いよいよあさって、2024年1月28日(日)に神奈川県・川崎市の宮前市民館で開催される「Out Hedge Vol.10」。
2017年12月にスタートしたこのイベントは、シーンの流れに順応しながら少しずつ形を変容させ、唯一のナンバーイベントとしての地位を確立。
ついに節目の10回目を迎えることになる。
このうち過去8回の関東での開催にあたって、ディレクターとしてそれぞれ4回ずつの優勝経験を持つYUTTY KINGDOM. のt.taishiと、Dye you in my hueのイワネスインセインの二人が対談。
初回から振り返り、彼らは今のOut Hedgeをどう見ているのか。
イベントへの、そしてダブルダッチへの考えや思いを熱く語ってくれた。

聞き手はイベントオーガナイザーのYUTTY (YUTTY KINDOM.)が務める。
Out Hedgeの“原点”
2017年12月、“垣根(Hedge)を超える(Out)”という思いで生まれたこのイベント。初回は形式が少し異なり、参加者の学生がシャッフルされ、シーンで活躍するOBOG(現在のディレクターポジション)の元に集うという企画だった。
t.taishi (以下: タイシ)
主宰のユッティから「イベントをやりたい」って相談してもらって、お笑い芸人の「ドリームマッチ」みたいなものを提案したんだよね。
OBOGも組み合わせは抽選で、参加する選手も抽選でチームを組んでみたら面白いんじゃないかなって。
──(ユッティ) ダブルダッチ界には規模の大きい大会はあるけど、第三の付加価値をつけられるイベントをやりたいなって思いがずっとあって。
タイシの意見をもらって「上と下の世代を繋ぐイベント」というのは面白そうだなって思って、走り出した気がする。
イワネスインセイン (以下: イワネス)
その時期、ユッティさんがよく「イベントやりたい」って言ってたのを覚えています。
Vol.1の時はクルーバトル形式でしたよね?
──そうだね。Vol.1はまだ今のナンバー制度ではなく、最前線で活躍するOBOGのもとに、参加者が抽選で集まってチームを組むという仕組みでした。
そしてイワネスの言う通り、ショーケースではなくクルーバトル形式だったんだけど、タイシのチームが優勝していたよね。
タイシ
そうだったね。一緒に組んでくれたOBのトモキ(You Know Who)が良かった。
だけど参加者は大学1年生・2年生ばかりで、しかも大学から始めた子たちばかり。
「俺ら若手ばっかりだけど勝ったぜ」って言った記憶がある。
t.taishi & TOMOKI「目利きの銀次郎」
イワネス
覚えてますね。僕もOBとして参加していましたが、タイシさんの言っている通りだし、悔しかったのを覚えてます。バトルに慣れていなかったのでムーブが作れなさすぎて(笑)。
でも逆に練習していて、ショーケースだったら良いものができるんじゃないかな?と思った記憶があります。
──参加者やOBOGの負担を考えてクルーバトル形式にしたんだけど、意外とショーケースの方が楽かもとか、なんなら「負担が増えてもショーをやりたい」って声もあり、それならと2回目からはショーケース形式にしました。
イワネス
その時は関西の同期で上京してきたカスヤ(FLY DIGGERZ)と組んで、やっぱりショーは得意分野だったから、結構良いものができた手応えがあったんです。
本番当日も初っ端でカマして、想像以上にお客さんも盛り上がってくれて、結構色めいていたんです。
けど、蓋を開けたら後の出番のタイシさんたちが更に良いものを作ってきていて、またタイシさんに持っていかれちゃったなと。しかもOB枠はタイシさん、たった1人で。
t.taishi「目利きの銀次郎2号店」
──タイシ的にVol.2を振り返ってみてどうだった? クルーバトルとショーの違いとかって感じたのかな。
タイシ
大きく違いはなくて考え方は同じだったかな。
練習期間も長くあるわけじゃないから、難しいことをし過ぎると自滅してしまうだろうし。だったら簡単なことでやり切れた方がいいと思うんだよね。
特に参加してくれている大学生たちって、ちゃんと「ミスのない演技をやりきる」っていう感覚を経験できていない子も多かったし、まずは完成させてみて、そこから勝つか負けるか、っていうことをさせたかった。
イワネス
数を重ねて最近のOut Hedgeで思うのは、やっぱりディレクター側のリスクヘッジが上手くないなと。
いつものチーム、いつものチームメイトでやって成功率が7割くらいの技を、そのイベントのためだけの即席のチームでやっても難しいよね、って思うんです。
ところで気になったんですが、タイシさんってVol.1とVol.2、連続して優勝したじゃないですか。Vol.2の時、プレッシャーみたいなものってありましたか?
タイシ
プレッシャーというより「連勝したい」って思いはあった。
まだ出来たてのイベントだったし、みんな探り探りだったと思うけど、どんなに小さな大会とかイベントでも、お金を払って見に来ているお客さんがいる以上、ヘラヘラしてショーケースをやるのは違うよねって。
確かに1回目は俺も探り探りだった部分もあったけど、2回目はガチでやろうと。「やるなら優勝するでしょ」という気持ちで。

本気を示す
イワネス
Vol.3は、当時同じチームでも活動していたアユカ(FLY DIGGERZ)と一緒に出たのですが、今までの2回に比べるとやりたいことをやった手応えは感じられました。
参加している子たちと「どうしようか」って考えている時に、ももいろクローバーZの『行くぜっ!怪盗少女』を使いたいとなって、それなら全曲そういうキャッチーで雰囲気の似た音源にしてみようかと。
粗さはありますが、作っていくうちに結構好きな作品になっていったなと思いましたし、あとはミスを極力減らしてタイシさんの3連覇を止めたいという気持ちもありました(笑)。
イワネスインセイン & AYUKA「薔薇色ビューティープラネット」
──そこからイワネスが2連覇することになるね。この次のVol.4のショーも良かった。どちらも鮮明に覚えています。
イワネス
アユカに加えてナツミ(Mrs.DOUBLE DUTCH)を引き入れて、僕らのチーム「Call me a DIVA」のナンバーみたいな形でやりました。当時は正式な制度ではなかったですが。
パフォーマンス制作も真剣でしたが、終わった後の手応えも相当なもので「さすがに優勝するだろ」っていう感じでした(笑)。
振り返っても1・2を争うくらい頑張っていたんじゃないかなと思います。
イワネスインセイン & AYUKA & Natsumi「本性は獣」
イワネス
タイシさんも言っていましたが、この辺から僕も「ガチでやらないのはダサいな」ということを、より強く意識するようになっていました。
何なら他の人を焚き付けたいくらいの気持ちで。
タイシ
この時、俺は別の大会の練習を優先して出なかったんだよね。
イワネスもそうだと思うけど、俺もOut Hedgeには片手間で出ていない。
最近はイベントの数も増えて、色んなステージに立つことは大事なんだけど、その反面やることが多くて片手間になってしまうことは多いと思う。
俺もダブルダッチ好きだから「全部出るでしょ」って気持ちはよく分かるんだけど(笑)。
イワネス
僕も片手間にはできないですね。
人を見ていて「取捨選択したら良いのに」と思うこともあるし、しかし一概にどちらが正しいとも言い切れない。
ただOut Hedgeに限って言えば、僕は常に「本気でやる」という意思表示は色んな形でしているつもりなので、ある程度の覚悟や気合いがある人しか来ないというのはあると思います。

タイシ
俺も初回の練習で方向性を話すようにしていて「うちはごめんだけど、遊びじゃないから」みたいな(笑)。
大変な時もあると思うけど、更に1つスイッチを入れてもらえるように伝えることはしているね。
変に優しくしすぎないというか。
──2人ともそれぞれのやり方だけど、いずれにせよ「ちゃんと示す」ということは大事だね。
タイシ
それこそユッティたちと一緒にチームを組んで大会に出た時とか、そんなことをわざわざ言ったりはしない。みんな分かってくれているし。
“演じる”っていうと大袈裟かもしれないけど、「ディレクター」として振る舞う意識はしているかもね。

──今回のVol.10は今まで以上にディレクター陣の年齢層がぐっと下がって、参加者の大半を占める大学生たちとの年齢差は縮まった印象があります。
練習もするしプライベートでも遊ぶし、そういう友達みたいな付き合い方のナンバーも素敵だなって思うんだけど、確かに反面「締めるところは締める」って部分が弱いのかなと感じることもあるね。
“ナンバー制度”が誕生
そしてOut Hedge Vol.5より、シャッフルで決定するチームに加え、ナンバー制度が限定的に導入されることになる。
──ふと気になったんだけど、タイシがこれまで一緒にOut Hedgeでチームを組んで、「成長したな!」とか「この子は伸びるな」って感じた子はいた?
