この度、一般社団法人渋谷未来デザインは「アイデアと触れ合う、渋谷の6日間。」として、日本最大級のソーシャルデザインをテーマにした東京・渋谷の都市フェス「SOCIAL INNOVATION WEEK SHIBUYA 2022」(以下、SIW)を11月8日(火)~13日(日)の6日間にわたり開催した。 今年で5年目になるSIWは去年と同様、渋谷エリアの多拠点会場とオンライン配信にて並行し行われた。
今回は多種多様な数あるセッションの中、FINEPLAY編集部が厳選した注目のセッション、「Shibuya Urban Sports Day : Round Table Talks」 のレポートをお届け。
「Shibuya Urban Sports Day : Round Table Talks」では渋谷の街で啓蒙されているアーバンスポーツの発展に様々な形で関わる業界関係者が集まり「ポストTOKYO2020」と「街とアーバンスポーツ」という二部のセッションにわたってトークが繰り広げられた。業界最前線で関わっている彼らだからこそ感じるアーバンスポーツの大きな変遷についてや、このアーバンスポーツ界のさらなる発展のためにアイデアを出し合う時間となった。
「ポストTOKYO2020」
昨年世界中に感動を与え、このアーバンスポーツにおいても複数の競技が新競技として大きく取り上げられた東京オリンピック。
第一部では「ポストTOKYO2020」をテーマにこの東京五輪を通して起きた変化を、大会組織委員会として最前線で携われたスケートボード・チームジャパン・ナショナルヘッドコーチの小川元さんと3×3バスケットボールの競技運営に長年従事されている安田美希子さんの2名に加えて、アーバンスポーツ界の発展に欠かせない「ショップ」の立場として「ムラサキスポーツ」のマーケティング担当の遠藤大輔さん、そして当メディアFINEPLAYの運営会社である株式会社ZETA代表取締役CEOの財満栄治の計4名が登壇した。
このセッションではTOKYO2020にて各アーバンスポーツが競技として採用決定がされてから大会開催まで、大会開催中での業界の動き、大会開催後の業界の変化と大きく3つのマイルストーン置いた中で語れた。
まず競技として採用が決定してから大会開催までの期間で感じたこととして、小川さんと安田さんの2人が声を合わせて言ったことがスケートボードと3×3バスケットボール共に、カルチャーをバックグラウンドに持つスポーツであるため競技として採用されることでそのカルチャーが失われるのではという不安だったとのこと。
小川さんは「スケートボードの知名度を上げるためにオリンピック種目になった方が良いという意見と、スケートボードらしさがなくなってしまうからオリンピック種目にならない方が良いという意見の両極端でしたが、スケーターの間では反対的な意見の方が多かったです」と語り、安田さんも「元々3×3バスケットボールは街中で遊ばれているストリートバスケでカルチャーやファッション的な要素が大きいので、競技に持ち上げることで今までの遊びの要素が失われるのではという不安が業界の中で出ていました」と語った。
そんな業界の中で立ち込める不安を背に、コロナウィルスの影響を受けて一年延期して開催された本大会の競技運営に携わった小川さんと安田さんだったが、個人の主観としては2人ともオリンピックという決められたルールが多い環境下でディレクションに関われたことは良い経験だったと話す。
小川さんは「オリンピック特有の厳しいルールの中でいかにスケーターに良い環境を与えられるかを考えることが大変でしたが、今後のスケートボード業界の発展に活かせる要素をたくさんを得られた良い経験でした」と話し、安田さんも「コロナウィルスで一年遅れたことで内部の変化も大きく大変でした。でも今回の東京から始めた取り組みとしていろんなタネを撒いてきたことが少しずつ形になり次のパリでは花が開きそうです」という業界の発展につながる前向きなコメントを口にした。
また東京オリンピックによる業界への注目度は大きく変わっていたことをメディアの視点から財満は「オリンピック競技になったことでTVやスポーツ新聞の報道陣が増えて2倍から3倍になりましたし、オリンピック期間中は弊社のメディアの閲覧数も10倍以上でした。提携メディア数も倍になりました」と話した。
さらにショップの立場でありながら企業として選手をサポートしているムラサキスポーツでは、選手たちに見られた変化を遠藤さんが「大会開催が一年ずれることで選手の人生が大きく変わるのを肌で感じました。2020年開催だったら出場選手もメダリストの顔ぶれも今と全然違っていましたし、オリンピックで選手たちのステージが変わるくらい大きな出来事でした」と語りオリンピックが選手に与える影響を体験談から語った。
東京オリンピック開催後の影響としては各方面にてプラスになってきたとそれぞれが話した。
スポーツの側面から、小川さんは「国内の現場はあたかもオリンピックが元からあったかのように受け入れています。カルチャーやスポーツの側面などスケートボードにいろんな選択肢が増えたので業界全体としてはオリンピックを行ったことでプラスになったと思います」と話し、安田さんは「オリンピック種目になったことで箔がついて企業や行政とのイベントが開催しやすくなり、競技としての可能性も増えました」と語った。
なお一方で選手たちを取り巻く環境の変化に関しては遠藤さんが「それがオリンピックを通してこれらのスポーツが知られて選手に注目が集まるようになりました。企業のスポンサーなどが付きやすくなり、お金が生まれて選手たちが活動しやすくなったという部分では弊社もサポートする上で良かったなと思う部分が大きかったです」と語り、長年選手たちをサポートしてきた側として彼らのステージが上がったことを喜んだ。
最後にセッションの締めとして「今後のアーバンスポーツがどうなって欲しいか?」という問いには総じてアーバンスポーツと地域との関係に着目した意見が寄せられた。そこで特に語られたのが「アーバンスポーツをもっと身近に楽しめる環境づくり」。
小川さんは「各地の街中で各スポーツのトップ選手を集めて複合的なイベントを行うことで競技間でも相乗効果が生むことができ、そこの地域でもいろんな取り組みが生まれるので思います」と話し、安田さんも「上手い下手関係なく、プロや子どもたちも一緒に楽しめる環境が街中に作りみんなが楽しめるスポーツにしていきたいです」とコメントした。
そして最後に財満は「その街の行政や一般の方と協力してどうやっていけるのか。ソフトとハードの両面から時間をかけて取り組んでいきアーバンスポーツフレンドリーな社会になってほしいです」とセッションを締めた。
「街とアーバンスポーツ」
