、飛行機で出張に出かけ、次の車はテスラにしたいと思っていたとしても。

それはなぜか?

それはですね、腹の奥底にドス黒い嫉妬心が渦巻いているからですよ。昔ながらのデザインに固執するあまり、己が味わえない機能や便利さに対して。自分が我慢しているのに、その楽さを甘受している者が許せないわけですよ、我々は。あっといけない、我々と言ってしまいましたよ。彼らはですね。

リーバイスは501、しかも昔のものに限ると一生を懸けて語ってしまった者は、気温が35度を超える日でも、パンツの中がもう小籠包のように蒸れ蒸れだったとしても我慢してはくんです。薄手のデニム、ストレッチの利いたデニムがあろうとも、己のポリシーを曲げるわけにはおいそれといかんのですよ。

そんな我ら、いや彼らにとって目の上のタンコブ、ムカつく度100%のアイテムといえばハイテクスニーカーだった。業界の大手がこぞってリリースする、軽くて蒸れず、もう永遠に歩けるんじゃないかと思うほどクッション性のあるハイテクスニーカー。

そんなデザイン、シンプルな服装に合うわけないと高を括っているうちに流行は変わり、いつの間にか何でもありになり、すっかり市民権を得てしまった。ヴァンズのオーセンティックやコンバースのチャックテイラーなど、重いラバーソールのキャンバス製スニーカーを愛する自分にとっては、クソ面白くない世の中になってしまったのだ。

あぁ俺も楽になりたい! 雨が降れば痛む膝を、ハイテクスニーカーの誇るクッション性で優しくいたわってやりたい。まるで素足で歩いているかのようなその軽さで、心も軽やかにしてやりたい。人目につかない夜、近所をハイテクスニーカーで歩き、その機能に驚愕し、何度浮気をしようと思ったことか。けれど、できないのだ。昔から愛してきたマイメンたちを見捨てることなど。

やがてその苦悩はハイテクスニーカーにさっさと切り替えたやつらへの恨みとなり、呪詛となっていった。そう「コンフィクッシュ」、厳密に言うならばその前モデルである、ウルトラクッシュに出会うまでは。

コンフィクッシュの「オーセンティック」は軽さもクッション性も、フィット感も従来とは段違い。秘密は生ゴムの原料を泡立てて凝固させた超軽量ミッドソールやアーチサポートを加えたインソール、シュータンと靴底を伸縮するバンドでつないだ新構造など多岐に及ぶ。オーシャンズ世代諸君、行きつけのマッサージを1回我慢すれば、購入できますぞ。 / photo by 清水健吾

ヴァンズはやりやがったのです。オーセンティックやオールドスクール、スリッポン、SK8ーHIといった伝統のキャンバスモデルを、デザインはそのままにソールをフォームで一体成型することで、ビーサンのような軽さと、柔らかいクッション性を持つハイテクスニーカーに生まれ変わらせたのだ。

そうクルマでいったら、往年のアメ車なのに、足回りは最新のエンジンにサスペンションといったようなもの。自分の好きな格好を変えることなく、機能性だけを味わわせてくれるこいつこそ、真の技術、本当の革命。

続々登場している「コンフィクッシュ」ファミリー。左から8500円、7500円、9000円、1万円[10月発売予定]/すべてヴァンズ(ヴァンズ ジャパン 03-3476-5624) / photo by 清水健吾 

世の中のシンプルなヴァンズファンたちよ、40歳を超えていろいろ手前の足回りの機能低下に困っていた同志たちよ。心せよ。コンフィクッシュを履いた瞬間に視野がググッと広がりますぞ。そしてその日から、昔から集めたコレクションがあるとしたら、もう2度とそいつらを履くことはないということを自覚せよ。なぜなら、それほどいいから、「コンフィクッシュ」は。

photo by 清水健吾 
styling by 星光彦 
text by 野村訓市

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(この記事はOCEANS:連載 オーシャンズな男は「ずばりDENIMに戻りたい」 より転載)
元記事は関連リンクへ↓

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