タイシ
Vol.6で、ユッティと一緒にキッズの子たちのナンバーみたいなチームを出したんだけど、その子たちはすごかったね。
当時は小学5年生とかだったかな。だけど大学生の比じゃないくらいしっかり練習してくれていた。
なんとなく俺とユッティがスピーカーの方に近づいてスマホを触ると、練習が始まることを察して最初のフォーメーションになるんだよね。一度フリを落としたらずっと練習しているし、復習とかもちゃんとしてきてたし、止まっている時間が一切なかった。
「上手くなる子は違うわ」って感心しちゃったね。
t.taishi & YUTTY「RUGRATS」
──あと個人的にはミヅキ(Synappse)じゃないかな? タイシと2人でソロをやっているムーブが印象的だったんだよね。
タイシ
そうだね。時系列が前後するけど、1つ前のOut Hedgeで、イベントの歴史の中で初めて“ナンバーチーム”を出したのが、おれとユッティの所属である「YUTTY KINGDOM.」というチームのもの。ミヅキは当時大学1年生とかだったかな。
練習は相当厳しかったと思うけど、それでもミヅキをはじめ皆がついてきてくれて、結果もついてきて嬉しかった。
t.taishi & Yosh & SHOTA「KINGDOM. NUMBER」
──ミヅキはその後、学生の大会で日本一になって、今回のOut Hedgeではメインディレクターとしてナンバーを出すことになるんだけど、当時から見ている身としてはストーリーを感じてしまうよね。
そして思えばこの時が“ナンバー制”の先駆けだったわけだ。
タイシ
一緒に組んだヨシヒロとショウタ(YUTTY KINGDOM.)もそうだけど、俺たちのチームってマインドが“THE ダブルダッチ”なんだよね。
ステージの後ろで“あえて何もしない”を善しとしているチーム。むしろそれすらもパフォーマンスの一部だと思っているくらいの、シンプルで無骨な、いわゆる「王道」タイプの感じ。
──確かに最近のパフォーマンスは“外フリ”がついていることが多いかもしれない。
イワネス
僕は真逆のスタイルというか、“何もしない”ということはしない、常に動いているようなパフォーマンスなんですよね。
Vol.3とVol.4のショーがまさにそういうものを作って評価されたんですが、Vol.5からちょっと流れが一転して、再び王道スタイルのショーが評価されるようになった感じがあって。
その中で自分も過去のものを超える作品を生み出せた手応えもなくて、Vol.5やVol.6の時には「どうやって作品を作ればいいんだっけ」というスランプに陥った覚えがあります。
──でもさっきイワネスから「焚き付けたいと思っていた」という言葉があったと思うけど、これまでのイワネスのショーや姿勢が間違いなく全体の士気とかレベルを底上げしていたと思うんだよね。
イワネス
まあ確かにこの辺りから良いチームは増えた印象がありますね。活性化させられたんじゃないかという自負は、ちょっとはありました。
けど結局Vol.6はRUGRATSに負けて、当時あったOBのMVPもタイシさんが獲っていって、完敗でしたね(笑)。
タイシ
さっきも話に上がってたけど、Out Hedgeってリスクヘッジが重要だなって思うんだよね。RUGRATSもそこは重点的に考えて作った。もちろん、スーパーキッズたちだったからチャレンジもしてもらったけどね。
ディレクター側の俺やユッティが目立つショーを作るつもりはなかったし、むしろ「この子たちを輝かせたい」って考えると、メンバーの力量の把握は必須になってくる。
そしてそれが自然とリスクヘッジに繋がっていく。
イワネス
そうですよね。自分も「100%のパワーでできること」はやらせないようにしています。体感的には80%くらいまで落としてもできることじゃないと、本番もミスしてしまうような気がして。
まあこれ、Out Hedgeに限らない話ですよね(笑)。でも特にこのイベントには重要な考え方だと思っています。

完全ナンバー制へ
関西で開催予定だったVol.7は新型コロナウイルスの影響で中止に。
また色々な理由からVol.8からは開催拠点を関東に絞り、ついに全チームがナンバー制に移行する。
──やっぱり長く続けていると、ディレクター側と参加者の相性が合わなかったり、参加者の練習意欲が下がって練習に来なくなってしまうとか、「思ってたものと違ったショーだった」とか、色々と課題も生まれてしまって。
それなら「自分がやりたい」と思ったものを自分から選べる方がお互いのためだし、参加者も得られるものもより明確になるから狙いも定められるだろうし。
イワネス
それにVol.8からホールでの開催になったこともあって、今のフォーマットに近づいてきましたよね。ガラッと雰囲気が変わってアップデートされた感じ。
──イワネスはここで『インセイン組』というチームを作って、Vol.8・Vol.9と2連覇したんだよね。
イワネスインセイン「インセイン組」
イワネス
Out Hedgeとは関係なく、KEITAさん(REG☆STYLE)が「KEITA団」というものを作っていたんですよ。よく練習するとか、プレースタイルが似ている後輩たちを集めた集団みたいな。
特に何かをするわけではないけど、最初はなんとなく自分も作ってみたくて作りました。
それからOut Hedgeに出場することになって「自分が出るとしたらこれだな」と思って「インセイン組」という名前で出してみたら、元からいたメンバー以外にもいろんな新しい顔が集まってくれて。
嬉しいですよね。自分を慕ってくれる後輩たちと一緒にやれるのだから、爆発的に綺麗で良いものを作りたかった。
タイシ
“作品”っていうのを大事にしてるよね、イワネスは。パフォーマンスというより作品という感じ。
イワネス
Out Hedgeってダブルダッチの他の大会と比べると制約が少ないんですよ。人数も制限時間も自由。部門分けもないし、自分のやりたいことをできて、メンバーにも色々と教え込める。
でも未だに覚えているのは、その時にDJだったタイシさんがリハーサルを見て「絶対優勝すると思った」って言ってくれて。嬉しかったんですよね。
タイシ
覚えてるわ。絶対ここ優勝だなって思った。
俺はこの回には出場せずDJとして関わったんだけど、ステージの後ろのDJブースから見ていて、いろんなチームの仕上がりとか見ていてもここがぶっちぎりだなって感じた。
そしてインセイン組が優勝してからか、ステージングを意識したナンバーが増えたなって印象がある。
イワネス
そう思うと、前回のVol.9がダントツに全体のレベルが高かったと感じましたね。
自分より下の世代のディレクターが増えて、各ナンバーも勢いがあって。
その上、Vol.9から採点方法が変わりましたよね。
イワネスインセイン「インセイン組」
──そうだね。パフォーマンスが終わったら審査員が即採点して、その点数がスクリーンに表示されるっていう仕組みにしました。
ただその審査員の点数に加えてオーディエンスも投票できるようにして、その合計点数で最終順位が決まるという。
イワネス
学生の大会で準優勝した『Roar』の子たちが出したナンバーとか、本当に脅威でした(笑)。
しかも僕らはVol.8・Vol.9と同じインセイン組という名前で出場したので、彼らだけじゃなく色んなナンバーから「じゃああいつら倒すぞ」という空気感をひしひしと感じていて。
練習でもミスをゼロにまでは減らせなくて、不安の中で出番を迎えたんですがノーミスで終えることができました。
もちろん優勝は目指していましたけど、演技を終えたらもう僕の中では勝ち負けとかじゃなく、全てが完了していた感覚でしたね。
「故きを温ね、新しきを知る」
──さて、いよいよVol.10です。
今回タイシは「サブディレクター」として出場することになりますが、今の制度になる前から考えても、タイシが“メイン役”として出ないのは初になるのかな。
タイシ
そうですね。師匠のような存在のTMYさん(Who is Respected)と、これまたキッズナンバーみたいな形で出るんだけど、だからか今までと比べたらちょっと肩の荷が降りてはいる(笑)。
もちろんサブディレクターとして今回も優勝を目指してはいるんだけど。
──そしてイワネスはショーケースの審査員を務めるということで、いかがでしょうか。
イワネス
“一番高いシーン”でも通用するような半端ないものを見たいなって思いがあります。うまく説明ができないんですが。
僕、10年以上ダブルダッチを続けてきて思ったことがありまして。
ひと昔前って人口的にも技術的にも大学生がシーンの中心と感じることが多かったんですが、今ってそうじゃなくなってきていると思うんです。
Double Dutch Delight(学生の大会)で優勝したやつ、イコール「一番ダブルダッチが上手い奴ら」って感じだったものが、今はもっと上手いOBOGの人たちがいるわけですよ。
──確かに大学を卒業して社会人になったり、プロとして活躍しているプレイヤーは増えたよね。
イワネス
大学生中心のシーンにあった“本当にすごいもの”みたいなものが、その1つ上くらいの層にシフトして、逆に大学生たちに対して詰めが甘いなと感じることが増えたんです。
もちろん僕も完璧とは言い切れないけど、自分も自分なりには考えているつもりで。
ディレクターの顔ぶれも年下が増えてきているからこそ、やっぱりこの「詰めの甘さ」というところには妥協せずとことん追求してほしいし、半端ないものを見たいなと感じます。

──なるほどね。逆にイワネスより年上のタイシ的には、今の内容についてどう思う?