第二部では、第一部の「ポストTOKYO2020」の締めにもなった今後のアーバンスポーツと地域の関係を起点にした「街とアーバンスポーツ」を議題に、第一部から引き続き小川さん、遠藤さん、財満の登壇者3名に加えて、3×3バスケットボールのプロチーム「ZOOS合同会社」の選手兼オーナーの桂葵さんと、KDDI株式会社事業創造本部 革新担当部長の三浦伊知郎さんの5名を招き様々なアイデアや意見交換が行われた。
このセッションで最初に話し合われたのは「アーバンスポーツのカルチャーと競技の2面性」について。
スケートボードに関してはこの問いについて、遠藤さんが「そもそもストリートカルチャーだったものがオリンピックでスポーツになりました。オリンピックの影響もあって最近始める子どもたちがスポーツとして認識し始めているので、どんどんカルチャーの要素は薄れていき20-30年後には完全にスポーツに変わるのではと思っています」とカルチャーの存続への不安を話した。
その話を補うように当メディアを運営する財満は「弊社のメディアで情報発信する上でスポーツの面とカルチャーの面の両方を重視してバランスよく発信するようにしています」と付け加えた。
また東京オリンピックでも話題になった選手同士が健闘を称え合いハグするシーンについてカルチャーとの関係を聞かれた際には、小川さんが「スケートボードはアートと一緒で自己表現の一つであり、他人との競争ではなく自分との競争なので相手が挑戦して成し遂げたことを称え合うカルチャーなんです」と語った。
一方で、よりスポーツ化していくことに関して遠藤さんは「もともとは遊びだったのがスポーツになったことは凄いと思う。経済的にはこうなることが結果的にプラスになるんだろうなと思います」と話した。
しかし、この話を聞いた桂さんは「実は3×3バスケットボールを主催しているのはFIBA(国際バスケットボール連盟)でガチガチの企業なんです。でもカルチャー、若者、街に視点を向けて活動しないとバスケの人気が増えていかないという判断から、オリンピックとして採用されてマーケットが大きくなる中で五人制とはまた違ったフットワークの軽さでストリートカルチャーにリスペクトを持った世界観を作るように動いているんです」と経済的な側面からもカルチャーが重視されていることを話した。
次に話し合われたのは「ルールとマナー」について。財満が話した「スケートパークで親御さんが子どもを連れていく上でルールが分からず他のスケーターの迷惑になる事例が多くあり、スケーターからルールの文章化の話が上がっている」という切り口から話は展開。
桂さんはストリートバスケの話から「代々木公園のバスケコートもローカルルールがあり関わりにくい雰囲気があるものの、ストリートバスケはそのコートをかけて誰でもチャレンジできて勝った人がそこでプレーできるという誰も排除しないカルチャーがあります。最近では子どもたちもプレーできるみんなの公園にするためのコミュニティづくりが進められているんです」と話した。
また合わせて桂さんから「スケートボードがスポーツとして広まる中、街に出て滑ることについてどう思われますか?」という鋭い質問が小川さんに投げかけられ、小川さんは「連盟でも啓蒙しているのですが路上では法律を守るように伝えています。タバコのポイ捨てと一緒で喫煙者全員が悪いわけじゃなくて、マナーを守らない人が悪いようにスケーターも一緒なんです」と話した。
この現状を聞いた三浦さんは「マスメディアに悪いところばかりが切り取られがちなんですよね。でも新しいものが現れると必ずこういった衝突があるんです。そのため企業や行政と一緒にアーバンスポーツを啓蒙できる仕組みがあると良いなと思いますし、カルチャーとして浸透させて一般の方にも当たり前のこととして引き受けてもらえるようにしたいですね」と別の角度から思いを述べた。
そこで桂さんがマナーに関連して「ストリートバスケではマナーが悪い人たちに怒るのは現地のストリートボーラーたちなんです。自分たちのコートという愛着があるので大切に扱うようにするんですよ」と話し、加えて小川さんは「スケーターも滑る場所や時間帯を考えて近隣住民への配慮をしてスケートボードは悪くないというイメージを打ち出していく必要がある」と話した。今後のスタンダードとして認められるにはこういった活動が大事になるだろうとのことだ。
そして、最後に「街とアーバンスポーツが良い関係を築く為のヒント」というトピックにて渋谷アイデア会議にふさわしい独創性溢れる議論が展開された。テクノロジーを活用する話や、スポーツ外で街の住民の方とのコミュニケーションを通して認めてもらうことといった話の中で特に話題になったのは、
三浦さんから出た地方創生を絡めたこのアイデア「過疎化した限界集落にスケーターないし3×3バスケ選手が大勢で移住してマジョリティを取り、そのスポーツが自由にできる自治区かつパラダイスを生み出すこと」。
このアイデアを聞いた桂さんは「愛着が湧いてしまいみんな大好きな町になってしまいますね」と話し、ムラサキスポーツのショップを中心にした街づくりを提案された遠藤さんは「絶対おもしろいですよね。なかなか思いつかない発想ですができなさそうで実はできそう」と期待を寄せ、アーバンスポーツを通じて地方での教育事業も手がける当メディア運営会社の財満は「国内でも様々な地方がアーバンスポーツを用いて地域活性化に力を入れてそのスポーツを定着させようとする動きもあり、都市でも行政との関係構築を通して活動の場を広げているプレイヤーもいるので両方の側面でできると良いと思います」と話した。
新しいアイデアも飛び交い盛り上がったこのセッションは最終的に「まずは渋谷でみんなで一緒にできることを取り組んでいこう」という形で締められた。
各セッションの様子はオフィシャルYoutubeアカウントのアーカイブ配信で視聴可能なので是非視聴してみてもらえたら幸いだ。
第一部:ポストTOKYO2020
SPEAKER: 安田美希子、小川元、財満栄治、遠藤大輔
<日付>11.12(月)
<時間>13:00~14:30
<場所>渋谷キャスト
第二部:街とアーバンスポーツ
SPEAKER: 小川元、財満栄治、遠藤大輔、桂 葵、三浦伊知郎
<日付>11.12(月)
<時間>14:15~15:15
<場所>渋谷キャスト
登壇者プロフィール
安田美希子 / 株式会社SPORVE 代表取締役
大学卒業後、アプリケーションエンジニア・人材ソリューション営業を経て、スポーツビジネス界へ。アメリカ・ロサンゼルスのスポーツマネジメント会社にて、日本人メジャーリーガーのエージェント業務や米国スポーツ産業研修・事例研究プログラム企画・開発に携わる。
帰国後、スポーツマーケティング会社にて3人制バスケットボール事業の立ち上げやさまざまなスポーツイベント・コンテンツのスポンサーセールスや外部アライアンス締結を担当。
