日本ブレイキンシーンの最高峰で自分のスタイルを表現する B-Girl Yasmin「Red Bull BC One Cypher Japan」Special Interview

2023.09.08
text by Shin Akiyama/photograph by THE JAM FINAL (c)harugraphics

今年で開催 20年目を迎える、世界最高峰の1on1のブレイキン・ダンスバトル・トーナメント「Red Bull BC One」。その日本最終予選となる『Red Bull BC One Cypher Japan』が、いよいよ今週、2023年9月10日に大阪府の咲洲モリーナ(morena)にて開催される。今回は、世界への挑戦権をかけて、ジャパンファイナルを戦うB-Boy ・B-Girlへインタビュー。今年のBC Oneにかける想いをお届けします。ジャパンファイナルは10日(日曜)の15時40分Red Bull TVにて配信予定。※配信の詳細は最下部の関連リンクより

予選大会を振り返って「THE JAMに招待された意味もなんとなく感じていた」

THE JAM FINAL (c)harugraphics

予選(THE JAM FINAL)を勝ち上がった今の気持ちは?

YASMIN(以下:Y):最近バトル自体から少し離れていたこともあって、今回の予選大会であるTHE JAMのような、大きなバトルに出たのが久々でした。ここに呼んでいただいた(招待枠で出場)ことにも意味を感じていましたし、とにかく力を発揮できるように頑張ろう!って思っていました。

Red Bull BC One Cypher Japanはどんな戦いをしたいですか?

Y:THE JAMに招待枠で呼ばれた意味も、なんとなく自分なりに感じていたので、それを継続してBC Oneでも出せたらいいなと思っています。
今いるB-Girlの中でも、自分はカラーが少し違うかなと思っています。踊りに重きを置いていたりとか、普段からブレイキンっていう枠以外でも、「踊る」ということに対してすごく考えていたりして、それを体現するB-Girlは、シーンの中でも珍しいと思うので、BC Oneでもそれを出していきたいです。

Red Bull BC One Cypher Japanにはどんな印象がありますか?

Y:ジャパンファイナルへの出場は初めてですが、ここ2年くらいは映像などで見ていました。2024年に向けてオリンピック関連のバトルが雰囲気的には強くなっていると思うけど、反対にそうじゃないバトルも盛り上がっていると感じています。BC Oneは細かく点数式で勝者を決めるものではないし、よりブレイキンを生のものとして(カルチャーと接着して)、現代のトレンドに合わせていくのが早いイベントだと思っています。そういう場所で踊れるのは楽しみです。

ダンスから離れて考えることで見えてきた、自らのスタイル

THE JAM FINAL (c)harugraphics

YASMINさんにとって、バトルってどんな位置付けですか?

Y:自分の中では、バトルというフォーマットが一番!と位置付けたくはないです。フラットに「踊り」というものを見たときに、ストリートダンスだけでなくて、たとえばサルサとかいろんな踊りがある中で、カタチだったりシルエットだったりはブレイキンでの表現が一番好きで、自分が一番自信を持って人前で踊れるのもブレイキンだと思ってます。その一つの表現方法がバトルっていう感じですかね。

その価値観になったのは、いつ頃から?

Y:小さい頃から世界を目指して挑戦しているバトルがあって、そこに9回くらいチャレンジしてやっと世界を獲った時に「ここまでの熱量でバトルに挑戦するのはもういいかな」ってなりました。好きに踊りたいという気持ちもあったし、周りとスキルで比較し合う世界線でやるのも一旦いいかなって感じで。
そこから「自分の好きダンスって何なんやろ?」とか、自分が好きなものを追求する日々になって。それをやるために、バトルに出るというプロセスが私には必要なかったので、仕事で本気を出してみたりとか、ダンス以外の取り組みを通じても考えるようになりました。

自分がダンスに向き合うことについては、どのように考えていたんですか?

Y:それこそ一回ダンスをやめた時は「そもそも私は何でここにいるんだろう!」くらいから考えていました(笑)。それでもダンスは私にとって身近な存在でしたし、大学の授業の一環で世界の踊りについて研究してプレゼンするタイミングがあったのも大きかったです。
HIP HOPとかだけではなく、コサックダンスとかアフリカの踊りとか、日本舞踏とか、人間が踊るということ自体を調べていて、そのときに分かった部分があったというか…。やっぱり踊りにとって音楽は大事だなって思ったり、踊るという行為を神に捧げる人もいれば、私はそうではなく、自分のマインドが高ぶったときにやっているとか、自分がダンスにどう向き合うか?をそこで整理できた感じですね。

Red Bull BC Oneはオーバーでもアンダーグラウンドでもない、各々が表現しやすい場所だと思う」

THE JAM FINAL (c)harugraphics

Red Bull BC Oneは、他のバトルと比べて何が違いますか?

Y:まずは、レベルが全然違うと思いますね。特にジャパンファイナルは全国で挑戦した子たちの結果で出来上がっている大会だから、気軽に出れるようなバトルではないです。
強者揃いやなって思うんですけど、身体能力が高くないといけないとか、ギミックが多くないといけない、というわけではなく割と自分の好き勝手な踊りができる場所というか。オリンピックのように一般の人たちが多く視聴するものでもないと思うので、大規模でレベルも高いのですがコアな部分が出せるバトルかなって思っています。

Red Bull BC Oneは、どんな存在ですか?

Y:オーバーでもアンダーグラウンドでもない中立的な位置な気がします。だからこそやれることが多いな!って思います。どちらかに偏っていると、やれることが限られていくんですよね。
例えば、オーバーグラウンドのイベントに出るとなったら、多分めちゃくちゃパワームーブを練習すると思いますし、もっともっとセット(技や動きの組み合わせ)を作っていくと思います。一方でアンダーグラウンド寄りのイベントだと、場合によってはお酒を飲んでも出れるわけじゃないですか(笑)。BC Oneはそこまでのラフさとかでもない、ちょうどいい中間のポジションにいると私は思いますし、だからこそ各々が表現しやすい場所だと思っています。そうであって欲しいです。

最後にRed Bull BC One Cypher Japanに向けて、意気込みをお願いします!

Y:実は今、少し怪我をしていて…練習出来ていないんですよ。その分、ダンスに対してフラストレーションが溜まっているので、早く本気で全力で踊りたいです。「安静にして動かない」っていう練習を頑張ったあとに出てくるダンスを見て欲しいです(笑)。正直、もっと練習したい気持ちもありますが、溜め込んであの舞台で爆発したいと思っています。パリに行きたいです!

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