タイシ
自分が最後に出てから4年くらいが経って、Out Hedgeというイベントも大きく変わったよね。
完全ナンバー制になったり採点形式も変化があったし、さっきも言ったけど流行りも変わったと思う。前回(Vol.9)を見ていて「俺だったら優勝できるのかな」って思ったもん(笑)。
反面、正直ちょっと“ダブルダッチっぽさ”は減った気もするんだけどね。どこまで自分のスタイルが通用するんだろうという思いはあります。
イワネス
確かに僕が言うのも少しはばかられますけど、もっと「ダブルダッチっぽい」ことはやってほしいですね。
タイシさんの色々なショーを見ていると、ちょっとした工夫をしてショーを面白くしているなと思うんです。もちろん技術力は高いし上手いんですが、めっちゃ難しいことをやるのではなく、機転を利かせて心を掴んでくる感じがあって。
逆に言うと、“作品っぽい”ことをやっているだけというチームも増えた感じはします。
タイシ
今の学生の世代とかって「なにそれ見たことねえ!」とか「超やべえ!」と思う技を編み出したりしていて、確かにそれも魅力的なんだけど、ただどこかで“ダブルダッチっぽさ”を感じないなとも思うんだよね。
俺が意識してるのは「見たことない」よりも「その手があったか」と思ってもらえるもの。

──すごく納得いく見解だね。
タイシ
まあ逆に言えば、俺たちよりも若い子の方が体力もあって技術もあると思うから、追いつこうと同じことをやっても勝てないと思うんだよね。
じゃあ例えば基礎的なスライドから変な跳び方ができないかとか、新しい技なんだけど、どこかに“ダブルダッチ臭さ”を感じてもらえるようなちょっとした工夫を加えてみるという。
俺の出発点が基礎技だから、ただの二重じゃなくて、縄を踏んで浮かせて…みたいなのは、俺の好みではないんだよね。
──そんなものは基礎技の中にはないよね、って(笑)。でも見ていても確かにそう思うし、改めて言語化されて強く実感するね。
タイシ
俺やユッティの世代って「ロープの中でいかに凄いジャンプをするか」という考え方だったからね。
あの中で巧みなダンスステップをとか、豪快なアクロバットを、というのがスタートだったし、ロープの“回転”の部分を難しくして凄いように見せるという育ちをしてないから(笑)。
イワネス
自分も自分なりに「ダブルダッチっぽい」というのが何なのかというのは理解しているつもりなんですが、僕はそれを探求した上で“あえて外す”という選択肢があっても良いなと思うんです。
ただそれにも、やっぱり第一に(ダブルダッチっぽさを)理解をすることが必要。
こういう発言ってちょっと高圧的というか、いわゆる“老害”のように見えそうなのではばかられますけど…
やっぱり歴史を知ることって大事だと思います。昔から遡り発展の過程を辿って今こうなっている、ということ。
タイシ
その通り。でも逆に俺たち世代は“最新を知る”ことが必要なんだよね。おざなりになっている部分はあると感じます。
だから出身サークルの引退公演の映像とか、学生たちの大会の映像とか見たし。
さっき老害っぽく…と言ってたと思うけど、そうならないために俺たちは最新を知らなければならないよね。
──尋ねる側なのに出しゃばりすぎて申し訳ないんだけど、やっぱり10回やって改めて「みんなを活かせる人ってめっちゃカッコいいな」って思うんです。
僕は学生時代、HKRさん(alttype)から色んなことを教わってきて今がある。HKRさんの大きい背中を見て育ってきました。出場した子たちにもそういう存在が生まれてほしい。
プレイヤーとしてのスキルは当然大事なんだけど、やっぱり人を活かすのが上手い人も本当にカッコいいし、もっとフィーチャーされてもいいと思うんだよね。
その一つがOut Hedgeの「ディレクター」というポジションなのかな。そうあってほしい。
タイシ
確かにOut Hedgeのおかげで「パフォーマンスを作れる人」みたいな立ち位置に見てもらえるようになった気がするね。
イワネス
同感です。だからこそもっとディレクターの質が全体的に向上してくれたら嬉しいとは思いますね。
今って参加者側にオーディションがあって、通過しないとナンバーに出れない人もいるという形式ですが、ディレクター自体もオーディションするような時代がきたら面白いなと思います。なかなか難しいと思いますが。
あとこれは強く思うんですが、安易に照明に頼りすぎているなと感じることが多いですね。調整がうまくいかなかったりすると思いますが、そもそも照明のプランが下手だなと思うこともあって。
やみくもに“照明を使いたい欲”に惑わされてしまうと、本末転倒かなと。
タイシ
D.LEAGUEの影響などもあってなのか、照明を使いたいっていう子は多いよね。確かにかっこいいけど、俺も基本は明点させて、プラスシンプルな照明だけで十分じゃないかと思う派だな。
でもダブルダッチのイベントでここまで照明が多いものってないと思うから、ニュースタンダードを生み出していくという意味では大きな意味を持っているかもしれないね。
イワネス
個人的には、ピカピカさせ過ぎずにシンプルがいいと思います。“目潰し”を無駄に使って、肝心の中身が見えないとかありましたし。
特にVol.9に関しては非常にシンプルな照明の使い方をしましたが、ちゃんとムーブを見てもらえるようにするという戦略がハマったと思っています。
そこだけは結構、他のナンバーより2歩くらい先をいっていたんじゃないかなと自負していますね。
時代を切り裂け
並々ならぬ思いで臨んできた二人にとってのOut Hedge。そのステージに立つ後進たちへ、最後に彼らからの“エール”を訊いた。

──たくさんの熱い話をありがとうございました。2人がOut Hedgeに色んな思いを懸けてくれていたからこそ聞ける話だったと思います。
最後に今回出場するディレクター陣だったり、“未来のディレクター”たちにエールがあれば。
イワネス
審査員だから不用意なことは言えないんですが…
まあ僕は、結構厳しめに審査することになると思います。エールになっているか分かりませんが、その厳しい目を超えるものを見せてほしいです。
特にVol.8・Vol.9のインセイン組は傑作だと思っているので、今回それを超える作品が出てくることを楽しみにしたいです。
タイシ
俺も今回出るっちゃ出るからエールというと難しいけど、とりあえずまず、自分もサブディレクターとして頑張ります。
けれど今回の優勝って、イベントの歴史の中で1つ新しい記録になるよね。今まで関東で開催されてきたOut Hedgeは「俺とイワネスしか優勝してない」と言われてきたけど、そこに新しい人が入ってくる。
仮に俺が優勝したとしても、俺もイワネスもメインディレクターとして優勝することはあり得ないから、そこに名前を刻んでほしいですね。
イワネス
確かにそうですね。今後僕らが両方ナンバーを出さないことはあっても、その最初の1人目になれるのはこれが最初で最後です。
時代を切り裂くのは君だ。

イベント概要
「Out Hedge Vol.10」
日程 : 2024年 1月28日(日)
時間 : 13:00〜18:15 予定
会場 : 宮前市民館(神奈川県川崎市)
主催 : スキルハック
共催 : 川崎市
協力 : 有限会社 OVER THUMPZ
SPECIAL EDITION

FINEPLAYはアクションスポーツ・ストリートカルチャーに特化した総合ニュースメディアです。2013年9月より運営を開始し、世界中のサーフィン、ダンス、ウェイクボード、スケートボード、スノーボード、クライミング、パルクール、フリースタイルなどストリート・アクションスポーツを中心としたアスリート・プロダクト・イベント・カルチャー情報を提供しています。
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●今日 ○イベント開催日
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勇太:CMに出ることがまず理解できないことでした。全国で流されたり、電車の中にポスターが貼られたり、スカイツリーの展望台でもCMが流れていたらしいのですが、とにかく全ての状況が理解できないというのが、決まった時点での状態でした。反響もすごく大きくて、長年連絡を取ってなかった友達や、幼稚園の頃の友達のパパママからも「CM出てるのやばくない?」みたいな反響がたくさんあったと聞きました。 ジャンルレスな踊りをみせる二人だからこそ表現できる「龍と勇太」としての魅力 photo by AYATO. ―お二人は「龍と勇太」としてアニソンダンスバトルの最高峰「あきばっか~の」でチーム史上初の2連覇を飾るなど好成績を残し続けています。お二人ならではのダンススタイルや、チームとしての強みはどういう部分だと感じていますか? 勇太:自分たちの特徴として「ピリピリしない」、「ふざけながらショーケースやバトルをやっている」ところは他のチームにないことかもしれません。ルーティンとして固めた内容を本番でしっかり決めるところも強みだと思います。 龍:バトルで使うルーティンは、ショーケースのために作ったものを転用していることが多いです。キャッチーな曲や分かりやすい曲でショーケースをよくやっているので、一般の人にも面白いと感じてもらえるようなルーティーンが多いのが強みだと思います。それ以外でルーティンを作るときはダンサーのお遊び、即興のお遊びをそのままルーティンにしています。「これ面白いじゃん」とか「それやってみよう」といった感じで、全て偶然できたものでやってます。 photo by AYATO. ―お互いに様々なジャンルを取り入れた踊りをされる印象があります。「ジャンルに捉われない唯一無二のスタイルを貫く」、あるいは「ジャンルレス」に踊ることについて、どのような考えをお持ちですか? 龍:割とその時踊りたいように踊るという感覚が強いです。「今日は立ち踊り一本で行きたい」、「今日はブレイキンを混ぜて好き放題やっちゃおう」、「今日はHIPHOPが多いからPopの要素多めにしよう」とか、その日の調子によって踊りたいように踊っています。一つのスタイルに囚われたくないという感じです。 勇太:僕は基本的にPopをやっていますが、フロアを使ったムーブで繋げたりする部分はPopでも珍しいかもしれません。特に色々混ぜているという感覚はなく、自分がやりたいPopとそれをどう流れるように繋げて踊るかを考えています。 またDESCARADOSというチームでも活動していて、ハウスを踊るメンバーも所属しています。なのでハウスやHIPHOPを踊ることもあるし、ちょっとブレイキンっぽいフリーズが入ったルーティンだったり。そういった部分からも色々なジャンルの良さを吸収しています。 ―勇太さんはバトルで一点倒立をしていたのも印象的でした! 勇太:あれは本当によくわからなかったです(笑)。相手のムラトミさんが一点倒立をしたから自分もやってみようと思って。一時期は3点倒立系の技を遊びでやっていた時期があって、それが上手く活きたシーンでしたね。 photo by ちゃんじゃ ―ジャンルごとに練習時間を決めたりしていますか? 