2018年より東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会にてオリンピック初種目となった3×3 バスケットボールの競技運営責任者として大会の企画運営を統括。2022年株式会社SPORVE設立。
小川元 / スケートボード チームジャパン ナショナルヘッドコーチ
1995年~2008年、バーチカル種目の13年連続日本チャンピオン。かつて世界に認められた日本人のバーチカル・スケートボーダー。2010年代半ばまで様々な海外コンテストやデモに出場(アメリカ、ヨーロッパ、オセアニア、アジア等の10カ国以上)、国際大会出場や海外視察を通し、日本人スケートボーダーが世界大会に出場できる最初のパイプを作ったパイオニアで、日本のスケーターから「世界の小川」と呼ばれている。
・東京オリンピック2020スケートボードテクニカルオペレーションマネージャー
・アジア競技大会ジャカルタ2018年、杭州2023年のテクニカルデリゲート
・スケートボード競技国際ジャッジ
財満栄治 / 株式会社ZETA 代表取締役CEO
大学卒業後、広告会社、ヤフー株式会社、株式会社デジタルガレージ、複数ベンチャー企業でコンテンツ・メディアプロデュース、スタートアップ支援などに従事。
2016年アクションスポーツ・ストリートカルチャーに特化した株式会社ZETA(ゼータ)を設立。他、「ローレウス・ワールド・スポーツ・アワード」のアクションスポーツ部門パネルメンバー、5万人を動員した横浜アーバンスポーツフェスティバル実行委員など兼任。
遠藤大輔 / 株式会社ムラサキスポーツ マーケティング部 セクションマネージャー・チームマネージャー
大学卒業後、神奈川県・藤沢市の店舗入社、その後マーケティング部へ異動。
2013年にアクションスポーツ総合イベントとして、MURASAKI SHONA OPENを企画。10年続くイベントへと成長。SURF・SNOW・SKATE・BMX・DANCEのアスリート担当としても世界へ活躍するライダー達を近くで見続けている。
桂 葵 / ZOOS合同会社 代表
小学校の3年間をドイツ・ハンブルクで過ごす。帰国後に始めたバスケットボールで、学生時代は5人制の年代別日本代表として活躍。アジア2位、世界7位等。
桜花学園高校卒業後、早稲田大学社会科学部へ進学。大学4年時にインカレ優勝・MVP獲得を最後に競技を引退。バスケット界を離れ、新卒で三菱商事株式会社へ入社。
その後、3年のブランクを経て3×3で競技復帰。商社マンとの二足の草鞋で活動しながら2021シーズンには3×3プレミアリーグ優勝、MVP等。2022年3x3W杯日本代表候補。
2022年2月、新卒時より約7年間勤めた三菱商事を退職し、同年4月に3×3クラブ「Düsseldorf ZOOS」を設立。女子3×3界初となる”選手兼オーナー”としてFIBA主催世界最高峰のプロサーキットへ参戦し、民間クラブ史上最高成績となる5位入賞を果たした。
三浦伊知郎 / KDDI株式会社 事業創造本部 革新担当部長
成蹊大学文学部卒。1996年よりNTT(日本電信電話株式会社)、Ogilvy and Mather、DIESEL JAPAN広報宣伝室マネージャーを経て、PRコンサルティング会社立ち上げ。その後2017年、KDDI株式会社にて新規事業の創出、プロモーション等領域の革新担当部長に就任し、2020年1月に渋谷区と共に『渋谷5Gエンターテイメントプロジェクト』を立ち上げ、ファウンダーとして渋谷発の5G、テック&エンタメビジネスの創出を主導。また、2020年に日本初の自治体公認「バーチャル渋谷」をローンチさせ「バーチャル渋谷 au 5Gハロウィーフェス」を企画実施。3年連続で大成功を収め約150万人の来場を成し遂げた。
SPECIAL EDITION
FINEPLAYはアクションスポーツ・ストリートカルチャーに特化した総合ニュースメディアです。2013年9月より運営を開始し、世界中のサーフィン、ダンス、ウェイクボード、スケートボード、スノーボード、クライミング、パルクール、フリースタイルなどストリート・アクションスポーツを中心としたアスリート・プロダクト・イベント・カルチャー情報を提供しています。
アクションスポーツ・ストリートカルチャーの映像コンテンツやニュースを通して、ストリート・アクションスポーツの魅力を沢山の人へ伝えていきます。
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skate小学4年生の天才スケーター河上恵蒔が、3つのギネス世界記録™を樹立!2024.11.21小学4年生ながらスケートボード界で驚異的な実績を積み上げている河上恵蒔(10歳)が、3つのギネス世界記録を達成し、その名を世界に轟かせた。11月21日に発売された『ギネス世界記録2025』(角川アスキー総合研究所)で、若干10歳にして栄光を掴んだその記録が公開され、スケートボード業界のみならず各界から熱い視線が注がれている。 提供:ギネスワールドレコーズ 河上の種目はハーフパイプで技を競う「バーチカル」。今年1月に「JSFバーチカルシリーズ2023」で最年少ながら総合1位タイに輝き、大きな話題を呼んだ。6月15日にはアメリカ・ユタ州ソルトレークシティで行われた「トニー・ホーク・バート・アラート」では、「900(2回転半)」を連続で3回成功させ、世界に衝撃を与えた。同月28日にはカリフォルニア州ベンチュラで開催された「X Games Ventura(エックス ゲームズ ベンチュラ) 」にも最年少で出場し、さらなる快挙を成し遂げた。 提供:ギネスワールドレコーズ 1つ目のギネス世界記録のタイトルは、「Most backside 540 skateboard tricks in one minute(1分間にスケートボードでバックサイド540を行った最多数)」。1分間に13回のバックサイド540(1回転半)を成功させ、驚異的なスピードと精度でギネス世界記録に認定された。 2つ目は、「Most consecutive skateboard '900' in competition (male) / 大会においてスケートボード「900」を連続で行った最多回数(男性)」。伝説的スケーターであるトニー・ホークが1999年に初めて成功させた「900(2回転半)」。その技を6月15日に行われた「Tony Hawk Vert Alert」で3回連続で決めたことで「神の正統後継者」と称され、2つ目のギネス世界記録を樹立した。 3つ目は、「Youngest X Games athlete (male) / エックスゲームズ最年少出場選手(男子)」。6月28日、河上は9歳294日という若さで「X Games Ventura」に最年少で出場し、見事3つ目のギネス世界記録を打ち立てた。 