クルーを背負って日本一を目指す B-Boy OKEY JOE「Red Bull BC One Cypher Japan」Special Interview

2023.09.09
text by Shin Akiyama/photograph by ©Jason Halayko / Red Bull Content Pool

今年で開催 20年目を迎える、世界最高峰の1on1のブレイキン・ダンスバトル・トーナメント「Red Bull BC One」。その日本最終予選となる『Red Bull BC One Cypher Japan』が、いよいよ今週、2023年9月10日に大阪府の咲洲モリーナ(morena)にて開催される。今回は、世界への挑戦権をかけて、ジャパンファイナルを戦うB-Boy ・B-Girlへインタビューを実施。今年のBC Oneにかける想いをお届けします。ジャパンファイナルは10日(日曜)の15時40分Red Bull TVにて配信予定。※配信の詳細は最下部の関連リンクより

予選大会を振り返って「毎回の予選で本気で決める!と今年は特に想っていた」

©Jason Halayko / Red Bull Content Pool

予選を勝ち上がった今の気持ちは?

OKEY JOE(以下:O):「やっと獲れたな…」というのが正直なところで、嬉しかったのはもちろん、ホッとした気持ちが大きかったです。

各地の予選はどんな気持ちで臨んでいましたか?

O:毎回、そのバトルで優勝してジャパンファイナル行きを決める!という気持ちで挑んでいましたが、東京までもつれ込んでしまいました。

Red Bull BC Oneはどれくらいチャレンジしていますか?

O:このインタビューの直前に考えていたんですけど、遡ったら10年くらいやってました(笑)。毎年必ず出場しているんですよね。この後になぜ挑戦し続けるのか?についても話せたらと思いますが、かなりの回数と年数、挑戦していました。

Red Bull BC One Cypher Japanにはどんな印象がありますか?

O:ファイナリストの16人は、その年の日本のB-Boyの顔!っていうイメージで、優勝したB-Boyは今年の日本の一番!という感じかなと思っています。

今年のCypher Japanは何を表現したいですか?

O:僕がダンスを続けている理由に、TAKE NOTICEというクルーがあります。今年、プレイヤーとしてTAKE NOTICEをレペゼンしているのは、僕一人だけで、他のメンバーはジャッジやMC、DJに回っていて、それはそれで素晴らしいことなのですが、やっぱりプレイヤーとしても結果を残すことで、TAKE NOTICEという素晴らしいクルーが日本にいる!ということを発信したいです。TAKE NOTICEのカラーや、そこで教えてもらったことを全力で表現したいと思っています。

「金メダルを獲るよりもBC Oneで世界一を獲った方が、かました!っていう感じがあります」

©Jason Halayko / Red Bull Content Pool

Red Bull BC Oneは、OKEY JOEさんにとってどんな大会ですか?

O:ソロバトルで一番、権威あるバトルだと思っています。表現が難しい部分もありますが、僕はオリンピックがあっても(ブレイキンがパリ五輪の競技になりましたが)、BC Oneには勝てないと思うんですよね。もちろん、オリンピックで金メダル!は大衆にはとても分かりやすいと思うんですけど、B-Boyにとっては、金メダルを獲るよりもBC Oneで世界一を獲った方が「かました!」っていう感じがあります。

なぜRed Bull BC Oneが一番だと思いますか?

O:これも言語化するのが難しい部分があるんですけど、ちゃんと自分の中でも比較出来るようにオリンピックに繋がるバトルも最後までチャレンジしていました。ただ形式が全然違うので、全く評価されないところもありましたし、一次予選で敗退とかするんですよ。僕個人の意見ですが、オリンピック形式のバトルは分かりやすいものだけに視点を合わせている印象があります。筋トレのような感じで、とにかくどこまで出来るか?が評価されるみたいな。

一方で、BC Oneは、昔からこのシーンをフックアップしているし、寄り添っているから、世界中から愛されているんだと思います。例えば、狭い中でやるサイファー形式の予選で踊れないっていうのは、B-Boyでもなんでもないと思いますし、そういう側面一つとってもカルチャーを大事にしている部分があると思います。そしてオリンピック以外の他のバトルと比べても、一個人を世界に発信することが出来るという意味では、やっぱり一番かなって思います。

「10年間やり続けて、何を表現したいか?と聞かれたら、やっぱりTAKE NOTICEというクルーをレペゼンしたい」

©Jason Halayko / Red Bull Content Pool

Red Bull BC Oneに10年も挑戦し続けるのは何故ですか?