龍:僕は趣味感覚でブレイキンをやっているので、体を動かしたくなったらブレイキンをやって、一日の終わりに近所で夜風に当たりながらHIPHOPの練習をするのが好きです。とにかく体を疲れさせたくて、生きてる実感が欲しくて練習をやっています(笑) 勇太:僕は一人では練習しないです。週一固定でレッスンに通っているのと、とにかく予定を入れたいタイプなので、誰かと練習する予定をとにかく詰め込んでいます。1日に3つ練習をはしごして周ったりすることもあります。一人で練習しようとするとうっかりYouTubeを見て時間をつぶしてしまったりするので、誰かと一緒に踊り合うのをやっています。ブレイキンはもう練習していません(笑) photo by ちゃんじゃ ―お互いのリスペクトポイント、頼もしいポイントがあれば教えてください。 龍:勇太はダンスが好きだという気持ちと、Popが好きだという気持ちで、ブレずにまっすぐダンスをしているところがめっちゃかっこいいと思います。ふざけているようで、すごく真面目なところもいいです。 勇太:龍はスケジュールが忙しい中でもダンスに対して一番時間を割いているので、ダンスへの気持ちが熱いです。僕はダンスが圧倒的な第一位でダンスにしか時間を割いていませんが、龍はセルフプロデュース能力やSNSでの見せ方、自分をどう一般の人に見せるかという部分のこだわりがしっかりあると思います。 あとは気持ち悪いほどオタクな部分、ダンスに対しても気持ち悪いほどの愛があって、そのキモさが良いです。人間はかっこいいとか上手いとかが行き切ると気持ち悪くなるもので、龍は全部行き切っていると思います。良いプライドの高さと良い自信の持ち方、そして自分への考え方を持っているのが良いです。 photo by AYATO. ダンス以外のプライベートにも垣間見える二人の魅力 ―龍さんのダンス以外のオフな部分で、リフレッシュはどのようにされていますか? 龍:僕は大学に通いつつ、ダンスの仕事やトークの出演も多くて、趣味のアニメ、そしてプライベートの練習、この4つの軸で生きています。基本的には大学や仕事で動けない時のストレスをダンスとアニメで全て打ち消している感覚です。アニメもダンスと同じように好きな時に見て楽しんでいます。 ―勇太さんはラーメンを出汁やトッピングから作ると伺いましたが、どのくらい時間がかかりますか? 勇太:ラーメンは作るものによりますが、2日くらいかかります。長いものだとスープで1日かかることもあります。スープを作る日は外出すると焦げちゃうので、15分や10分おきに混ぜなければいけなくて丸一日時間がかかります。友達や先輩に食べに来てもらうことも多いですね。一番好きなのは煮干しラーメンで、そこら辺の店より美味しい自信があります。 ラーメンを食べに行くのももちろん好きで、練習場所に応じて大体2〜3件ラーメン屋の候補が出てくるくらい通っています。イベントの予選前とかでも一人でラーメンを食べに行くこともよくあります。 シーンの最先端で活躍し続けてきた二人が語るカルチャーへの思い photo by ちゃんじゃ ―ダンスを通した活動で、ダンスカルチャーにどう貢献したいか、どのような思いで活動されていますか? 龍:A-POPバトルとストリートバトルの両方に出ていますが、どちらも楽しいから出ています。でもそのダンスの面白さを一般の人に伝えるのは難しいことだと感じています。自分たちがダンスは楽しいということを分かりやすくしたり、動画にすることで他の人にも楽しんでもらえるようにしたいと思っています。純粋にバトルを楽しむことと、それをエンタメに昇華することを意識しています。 勇太:A-POPバトルには友達に会いに遊びに行く感覚で出ています。アニソンダンスバトルに出ている人たちがお互いに刺激を与え合い、シーンがどんどん大きくなってレベルが上がっていったらいいなと思っています。 Popのバトルは、世界大会など大きい大会がたくさんあるので、「チャレンジャーとしてどれだけ爪痕を残せるか」というマインドで挑んでいます。僕はPopのダンスが一番好きでかっこいいと思っていますし、Popの歴史も好きなので、先輩方にどれだけ認めてもらえるかを目標にしています。結果が出なくても、言葉をかけてもらえると嬉しいです。最終的にはPopシーンでトップを取り続けたいですし、バトルに出ている時が一番ヒリヒリして楽しいですね。 Popは他のジャンルに比べて年齢の力がすごいんです。ブレイキンや他の競技には引退という言葉がありますが、Popはそこまで体を動かさなくてもいいので、どれだけ年を重ねても一生上手くなり続けられるジャンルです。だからこそ渋さが出せる先輩達が強くて、その牙城を若手がどう崩すかが今の大きな壁なのですが、他の人より若いうちにこの壁を超えてやりたいという思いがあります。今も最年少記録をいくつか持っていますがもっと大きい大会でたくさん記録を更新していきたいです。 また、ストリートやオールスタイルのシーンの中には、自分に憧れてくれているキッズ達もいるので、その子達にどれだけ夢を見せられるかというところも意識しています。 photo by AYATO. ―A-POPを含め、ダンスシーンがもっとこうなって欲しいと感じる部分はありますか? 龍:A-POPシーンの上の層がストリートに対してもっと意欲的になって、どんどんレベルアップしてほしいです。上が育つと下も育つので、もっと次のレベルを目指してほしいです。また、ストリートから来てくれるキッズの子が増えているので、彼らを引っ張って、A-POPの面白さをストリートにも広めていけたらと思います。 HIPHOPバトルではあまり勝てるタイプではないんですが、もっとクリエイティブというか、色々なものを受け入れやすくなったら日本のダンスシーンが面白くなるのではないかなと思います。とはいえ不満があるわけではなく、結果よりも自分がどう踊るかに今後も焦点を当てていきたいですね。 photo by AYATO. 勇太:A-POPシーンの人もみんなストリートのシーンが本場と考えているので、ダンスの部分に対しての愛をA-POPシーンでもっと表現できたらいいなと思っています。アニメ愛や声優愛は素晴らしいんですが、ジャッジが来た時に「ダンスへの愛ももっとあったらいいね」と言われることが多いです。アニソン愛そのままに、ダンスにも愛を向けられるともっと面白い空間になると思います。 ストリートのシーンは、A-POPシーンに比べてイベント数が少ないと感じています。大きいイベントはたくさんあるんですけど、ダンサーはそのどれかに焦点を当ててバトルに出場していることが多いです。それ自体はめちゃくちゃいいことで、一つ一つのイベントの熱量が高くなって最高に楽しいんですけど、そのイベントの数がもっと増えてくれたら嬉しいです。 あとは、ブレイキン以外のクルーバトルイベントが少ないとも感じています。コンテストとして同じジャンル同士で組むクルーは多いんですが、バトルクルーはブレイキン以外で少ないと感じているので、他ジャンルの新しいクルーバトルイベントが増えてくれたらいいなと思います。もうジャンル関係なしにごちゃまぜで「こいつらがバトル最強だ」みたいなクルーが増えていっても面白いんじゃないかなと思っています。 どのシーン間でもライバル関係みたいなものはたくさんあってよくて、その中で皆それぞれこだわりがあって最高だと認め合えればめちゃくちゃいいと思います。コミュニティ同士が独立せずに、もっと色々な交流ができたらいいと思っています。 ダンスに人生をささげた二人の目指す未来 photo by AYATO. ―将来、どのようなダンサーを目指していますか? 龍:ストリートシーンでも勢いを殺さずに自分の踊りをやり続けたいなということと、ダンスをもっとエンタメとして一般の人にダンスの楽しさを分かりやすく伝え、広めていくことを続けていきたいです。プロの活動としては音楽アーティストのバックダンサーや振付師が主流で、ダンサーがメインに立って評価されることってめちゃくちゃ少ないと思っています。だからこそもっとダンス自体が評価されるような活動をしていきたいです。例えば、ダンスバトルがテレビ中継されるような社会になったら、ダンサーがスポーツ選手のようにスポットライトを浴びると思うので、それくらいのことが実現できるように世の中にしたいですね。 photo by AYATO. 勇太:プロ野球選手やプロサッカー選手のような年俸制で活動できるような夢のある話が、ダンサーの世界にもあればいいなと思います。今のPopの人たちはダンス一本で稼ぐのが難しくて、振付やメディア露出などダンス以外にもマルチに活動してようやく稼げるっていうのが多いと思います。なので将来的にはPopでもダンス一本で稼げるようにしていきたいです。ポカリスエットのCMに出演したこともそうですが、これからもダンスを通じて誰もやってないことを成し遂げたいです。 あと、ダンスはもちろんカルチャーがあっての仕事なので、このカルチャーを作ってくれた方々やシーンを繋げていくことに貢献したいという気持ちが一番強いです。メジャーの仕事をするようになるとバトルに出なくなる人が多いですが、僕はバトルが好きでダンスを始めたので、バトルでも最前線で活躍し続けて、あくまでバトルをメインとしながら他のこともいろいろやっていきたいです。 photo by ちゃんじゃ ―お二人にとってダンスとはどのような存在ですか? 龍:分かりやすく言うと「趣味」です。楽しいことを仕事にしたいという願いが実現しているので、極論本当にただの趣味っていう感じです。この楽しい趣味を色々な人に共有したいっていう気持ちですね。 勇太:よく言うことですが、人生よりダンスの方が大きいです。「人生の中の何割をダンスが占めている」のではなく、ダンスがベースにあり、その上に付属してあるものが人生という感じです。「ダンスの一部分が俺」だと思っています。 「龍と勇太」プロフィール 龍(下)と勇太(上) 龍 3歳でバレエとジャズダンスを始め、6歳でストリートダンスに出会う。バトルを中心に活動している「龍と勇太」や、A-POP CREW「サンセットレーベンズ」としても好成績を残し続けている。また、独創的な世界観を持つHIPHOPチーム「EcRaip」や、キッズダンス界隈を賑わせているメンバーで構成された「DESCARADOS」のリーダーとしても活動中。マイナビDANCEALIVE 2023 HIPHOP部門 BEST8、Redbull Dance Your Style Japanでも優勝するなど確かなダンススキルを持ち、ジャンルに捉われない唯一無二のスタイルを貫く。アニメと声優さんとメロンパンが大好き!2022年、高校1年生にしてREAL AKIBA BOYZに加入。 