提供:ギネスワールドレコーズ 今回の快挙について河上は「ギネス世界記録は学校の図書室にもあって、それに自分が出ると思うととても嬉しいし、友達に見てもらいたい」と歓びを語り、今年を振り返って「アメリカに行くことと、X GAMESに出場するという夢が叶って最高でした。それに、イタリアやカナダにも行けたし、有名なスケーターと滑れた事も最高でした」と充実感をにじませた。来年の抱負を尋ねられると「来年も海外に行けるように頑張りたいし、とにかくスケボーが上手くなりたいです」と、10歳とは思えない堂々とした姿を見せた。 急速に人気が高まるスケートボード業界で、わずか10歳にして未来を担う存在となった河上恵蒔。彼の次なる挑戦から目が離せない。 【河上恵蒔『ギネス世界記録』タイトル名】 提供:ギネスワールドレコーズ ・Most backside 540 skateboard tricks in one minute1分間にスケートボードでバックサイド540を行った最多数 2024年5月22日 13回 ・Most consecutive skateboard '900' in competition (male)大会においてスケートボードの「900」を連続で行った最多回数(男子)2024年6月15日 3回 ・Youngest X Games athlete(male)エックスゲームズ最年少出場選手(男子)2024年6月28日 9歳 294日 【書籍『ギネス世界記録』について】 世界中の一番を審査・収集しているギネスワールドレコーズは、毎年その記録を一冊にまとめて出版しています。1955年に初めて刊行された書籍『ギネス世界記録』は累計発行数1億5,300万部となり、今まで40の言語に翻訳され、世界100カ国以上で発売されてきました。 【書籍概要】 『ギネス世界記録2025』クレイグ・グレンディ編 ©2024 Guinness World Records Ltd. タイトル:『ギネス世界記録2025』発売日:2024年11月21日定 価:3,960円(本体3,600円+税)発 行:株式会社角川アスキー総合研究所発 売:株式会社KADOKAWA判 型: A4変形判 オールカラー ページ数:264ページ
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doubledutch歴代王者が集結!その結末はまさかの展開に?!【THE ONE’S -歴代王者へ挑戦の巻-】in YUSF ’242024.11.162024年11月9日(土)から10日(日)の2日間に渡り、「YOKOHAMA URBAN SPORTS FESTIVAL’24 (略称:YUSF’24)」が、横浜赤レンガ倉庫内 イベント広場・赤レンガパーク(神奈川県横浜市中区)にて開催。本イベント内で、ダブルダッチ種目の大会『DOUBLE DUTCH ONE'S』のエキストラコンテンツとして、『THE ONE'S -歴代王者へ挑戦の巻-』が行われた。 天候にも恵まれた開催日は、朝から体験会やショーコンテンツなども行われ、YUSF'24の一角は、一日を通し“ダブルダッチDAY”にふさわしい盛り上がりを見せた。 体験会『レッツプレイ ダブルダッチ』のようす / ©AYATO. /YUSF 京都を拠点としたプロチーム「NEWTRAD」がショーを披露 / ©AYATO. /YUSF “THE ONE'S”とは? 3人以上のプレイヤーを要する「ダブルダッチ」だが、縄を回す2名のプレイヤーを固定し、ジャンプするプレイヤー1名の技量のみを比較し競い合うのが、この“ONE’S”(ワンズ)スタイル。今回の『THE ONE'S』は、DOUBLE DUTCH ONE'Sのエキストラコンテンツとしての位置付けとして開催され、過去のONE'S FINAL (決勝大会) の優勝者たちと、予選を勝ち上がってきたチャレンジャー8名による、計16名のバトルが繰り広げられた。 予選のようす。本戦前から会場は大盛況 / ©AYATO. /YUSF 決勝で相対したのは…“やっぱり!?”この2人だった 歴代優勝者、そしてチャレンジャーたちが揃い踏みするなか、トーナメントは進行。チャレンジャー枠として、学生トップランカーのプレイヤーと目されるNAO AKAGAMIが健闘を見せるが、準決勝でKEITA JUMPROCKに敗退。一方、昨年そして今年のONE'S FINAL 2連覇を遂げるイワネスインセインと、KO-YAのマッチアップ。どちらが勝利してもおかしくないバトルだったが、KO-YAが制し決勝へ。 決勝のカードは、KO-YA vs KEITA JUMPROCKの、REG☆STYLE同士の対決となった。 これまで何度も鎬を削ってきた両者。2021年のFINAL 決勝戦ではKEITAが、2022年はKO-YAが勝利しトロフィーを掲げてきた。2023シーズン以降、KEITAがONE'Sのオーガナイズサイドに入った関係で、その後しばらくKO-YAとKEITAのバトルはお預けとなっていたが、今回THE ONE'Sで両者のバトルが実現することとなった。しかも、またもや決勝戦で……! 不動の強さを見せるKEITAとKO-YA / ©AYATO. /YUSF “やっぱり”なのか、”まさか”なのか…。運命の引力に引き寄せられた両者のバトルを、KEITAは「戦いってよりショーバトル」と述懐したように、2人が扮するTikToker「K&K」のムーブが登場したり、一進一退の双方譲らない攻防の中に、彼らのコミカルなコミュニケーションもあったりと、単なる1on1の戦いでは生まれない、まさに『THE ONE'S』ならではの展開が。 必殺・K&Kムーブの瞬間 / ©AYATO. /YUSF その結果は、KO-YAが優勝! その清々しい表情には、これまでのONE'S FINALの際とはまた違った感情を感じられた。 優勝に輝いたKO-YA / ©AYATO. /YUSF “ザ・ワンズ”という名前には、運営陣の「これまでのONE'Sというイベントの歴史の中で、顔となる──THE ONE’Sなプレイヤーたちによる激闘」という意図が込められているという。まだまだ歴代王者たちの強さも健在である一方、そこに肉薄するチャレンジャーたちの勢いや息吹も確かに感じられた。歴史を塗り替え、ここに新たに加わる“ザ・ワンズ”な顔ぶれは誰なのか。 なお、次回の『THE ONE'S』は11月24日(日)の「INTERNATIONAL STREET FESTIVAL KAWASAKI 2024」にて開催される。サブタイトルを『ワンズモンスター襲来の巻』とし、国内選手に加え海外からも招待選手が登場。今回とはまた違う景色となる次回のTHE ONE'S、そしてこの激闘を踏まえた次シーズンからのDOUBLE DUTCH ONE'Sにも注目だ!