O:ソロでBC Oneを獲るために頑張ろう!と思い始めたきっかけも、TAKE NOTICEです。実は7.8年くらいずっと「TAKE NOTICEに入りたい!」というラブコールをしていて、24歳の時にやっと入れてもらえたクルーで、そこからB-Boyとしての第二の人生が始まった感じです。当時のTAKE NOTICEは、THE FLOORRIORZとして活動するメンバーなどもいて、クルーとしての活動がなかなか出来なかったので、ソロでがっつりかましてレペゼンしたいと思い、BC Oneに挑戦し始めました。

今話しながら思いましたが、結局変わらないかもしれないですね(笑)。10年間やり続けて、何を表現したいか?と聞かれたら、やっぱりTAKE NOTICEというクルーをレペゼンしたい。スキルだけでなく、考え方などもここで学んでいるのでそれを表現したいです。もちろん勝ちたいけど、勝ち負け以上にレペゼンしにいきたいです。「俺のスタイル見とけよ!」って感じで。

TAKE NOTICEは、OKEY JOEさんにとってどんな存在ですか?

O:血は繋がっていないけど家族ですね。軽はずみにファミリーと言っているのではなく、ダンスをしてなくてもずっと付き合っていくメンバーだと思っています。これまでも練習だけじゃなくて、練習が終わってからも誰かの家に行ったり、音楽聴いたり、クラブ遊びに行こっか〜っていう感じで一緒に過ごしてましたし、今でもただ一緒に風呂に入りに行くとかもするんですよ。

かなり深くて、強い繋がりですね

O:そうですね 。鹿児島から東京に上京した時、練習をしていた場所にTAKE NOTICEの初期メンバーが全員いて、そこで一緒に練習をする中でメンバーの方の想いやスタンスに憧れて、ずっと入りたい!と思っていましたし、個人的には、本気の時ってレペゼンは一つだと思っているので。自分もソロバトルでレペゼンするときは、TAKE NOTICEだけ!をこだわっています。

「かっこいいシルエットよりも、素直に音楽を表現することを大事に」

©Jason Halayko / Red Bull Content Pool

自分自身で言語化すると、スタイルや強みは何ですか?

O:音楽に対して、その時に自分が出来ることを精一杯やる!というのが、強みな気がします。僕、出来ることめちゃくちゃ少ないんですよ(笑)。派手なこととか全く出来ないんですけど、音楽に乗ってその場で表現できることを最大限やる意識でいます。

同じクルーのKENTARAWさんに言われて今でも心に残っていることが「すべてがかっこ良くなくていんだよ」という話で、音楽を素直に表現することが、必ずしもかっこいいシルエットになるのか?というと、そうは思わないです。カタチの中だけで表現しない!という部分が、自分の強みになっているかなって思っています。

なるほど!その場の雰囲気にアジャストしていけるのは、そういうマインドだったからなんですね

O:もちろん練習したことを出すのは必要だけど、バトルってDJがいるじゃないですか。最終的に雰囲気を決めるのはDJだし、音楽ありきで踊らせてもらっていると思ってます。僕、トップロック(立ちダンス)の時は何も考えてないんですよ。だから今まで一回もやったことないポーズとか、訳わからないことやってると思います。でもみんな曲がかかって興奮するから踊るんでしょ?って思うし、それが一番大事かなって思っています。

最後にメッセージをお願いします!

O:クルーのメンバーはもちろん、ここまで応援してくれた人、東京予選に勝つまで声をかけ続けてくれた人、友達、みんなに本当に感謝しているので、当日は感謝の気持ちを込めてその場に立ちたいと思っています。あとは、そこに立てないB-Boyが沢山いて、自分も過去に立てなかったことがあるのでその気持ちも分かるし、他のB-Boyの気持ちも背負って戦いたいです。

また、運営に携わっている人たちも見えないところで盛り上げてくれたり、ケアしてくれていたりするので、こんなに良い場所を準備して作ってくれている方々にも感謝です。感謝の気持ちを持って、自分の精一杯を表現したいです。

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