【戦績】・Red Bull Dance Your Style Japan 2023 Japan Final 優勝・ALL JAPAN SUPER KIDS SOLO BATTLE 2017 関東 U-12 優勝・Soulm8 SOLO DANCE BATTLE 2017 FINAL U-12 優勝・COLOSSEUM CLOUD vol.3 1on1 freestylebattle 優勝・あきばっか〜のVol.22七周年SP 優勝(龍と勇太)・マイナビDANCE ALIVE HERO’S 2020 KIDS TOHOKU CLIMAX 準優勝・マイナビDANCE ALIVE HERO’S 2020 KIDS FINAL BEST4・マイナビDANCE ALIVE 2023 CHARISMAX Ⅰ HIPHOP部門 優勝・マイナビDANCE ALIVE 2023 HIPHOP部門 BEST8 【コンテスト】・ICE CREAM JAPAN DANCE CONTEST U-12 ソロ部門 優勝・JUMP HIGH CONTEST U-12 ソロ部門 優勝・Soulm8 DANCE CONTEST 関東 U-12 ソロ部門 優勝 勇太 Pop、Animation を軸に磨き上げたスキルに加え、ミュージカリティと遊び心いっぱいのダンスで観るものを魅了するファンキーモンキー。WORLD DANCE COLOSSEUM WORLD FINAL 2024にて優勝し見事高校生世界一に輝く。マイナビDANCEALIVE キッズサイド5回のFINALISTを経験し、LAで行われた世界大会Freestyle Sessionでは、世界各地から参加した猛者達と戦い2年連続BEST8に輝く。2025年にはRed Bull Dance Your Style 2025 Japan Finalにて優勝し、日本代表に選出。武蔵とのチーム「Rampagers」では全国のキッズダンスコンテスト優勝を総なめに。龍とのチーム「龍と勇太」ではアニソンダンスバトル全国大会でチーム史上初の2連覇を飾る。他にも、超個性的同世代クルーの「DESCARADOS」やBeatboxer JUNとの異色Tag「CUBE」として、ダンス界のみならず色々な場所で活躍中。ラーメンを出汁やトッピングから全て作るのが趣味。 【主な出演】ポカリスエットCM 「君はきっと、誰かの太陽。」 【戦績】・Red Bull Dance Your Style 2025 Japan Final 優勝・WORLD DANCE COLOSSEUM WORLD FINAL 2024 Highschool 3on3 優勝・あきばっか〜の vol.22,30,31,32 優勝・Freestyle Space 2023,2024 優勝・マイナビDANCEALIVE FINAL KIDS 2023,2024 BEST4・Freestyle Session WORLD FINALS 2023,2024 BEST8・Battle BAD 2024 POP BEST8・OLD SCHOOL NIGHT vol.25 POP BEST16・DANCE VISION vol.10 Freestyle 2on2 BEST8・DOG EAT DOG 2024 BEST4 「龍と勇太」出演イベント情報 「龍と勇太」の龍は自身が所属している「REAL AKIBA BOYZ」が主催するワンマンライブ「REAL AKIBA BOYZ ONEMAN LIVE〜 ぼくらのマスターピース 〜」に出演。2025年10月4日(土)に東京体育館にて開催される。詳細は記事最下部のイベント情報を要チェック。 イベント情報:「REAL AKIBA BOYZ ONEMAN LIVE〜 ぼくらのマスターピース 〜」日程:2025年10月4日(土) OPEN 15:30 / START 16:30場所:東京体育館出演:REAL AKIBA BOYZ / REAL AKIBA JUNIORZ / REAL AKIBA BANDゲストアーティスト:RHYMESTER、fhána、喜矢武 豊 (ゴールデンボンバー)協賛:日活株式会社、株式会社エポスカードフードコート企画:脳汁横丁チケット情報:記事最下部リンクより ゲストアーティスト
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surfMIDAS CAPITAL OMAEZAKI Pro 2025 QS2000/Pro Juniorが静岡県御前崎市ロングビーチで開催!2025.09.152025年9月3日から7日まで、静岡県御前崎市ロングビーチで「MIDAS CAPITAL OMAEZAKI Pro 2025 QS2000/Pro Junior」が開催された。今大会は4回目を迎え、プロジュニア部門も同時開催。来シーズンのCS出場権やWorld Junior代表枠をかけた、選手たちにとって重要な戦いとなった。大会は波のコンディションを考慮し、2日間でプロジュニアが行われ、その後にQSが実施されるスケジュールで進行した。 安室丈 WSL御前崎プロ:shujiizumo 地元の声援に応えた佐藤李が優勝 WSL御前崎プロ:shujiizumo プロジュニアウィメンズのファイナルには、佐藤李、松岡亜音、鈴木莉珠、松野杏利の4名が出場。序盤は松岡亜音が2本のライディングをまとめリードを奪ったが、後半にかけて地元、佐藤李が序盤で決め切れなかった技を修正し、得点へと繋げてトップに浮上した。松野杏利も終盤にリズムを掴み反撃を試みたが、あと一本届かず。見事、佐藤李が地元で栄冠を手にした。 松岡亜音 WSL御前崎プロ:shujiizumo 佐藤李 WSL御前崎プロ:shujiizumo 序盤のリードを守り切り、佐藤利希がプロジュニア初優勝 WSL御前崎プロ:shujiizumo プロジュニアメンズのファイナルには、佐藤利希、渡辺壱孔、岡野漣、Dylan Wilcoxenの4名が進出。佐藤利希は大会を通じて意識してきたスタートダッシュをファイナルでも実行し、1本目で4.00ポイント、続く2本目で5.83ポイントをマークしてトップに立った。中盤には渡辺壱孔と岡野漣も5点台をスコアして追い上げたものの、あと一本が伸びきらず。最後までリードを守り切った佐藤利希が、嬉しいプロジュニア初優勝を手にした。 渡辺壱孔WSL御前崎プロ:shujiizumo 佐藤利希 WSL御前崎プロ:shujiizumo リズムを掴んだ野中美波、2本連続の高得点で優勝 WSL御前崎プロ:shujiizumo ウィメンズQS2000は大会4日目からスタート。Round of 32はサイズのある波の中で行われ、その後のサイズダウンというコンディションの変化にも対応しながらの戦いとなった。ファイナルは野中美波と鈴木莉珠の一騎打ち。鈴木莉珠は左側のバンクを選び、1本目から4.50ポイントをスコア。対する野中美波は正面のバンクを選んだ。インタビューで「試合の前半が大事」と語っていたが、ファイナルでは1本目の波でフィニッシュを決めきれず、前半は苦しい展開が続いた。しかし中盤、待ち続けた野中美波の前にサイズのある綺麗な波が入り、6.67ポイントを獲得。さらに沖に戻るとリズムを掴んだかのように再び同じような波を引き寄せ、6.50ポイントを重ねてトップに浮上した。追いかける立場となった鈴木莉珠は波を待つもチャンスは訪れず、そのまま試合終了。見事、野中美波が優勝を飾った。野中美波は9月末にポルトガルで開催されるCS「EDP ERICEIRA PRO」への出場を予定。来季のCSクオリファイ、そしてCSでのクオーターファイナル以上進出を目標に掲げている。 野中美波 WSL御前崎プロ:shujiizumo 小林桂、圧巻の安定感で2連覇達成 WSL御前崎プロ:shujiizumo メンズは大会2日目の午後からスタート。台風の影響で目まぐるしく変わるコンディションの中、ファイナルはサイズが下がり、さらに風の影響を受ける難しい状況で行われた。対応力が試された今大会、ファイナルに勝ち残ったのは小林桂と安室丈。いずれも国内外で豊富な経験を積んできた2人の対決となった。小林桂は自分のスコアを出せるポジションをすでに見極めており、ファイナルでも迷うことなくそのポジションで波を待機。スタートのホーンと同時に乗った1本目で6.00ポイントをマークした。その勢いを保ちながらライディングを重ね、7本目には6.17ポイント、さらに14本目にはレイバックのワンマニューバーで6.83ポイントをスコア。ガッツポーズを見せるほど手応えのあるライディングで会場を沸かせた。一方、追う立場となった安室丈は1本目で4.60ポイントを出したものの、なかなかスコアを伸ばせる波を掴めず。12本目に4.67ポイントを重ねたが逆転には届かず試合終了。ディフェンディングチャンピオンの小林桂が、見事2連覇を達成した。今年からリージョンを移した小林桂はインタビューで、この後のQS6000田原、そして宮崎と全ての大会にも出場する予定だと語った。 小林桂 WSL御前崎プロ:shujiizumo Pro Junior Women's WSL御前崎プロ:shujiizumo 優勝:佐藤李2位:松岡亜音3位:松野杏利4位:鈴木莉珠 Pro Junior Men's WSL御前崎プロ:shujiizumo 優勝:佐藤利希2位:渡辺壱孔3位:岡野漣4位:Dylan Wilcoxen(INA) Women's QS2000 WSL御前崎プロ:shujiizumo 優勝:野中美波2位:鈴木莉珠3位:池田美来、Hana Bakker Men's QS2000 WSL御前崎プロ:shujiizumo 優勝:小林桂 2位:安室丈3位:金沢呂偉、Raphael Castro(USA) サイドコンテンツではUrban Sports Camp in Omaezakiが開催! USC御前崎:shujiizumo 9月6日(土)サイドコンテンツとして今年で3年目となる「Urban Sports Camp in Omaezaki」が同会場にて開催された。「ストリートカルチャーを世界に」をテーマに掲げ、ダブルダッチ、フリースタイルフットボール、フリースタイルバスケットボールのアスリートで結成されたチーム「F.B.D.」によるショーケース、体験会が行われた。 USC御前崎:shujiizumo 6日は天候に恵まれ青空の下、「F.B.D.」によるスペシャルパフォーマンスが披露された。御前崎市出身のフリースタイルフットボーラーYu-toをはじめ、レッドブルアスリートのYu-ri、フリースタイルバスケットボーラーのRIKU、NESS、プロダブルダッチチームMillennium Collectionからikkyon、ASUKI、KENTOが参加し各カルチャーの若手の精鋭が御前崎を沸かせた。 USC御前崎:shujiizumo パフォーマンスが終わった後はフリースタイルフットボール、フリースタイルバッスケットボール、ダブルダッチの3競技の体験会が開催。来場した家族連れや、サーファーをはじめ、ブースへの出展やイベント関係者たちも含め、老若男女がアーバンスポーツを体験。 USC御前崎:shujiizumo 即興の体験会コンテンツのゲームも行われ、参加者たちは技が成功すると満面の笑みを浮かべ、初めて触れるアーバンスポーツを楽しんだ。体験会が終わると参加者全員にアーバンスポーツキャンプ限定の缶バッジが配られ、子供たちは嬉しそうに受け取った。 MIDAS CAPITAL OMAEZAKI Pro 2025 開催概要 日程2025年9月3日(水)~9月7日(日)会場静岡県御前崎市ロングビーチ主催WSL御前崎プロ実行委員会公認WSL/ASIA(APAC)後援静岡県/御前崎市/御前崎市商工会/御前崎市観光協会協力(公社)日本サーフィン連盟静岡2区支部/御前崎ローカルサーフコミュニティ/(一社)御前崎スマイルプロジェクト競技種目・QS2000 Men’s/Women’s・PRO JUNIOR Men’s/Women’s