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bmx新バトルフォーマットの中で、男女共に前回大会王者が2連覇を果たす【FLAT ARK produced by ARK LEAGUE】in YUSF’242024.11.15YOKOHAMA URBAN SPORTS FESTIVAL’24(略称:YUSF’24)」が横浜赤レンガ倉庫内イベント広場・赤レンガパーク(神奈川県横浜市中区)にて2024年11月9日(土)~10日(日)の2日間に渡り開催され、本イベント内でBMXフリースタイル・フラットランド種目の大会として行われた【FLAT ARK produced by ARK LEAGUE】にて、OPEN CLASSにて片桐悠選手が、WOMENS CLASSにて鈴木仁菜選手が大会2連覇を収めた。 2022年、2023年に引き続きARK LEAGUEは、ライダーが作るライダーの為の大会として、BMXフラットランド種目の大会「FLAT ARK」およびスケートボードストリート種目の大会「SKATE ARK」をYUSF’24内で開催。今回の「FLATARK」はレベル別に4カテゴリーが用意される中で各カテゴリーごとに異なるバトルフォーマットの中で争われる形となった。今年も全国から集まった老若男女のトップBMXライダーたちによる熱い戦いが繰り広げられた。 今回は直近の天気予報も考慮して2日目に行われる予定だった豪華アーティストによるスペシャルライブとOPEN CLASSとWOMENS CLASSの予選は中止に。そのためこちらの両カテゴリーに関しては出場者全員による一発勝負という展開となった。大会中、雨もパラつき一時的に中断されたりとライダーたちにとっては難しい環境の中で一戦だったが、連日多くの観客が訪れてはライダーたちが繰り広げるハイレベルなトリックの数々に歓声をあげるなど終始大盛り上がりの中で大会は進行していった。 以下は、今大会の最高カテゴリーであるOPEN CLASSとWOMENS CLASSの決勝でのトップ3選手のライディングを紹介する。 競技フォーマット変更によりベストトリック合戦となった今大会。異次元のトリックを決めて大会2連覇を果たしたのは片桐悠。 OPEN CLASSのTOP3 ©︎Jason Halayko /YUSF 今大会最高レベルとなったOPEN 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/YUSF 準優勝はARK LEAGUEのオーガナイザーでもある内野洋平。長年大会を支える一方で、このFLATARKを含め数えきれないほど様々な大会で優勝経験を持つ現役プロライダー。BMXフラットランド界を新たなステージに引き上げ続ける彼は、今大会でも最高難度のトリックにトライ。1本目、2本目ではミスがあった「バックワーズマニュアル to バイクフリップ」からのもう一度バイクフリップで締める彼のオリジナルルーティンをしっかりメイク。 内野洋平のライディング ©︎Jason Halayko /YUSF その流れのままバイクを背中向きに背負って進む「バックワーズツーフット」からのバイクの切り返しをメイクして2本目のスコアをまとめる。その後は1本失敗するも 「アップサイドのマニュアル to バイクフリップ」を加えたルーティンをメイクした。終盤戦はどのライダーもトリックをメイクできない時間が続く中、残り3分あたりで「バックスピン」からの難しいバイクの切り返すルーティンをメイク。最後は自身の代名詞トリック「ウッチースピン」も加えた長いスピントリックのルーティンにトライするも最後の最後で足をつくミス。しかし結果としてはそこまでの高難度かつオリジナリティのあるベストトリックの数々が評価されて合計17.8ptで2位となった。 田圓尚人のライディング ©︎Jason Halayko /YUSF 3位は2022年の「FLATARK」in YUSFで王者に輝いた田圓尚人。前半ではなかなか決めきることができず苦戦を強いられたが、残り時間5分の時点でリアトリックの体勢から「バイクフリップ to バックスピン to バイクフリップ」のコンボをメイクしていき気合いの1本目を決めきる。その後、2本目をメイクするのに苦戦を強いられるも残り2分のところではバイクをアップサイドに捉えながら片足をペダル軸に置きバックワーズからの自身のオリジナルトリックであるハンドルを握りながらバイクを足元で回す「気円斬」をメイク。意地の2本目を決めると最終的にこの2本が高評価を受けて合計点を17.0ptとして3位入賞を決めた。 WOMEN’S CLASSはネクストレベルのライディングが披露される接戦に。わずか0.2pt差の厳しい戦いを制したのは昨年大会王者の鈴木仁菜 一方で、唯一の女子カテゴリーとなったWOMEN’S CLASSにも国内外を股にかけて大活躍する女子のトップライダー10名が参加し、決勝1本勝負にて優勝争いが行われた。 なお今回のWOMEN'S CLASS決勝の競技フォーマットは、120秒間のソロラン1本にて最高30点満点でジャッジされた。「FLAT ARK」としては前回の甲子園大会から30秒延長となるこのフォーマットが導入されたのだが、今までに比べるとライディング時間が長くなるため自分の見せたいトリックを多く入れ込むことができる一方で体力勝負にもなることが予想された。 その中でも特に接戦となったのは鈴木仁菜と本村果鈴の戦い。昨年のYUSF’23で優勝した鈴木と前回の甲子園大会の優勝者の本村、どっちが勝つのか気になる今回を制したのは鈴木仁菜。 鈴木仁菜のライディング ©︎Jason Halayko /YUSF 今年のワールドカップでは負けなしの世界的にもその実力が評価されている鈴木は、所々でミスは見られたもののリアトリックの姿勢から、スカッフなしで「ツーフット」に移り「バックスピン」に切り替えたり、手足のポジションを入れ替えたり、難しい姿勢からバイクを回転させて切り返したりと目まぐるしく難しいバランスをとりながら行うトリックルーティンに盛り込んだライディングを見せて24.6ptと最高得点をマークし優勝を収めて2連覇を達成した。 本村果鈴のライディング ©︎Jason Halayko /YUSF 準優勝は鈴木にわずか0.2ptという僅差に迫った本村果鈴。スピン系のトリックを得意とする彼女は、リアトリックからフロントトリックに上手くスイッチしながら手足のポジション入れ替えたりとバリエーションの多いライディングを見せる。その後もルーティンの中にフロントトリックを軸にする中でスピンしながら「ウィップラッシュ」を入れたりハンドルを回したりとスムーズかつハイレベルなトリックを披露していく。終盤では左足をペダルに置いて片足での「ノーズマニュアル」から「ウィップラッシュ」に繋ぎ「バックスピン」という流れでルーティンを続けようとするも最後までメイクできずにランを終えると合計得点を24.4ptとして、惜しくも鈴木には届かず2位となった。 高橋七衣のライディング ©︎Jason Halayko /YUSF 3位はBMXフラットランド強豪である佐賀出身の弱冠13歳の高橋七衣。フロントタイヤを軸にしたトリックを中心にランを展開。1本目、2本目と上手くバランスを取りながらでのフロントトリックの 「ツーフット」からの「トランスファー」など丁寧にトリックを決めていくと、ラスト1本では途中から決められず苦戦していた「サイドヤード」の姿勢からリアへの「トランスファーからのバックスピン」をしっかり決めきった。このルーティンが高評価を受けたか合計点を23.5ptとして3位入賞を収めた。 大会結果 ©︎Yoshio Yoshida /YUSF <OPEN CLASS >優勝: 片桐 悠 (カタギリ・ユウ) / 18.1pt準優勝: 内野 洋平 (ウチノ・ヨウヘイ) / 17.8pt第3位: 田圓 尚人 (タマル・ナオト) / 17.0pt ©︎Yoshio Yoshida /YUSF <WOMEN’S CLASS>優勝: 鈴木 仁菜 (スズキ・ニナ) / 24.6pt準優勝: 本村 果鈴 (ホンムラ・カリン) / 24.4pt第3位: 高橋 七衣 (タカハシ・ナナエ) / 23.5pt ©︎Jason Halayko /YUSF <EXPERT CLASS>優勝: カナモト コタロウ準優勝: フジイ トハ第3位: イケダ コウタ ©︎Jason Halayko /YUSF <NOVICE CLASS>優勝: サトウ ライ準優勝: カネコ ジロウ第3位: コタベ コウイチ 大会概要 ⼤会名称 : 【FLATARK produced by ARK LEAGUE】イベント名称 : YOKOHAMA URBAN SPORTS FESTIVAL ʼ24 (略称 YUSF ʼ24)会場:横 浜赤レンガ倉庫内イベント広場・赤レンガパーク(神奈川県横浜市中区)日程・時間: 2024年11月9 日(土)・11月10日(日) 【YOKOHAMA URBAN SPORTS FESTIVAL ʼ24】主催: YOKOHAMA URBAN SPORTS FESTIVAL ʼ24 実行委員会 (株式会社横浜赤レンガ / 明治商工株式会社 / 株式会社ローソンエンタテインメント / 株式会社ゼータ) 共催: 横浜市にぎわいスポーツ文化局(予定) / 公益財団法人横浜市芸術文化振興財団 協賛: 三菱商事都市開発株式会社 / 富士フイルム株式会社 / GoPro合同会社 / 第一生命保険株式会社 / 本田技研工業株式会社 / サミー株式会社 / カシオ計算機株式会社 / プレミアムウォーター株式会社 / 日本たばこ産業株式会社 / レッドブル・ジャパン株式会社 / 学校法人岩崎学園協力: 一般社団法人ARK LEAGUE / 有限会社OVER THUMPZ / 株式会社IAM / 株式会社トリデンテ / 公益財団法人日本バレーボール協会 / 株式会社HANDOFFメディア協力:スカイ A / FINEPLAY
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skate世界最高峰レベルの異次元のコンボトリックの数々が披露された熾烈な一戦【SKATE ARK produced by ARK LEAGUE】in YUSF’242024.11.14「YOKOHAMA URBAN SPORTS FESTIVAL'24」が横浜赤レンガ倉庫内イベント広場・赤レンガパーク(神奈川県横浜市中区)にて2024年11月9日(土)~10日(日)の2日間に渡り開催され、本イベント内でスケート・ボード種目の大会として開催された【SKATE ARK produced by ARK LEAGUE】にてWomen’sクラスでは吉沢恋選手が、Men’s Hiクラスで早川竣乃祐選手が優勝した。 2017年に誕生し、現在では世界で最もレベルの高い“世界大会”として認知される「ARK LEAGUE」の1つであるスケートボード種目の大会がこの「SKATE ARK」。「ライダーが創るライダーの為の大会」を信念に掲げて毎年アップデートされていることから、世界各国のライダーから賞賛される大会となっている。 パークやバーチカルなど様々なスタイルがあるスケートボード競技だが、そのうち日本人選手が世界のトップレベルで活躍している、街中にあるような階段やレールなど障害物のあるコースで競う「ストリート種目」をSKATE ARKでは実施。2022年と2023年に続き、今回も世界で活躍する国内トップスケーターが出場し終始大盛り上がりの大会となった。 ©︎Jason Halayko /YUSF なお、今回の「SKATE ARK」のセクションは本イベントの会場である赤レンガパークの中でも一番手前の大通り寄りに設置され、来場者ではない一般の通行客からもよく見える最高のロケーションの中で、2日間に渡って終始たくさんの観客に見守れながら大会は進行していった。 以下は、今大会最注目となったWomen’sクラスとMen’s Hiクラス決勝戦の大会リポート。 実力者と若手が入り乱れたMen’s Hiクラスは若手に軍配。実力者たちを抑えた早川竣乃祐が優勝を勝ち取った 今大会の男子カテゴリー最上級クラスとなるMen’s Hiクラスには日本国内から幅広い年齢層のトップライダー19名が参加。前日に行われた予選から熾烈な戦いが行われ、決勝では予選を勝ち上がった8名にて争われた。 そして今回の競技フォーマットはコースレイアウトの関係上、前大会とは異なりソロラン無しのベストトリック合戦となった。予選では7分間のジャムセッション、決勝ではベストトリック合計5本のうち、上位スコア2本の合計得点により順位を決める形で1本あたり最大10点の最高20点満点でジャッジされた。 今大会にはパリ五輪日本代表の白井空良をはじめ、「2023 UPRISING TOKYO Supported by Rakuten BEST TRICK WINNER」の濱村大征などベストトリックのレベルの高さが世界的にも評価されている選手が多く出場した。ただ今回は白井が惜しくも先日怪我をした膝の調子が奮わず予選敗退となる一方で、決勝は若手も勝ち上がり名を連ねて実力者と対峙する展開に。決勝は5本中2本のスコアが採用されるフォーマットであることから、最後の最後まで各ライダーが自分たちの持つベストトリックにトライする攻めのライディングを終始見せる観客にとっても見応えのある手に汗握る展開になった。 ベストトリック1本目 大場蓮のライディング ©︎Yoshio Yoshida /YUSF 5本のチャンスがあるものの、2本目以降でより攻めのトリックにトライするためにもしっかり決めておきたい1本目はほとんどのライダーがスコアをマーク。その中でも8点台のスコアを残して弾みを付けたのは実力者の浦野晴と大場蓮。浦野は「スイッチフリップフロントサイドボードスライドフェイキー」をメイクすると8.2ptをマーク、大場は「ポップショービットフロントサイドフィーブルグラインド180アウト」をメイクし8.3ptをマークして強さを見せる。 早川竣乃祐のライディング ©︎Yoshio Yoshida /YUSF 2人に続く形で7点台をマークして2本目に繋げたのは早川竣乃祐、濱村大征、浦野健隼の3名だ。早川は「ノーリフリップバックサイドボードスライド」を決めると7.7pt、濱村は「ハードフリップバックサイドリップスライド」で7.6pt、浦野晴の兄でトリックマスターとして知られる浦野健隼はハバレッジでの「キックフリップバックサイドクルックドグラインド」で7.3ptをマークし、早くも熾烈なベストトリック合戦の始まりを予感する1本目となった。 ベストトリック2本目 2本目では早速各ライダーがギアを上げてきたのか、なかなかトリックをメイクできない展開に。そんな中で1本目に引き続きスコアをマークしてきたのは高石颯来と濱村大征の2名。高石は「キックフリップバックサイトテールスライドフェイキー」をメイクし7.6ptをマーク。彼自身も着地が少しスケッチーだったことからトリックメイクに驚いている様子も見せた。