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others日本最大級“入場無料”のアーバンスポーツの祭典 「YOKOHAMA URBAN SPORTS FESTIVAL ’25」が今年も開催決定!2025.09.03今年も、2022年から開催されている「YOKOHAMA URBAN SPORTS FESTIVAL」を来たる2025年11月15日(土)・16日(日)の2日間にて横浜赤レンガ倉庫で開催することが決定した! 本イベントは、アーバンスポーツ競技と、そのスポーツの原点とも言えるストリートカルチャーが一堂に会し、「観る・体験する・楽しむ」要素が満載のスポーツフェスティバルで、昨年度は6.5万人が来場数を記録。 4回目の開催となる今年は、2023年開催時に登場したフリースタイルフットボールが再び加わり、スケートボード、ブレイキン、BMXフラットランド、ダブルダッチ、パルクール、パルオニ、3X3とあわせた全8種目に、国内外で活躍する選手の登場が予定されている。その他、大人から子どもまでアーバンスポーツを気軽にチャレンジできる体験会や、ファッションやアイテムが勢揃いのストリートカルチャーマーケット、そして同時開催される横浜赤レンガ倉庫初のアメリカンフードフェス「ALL AMERICAN FOOD FESTIVAL ’25」など、2日間に収まりきらない盛りだくさんの企画が用意されており過去最大の盛り上がりが見込まれている。 コンテンツラインアップ 【アーバンスポーツ】 スケートボードパークやバーチカルなど様々なスタイルがあるスケートボード。その中でも日本人選手が世界のトップレベルで活躍している、街中にあるような階段やレールなど障害物のあるコースで競うストリート種目を実施。 © Yoshio Yoshida/YUSF ブレイキンダイナミックでアクロバティックなストリート発祥のダンスで「ブレイクダンス」とも呼ばれる。1970年代にアメリカのニューヨークで生まれたヒップホップカルチャーの一つで、80年代にヨーロッパや日本にも広がり世界中へ広まった。ストリートから始まったブレイキンは近年若年層に人気のアーバンスポーツとしても注目を集めている。 © Ayato Nishimura/YUSF BMXフラットランドランプやレールなどの構造物を使用せずに平らなステージでBMXを操る競技で「自転車でまるでダンスをしているかのように巧みに乗りこなす競技」とも言われる。 © Jason Halayko/YUSF ダブルダッチ2本の縄を操り、アクロバットやダンスなどで跳び越え魅せるストリートスポーツ。NYからその文化は拡まり、現在では、世界各地でトップクラスのコンテストが行われており、幅広い年代がプレイしている。高速ステップや、ダイナミックなアクロバット、一糸乱れぬ阿吽の呼吸が見どころ。 © Ayato Nishimura/YUSF パルクール走る・跳ぶ・登るの基本動作に加えて、壁など構造物を活かして飛び移る・飛び降りる・回転して受け身をとるなどダイナミックなアクションが魅力のスポーツ。 © Ayato Nishimura/YUSF パルオニパルオニとは「パルクール鬼ごっこ」のことで、競技の専門性によらない、誰でも行う「あそび」を競技化した究極の鬼ごっこスポーツ。 © Kazuki Murata/YUSF フリースタイルフットボールサッカーのリフティングやドリブルなどの技術を、魅せるパフォーマンスとして昇華させたフリースタイルフットボール。世界で活躍する日本人選手が多く、激アツな対戦に期待大。 © Hikaru Funyu/YUSF 3x3「3x3」とは、国際基準のルールに基づいて行われる、攻守の切り替えの速さ、1対1の駆け引きが魅力の3人制バスケットボール競技。10分1本勝負、または21点先取のKO方式で、ひとときも目が離せないスピード感に要注目。 © Kazuki Murata/YUSF アーバンスポーツ体験会知らないスポーツだからこそ、この機会に「アーバンスポーツ」にチャレンジしてみよう。もしかしたら、楽しすぎてハマっちゃうかも。やって楽しめるのもYUSF ’25ならでは。※実施予定種目は調整中です。 © Yoshio Yoshida/YUSF 【カルチャーマーケット】 アーバンスポーツを「観る・体験する」はもちろん、ファッションやカルチャーを体験できるショップやブースなど、盛りだくさんのラインアップを取り揃える。 © Hikaru Funyu/YUSF© Jason Halayko/YUSF 同時開催イベント 【 ALL AMERICAN FOOD FESTIVAL 】 「ALL AMERICAN FOOD FESTIVAL ’25」は、アメリカを代表するフードが味わえる横浜赤レンガ倉庫の新たなフードイベント。スケートボードやBMX、ブレイキンなど多くのアーバンスポーツの発祥となっているアメリカならではのフード&ドリンクを楽しめるキッチンカーが出店し、迫力満点のアーバンスポーツ観戦とともに、食を通じてこれまで以上にストリートカルチャーを体感できる。 アメリカンカルチャーに染まる2日間、横浜赤レンガ倉庫で、ご家族や友人と“食×スポーツの秋”をお楽しみあれ。 【名 称】 ALL AMERICAN FOOD FESTIVAL ’25(略称 AAFF ’25)【会 期】 2025年11月15日(土)・16日(日) ※雨天決行、荒天時は中止いたします【営業時間】11:00 ~ 20:00(ラストオーダー 19:30)【入場料】無料 ※飲食代は別途【会 場】 横浜赤レンガ倉庫 イベント広場(神奈川県横浜市中区新港1-1)【主 催】 YOKOHAMA URBAN SPORTS FESTIVAL ’25 実行委員会【特設サイト】記事最下部の関連リンクから※全飲食店舗・フードメニューの詳細は後日公開予定です 開催概要 © Ayato Nishimura/YUSF©Yoshio Yoshida/YUSF 開催名称:YOKOHAMA URBAN SPORTS FESTIVAL ’25(略称 YUSF ’25)会場:横浜赤レンガ倉庫イベント広場・赤レンガパーク(神奈川県横浜市中区新港1-1)日程・時間:2025年11月15日(土)・11月16日(日)両日ともに11:00〜20:00(予定)※雨天中止。競技の開始・終了時間は各競技によって異なります。詳細は後日公開いたします。入場料:無料 ※飲食や物販代金は別途必要。一部、有料の体験コンテンツあり。主催:YOKOHAMA URBAN SPORTS FESTIVAL ’25 実行委員会(株式会社横浜赤レンガ / 明治商工株式会社 / 株式会社ローソンエンタテインメント / 株式会社ゼータ)共催:横浜市にぎわいスポーツ文化局協力:一般社団法人ARK LEAGUE / 有限会社OVER THUMPZ / 株式会社IAM / 株式会社トリデンテ /株式会社HANDOFF
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danceFULLCAST RAISERZ|D.LEAGUE 24-25シーズン最下位転落と上昇の決意2025.08.18D.LEAGUE(※)のチームであるFULLCAST RAISERZ(フルキャストレイザーズ)は、これまでD.LEAGUEのチャンピオンシップ出場の常連チームと言われていた。なかでも2021-22シーズンではレギュラーシーズンで総合首位となり、チャンピオンシップでは準優勝を獲得するなど、初期から強豪チームとして存在感を示していた。しかし、D.LEAGUE 24-25シーズンはチームの歯車が狂い最下位に転落するという前代未聞の結果となった。シーズンを終えて率直な感想と今後の決意についてディレクターのKTRに話を訊いた。 過去最低順位を記録した24-25シーズン - 24-25シーズンもお疲れ様でした。初めて成績が振るわないシーズンを迎えたことになりましたが、率直な感想をお聞かせください。 KTR:一言で言えば「悔しい」シーズンでした。過去最低の14位という結果で、今までチャンピオンシップ常連だったレイザーズとしては、勝利した試合が1勝のみという結果は本当に悔しかったです。シーズン中は練習の雰囲気も苦しい時期があり、「なぜ勝てないんだろう」という迷いもありました。新ルールへの対応がうまくできなかったことがひとつの要因にありますが、その他のことについても、今振り返るともっと改善できたことがあったと感じています。その一方で、この悔しさや苦しさがあったからこそ、支えてくれる人たちの存在の大きさにより気付けたシーズンでもありました。ファンミーティングやイベントでファンの方々と会う機会が多く、彼らが常に「レイザーズが勝っているよ!」と信じ、声をかけ続けてくれたことは、決して当たり前ではないと改めて感じました。スポンサー様やスタッフの方々の支えも含め、「経験は宝」という言葉を強く実感したシーズンになりました。 D.LEAGUE 24-25 最終ラウンド ディレクターとしての2年間と覚醒 - ディレクターに就任されて2年が経ちました。以前、前ディレクターのJUNさん以上の成績を残したいとおっしゃっていましたが、ディレクターとしての葛藤はどのようなものがありましたか? KTR:正直なところ、就任当初の1年目はプレッシャーを感じる余裕すらなかったです。何がディレクターの仕事なのかも分からず、とにかく目の前のことを日々乗り越えることに精一杯でした。2年目でようやく仕事の内容や役割が分かり始めましたが、今振り返ると、当時の僕の意識は未熟だったと感じます。今の方がはるかに責任感を強く感じています。この責任感が生まれ始めたのは、24-25シーズンの後半戦でした。チームの雰囲気が悪く、メンバー間で衝突があった時、「この環境を作っているのは自分だ」と強く感じたんです。メンバーの衝突すらディレクターの責任だと。その時、「俺は何をやっているんだろう」と自問自答し、メンバーに心を開いて自分の想いを伝えました。「優しく接することが、もしかしたら皆にとっては甘えになって、仕事ではなく仲間内の感覚になっていたかもしれない。本来のDリーガーとしての練習の質や環境はこれで良いのか?」と。その辺りから練習内容を細かく変え、メンバーもより一層前向きに取り組んでくれるようになりました。その時に初めて、ディレクターの重要性を痛感しましたね。 JUNさんが築き上げてきたレイザーズの凄さを、より深く理解できるようにもなりました。JUNさんのチーム作りや、先頭に立ってチームを引っ張る強い意思は、今の自分に足りないものだと感じました。レイザーズのブランディングにおいても、JUNさんのやり方は間違っていなかった。JUNさんのやり方やチームブランディングを、僕なりにシフトしていこうと考えましたが、今は自分の軸はブレずに、改めてJUNさんが築き上げてきたスタイルの強みを活かし超えていく事が重要と考えています。ディレクターの仕事は、チームプロデュースも担当します。メンバーを頼る部分もあれば、スタッフとの話を全てメンバーに伝えるわけでもない。メンバーの意見を聞きすぎると迷いが生じることもあり、一人で抱え込むことが多かったです。プレイヤーとしても活動しているので、思考が追いつかない時もあり、正直投げ出したくなることも多々ありました。ただ、そんな中でディレクターとしてどう進むべきか、新たな気づきを得られたことは間違いありません。 課題と改善点|次シーズンへのコミット ― D.LEAGUE25-26シーズンに向けて具体的な課題感や改善点についてはいかがでしょうか? KTR:一番の課題は、チーム全員が「一つのことに意思を向ける」ということです。これはディレクターが背中で示していかなければならない部分であり、勝利だけでなく、D.LEAGUE全体を盛り上げるという意識も重要です。24-25シーズンは勝てなかった理由としてルール変更に僕たちが最後まで対応できなかったと感じていますが、最も大きな理由はD.LEAGUEにコミットしきれていなかったことだと考えます。KRUMPという自分たちの表現したいものを追求しすぎて、D.LEAGUEのルールや駆け引きに対応しきれていなかったと感じました。例えば、KRUMPの比率を80%ではなく60%に抑え、新たな要素を取り入れてバランスを取るべきでした。試合ごとの作品テーマや戦略も、今思えばもっと工夫できたはずです。 僕たちが表現したいものはステージ上でお見せできたと思いますが、それが“勝つため”に120%活かされていたかと言われると、そうではありませんでした。「自分たちがKRUMPを通じて認められたい」という意地やプライド、迷いがあったように感じています。メンバーのマインドについては、勝ちへの貪欲さは皆持っていたと思いますが、D.LEAGUEにかける熱量のバランスが異なっていたメンバーもいたと感じています。全員が最高の熱量を持っていれば相乗効果が生まれ、「あいつが頑張っているから俺も負けてられない」という意識が生まれます。チーム結成から5年が経ち、その意識がなあなあになってしまっていた部分もあったと感じています。ただその原因は、ディレクターである僕がしっかり示せていなかったことにあると猛省しています。例えば、レイザーズのYouTubeチャンネルでは現在新メンバーオーディションの様子を配信しているのですが、元メンバーであり、オーディションに参加しているTAICHI(Tiny Twiggz)から「正直生ぬるいメンバーもいるように思う。俺は全員本気のメンバーとやりたい。」という言葉を言われて自分の中でも深く考えたんですよね。練習の質や時間の使い方にも問題があったし、今後の具体的な改善点は明確にわかっています。 オーディションの様子 Dリーガーとしての5年間|困難を乗り越える原動力 ― ご自身はDリーガー以外にもアーティスト活動など様々な領域で活動をされ、ダンサーとしてのライフワークバランスも難しいと感じますがDリーガーを続けていられる理由は何だと思いますか? KTR:難しい質問ですね‥。なぜ続けられるかというと、シンプルに「ダンスが好きだから」だと思います。もちろん辛いと思うことはありますが、本当に辞めたいと思ったことは一度もありません。正直、休みたいと思うことはあっても“この環境が当たり前ではない”と常に感じているから、Dリーガーを辞めるという選択肢はこの5年間僕の中では生まれませんでした。とはいえ、自分の人生の5年間をD.LEAGUEに捧げ、24時間をコミットするというのは、簡単なことではありません。それでも僕が続けてこれたのは、まず「TWIGGZ FAM」という昔からの仲間がいる母体があり、KRUMPというジャンルに根ざしているからだと思います。JUNさんに誘われてD.LEAGUEに入ってからも、ずっと一緒に切磋琢磨してきたメンバーがいるからこそ、環境的に居心地が良いというのはあります。 D.LEAGUE開幕当初は勢いしかなかったように感じます。「何だか凄いことが始まった」「このまま D.LEAGUEは盛り上がる」と、シーンのことや自分がダンスで表現することに必死で、スポンサー様からの支援の重要性をあまり考えて来れなかったように思います。しかし、5年が経ち、その「当たり前ではない」という感覚は常に僕の頭にあります。僕自身も活動を通じて、影響が広がっていることを実感することもあります。昨日も僕の地元の愛媛で「KTRさん!」と声をかけてくれる子どもたちがいました。「Dリーガーになりたい」という声を聞くと、それが大きな原動力になります。だからこそ、メンバーの年俸も上げたいし、僕たちが輝いている姿を見せたい。子どもたちがDリーガーになりたいと言ってくれることが、僕の1番のモチベーションです。今は自分たちの意地やプライドを捨てて、“D.LEAGUEで勝つ”ということを最大の優先度にしコミットする決意があります。 初単独パフォーマンスイベント「REAWAKE」に込められた想い ― レイザーズとして初単独パフォーマンスライブが8/27に控えていると思いますが、開催目的について教えていただけますか? KTR:今回のイベントのテーマが「REAWAKE」なのですが、これは「目覚める」「再生する」「覚醒する」という意味合いが込められています。この苦しいシーズンを経て、僕たちが新たな形で目覚めるという思いもありますし、正直「14位は夢だった」という気持ちも乗っています。「俺らがそんなはずないだろう」という良い意味での強気な面も表現していきたいと思っています。 ― 今回のワンマンライブは、次のシーズンに向けて覚醒していくレイザーズの姿を見ることができるということですね。 KTR:そうですね。また、D.LEAGUEのステージではお見せ出来ないパフォーマンスも多く出していきたいと考えています。これまでレイザーズはD.LEAGUEのステージのみでパフォーマンスをし世界観を表現してきました。ファンミーティングを実施したことはありますが、それはどちらかと言うとダンスよりもトークがメインのファンとのコミュニケーションの場でした。今月に開催する初開催のワンマンイベントでは、D.LEAGUEのルール内では表現できなかったレイザーズの魅力を全力で出せる場所を作りたいし、それをファンの方を中心に届けたいという想いから企画した背景があります。また、これまでD.LEAGUEの会場には来たことがないけど、ダンスカルチャーが好きな方にも気軽に遊びに来れる場所も作りたかったです。僕たちは主にKRUMPにリスペクトをしているチームなのですが、その本来のKRUMPカルチャーの魅力も伝えられるイベントにもしたいと思っています。 ― 今回のイベントではD.LEAGUEで披露されたネタがベースになるとのことですが、具体的にどのような見どころがありますか? KTR:新たなKRUMPの魅せ方にもチャレンジしたショーケースを準備しています。これは僕たちにとってとても意義深い挑戦なのですが、それも全て僕たちの表現の幅を広げて、より多くの方々に届いて欲しいという想いから生まれました。それに加えて、僕たちがD.LEAGUEで闘い抜いてきたパフォーマンスを身近で体感いただけることや、レイザーズにゆかりのあるゲストパフォーマーの方々の出演も予定しています。あとは、普段見ることのできないメンバーそれぞれのソロパフォーマンスやコラボレーションや、現在行われている新メンバーオーディションの最終結果発表もイベントの中で行われます。レイザーズのファンの方はもちろん、そうではない方もきっと楽しんでいただけると思います。 -「KRUMP」と聞くと攻撃的な激しいイメージが先行しますが、今回のライブではまた違った側面のKRUMPを見ることができるのでしょうか? KTR:はい、そうですね。レイザーズは、KRUMPをいかに現代に消化するかを常に追求しています。本来KRUMPはバトル文化でありショーケースという文化はあまり浸透していませんでした。それをいかに一般の方にも伝えるかを積み重ねて、今の群舞でのD.LEAGUEのショーになっていると思います。僕たちは、KRUMPというものを現代の方々にどれだけ伝えられるかを深く考えています。KRUMPの可能性を今まで示してきたからこそ、今のショーの質が上がっていると思うんです。そういった一作品一作品が見られるところが見どころだと思いますし、レイザーズの魅力はそこにあります。自分たちが信じてきたKRUMPというものを消化し続け、ひとつ一つ最高の作品を作っているという自信があります。 ― 確かにそうですね。KRUMPで10人以上の群舞かつシンクロを交えたショーが見られるのはかなり珍しいのではないでしょうか? KTR:そうですね。レイザーズのような規模とスキルでパフォーマンスできるチームは、世界初なのではないかと思います。海外でも同じようなパフォーマンスはありますが、ショーの質が違うと思います。KRUMPのショーは日本が最強だと自負しています。そもそも日本人は群舞でのショーケースが強いことで知られていますよね。それはスキルも当然ですが、日本人としての繊細で真面目かつ協調性のある気質が大きく影響していると思います。そう言った意味でも僕たちならではのオリジナリティのあるショーケースをぜひ観にきて欲しいですね。 ― 最後に、読者の方やファンの皆様へメッセージをお願いします。 KTR:24-25シーズンは、レイザーズにとって過去最低の順位となり、悔しい結果に終わりました。ただ、この苦しい経験があったからこそ、僕たちは多くのことに気がつき、成長することができました。特に、ファンの皆様、スポンサーの皆様、そしてスタッフの皆様の支えがどれほど大きいものか、改めて痛感したシーズンでもあります。こんなに負けが続いても、僕たち以上に熱心な言葉をかけ続けてくれました。皆様の応援が、決して当たり前ではないことを胸に刻んでいます。初の単独イベント「REAWAKE」は、このライブを通じて、僕たちがこの苦しいシーズンを乗り越え、D.LEAGUEで「こんなもんじゃないぞ!」という姿を見せるための覚醒の瞬間を、ぜひ観にきていただきたいです。D.LEAGUEの舞台ではもちろん、レイザーズの単独イベントでも、KRUMPの新たな可能性を追求し、最高のパフォーマンスをお届けできるよう、チーム一丸となってこれからも邁進していきます。今後も、子どもたちがDリーガーになりたいと夢を抱いてくれるような、輝く存在であり続けるために、僕たちはD.LEAGUEに全力でコミットしていきます。レイザーズの挑戦はまだまだ続きますので、ここから更にギアを入れて加速する僕たちに期待をして欲しいです。それと、新たな挑戦でもあるワンマンで、気軽に声をかけていただけると嬉しいですね。レイザーズ全員で心よりお待ちしています! ※1)D.LEAGUE(ディーリーグ)株式会社Dリーグが運営する、日本発・世界初のプロダンスリーグ。2020年に設立され翌2021年に第1シーズンを開幕。ダンスをスポーツ競技とエンターテインメントとして融合させ、有名企業がスポンサーとなるチームが全12ラウンドのレギュラーシーズンを戦い、上位6チームがチャンピオンシップ(決勝トーナメント)へ進出して日本一を決定する。ファンによる投票も勝敗に影響する、新しい観戦体験を持ち味としている。 ◼︎KTRプロフィール日本の伝説的KRUMP CREWを継承すべく再始動した新生「RAG POUND」に所属し、Dリーガーとアーティスト活動を兼任する。また、世界最大級のKRUMP FAMILY「Twiggz Fam」の一員でもあり、日本KRUMP界を牽引する次世代の先駆者として、KRUMP界だけではなく多方面から支持を集めている。細やかでクリアな動きとキレのあるスキルフルなパフォーマンスを武器に、様々なコンテストやバトルに出場しては好成績を残し、国内に留まらず海外からの評価も高い。止めどなく繰り広げられる正確で丁寧なコンボやマテリアルに加え、抜群なリズミカリティーと無駄のない動きは圧巻で、見る者を釘づけにする世界レベルのパフォーマンスから、日本No.1 KRUMPERとの呼び声も高い。また、ダンスのみならず、その引き締まった体格とビジュアルを活かし、モデルや舞台役者としても活躍中で、東方神起などを筆頭にアーティストの振付なども担当する。FULLCAST RAISERZのディレクターとして、チームを勝利へ導く。 ◼︎1ST PERFORMANCE LIVE 開催概要開催日時:2025.08.27.Wed OPEN 18:00 / START 19:00会場:WWW X (東京都渋谷区宇田川町13−17 シネマライズビル B1F)チケット情報:*ページ下部の関連リンクよりご確認ください