濱村は1本目で浦野健隼がハバレッジでメイクした「キックフリップバックサイドクルックドグラインド」をレールで決めると7.0ptをマークした。今回のスコア採用は2本だけのためまだこの段階ではまだまだ勝負の行方は分からない状態。 ベストトリック3本目 大場蓮のライディング ©︎Yoshio Yoshida /YUSF ほとんどのライダーが1本以上スコアをマークしていることから、まだ残りのチャンスに余裕がある一方で勝負を優位に進めるためにもスコアアップしておきたい3本目。ただやはりスコアアップするためのトリックメイクには難易度とプレッシャーがあるからか、ここ3本目でも2名を除きほとんどのライダーがミス。一方でしっかり決めて見せたのが、3本連続で着実にメイクしている高石颯来と個性的な渋いトリックをチョイスする大場蓮。高石は「キックフリップバックサイドスミスグラインド」をメイクすると7.4ptをマーク。2本目のスコアを上回ることはできずベストスコアにはならなかったが、1本目の6.4ptを上回りスコアアップには成功。大場は2本目で失敗した「ビックスピンフロントサイドハリケーングラインド」を見事メイクし8.5ptをマーク。自身のスコアを8点台で揃えて暫定1位に躍り出た。 ベストトリック4本目 三星怜生のライディング ©︎Yoshio Yoshida /YUSF 残りトライできる本数が少なくなってきたこの4本目。ここでは実力者も含め多くのライダーが相変わらずトリックメイクに苦戦を強いられている中で、8点台をマークして表彰台の座を大きく引き寄せたのは若手の三星怜生と早川竣乃祐の2名。三星は「フロントサイド360テールスライド」をレールで決めて決勝最高得点の8.9pt、早川は「ノーリーキックフリップバックサイドテールスライド」をハバレッジで決めて8.6ptをマークすると、三星は暫定3位、早川は暫定2位となり残すは自身も含めて各ライダーが5本目でどんなトリックをメイクするのかに委ねられた。 ベストトリック5本目 早川竣乃祐のライディング ©︎Yoshio Yoshida /YUSF そして迎えたラスト1本。各ライダーがチャレンジし続けてきたベストトリックを決め切る必要があるラストチャンスだったが、惜しくも番狂わせを起こす展開にはならなかった。その中でも終始トリックメイクできず苦しい時間を過ごしていた梅村敏秀が最後に「トレフリップフロントサイド5-0グラインド」をハバレッジでメイク。やっと決め切れたトリックに天を見上げる様子も見せた。 一方で流れを掴んでラストトリックも決めきって見せたのは4本目をメイクした三星と早川。三星は「キックフリップフロントサイドフィーブルグラインド」で7.3ptをマークしてスコアアップし暫定3位となった。そして暫定1位の大場を追う展開となった暫定2位の早川はラストトリックとして「ノーリーキックフリップバックサイドリップスライドショービットアウト」を綺麗にレールで決めて8.4ptをマークすると暫定1位に躍り出た。その後の出走となった大場も濱村もトリックを決められなかったことから、最終結果としては早川が優勝。2位に大場、3位に三星となった。その中でも特に早川と三星は若手でこれからが楽しみなライダー。今後彼らがどう日本のトップ勢に食い込んでくるのかが楽しみだ。 将来有望な若手ライダーたち ©︎Yoshio Yoshida /YUSF Women’sクラス決勝に名を連ねたのは世界で活躍するトップスケーターたち。そんなハイレベルな戦いを制したのはパリ五輪金メダリストの吉沢恋 今大会のWomen’sクラスには日本国内のトップライダー12名が参加。前日の予選から熾烈な戦いが繰り広げられ、決勝では予選を勝ち上がった8名にて争われた。競技フォーマットはMen’s Hiクラス同様に決勝はベストトリック合計5本のうち、上位スコア2本の合計得点により順位を決める1本あたり最大10点の最高20点満点でジャッジとなった。 そして今大会の決勝には世界大会で活躍するライダーたちが勢揃い。その面々は上村葵、大西七海、石丸葵、丹野莉愛、藤澤虹々可、吉沢恋、織田夢海、松本雪聖といった世界王者経験者から最近急成長の若手まで全日本選手権の決勝ないし世界大会の決勝でも見劣りしないメンバーがここ横浜赤レンガ倉庫の会場で優勝の座を争った。 ベストトリック1本目 吉沢恋のライディング ©︎Yoshio Yoshida /YUSF 男子同様に女子も2本目以降でより攻めのトリックにトライするため、まずしっかり堅実にスコアを残すことを優先するかと思われた1本目だったが、最初から攻める空気感を作り出したのはパリ五輪金メダリストの吉沢恋だった。吉沢は1本目からパリ五輪で金メダルを勝ち取ったハンマートリックの「ビックスピンフリップフロントサイドボードスライド」をメイクすると8.8ptをマークし後続にプレッシャーをかけていく。 織田夢海のライディング ©︎Yoshio Yoshida /YUSF しかしその流れをしっかり捉えて吉沢のトリックを上回って見せたのは織田夢海。織田は彼女の代名詞的ハンマートリック「キックフリップフロントサイドフィーブルグラインド」をメイク。今大会唯一の9点台である9.0ptをマークして強さを見せた。 ベストトリック2本目 松本雪聖のライディング ©︎Yoshio Yoshida /YUSF 1本目から吉沢と織田が攻めのライディングを見せる中、2本目ではトリックメイクに苦戦するライダーと着実に好スコアを残すライダーが二極化。そんな中で1本目に引き続きスコアをマークしてきたのは丹野莉愛、織田夢海、松本雪聖の3名。織田は1本目で松本が決めた「キックフリップフロントサイドボードスライド」をメイクし7.3ptをマーク。続く松本は「キックフリップバックサイドリップスライド」を決めると7.9ptをマークしスコアアップししっかり2本ともスコアを残した。 一方で2本のスコアメイクと共に8点台のハイスコアをマークしたのは丹野莉愛。丹野は「270フロントサイドボードスライド」をメイクしガッズポーズを見せた。しっかりスコアも評価され8.8ptをマークすると暫定2位に食い込んできた。 ベストトリック3本目 吉沢恋のライディング ©︎Yoshio Yoshida /YUSF 現在トップは織田、丹野、松本という順番で迎えた中盤戦。終盤に向けて勝負を優位に進めるためにもスコアアップしておきたい3本目でプレッシャーをも感じさせずに唯一トリックを決めて見せたのがやはりこのライダー吉沢恋。8.7ptをマークするライディングでセカンドハイエストを更新して一気にスコアアップし、暫定2位の織田に1点以上の差をつけて暫定トップにジャンプアップした。 ベストトリック4本目 ライディング後にボードが折れるアクシデントがあった藤澤虹々可 ©︎Yoshio Yoshida /YUSF 3本目で吉沢にリードを許す一方でしっかりトリックを決めてここで追い上げておきたいと思う4本目。しかしここでも相変わらず多くのライダーがトリックメイクに苦戦を強いられた。一方でこの4本目でなんとかトリックをメイクして見せたのは藤澤虹々可。ずっと失敗していた「ポップショービットフロントサイド50-50グラインド」をメイクして8.6ptという好スコアをマーク。あと一本決め切れば表彰台の座も見えてくる中で藤澤にトラブル。トリックの着地でデッキのテール側が折れてしまうアクシデント。スペアのボードもなく誰かのボードを借りることを余儀なくされた。そんなことも起きた展開の中で、最後5本目を残して現在トップは吉沢、織田、丹野の順に。このままで大会を終えるのか、もしくは最後に番狂わせがあるのか。そんな期待も渦巻く中でラストトリックへ。 ベストトリック5本目 吉沢恋のライディング ©︎Yoshio Yoshida /YUSF もう後が無いラストトリックとなった5本目。多くのライダーが決め切れず辛酸を舐めたこのラストチャンスだったが、暫定3位の丹野が最後に表彰台の座を盤石にするため滑走するもメイクした「フロントサイドフィーブルグラインド」ではスコアアップできずに少し不安が残る展開に。 一方で最後も高得点で締め括ったのがやはり吉沢。ラストトリックでは「ノーズグラインドビックスピンアウト」でメイクして8.3ptをマークした。そして暫定3位の丹野を追う展開となった暫定4位の松本はラストトリックに「キックフリップフロントサイドボードスライドフェイキー」をレールで決めて7.6ptをマークすると0.2pt差で3位にジャンプアップ。最終結果としては吉沢が優勝。2位に織田、3位に松本となった。 松本雪聖のライディング ©︎Yoshio Yoshida /YUSF 今回表彰台に上がった3名はベストトリックのレベルの高さに定評があるのはもちろんのことだが、どんな状況でもしっかりスコアを残すことができる実力を持ち合わせているからこそ、世界の大舞台でも結果を残せているということが分かった。また4位となった丹野も松本とはたった0.2pt差。吉沢と織田に比べると若くさらにこれからの成長が楽しみなのがこの丹野と松本だ。日に日に目に見える成長著しいこの女子ストリート種目。今後はトップ勢はもちろんのこと若手にも注目だ。 今後の成長が期待される松本雪聖と丹野莉愛 ©︎Yoshio Yoshida /YUSF 大会結果 ©︎Yoshio Yoshida /YUSF <Women's Class /ウィメンズクラス>優勝: 吉沢 恋 (ヨシザワ・ココ) / 17.5pt準優勝: 織田 夢海 (オダ・ユメカ) / 16.3pt第3位: 松本 雪聖 (マツモト・イブキ) / 15.5pt4位: 丹野 莉愛 (タンノ・リア) / 15.3pt5位: 藤澤 虹々可 (フジサワ・ナナカ) / 8.6pt6位: 大西 七海 (オオニシ・ナナミ) / 6.2pt7位: 石丸 葵 (イシマル・アオイ) / 3.8pt8位: 上村 葵 (ウエムラ・アオイ) / 0.0pt ©︎Yoshio Yoshida /YUSF <Men's Hi Class /メンズハイクラス>優勝: 早川 竣乃祐 (シュンノスケ・ハヤカワ) / 17.0pt準優勝: 大場 蓮 (オオバ・レン) / 16.8pt第3位: 三星 怜生 (ミツボシ・リオ) / 16.2pt4位: 高石 颯来 (タカイシ・ソラ) / 15.0pt5位: 濱村 大征 (ハマムラ・タイセイ) / 14.6pt6位: 梅村 敏秀 (ウメムラ・トシヒデ) / 8.6pt7位: 浦野 晴 (ウラノ・ハル) / 8.2pt8位: 浦野 健隼 (ウラノ・ケント) / 7.3pt ©︎Yoshio Yoshida /YUSF <Men's Low Class /メンズロークラス>優勝: カミタニ・ユウセイ準優勝: ナトリ・ヤマト第3位: リョウジ・ワカバヤシ 大会概要 ⼤会名称 : 【SKATEARK produced by ARK LEAGUE】 イベント名称:YOKOHAMA URBAN SPORTS FESTIVAL '24 (略称:YUSF’24)開催期間 : 2024年11月9日(土)~10日(日)- 2日間 -※詳細は公式HPをご覧ください。大会会場:横浜赤レンガ倉庫 イベント広場・赤レンガパーク(神奈川県横浜市中区新港1-1)主催:一般社団法人 ARK LEAGUE協賛: 第一生命グループ / GoPro / 三菱商事都市開発/ Red Bull / G-SHOCK / ムラサキスポーツ
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dance“AIRHEADZ”が世界への挑戦権を獲得!「Freestyle Session JAPAN 2024」2024.11.1320年以上の歴史があるブレイキンシーンを象徴する大会 都市型スポーツとストリートカルチャーの祭典「YOKOHAMA URBAN SPORTS FESTIVAL 2024(以下、YUSF)」が11月9日、10日に横浜赤レンガ倉庫で初開催された。本イベント内のBREAKINGコンテンツとして【Freestyle Session JAPAN 2024】が行われ、AIRHEADZが優勝を飾った。Freestyle Session は、1997年アメリカで始まった世界一のCREWを決める伝説のブレイキンバトルで、20年以上の歴史を誇り、今でもブレイキンシーンを象徴するイベントの一つである。国内では、Bboy Toshio a.k.a. Machanが2002年に日本にFreestyle Sessionを持ち込んだことで日本大会がスタート。今回と同じ横浜赤レンガ倉庫で開催された2022年のYUSFでは、Freestyle Session JAPANの20周年が祝われ表彰などが行われた。近年のYUSF内で行われたFreestyle Session JAPANには、今年パリオリンピックで活躍した日本代表勢も出場。2022年大会では、パリオリンピックで金メダルを獲得したAMIがGOOD FOOTで出場し優勝。昨年の2023年大会では、オリンピック第4位のShigekixがXII After oursで出場して同じく優勝を成し遂げている。現在、世界の第一線で活躍するBBOY・BGIRLも憧れる舞台に今年も多くの挑戦者たちが集まった。 ©AYATO. /YUSF ヤングガンズが台頭した今年の日本大会 過去の大会と比べると、今回はニューフェイスが多く登場し若手世代の活躍が目立った。決勝まで駒を進めたgunbarawはThe Floorriorzのメンバーで小学生のWatoを中心とするチーム。惜しくも決勝で敗れてしまったが、大人顔負けのパワームーブを展開し会場を沸かせていた。優勝したAIRHEADZも10代と20代で構成されるクルーであり、今大会では大躍進を遂げた。予選を勝ち抜きTOP16のトーナメントに進出したクルーの中には、YELLOW SUNSやFOUND NATIONなど、国内の様々なバトルを制し、名を轟かせるBBOY・BGIRLもいたが、そのような実績のあるクルーを破りAIRHEADZが見事、頂点に輝いた。優勝したAIRHEADZには、11月16日からアメリカ・ロサンゼルスで行われるワールドファイナルTOP16の出場枠が与えられる。 ©AYATO. /YUSF AIRHEADZ 優勝コメント 今日1日を振り返ってみてどうでしたか? DoubleNew(以下D):この人数でバトルに出るのも初めてだったし、セッション(Freestyle Session)は狙いにいきたいと思って準備していました。トーナメントの組み合わせ的にも、毎バトル全力を出すしかない状況だったので、いい動きが出来たし、それがこの結果に繋がったと思います。すごく嬉しいです! AIRHEADZらしさは出せましたか? D:僕たちは本当にチーム愛を大事にしているクルーだし、いつも一緒に過ごしている仲間たちです。そこがバトルにも出ていたと思います。 アメリカ・ロサンゼルスで行われるワールドファイナルに向けての意気込みを教えてください D:Freestyle Sessionのワールドファイナルは、夢に見ていた舞台なので、全力を尽くして勝ちにいきたいです。 ©AYATO. /YUSF