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danceHarutoとCocoaが初優勝「Red Bull BC One Cypher Japan 2025」日本開催のWorld Final出場を懸けた戦いへ2025.08.17世界への切符を懸けた、日本最高峰の1on1ブレイキンバトル 2025年8月16日(土)、横浜・大さん橋ホールで、日本一を決める1on1ブレイキンバトル「Red Bull BC One Cypher Japan 2025」が開催された。 優勝したB-Boy、B-Girl各1名は、11月7日(金)に東京・両国国技館で行われる「Red Bull BC One Last Chance Cypher 2025」に出場。ここで勝ち上がった者だけが、世界中から選ばれたわずか16人の舞台「Red Bull BC One World Final Tokyo 2025」への切符を手にすることができる。 「Red Bull BC One」は、今年で22回目を迎える世界最高峰の1on1ブレイキンバトル。20年以上の歴史と伝統を誇り、世界30カ国以上で予選やプログラムが行われ、数多くの才能あるダンサーを輩出してきた。毎年、何千人もの挑戦者の中から、選ばれしB-Boy・B-Girl各16名のみがWorld Finalのステージに立つことを許される。 今年はその世界決戦の地が日本。今回の日本最終予選も、例年以上に国内外から注目が集まり、史上最高レベルの戦いとなった。 Takayoshi Shimoda / Red Bull Content Pool 歴代王者と若手精鋭が集結、豪華すぎるラインナップ 3月から行われた地方予選・学生予選には約990名がエントリー。勝ち抜いたB-Boy7名、B-Girl7名に加え、日本と世界のブレイキンシーンを代表する招待ダンサーが集結した。 B-Boy Taisukeは、世界的クルー「Red Bull BC One All Stars」の初代メンバーとして長年世界の最前線を牽引してきた存在。B-Boy TSUKKIは、国内外の大会で活躍する次世代のホープとして注目を集める。B-Boy NORIは、「Red Bull BC One Cypher Japan」で通算6回の優勝を誇るベテランであり、その実力は折り紙付きだ。 B-Girl YASMINは、2023年日本予選を制し、昨年のWorld Finalでは日本勢トップのベスト8入りを果たした。B-Boy NICOLASも同じく2023年日本予選優勝者、B-Boy Harutoは昨年準優勝の実力者だ。さらに、B-Boy AisatsuとB-Boy Steezyskeeは、独自のスタイルで観客を魅了する若手ダンサーとして存在感を放つ。 ジャッジには、韓国のレジェンドB-Boy Hong10、米国のB-Girl BETA、タイのB-Boy CHENOといった世界的ダンサーが名を連ねる。さらにゲストライブには、日本を代表するヒップホップグループRHYMESTERが登場し、会場の熱気を最高潮に引き上げた。 B-Boy Hong10のジャッジムーブ Jason Halayko / Red Bull Content Pool 新時代の幕開け。王者を倒し、ニューフェイスが切符を掴む 今回のB-Boyサイドは、ただ勝敗を決めるだけでなく、世代や関係性が交錯するストーリー性に満ちたバトルが続いた。 レジェンド・Taisukeは、自身のレッスンにも通った経験を持つ教え子のGEN ROCと対戦。約9年ぶりにCypher Japanへ復活を遂げた偉大な存在に対し、GEN ROCは完璧なムーブを披露し、3-0の完全勝利。敗れたTaisukeにも、会場からは割れんばかりの拍手と声援が送られた。 同じ九州をレペゼンする若手、SO-TAとAisatsuはTOP8で激突。近年、日本ブレイキンシーンで存在感を増している九州勢同士の注目カードは、Aisatsuが制し、次世代の台頭を印象づけた。 決勝カードは、奇しくも昨年と同じ顔合わせ。日本最終予選で通算6回の優勝を誇るNORIと、昨年決勝で敗れ涙を呑んだHarutoのリマッチとなった。世代が交差する対決は、1ムーブ目からNORIが会場を大きく沸かせ、空気を掌握したかに見えた。しかしHarutoは最後まで揺るがぬパフォーマンスを続け、最年長ながら一切衰えを見せないNORIを撃破。幾度となく挑み続けてきた舞台で、ついに悲願の初優勝を飾った。 FinalでのHaruto Jason Halayko / Red Bull Content Pool 一方のB-Girlサイドは、まさに世代交代を象徴するようなトーナメントとなった。YuikaがベテランのERi FeNeSiSを初戦で破り、さらにSHIE-CHANも2回戦でHIYOに敗れるなど、長らくシーンをけん引してきた実力者たちが次々と姿を消した。フレッシュな勢いがトーナメントを席巻した。 決勝は、Cypher Japan優勝やWorld Final出場経験を持つ実績十分のYASMINと、この数年で日本選手権やアジア選手権を経て頭角を現したCocoaが対戦。貫禄あるYASMINに真っ向から挑んだCocoaが勝ち切り、初優勝を果たした。 B-Boy、B-Girlともに、過去に優勝や世界挑戦を経験した実力者が次々と敗れ、新たな挑戦者が切符を手にした今年のCypher Japan。Red Bull BC One Japanの歴史に、新たなページが刻まれた瞬間だった。世界を相手に挑むニューフェイスたちが、どんな戦いを見せるのか。期待は高まるばかりだ。 Jason Halayko / Red Bull Content Pool Harutoコメント「思い入れのある相手とのバトルが多かったです」 Jason Halayko / Red Bull Content Pool 今日の感想を教えてください決勝の相手が去年と同じNORIさんで、去年は負けて本当に悔しくて、そこからめちゃくちゃ練習してきました。ただ今日の決勝では、正直自分を出し切りきれなかった部分もあって、最後の詰めの甘さが課題だと気づけたのは良かったです。 勝てた要因はなんだと思いますか?今日は僕にとって思い入れのある相手とのバトルが多かったです。NICOLASさんは初めてBC Oneに出た時に負けた相手で、TSUKKIは昔からライバルとして戦ってきた存在。思い入れのある相手が多かったからこそ感情が入って、それがうまくダンスにつながったのが勝因だと思います。 ラストチャンスサイファーの意気込みは?個人的な弱点で、決勝になると出し切れなかったり、尻下がりになってしまうことが多いので、ムーブの追い込み練習をして、最後まで諦めずに詰め切れるようにしたいです。ワールドファイナルは、ダンスを始めてからずっと目指してきた「夢の舞台」。師匠のKAZUKIさん、同じチームメイトのISSIN、同じ地元のHIRO10などが先に経験していて、自分もいつか立ちたいと思っていた場所です。今回挑戦するチャンスが巡ってきたので、日本代表として胸を張って戦い抜けるように、さらに準備を重ねていきます。 Cocoaコメント「日本代表として胸を張って、精一杯戦いたい」 Jason Halayko / Red Bull Content Pool 今日の感想を教えてください今日までサポートしてくださった方々のおかげで、最後までベストコンディションで踊ることができました。嬉しい気持ちもありますが、それ以上に感謝の気持ちが強いです。 勝てた要因はなんだと思いますか?日本最終予選という大きな舞台で、正直かなり緊張しました。ですが、落ち着いてこれまでのことや応援してくれた人たちの言葉を思い出し、目の前のバトルに集中できたことが勝因だと思います。 ラストチャンスサイファーの意気込みは?これまで先輩方が築いてきた「日本は強い」という評判を崩さないよう、日本を背負う気持ちで挑戦したいです。ワールドファイナルは、ブレイキンを始めた頃は夢のまた夢でしたが、今日その舞台に挑戦するチャンスを得られました。日本代表として胸を張って、自分をもっと表現し、精一杯戦いたいです。 両国国技館へ、世界の舞台への挑戦 国内予選を勝ち抜いた代表は、11月7日のLast Chance Cypher(世界最終予選)に挑む。ここを突破すれば、同9日、両国国技館でのWorld Finalで世界16人の舞台に立つことになる。今年のWorld Finalには、B-Girl AYUのほか、Red BullダンサーのShigekixとIssinが招待ダンサーとして出場を決めており、日本勢の活躍に期待が高まっている。Cypher Japanで生まれた新たな挑戦者たちが、磨き上げたスタイルで世界にどう挑むのか。その瞬間は、まもなく訪れる。 The Moments Of「Red Bull BC One Cypher Japan 2025」 Takayoshi Shimoda / Red Bull Content Pool Takayoshi Shimoda / Red Bull Content Pool Jason Halayko / Red Bull Content Pool Jason Halayko / Red Bull Content Pool Jason Halayko / Red Bull Content Pool Jason Halayko / Red Bull Content Pool Jason Halayko / Red Bull Content Pool